【くさりがま】

Last-modified: 2024-03-10 (日) 04:54:40

概要

DQ2で初登場した【武器】。鎖鎌。
後発シリーズほど値段がインフレする謎の武器。
 
草刈り鎌に鎖分銅を取り付けたような形状をしている。字面的には草刈り鎌(くさりがま)より1文字少ない。
【公式ガイドブック】等の説明では「鎖で敵を絡め取ってから鎌で斬りつける」や、「鎌の方を敵に投げつける」など様々な用法があるのも特徴。
【戦士】など前衛型のキャラクターは鎌の部分メインで斬撃を行い、刃物を扱えない【僧侶】や後衛のキャラクターは【チェーンクロス】のように分銅などで攻撃しているのかも知れない(当然ながらヒット時のエフェクトは斬撃系で固定ではあるのだが)。
ちなみにDQの鎖鎌で「鎌を投げる」ことが出来るのは、そのために鎌の部分を軽量化している為らしい。
 
現実の使用例などに関してはページ下部にて余談としてまとめているが、かなり癖のある武器である。
そもそも何でこんなマニアックな武器がドラクエ世界では量産されているのかも不思議だが、ゲーム序盤=モンスターの弱い地域=農具を改造した武器も実用されている土地柄、という密かな表現だったりするのだろう。
実際、スマホ版以降のDQ2では「農夫の自衛の武器」という説明がついている。ということはこの武器で【イネカリぎり】を……?
 
あるいは単に、これと同時期に購入できるようになる【くさりかたびら】との語呂合わせ(頭韻)を意識したという気がしないでもない。
そうでなければDQ1のてつのおのと同様に「てつのカマ」あたりで済むはずだ。
鉄よりも1ランク軽い立場の「鎖シリーズ」の武器ということで、こういうユニークな武器になったのかも知れない。
 
現実ではマイナーな上に使い辛い武器だが、DQ世界ではかなり多くのキャラクターが装備できる仕様で、特にDQ3・DQ4では呪文攻撃中心の非力なキャラ以外は全員が装備可能となっている。
基本的に「【どうのつるぎ】から【はがねのつるぎ】までの繋ぎ」といった立ち位置にある武器である。
 
序盤地域では最強の購入武器というケースもあるが、【勇者】達がこれを構える姿にミスマッチを覚えるのもやむを得ない。
しかも大抵コストパフォーマンスがあまり良くないため、人気はイマイチ。
なお、武器スキルシステムが導入されたDQ8以降は、この手の特殊武器は軒並みハブられてしまった…。
DQ8には【鎌スキル】があるが、ジャラジャラと鎖がついたデザインが災いして登場できず。
似たような立場の【おおばさみ】は大きく見た目を変えて両手剣名義で再登場を果たしたが、こちらは名前に「鎖」がついているので、他の鎌の仲間入りは果たせていない。

DQ2

初登場。攻撃力は15で値段は390G。
【リリザ】【ムーンペタ】で買え、【ローレシアの王子】【サマルトリアの王子】が装備可能。
値段は多少高いが、【ローラの門】を抜ける以前では最強の武器。これがあると【湖の洞窟】攻略が若干楽になり、【はがねのつるぎ】までの繋ぎとして活躍できるので、ローレシア王子にはぜひとも購入してあげよう。
 
非力なサマルもこれがあれば多少のダメージが期待できるようになる。
価格に見合ったダメージとは言い難いかもしれないが、本作はじっくりレベルを上げながら進めた方がよいゲームバランスになっているので、これと【くさりかたびら】を2人分購入できるぐらいまでレベリングしてムーンペタ方面へ向かった方が無難だろう。
もちろん、レベル上げなんてやってられないぜ!という猛者ならばそのまま【マンドリル】ゾーンへ旅立つのも一興かもしれない。
 
【大灯台】の宝箱からも入手できるが、時期的に使い道は無いので金策に役立てよう。
また【グール】が結構な確率で落とす。くさり(腐り)違いじゃ……

リメイク版

価格は330Gになり、【サマルトリア】でも販売している。

DQ3

攻撃力24と高めだが値段も550Gと結構高めに設定されている。
【魔法使い】以外は全てのキャラクターが装備できる。
ただし、【武闘家】が装備すると攻撃力が12下がる。
【レーベ】で販売されており、【アリアハン】大陸最強の武器だが、アリアハンで550G貯めるのは正直キツイのでスルーされがち。
【ロマリア】まで行くと、これより上の【てつのやり】や鋼鉄の剣が買えてしまう。
だが、当時は難関のいざないの洞窟対策として入念な装備固めする人も多く、ここで頑張った人はロマリアに突入後もさらに金策に追われることになる。
ちなみに、FC版の公式ガイドブックには【いざないの洞窟】の到達レベルが勇者Lv9となっており、仮に勇者・戦士・僧侶・魔法使いの標準パーティで鎖鎌を含めたアリアハンの最強装備を全員に買い与えたとしてもこのレベルには届かない。
つまり、それぐらい極端なレベリングをする人であれば、余裕で買えるだろう。
 
勇者ロトと仲間たちの出会いを描いた『ロトの紋章外伝 ここより永遠に』の冒頭では魔法使い率いるモンスター集団に襲われたアリアハンの旅人がくさりがまで応戦しているが、投げつけた分銅をあっさりかわされている…

リメイク版

320Gとお求めやすい価格になった一方で攻撃力は16に後退した。
銅の剣の3倍以上するわりに攻撃力は4しか違わないので、FC版の【とげのむち】より割高感がある。
しかも、棘の鞭が強化されて、アリアハン大陸最強でもなくなった。
上位武器の鉄の槍や【はがねのつるぎ】も値下がりしたので、やはりスルーしてもいいかもしれない。
ただし、FC版よりもかなりお金自体は貯めやすくなっているため、購入するのはそれほど難しくはなくなっている。
 
ちなみに、武闘家は爪以外の武器を装備すると攻撃力が武器攻撃力値の半分だけ減少するはずなのだが、減少値がFC版だけでなくSFC版でも12となっている。
これは単純に修正ミスだったのか、GBC版では減少値が8になった。
このような武闘家が装備した際に減少する値の修正ミスは【てつのやり】【てつのオノ】でも見られる。

小説版

【ポルトガ】で商人のサバロを襲撃したならず者たちが装備していた。
パーティが手にすることはない。

DQ4

攻撃力+20、値段は550G。
前作に比べて攻撃力は4も下がったのに、値段は据え置きとなってしまった。
【ブライ】【マーニャ】以外の全キャラが装備可能で、各章の序~中盤の町で販売している。
販売品の中では、ライアンにとっては【てつのやり】、アリーナにとっては【てつのつめ】に次ぐ攻撃力を持つ。
前作までのような「最初の大陸で最強の武器」というポジションではなくなったが、一応【イムル】とは川で隔てられているので、三方を岩山に囲われた【バトランド】では最強と言えなくもない(普通はこれを買う前にイムルへ渡るので意味はないが)。
アリーナに限ってはサントハイムの大陸で最強の武器ということにはなる(お供の2人はもっと良い武器を調達できるが)。
しかし、200G安い【ブーメラン】(リメイク版は【クロスボウ】)と攻撃力が2しか違わないが、【さえずりの塔】の攻略の準備としてレベルを上げつつ貯まった資金で買い物をするのであれば、十分無理なく手の届く価格である。
鉄の爪が買えるのは2章最終盤であり、多少コストパフォーマンスが悪くともアリーナの攻撃力を少しでも上げておく手も決して悪くない。
3章では【レイクナバ北の洞窟】で落ちているものを早い段階で手に入れられるため、初期装備に武器が無い【トルネコ】にとっては序盤から中盤までお世話になるだろう。
最初は簡単な防具だけを買って素手で逃げ続けて、これを入手してから攻撃を始めるのもアリかも。
【レイクナバの武器屋】でバイトしているときに客が売りにくるレギュラー商品ではない武器の一つでもある。
4章では【コーミズ西の洞窟】攻略前は実質的な選択肢の中ではこれが最強の武器になる。コストパフォーマンスは記述の通りだが。
もっとも安全圏までレベルを上げてから洞窟に突入するスタイルであれば資金に余裕ができるので、万全の体制で臨むなら手が届かないこともない。
5章では【ブランカ】には売られておらず、エンドールまでたどり着けば後述のように装備はどうにでもできる。
そのため初見プレイヤーでもなければ、上記以外のキャラに装備させることはあまりないだろう。
 
上記のレイクナバ北の洞窟のものを取らずに残しておけば5章の【勇者】に回せるが、そもそも【女神像の洞窟】にもっといい【はがねのつるぎ】が転がっているので、武器としては役に立たない。
売値412Gはわざわざ拾いにいく労力に見合うか微妙だが、五章序盤に少しでも小遣いを稼ぎたい場合は持ち越すのもありだろう。
ちなみに、レイクナバの武器屋の【さいごのかぎ】で守られた倉庫の宝箱にも後生大事にしまわれている。五章では武器屋の売り物にもなっていない(トルネコが仕入れた分はなくなる)ので、親方には何か思い入れがあるのかもしれない。
 
PS版の移民の町では最終形態を【グレイトファーム】にした時にコレが販売されている。
今さら用のないアイテムだが、まさか町の農民たちはこれで草刈りや刈入れを行っているのだろうか?

小説版

ミネアが使用している。最初は鎌の方を振り回してマーニャに「危ない」と言われていた。
コーミズ西の洞窟でエドガンの無残な死体を目の当たりにし、マーニャ共々八つ当たり気味に魔物の群れと戦う頃には鎌を振り回すスタイルは変わらねど自在に使いこなしていた。

DQ5

攻撃力は27とかなり上がったが、その分値段も900Gと跳ね上がった。
販売は【オラクルベリー】【アルカパ】のみ。
効果範囲は敵一体。本作の世界では鎌を手に持って直接斬りつける方が主流の様だ。
しかし、この作品以降は複数攻撃武器に押されがち。特に入手時期が被っている【やいばのブーメラン】には劣勢。
【ヘンリー】【イエティ】など多くのキャラが装備可能だが彼らにはもう少しゴールドを貯めて【チェーンクロス】などを装備させた方が良い。
 
【ラインハットの関所】を抜ける前に【スライムナイト】を仲間にした場合はこれがこの時点での最強武器になる。
はがねのつるぎと比べて値段が半額以下で、攻撃力が6(実ダメージ3)しか違わないので、お金に余裕がなければ、こちらでしばらく粘る選択肢もある。
 
『ドラゴンクエスト5 知られざる物語』の裏表紙では、これを手にして魔物と戦っている【ヘンリー】の姿が見られる。
こちらはちゃんと分銅を振り回しているスタイルである。

DQ6

攻撃力は27で格好よさ+13、値段はついに4桁越えの1100G。DQ4の2倍……。
【主人公】【ハッサン】【アモス】【テリー】の他、仲間モンスターでは【装備グループ】C(【リップス】等)D(【どろにんぎょう】等)、F(【ドランゴ】等)が装備できる。
【サンマリーノ】などの武器屋で購入できるので、ちょうど【透明】状態が解けて、やっと買い物ができる!と意気揚々と購入したくなるが、これが大きな罠。
同時に解禁される【トルッカ】の武器屋にはもっといいものがずらりと並んでいるし、それに気づかなかったとしても、すぐに【定期船】で海を渡った先の【レイドック】やボス戦もダンジョンも挟まず辿り着く【アモール】でやはりランクの高い武器が売っている。
まあ、仮に間違って買ったとしても売れば差額は275Gなので、活躍がわずかな期間でもそこまで大きな損にはならない。
いずれにせよ、一周目ならともかく二周目以降のプレイヤーは歯牙にもかけやしないだろう。
【牢獄の町】の囚人居住区の樽の中からも1つ手に入るが、ただでさえこんな誰からも見向きもされないような武器が何でこんなシナリオ最終盤で…。
 
かの有名な【クワこうげき!カマこうげき!!】があるが、さすがにこちらではなく普通の鎌だろう。

DQ7

攻撃力27で格好よさ+13と性能は前作据え置きなのに値段は1700Gとさらに上がった。
【キーファ】【ガボ】【アイラ】【メルビン】が装備可能。ただしガボが装備すると攻撃力が13低下する。
初登場は過去【旅の宿】の武器屋。【ふきだまりの町】でも売っており、【牢獄へ続く洞窟】でも1個拾える。
 
本作では見事に空気と化していて、存在自体が無意味と言っても過言ではない扱いになっている。
理由としては、購入できるようになった旅の宿(過去)の時点では既にキーファは離脱後で装備する機会は無い。
メルビンとアイラは加入がずっと後であり、アイラは言うに及ばず、メルビンですら初期装備でくさりがまよりも強力な武器を持っている。
唯一、初登場の時点で装備できるガボは装備したら逆に弱くなってしまうので装備する理由が一切無い。
 
この不自然な設定を見るに、本来はダーマ編まではキーファは同行するはずだったのかも知れない。
吹きだまりの町では攻撃力が6上で主人公も装備できる鋼の剣を売っているが、あちらは1000ゴールドも高いので、キーファがいるなら安価な強化手段としての選択肢としてあり得たかも知れない。
尤も、DQ7はどう考えても使い道がない武具が結構存在するので大した理由はないのかも知れないが…
 
一応、キーファ離脱前に移民の町を第6段階まで持っていけば武器屋で購入可能だが、その場合、同時により攻撃力の高くほぼキーファ専用装備の【おおかなづち】が売っている。
まぁ、いずれにせよ他のキャラに使い回せないので買わない方が無難。

リメイク版

配信石版の【ドキドキのパーティ】に登場する【グール】がドロップするため、キーファがいるうちに入手することも比較的容易にはなった。
しかし、敵からのドロップを狙うなら【しりょうのきし】がドロップする【はがねのつるぎ】【からくり兵】が落とす【てつのオノ】の方が性能がいいので狙うメリットはない。
結局、本作でも待遇にほとんど変化はなく、実質的な装備可能者がいない空気っぷりはいっさい変わらず。
ちなみに、装備させた際の攻撃モーションは斧系統と同じただ持って斬りつけるだけで、あまり鎖鎌っぽくない。
というか、そもそも装備時の見た目がどう見てもただの【鉄のかま】。鎖部分はいずこに……?

DQ10オンライン

ドレスアップ用の課金アイテムとして、2016年9月23日よりDQXショップに登場(ヒーローズ2よりも後の実装)。
ムチの見た目をこれに変更できるが、鎌の方を投げるモーション。

ヒーローズ2

【トルネコ】の特技として復活。消費MPは通常が8、改が13、極が19。
くさりがまを振り回して攻撃する。溜め継続中は鎌を振り回し続け、その部分は攻撃判定が出る。
突進から出した場合は振り回しながら暫く走り続けた後に停止しその場で振り回し続ける。
通常や改の段階ではイマイチだが、極になるとヒット数、攻撃範囲、リーチに優れ、トルネコ屈指の広範囲攻撃となる。
溜め解放後に大きく振り回している時の攻撃は先端から手元まで全てに判定が存在し多段ヒットする為、大型の敵相手にはモリモリヒット数が伸びる。
しかしその代償として、トルネコの特技の中では全体隙がずば抜けて大きく、硬直も長い。
更に、この特技では会心の一撃が発生しない(時空の迷宮の会心発生率アップエリアでも全く出ない)事から、ダメージの低さも相まって消費の割に火力は低め。
本当に格下の雑魚狩りには便利だがそういった用途に適した特技は他にもあり、強敵相手では隙の長さや消費等コスパが悪い。
単純な特技としては【はかいのてっきゅう】が全体的に優れている為、この特技を使う場合はその範囲とヒット数によるテンションゲージ回収力の高さを活かしていきたい所。

トレジャーズ

【お宝】の一つとして登場。

お宝No.164
レアリティジャンク
カテゴリーヒストリー
コレクション武器
標準価格90,000G

余談

現実世界では帯刀できない農民が護身用武器として考案したもの。
フィクションの世界では、戦国時代前後を舞台とした剣豪ものや忍者題材で広く知られるようになった。
現代でも各地の忍術や兵法流派で、これの扱いを伝える所が散見される。
 
実際の使い方としては、基本的には鎖分銅の方がメインでこれを振り回して打ち据えたりする。鎌の方は懐に飛び込んできた相手への対処や鎖で絡め捕って引き寄せた相手を斬り付けるときに使用する懐刀的なポジションになる。
ちなみに鎖分銅自体の扱いもかなり難しく、慣れないうちは事あるごとに自身に当たって痛い思いをすることになる。
 
フィクションでは豪快に振り回したり鎌を投げつける使い方をされることも多いが、実際は鎌を投げつけたりガンガン振り回したりはしない。
鎌の投擲については投げ付けた刃で急所を的確に斬り付ける超絶技量でも持たない限り、鎌より重さがある分銅を叩きつけた方がずっと強力である。
闇雲に振り回すのは鎌、分銅関係なしに敵だけでなく自分たちの陣営に対しても危険すぎるので論外である。
前述のように、小説ドラゴンクエスト4でもマーニャが鎌の方を振り回そうとした【ミネア】に慌てて突っ込みを入れている。(ミネアにとってはこの使い方がデフォなのか、CDシアターの挿絵でも鎌の方を振り回している。非常に危険なので読者諸君はやめておくこと)
現実にも分銅の方を持って鎌を投擲する流派もあるらしいが、実際にはかなりの技量が要るのだろう。
ちなみに他のフィクション作品では鎖の両端が鎌になっていてそのどちらをも振り回す武器も存在する。
鎌を大型化して鎌の方も十二分な殺傷力を持つ武器とする大鎖鎌なんて物もあるが、リスクがデカすぎるのでやめた方がいい。
 
2014年5月に放送された「水曜日のダウンタウン」にて、お笑い芸人のケンドーコバヤシが「鎖鎌最弱説」を提唱し、検証されたことがある。
そのときは「棒術」「トンファー」「ヌンチャク」「三節棍」「十手」と鎖鎌の6種の武器の使い手が負け残りのトーナメントを行い、見事に最弱武器に輝いた。
ただし、あくまでも実戦ではないルールありのスポーツの形であったこと、使い手の力量の差、実際の鎖分銅の殺傷力や破壊力等が考慮されないことなどから、あくまでも参考記録である。