目次
当ページの解説画像はゲーム内のKSPediaから引用しています。
当ページの数式画像はKSP公式Wiki(英語)より引用しています。
コムネットとは
- コムネット (CommNet) はV1.2で導入された通信システムです。以前の通信システムを刷新し、人工衛星等によるリレー通信が可能になりました。
- プレイヤーは適切にアンテナ、人工衛星やロケットを活用することでトラッキングステーションを軸とした通信ネットワークを構築することができます。
以降、DSNという名称が頻出しますが、DSN = トラッキングステーション のことと捉えて問題ありません。 - コムネットは各種実験やクルーレポート、カーブネットにより得たサイエンスポイントや情報を送信するために必要となります。
設定によっては通信の切断によって無人機の操縦やマニューバ作成ができなくなることもあります。 - リレー通信が可能になり便利になる一方で、天体により通信が遮られてしまうため天体の裏側との通信が困難になります。
Kerbin上には多数の通信施設があるためKerbin周辺の場合は問題が起きにくいですが、他天体に遠征すると様々な影響が出てきます。
これを解消するためには何らかの方法で天体の裏側にも通信が届くようにリレー通信網を構築したり、天体の裏側の時は通信ができなくても問題のない機体設計やマニューバを組んだり、緑を搭乗させて操縦できるようにしたり…と考えて工夫する必要があります。
長い!3行で!
せっかちな人へ
- 設計及び資金に余裕があれば通信距離に関係なく大型で通信距離の長いアンテナを取り付けましょう。
- 中継させたい場合は中継アンテナが必須です。
- サイエンスをたくさん稼ぐには信号強度が重要です。サイエンスデータを送信する機体に直接通信アンテナと中継アンテナの両方を搭載するとオイシイです。''
インターフェース
ゲーム画面左上のインターフェースより、コムネットの通信状況を確認することができます。
特に確認すべきはコントロールリンクの部分で、この場所のマーク及び色により操作できる範囲を知ることができます。
緑色の完全制御の場合は全ての操縦が問題なく可能であり、黄色の場合は制限有り、赤色の場合は制御不能となります。
無人機における赤色の制御不能は基本的に避けるべき状態であり、通信範囲外に行ったために起きた場合は完全に制御不能のデブリとなる可能性があります。
黄色の場合は通信状態の悪化、乗員のLv不足、低レベルの制御しか対応していない制御ポッドを使用しているため 等
様々な要因が考えられますので切り分けて原因を探す必要があります。
実験データの送信
コムネットを通じてカービンに実験データを送信することができます。
この時、信号強度に応じてサイエンスポイントに最大40%のボーナスが発生します。
信号強度は全中継点の信号強度の積で算定することができます。(詳細は後述)
深宇宙探査で多くのサイエンスポイントを得るためには、リレー通信衛星等を用意し適切な通信網を築くことが重要となります。
また、データ送信する際毎秒電力を大量に消費します。基本的に長距離通信のできるアンテナほど大量の電力を必要とします。
電源設計の際はこの点をよく考慮に入れましょう。
アンテナの通信範囲
アンテナの通信範囲は単純な通信距離ではなく、お互いのアンテナの各出力の積の平方根 (幾何平均)で算出されます。
詳細は後述。
KSP内のアンテナ及びアンテナ付きコマンドポッドにはそれぞれ定格出力が設定されており、クラス分けされています。
また、トラッキングステーション(TS, DSN)にもレベル毎に定格出力が設定されています。
それぞれの定格出力は以下の通りです。
- トラッキングステーション
- Lv1: 2G
- Lv2: 50G
- Lv3: 250G
- アンテナ
- クラス0: 5k
- コマンドポッド全般 サイエンスデータ送信不可
- クラス1: 500k
- コミュノトロン16, コミュノトロン16-S,
プロボドダイン実験制御ステーション(DLC: Breaking Ground Expansion),
コミュノトロン・グラウンドHG-48(DLC: Breaking Ground Expansion)
- コミュノトロン16, コミュノトロン16-S,
- クラス2: 5M
- HG-5 ハイゲインアンテナ
- クラス3: 2G
- コミュノトロンDTS-M1, RA-2中継アンテナ, MPO探査機(プローブ)
- クラス4: 15G
- コミュノトロン HG55, RA-15中継アンテナ
- クラス5: 100G
- コミュノトロン 88-88, RA-100中継アンテナ
- コミュノトロン 88-88, RA-100中継アンテナ
- クラス0: 5k
最大通信距離は以下の式で計算することができます。
Range: 2つのアンテナがお互いに通信できる最大距離 (m)
Vessel1 & Vessel2: 通信するアンテナのそれぞれの定格出力
この計算により算出された距離が以下の画像に纏められています。
この表と通信元と通信先のアンテナ性能、距離を照らし合わせ適切なアンテナを選ぶ必要があります。
- 例: MunとKerbinで直接交信したい時。
Munとの距離は約12Mm。トラッキングステーション(TS) レベル1の発射場(TSレベル1)の場合…
クラス0だと3.1Mmしか通信できず距離が足りない。クラス1だと31.6MmなのでMunまで届く計算になる。
よって、コマンドポッド以外にクラス1のアンテナの何かを付けないといけないと判断できる。
また、この最大通信距離はパーツ説明文のアンテナの画面でも確認できます。
対レベル1DSN通信範囲 = TSレベル1 の対応となっています。
この画面ではアンテナ同士での通信に関して書いていない為、アンテナ同士での通信の際はクラスを確認しつつ検討しましょう。
信号強度について
コムネットにより送信されたサイエンスポイントは信号強度により算定されると前述しました。
信号強度はアンテナ間の距離が0の時100%となり、最大通信距離では信号強度が0になります。
信号強度は以下の通り計算されます。
1, 相対距離を計算します。 (結果が0.0~1.0の間であること)
- Distance From Link Point ... 2点間の通信距離
- Maximum Range ... 2つのアンテナ出力から求められる最大通信距離
2, 上記の結果をベジェ曲線式に代入する
上記式をグラフにしたものがこちら。
3, 算出した数値を百分率に基づいて%換算すると、それが信号強度となります。
グラフを見ると分かる通り、信号強度が50%を割るまでは距離に比して信号強度の減少は緩やかですが、50%を割ると信号強度の減少が著しくなります。
一つの目安として最大通信距離の50%程度で通信することを念頭に設計すると良いかもしれません。
もちろん通信ができれば良いだけであれば50%以下になっても良いでしょうし、
コムネットによるサイエンスポイント送信ボーナスを得たい場合には信号強度を高く維持する必要があります。
前述しましたが、信号強度はリレーした全ての通信に於いての積となりますので、1箇所でも中継品質が悪いところがあれば全体に悪影響を及ぼします。ご注意ください。
中継アンテナ、リレー通信(中継) の仕様
中継アンテナを搭載した機体を使うことで弱い通信をブーストしたり、天体に直接通信を遮られた際に通信を中継して途切れないようサポートすることができます。
- リレー通信を利用するには中継アンテナ, 無人機コア, 適切な電源を搭載した機体が必要です。
- リレー機能を持つアンテナは以下の4つ。
- HG-5 ハイゲインアンテナ
- RA-2中継アンテナ
- RA-15中継アンテナ
- RA-100中継アンテナ
- 機体からサイエンス送信する際と違い、データの中継には電力を消費しません。
- ゲームの仕様上、強力な中継機が近くにあったとしても、常にKerbinへの直接接続が優先されます。
- リレー機能を持つアンテナは以下の4つ。
- リレーアンテナと直接通信アンテナを同じ機体に装着することで、アンテナの定格出力を増大させることができます
- 例えばRA-100中継アンテナとコミュノトロン88-88を同時装着した機体でトラッキングステーションLv3と交信した場合、
機体側の出力はRA-100(100G) + 88-88(100G)で出力200Gとして扱われます。
これによりトラッキングステーションレベル3との最大通信距離は単体の場合は158Gmですが、同時装着で223.6Gmまで伸び、信号強度も増すことになります。
但し、これは同時装着した機体にのみ適用され、別機体がこの機体のリレーアンテナを使ってリレー通信を行った場合、この仕様は無視されます。
- 例えばRA-100中継アンテナとコミュノトロン88-88を同時装着した機体でトラッキングステーションLv3と交信した場合、
発展: 複数アンテナ組み合わせ(アンテナアレイ)
直接通信アンテナか中継アンテナかに関わらず、機体が複数の組み合わせ可能なアンテナを持つ場合、アンテナの定格出力は以下の式で計算可能です。
- Vessel Power ... その機体全体のアンテナ定格出力
- Strongest Antenna Power ... その機体の中で最も強いアンテナ1個の定格出力
- Sum of Antenna Power ... その機体に搭載されているアンテナ定格出力の合計
- Average Combinability Exponent ... 組み合わせ可能性指: 通常 0.75となっており、コミュノトロン 16は1.0, コミュノトロン16Sは0.0
0.75と1.0が混在する場合は計算が必要です。本家Wikiから探してみてください。(条件が特殊すぎるのでここでは解説しません)
例: HG-5 ハイゲインアンテナを4つ搭載した機体の定格出力は…
5M x (5M x4 /5M)0.75 = 5M x 2.828 = 14.14M
つまり、14.14Mの出力を持つアンテナとして利用することができます。
個数を変えてざっと計算すると (括弧内は1個の場合と比較して)
- 2個: 8.41M (168%)
- 3個: 11.395M (228%)
- 4個: 14.14M (282%)
- 6個: 19.17M (383%)
個数を増やせば出力は向上しますが、個数に比例して電力消費と重量が増えることを考える必要があります。
難易度 設定項目の解説
難易度により設定が異なります。
カスタマイズしたい場合、難易度選択から基本設定または高度な設定を選ぶと調整可能です。
英語 | 日本語 | イージー | ノーマル | モデレート | ハード |
Activate CommNet | コムネットの有効化 | OFF | ON | ON | ON |
Required signal for control | 制御信号を必須にする | - | OFF | OFF | OFF |
Plasma blackout | プラズマブラックアウト | - | OFF | OFF | OFF |
Range Modifier | 範囲修正値 | - | 1.0 | 0.80 | 0.65 |
DSN Modifier | DSN修正値 | - | 1.00 | 1.00 | 1.00 |
Occlusion Modifier, Vac | 遮断修正値(真空中) | - | 0.90 | 1.00 | 1.00 |
Occlusion Modifier, Atm | 遮断修正値(大気中) | - | 0.75 | 0.85 | 1.00 |
Enable Extra Groundstations | 地上アンテナ基地を有効化 | - | ON | ON | ON |
- コムネットの有効化
- OFF: どこにいてもフルコントロール可能。アンテナさえあればどこからでもサイエンス送信可能。
- ON: コムネットの状態によって機体のコントロール可能具合が変わる
- 制御信号を必須にする
- OFF: 範囲外の場合、無人機は利用可能なSAS軸のみロックとなり、スロットルは0%又は100%になる。
- ON: 範囲外の場合、無人機は完全に制御を失う。
- プラズマブラックアウト
- OFF: 大気圏突入時にコムネットに影響を与えない
- ON: 大気圏突入時に信号強度を弱める
- 範囲修正値
- アンテナの定格出力に影響する係数
- DSN修正値
- DSNアンテナ(トラッキングステーションのアンテナ)の出力に影響する係数
- 遮断修正値(真空中)
- アンテナ間の信号を遮断する大気圏外の天体サイズに適用される係数
- 遮断修正値(大気中)
- アンテナ間の信号を遮断する大気圏内の天体サイズに適用される係数
- 地上アンテナ基地を有効化
- OFF: トラッキングステーションが存在するのはKerbal Space Center 1局のみとなる。他の地上局は36kの定格出力を持つ。
- ON: Kerbin上に多数のDSNトラッキングステーションを持つようになる。
ちなみに、地上アンテナ基地を無効化した際の最大通信距離は以下の通り。(定格出力36kに対して)
クラス0 | クラス1 | クラス2 | クラス3 | クラス4 | クラス5 |
13.42km | 134.16km | 424.26km | 8.49Mm | 23.24Mm | 60Mm |
コメント
- てすと -- 編集者? 2022-02-27 (日) 16:35:27
- ゲーム内にKSPediaがあるとはいえこの期に及んでWikiにコムネットの項目無いのはちょっと…と思いまして製作しました。間違いがあればご指摘ください。 -- 2022-02-27 (日) 16:38:11
- 複数アンテナ組み合わせ で、アンテナ数4のときの倍率は、ここで説明されている計算式だと4^0.75=2.82倍になります。計算式か結論かのどちらかが間違ってませんか? -- 2022-03-07 (月) 02:44:20
- 公式に関しては英Wikiからの引用ですので正誤はわかりかねますが公式Wikiなので間違いとは考えにくいです。4^0.75は2.82ですが、それにStrongest Antenna Powerを掛けないといけませんので、今解説例では5Mの出力ですから5M x2.82になりますね… どちらにしろ解説文の計算を間違えておりましたので訂正しました。 -- 2022-03-13 (日) 10:38:07
- 複数アンテナ組み合わせ で、アンテナ数4のときの倍率は、ここで説明されている計算式だと4^0.75=2.82倍になります。計算式か結論かのどちらかが間違ってませんか? -- 2022-03-07 (月) 02:44:20