用語

Last-modified: 2023-07-16 (日) 00:59:02

A

Abort
英語で「中断」を表す単語で、宇宙開発においてはロケットの飛行の中断を指す。通常、機体に飛行の継続が不能となる異常が発生した場合にアボートが行われ、乗員をLESにより緊急脱出させたり、制御不能になった機体が市街地などに墜落するのを防ぐためにFTSにより飛行停止・自爆させる。KSPではAction GroupsにAbortの項目が用意されており、ここに所定のアクションを定義しておくとBackspaceキーにより定義された操作が実行される。
Action Groups
特定の操作(SAS on/offやAbort, Gear up/downなど)や、(デフォルト設定では)1~9,0のキーを押した際にあらかじめ各パーツに指定した操作を行わせるための設定で、VAB/SPHで定義する。この設定を行うことで、「逆噴射用のエンジンを4基まとめて起動」や、「複数の太陽電池パネルをまとめて展開・格納」等の操作をワンタッチで行うことが出来る。
Advanced SAS
Ver0.20以前の安定増加装置の呼称。現在はSASに呼称が変わり、制御装置に搭載され、専用パーツは一つのみになった。
Altitude
Alt。高度。地表からの高さを指す場合と、海面高度からの高さを示す場合がある。KSPで表示される高度は、大抵後者である。
Apoapsis
軌道遠点。軌道上で、軌道の基準となる天体から最も遠い点。アポジ。【対】Periapsis
オービタルマップでは「AP」と略して表示されている。
Astronaut
宇宙飛行士の事。アストロノーツ。
Atm
2つの意味がある。
1つは、標準大気圧下(Atmosphere)である事を指し、ゲーム中ではエンジンの性能リストに表記がある。 【関連】Vac
もう1つは、圧力の単位で、102325Pa(標準気圧、いわゆる1気圧)が1 atmと定義されている。

B

Booster
エンジン推力を積み増し(ブースト)するためのロケットエンジンを有するモジュールのこと。離床から離床直後の垂直上昇時の大推力を必要とする期間に、主機体・コアロケットエンジンの推力を補助する。燃料満載で大重量、かつ厚い大気の抵抗を受ける発射直後には有用だが、燃料が減って機体が軽くなり、低大気層を抜けたあとは余剰重量となり加速に悪影響を及ぼすため切り離し投棄される。推重比が高くコストが低い固体燃料ブースターが適しているが、操縦性が重視される小型~中型ロケットには見合うサイズを選択するか、液体燃料エンジンの使用が推奨される。
Burn time
燃焼時間

C

Canard
カナード(前翼)。前に付けなくても良い。
航空機を作る際は機首に付けておくと操作性がかなり向上する。
Cockpit
コックピット。スペースプレーンへの使用や大気圏飛行を想定した構造を持つ操縦装置。ポッドに比べて視界が広く、耐久(衝突速度)が高い傾向を持つ。
Crew
乗組員。宇宙飛行士センターに所属する訓練を受けたカーバル達。パイロット、科学者、エンジニアの職種がある。

D

Docking
人工衛星や宇宙船が、宇宙空間で結合すること。
Drag
空気抵抗。本ゲームでは FD=ρVDA/2 (ρ=大気密度(kg/m³)、V=機体速度(m/s)、D=パーツ空気抵抗係数、A=断面積(m²))で算出される。なお、現実とは大きく異なる。
Dry Mass
乾燥重量。燃料が空の時の重量。燃料タンクや固体エンジンで使用される。
Delta-V (ΔV)
得られる累積的な速度。単位はm/s(メートル毎秒)。機体重量、燃料重量、比推力(Isp)、重力加速度から計算が出来る。ΔV=ln(1+燃料重量/乾燥重量)×比推力×重力加速度。重力加速度は、対象天体にかかわらずKerbinの値(9.81m/s²)を使用する。この式からも分かる通り、燃料を倍にしてもΔVは倍にはならない。

E

EVA
extra-vehicular activityの略語。宇宙船外活動。宇宙遊泳。
Eject Force
分離時の押し離す力。これが小さいと分離後機体と衝突する恐れがある。

F

Fuel Crossfeed Capable
「燃料交流可能」 この表記のないパーツは燃料を通さないということ。主にデカプラーなどの側面にこの表記があるが燃料は通さない。別途燃料ホースを繋げる必要がある。(v0.20.2)
なお、この表記がないパーツを挟んでいても燃料ホースなしで燃料の移送は可能。
FTS
Flight Termination Systemの略で、文字通り訳すと「飛行停止装置」となる。ロケットでは多くの場合「指令破壊装置」や「自爆装置」の名称で知られ、制御不能になった機体が市街地などに墜落して被害を出すのを防ぐために地上からの指令により搭載された爆薬を起爆し機体を破壊する。なお、ロシアのロケットの場合FTSでは機体の破壊は行わずエンジンの停止のみを行う。

G

Gear
降着装置。伸縮式の着陸脚、または離着陸用の車輪のこと。デフォルトではGキーで展開/収納できる。
Gene Kerman
ジーン・カーマン。ミッションコントロールセンターの責任者であり、KSCの司令・管制を統括する役割をもつカーバル。
モデルはアポロ計画での主席管制官のジーン・クランツと思われる。映画「アポロ13」ではエド・ハリスが演じた。
Gimbal Range
一部のエンジンは、噴射方向を真後ろから少しずらすことができるが、この変更可能角度を指す。
車で言うと後輪ステアがどれだけ切れるかに相当する。
数値が高いほど運動性(方向転換する力)が高まる。
しかし、過剰になると逆に安定しない原因にもなり得る。
その場合はアクションメニューから可動角制限やオン/オフを切り替えるとよい。
場合によっては事前にアクショングループでオン/オフ切り替えをワンタッチでできるようにするとよい。

H

I

Impact Tolerance
衝撃への耐性。パーツが衝撃を受けた際にどれだけのG荷重や衝突速度に耐えられるかを表す。
「なんちゅう脆い船じゃ」と言われないように、高度な設定の「強固な接合」や「自動支柱」を行ない、着陸時は十分に減速しよう。"EAS-4 ストラットコネクター"で直接補強を行なう場合は、PC負荷の最大要因となるため、最低限の補強にしよう。
Isp
比推力(specific impulse)。 【同】比推力
IVA
Intra-Vehicular Activityの略。機内視点。機内の計器を見ることができるコクピット視点。対地高度計で地表との高度を見るときに役立つ。船内活動、宇宙船内活動のことでもある。

J

Jet Engine
外部から取り込んだ酸素で液体燃料を燃焼させ、生成されたエネルギーを外部に噴射させ推力にするエンジン。
当然だが、酸素を含む大気がある場所、すなわちKerbinとLaytheの大気圏内でしか使用できない、

K

Kerbal
本作の主人公であり、惑星カービンに住む緑色をした住民。
Kerbin
宇宙センターが所在する惑星であり、Kerbal Space Programの本拠地。
MunとMinmusという名の2つの月があり、Kerbolという通称の太陽を公転している。
Kerbol
この星はMクラス赤色矮星かつ惑星Kerbinの主星です。
何が言いたいかって言うと太陽です。
Kerbonaut
Astronaut(宇宙飛行士)のもじり
現実でもロシアで訓練を受けた宇宙飛行士をコスモノート、中国で訓練を受けた宇宙飛行士をタイコノートと呼ぶ。
kerman
kerbal(緑)たちのラストネーム
ちなみに、セオドア・フォン・カルマン(Theodore von Kármán)は航空工学の父であり、
地球と宇宙空間の境界線は彼の名前から「カーマン・ライン(Kármán line)」と呼ばれている。
KIA
Killed in action の略。意味は「殉職」
KSC
Kerbal Space Center の略。
このゲームの拠点となる宇宙センターのこと。
Kerbinの南緯0度6分9秒、西経74度34分31秒、アフリカに似た形の半島の東岸の低地に位置する。
東と南に海が開けているが、東方向への打ち上げ効率が高く、西方向への効率は低い*1
また、東西方向に長さ約2500m、幅70mの滑走路があり、スペースプレーン等の離陸時には東向きに使用する。

L

Liquid Fuel
液体燃料のこと。酸化剤または酸素と混合着火する事で、ロケットの推進力となる。現実では用途や保有技術に応じた多種多様な燃料が存在するが、KSPでは「液体燃料」で一括りであり、これをジェットエンジンとロケットエンジンの両方に使用できる。
ちなみに、現実で利用される燃料と酸化剤の組み合わせとしては、ジェットエンジンはケロシン(灯油)を使い、ロケットエンジンは液体水素+液体酸素(例:H-IIA・アリアン5)、ケロシン+液体酸素(例:ソユーズ)、UDMH+四酸化二窒素(例:プロトン)などがある。
Launch
打ち上げのこと。
LES
Launch Escape Systemの略で、打ち上げ脱出システムの事を指す。多くの場合小型の固体ロケットが使用され、乗員カプセルの先端に取り付けておき非常時にカプセルをロケットから離れた安全な場所まで飛行させる。KSPの標準パーツには0.23.5で初めて追加された。

M

Max Temp
最大温度。絶対最大温度(超えた途端にアボーン)では無さそう。
MIA
Midoriga Inakunatta AAA…ではなく、Missing in action の略。意味は「任務中行方不明」
その名の通り、任務中に連絡が途絶しその後の行方がわからなくなった際に使われる。明確に死亡が確認された場合はKIAと呼ばれるので、諸条件により緑が死んでしまった状況においては使われない。
Minmus
月。惑星カービンの第二衛星。Munよりも遠い。
Mun
月。ver0.15にてMinmusが表れるまで月と言えばこの衛星の事だった。
今もただ単に月と言った場合はこの衛星を指す。
MOD
非公式に追加、変更されるパッチやデータのこと。有志がゲームを拡張したりバグを潰したりするために作って公開してるデータ。Modification。
MonoPropellant
一液式推進剤。RCSと呼ばれる小型低出力スラスター用の燃料で、通常は姿勢制御・ドッキング時の微調整・緑の宇宙遊泳に利用する。
KSPでは推進剤の化合物種についての言及は無いが、現実ではヒドラジンや過酸化水素が主に使用される。これらの物質は化学的に不安定で、触媒となる物質(主に銀や白金など)と接触するだけで急激に反応し、高温のガスに変化する。そのため、燃焼に複雑な点火装置を必要としない。RCSは、これらの性質を利用して液体燃料よりも簡素・軽量な装置で、宇宙空間での姿勢制御を可能にしている。

N

O

Orbit
他の物体の周囲を運動する経路、軌道。量子力学における軌道の orbital とは区別される。(軌道○○の orbital は orbit の形容詞形である)
Orbital Eccentricity
軌道離心率
Orbital Inclination
軌道傾斜角
Overheat
熱量を許容量以上に溜め込み、耐熱温度を突破してしまうこと。オーバーヒート。
オーバーヒートゲージが一杯になった(完全にオーバーヒートした)パーツは爆発する。
v0.23.5時点ではエンジンから発せられる熱のみが計算の対象で、再突入時など大気圏内飛行中に受ける熱の影響は実装されていない。
v1.0.0で熱処理が更新され、再突入時や大気中での高速飛行、Kerbolに近づく等でオーバーヒートするようになった。
これに伴って適切なPEの設定、ラジエータやヒートシールドを装備する等の対策が必要となった。
Oxidizer
液体燃料ロケットの酸化剤。液体燃料(Liquid Fuel)と化学反応を起こして気化膨張させ、ロケットの推進力を生み出す。
近年の実際のロケットでは、長期保管できないものの燃費が優秀で毒性の低い液体酸素が主流になっている。
また、衛星本体のエンジンや、ミサイル用から転用・改良されたエンジンには、有毒だが常温長期保存が容易で燃焼器を簡素な設計にできる窒素酸化物系の酸化剤が広く使われている。

P

Periapsis
軌道の近点。軌道上で、軌道の基準となる天体に最も近づく点。ペリジ。【対】Apoapsis
オービタルマップでは「PE」と略して表示される。
Pitch
ピッチまたはピッチングと呼ばれる。機体を左右に結ぶ軸の周りに回転する動作を指し、航空機では機首の上げ下げに相当する。多くのロケットは形状が上下を結ぶ軸周りに対称のため、90度のロールによりピッチとヨーの動作は交換可能である。KSPのデフォルトではW/Sキーにより操作を行う。
Pod
宇宙飛行士の乗る宇宙船の核となる部品のこと

Q

R

Rendez-vous
ランデブー。宇宙空間において2機以上の宇宙船、または宇宙船と宇宙ステーションなどが速度を合わせ、同一の軌道を飛行し、互いに接近する操作のことである。両者が結合するドッキング操作を含める場合も、含めない場合もある。また、宇宙探査機が小惑星などに速度を合わせ、同一の軌道を飛行することもランデブーと呼ぶことがある。
RCS
Reaction Control Systemの略。姿勢制御システム。スラスターの稼働、非稼働のスイッチになる。スラスターを適切に配置して稼働させるとSASの自動制御に使われ、3軸回転と並進運動が出来る。噴射し推力を生成するためにRCS専用の燃料を使う。RCSはスラスターの数によって消費燃料も違うので大量にスラスターをつけると燃料があっという間になくなってしまう。なお、宇宙船がかなり軽い場合や極端に重力が小さい天体では、これのみでの浮遊上昇も可能である。
Roll
ロールまたはローリングと呼ばれる。機体中心軸の周りに回転する動作を指す。KSPのデフォルトではQ/Eキーにより操作を行う。
RTG
一般に原子力電池として知られる電源で、正式には「放射性同位体熱電気転換器」(Radioisotope thermoelectric generator)と呼ばれ、その頭文字を取ってRTGとも呼ばれる。宇宙開発においては、太陽から遠距離となる天体における深宇宙ミッションで使用される。(太陽から遠距離の場所では太陽光が弱くなり、太陽電池では十分な発電能力を得られないためである。)
KSPでは放射能汚染等は無いので、単純に「重いが燃料や太陽光に依存せずに規定出力を得られる発電機」といった立ち位置になる。
ちなみに、発電は放射性物質の格納容器と外部のヒートシンクに接続された熱電対によって行われ、格納容器に封入された放射性物質から発生する崩壊熱を利用して発電が行われる。原子炉のような能動的な制御を行わないため安全性は格納容器の強度に依存する。

S

SAS
安定増加装置(SAS:stability augmentation system)。起動すると安定補助が働き、機体の回転を抑止する。回転抑止には、リアクションホイール・RCS・エンジンジンバル・動翼が用いられる。あくまでもプレイヤーの操作を一部代行するだけであり、機体本来の制動力を超えた安定化は不可能である。基本的には常時作動で良いが、機体を回転させたい間は無効にしないと動力の無駄遣いになる。
また、姿勢指示器上のマーカー(順行/逆行、ノーマル、ラジアル、ターゲット、マニューバ)への自動制御も可能で、姿勢指示器左側のラジオボタンで有効化する。キャリアモードでは、パイロットレベルや操縦装置によって使用可能マーカーが異なる。科学者やエンジニアはSAS制御を行なえない。
Semi-Major Axis
軌道長半径。楕円軌道では、APとPEを結んだ直線の距離の半分である。
数学では放物線や双曲線に対しても定義されるが、KSPの脱出軌道で使用される事は滅多に無い。
SOI
Sphere of influence の略。作用圏を参照。
Solid Fuel
固体燃料のこと。固体の燃料と酸化剤を混錬したもの。固体燃料ブースターに充填され、燃焼消費される。単価が安く、液体燃料と酸化剤が0.26 L/通貨単位なのに対して、0.6 L/通貨単位である。
Spacecraft
宇宙船のこと
Spaceplane
スペースプレーン。滑走路から離陸して宇宙空間に到達し、大気圏に再突入して滑走路に着陸する飛行機型宇宙船のこと。
現実世界の計画機にはアメリカのX-30、イギリスのHOTOLなどがあったが、経済性と安全性を両立するには技術的にきわめて大きな飛躍が必要とされており、基礎研究を超える段階に至った計画はほとんどない。
2014年現在で研究が先行しているものではHOTOLの後継計画Skylonが有名で、メインエンジンとして開発中のSABREエンジンはKSPのR.A.P.I.E.R. Engineのモデルとなっている。
SPH
Space Plane Hangerの略語。スペースプレーンハンガーは水平な環境で航空機やローバーなどを設計する宇宙センター施設である。
SSTO
(Single-Stage-To-Orbit)
単段式宇宙輸送機。
補助エンジンや燃料タンクなどを切り離さずに機体全体で衛星軌道に到達し、大気圏に再突入して着陸・再使用できる宇宙船・打ち上げロケットのこと。離陸・着陸方法は問わない。
上記のスペースプレーンはSSTOのうち水平離陸・水平着陸を行うものを指す。
基礎技術の開発はアポロ時代から続けられているが、実用的な性能を持たせるには機体素材など幅広い分野にわたって技術の大きな飛躍が必要であり、基礎研究を超える段階に至った計画はほとんどない。

SSTOへの前段階として、弾道飛行を行う母機から空中発射するなどして2段式で軌道に到達し、両機とも帰還・再使用する宇宙船が構想されている。
TSTO(Two-Stage-To-Orbit)といい、計画機としてはドイツのゼンガーII、ロシアのMAKS等が有名であるが、これも実用化に至った計画は存在しない。

TSTOのさらに前段階がフライバックブースターである。
これは衛星軌道に乗ってしまう上段のみを使い捨てて、宇宙船本体に加えて下段を回収・再使用するもので、補助ブースターの回収・再使用はSTS(スペースシャトル)で既に実現しているほか、ロケット第1段本体の回収・再使用に向けて各国の計画が具体化しつつある。
中でも先頭に立っているのがアメリカのSpaceX社であり、Falcon 9ロケット第1段の回収・再利用計画は実際の打ち上げ中に減速着水実験を行う段階にまで到達している。

T

Thrust
推力
Thrust Vectoring
推力偏向
エンジンの噴射軸をジンバル機構によって回転させ、推力の方向を変えること。機体を回転させられ、SASの回転抑止や自動制御にも使用される。
Total Mass
総重量
Turbo Jet Engine
ターボジェットエンジン。ジェットエンジンの内、エンジン前部のファンにより空気を加圧し燃焼後エンジン後部から排出するもの。エンジン後部のファンが前部のファンと接続されている。一般的なジェットエンジンの形式となる
TWR
推力重量比 (Thrust-to-weight ratio)。加速度とも言える。「エンジン推力÷機体の総重量」とする場合と「エンジン推力÷(機体の総重量×重力加速度)」とする場合があるが、本ゲームでは基本的に後者。重力加速度は、本来は天体や高度に応じた数値を使うが、実際には便宜的にKerbinの表面重力(9.81m/s)を採用することが多い。TWRが1以上でなければ宇宙センターの打ち上げ台や地表から上昇できない。比率が高ければより速く速度を変更できる。なお、燃料を消費すると機体重量が低下するため、TWRは増加する。

U

V

Vac
真空 (Vacuum) ゲーム中ではエンジンの性能リストに表記がある。【関連】Atm
VAB
Vehicle Assembly Buildingの略語。ロケット組立棟。垂直な環境で主に宇宙機を設計する。現実のスペースシャトル組立棟がモデルである。
Vectoring Range
推力偏向(ThrustVectoring)の範囲。

W

Wernher Von Kerman
ヴェルナー・フォン・カーマン。研究開発センターの責任者で、トレーニングのロケット建造や科学研究を担当するカーバルの名前。
ヴェルナー・フォン・ブラウン氏はロケット技術開発の先駆者である。
WIP
"Work In Progress"の略で、「作業中」「制作中」等の意味。
公式フォーラムでは特にMOD関連のスレッドで[WIP]と付くタイトルが多く見受けられる。

X

Xenon
キセノンと呼ばれる希ガス元素の一つで、元素記号Xeで表記される。イオンエンジンの燃料には高分子量の単原子分子が適しているため、キセノンが使用される。

Y

Yaw
ヨーまたはヨーイングと呼ばれる。航空機の場合機体を上下方向の軸の周りに回転することで、機首を左右に振る動作となる。ロケットの場合、打ちあげ射点におけるデフォルトの視点で、手前と奥を結ぶ方向の軸周りの動作となる。多くのロケットは形状が上下を結ぶ軸周りに対称のため、90度のロールによりピッチとヨーの動作は交換可能である。KSPのデフォルトではA/Dキーにより操作を行う

Z

あ行

アノマリー
天体上に存在する特異構造物。英Wikiではイースターエッグと呼ばれている。最も発見しやすいものは、KSC近くの海岸に立つモノリスであろう。カーブネットで天体をスキャンしたときに?マークで座標を確認できる。発見率はプローブコア等がパーツ毎の固有値を持っている。
エアロブレーキング
空気抵抗を利用して、機体の対地速度を落とす事で、空力ブレーキとも呼ばれる。大気のある惑星を利用し、通常は以下の目的で行われる。
・再投入・地上降下のための減速
・惑星間遷移軌道から目的の惑星周回軌道へ投入する際の減速
・周回軌道を飛行中の宇宙機の遠地点高度を下げる
通常大気圏の上層部をかすめるように軌道を制御することで行われるが、高度が浅すぎると減速が不十分になり、逆に低すぎると機体の過熱で爆発したり、「減速→高度低下→更に減速→…→地表に激突」となるため、惑星の大気圏高度や密度を考慮した軌道高度の制御が重要となる。
オービタルマップ
打ち上げたロケット・各種宇宙船およびスペースデブリや惑星及びその衛星の軌道を見ることができるマップ。ゲーム内日本語訳ではマップビューと呼ぶ。

か行

慣性飛行
エンジン等による積極的な機体操作を行わず、天体からの重力や空気抵抗に身を任せている状態。
軌道傾斜角
基準となる平面に対して、対象(天体・人工衛星等)の軌道面が、どれくらい傾斜しているかを交点(昇交点ANと降交点DN)の角度で表す。
基準となる平面は文脈によって変わるが、中心天体(Kerbin等)の赤道面や、目的地とする天体や人工衛星の軌道面を基準とする事が多い。(Orbital Inclination)
軌道離心率
軌道が真円からどれだけ離れているかを表す割合 (Orbital Eccentricity)
円軌道では0、楕円軌道では0~1、放物線軌道では1、双曲線軌道では1超となる。
極軌道
赤道面に対して傾斜角90°(直角)の軌道。天体の北極点と南極点の上空を通過する。
空気抵抗
抗力の内、空気から受ける速度方向と平行方向の抵抗力(垂直方向が揚力)。大気圧と密度が高く、物体の代表面積(KSPにおいては空気を受ける向きの断面積*2)が大きいほど抵抗値が高い。重力とともに、終端速度に及ぼす影響が大きい。
降交点
軌道が対象軌道に対して南に向けて交差する交点。DN(Descending node)。
交点
基準面(通常は天体・機体の軌道面や赤道面)と軌道面が交差する点。昇交点(AN)と降交点(DN)がある。

さ行

作用圏
天体の重力圏のこと。SoI/SOIと略す。
KSPでは、天体から一定の距離まで球状に存在する(高度は天体によって異なる)。例えば、ある衛星のSOI内ではその衛星のみの重力が機体に作用し、その衛星のSOIを出て惑星のSOIに入ると当該惑星のみの重力が機体に作用する。また、恒星が1つしか存在しない都合上、太陽(Kerbol)の作用圏は無限大であり、その重力から逃れることはできない。
ちなみに現実では、SOI内では他の天体より当該天体がより強い重力的影響を持つというだけで、SOIでも当該天体以外の全天体の重力も常に機体に作用している。
周回軌道
対象の惑星や衛星に落下することなく周囲を飛び回る事の出来る高度で周回する軌道、円や楕円の軌跡である。KSPでは、Ap(軌道遠点)・Pe(軌道近点)ともに大気圏以上・作用圏内で、軌道が地表や大気圏に触れない軌道を指す(触れていると「準軌道」の扱いになる)。Kerbinでは遠点・近点ともに高度70000 m以上の軌道を指す。現実では、高度の明確な定義はない。
準軌道
KSPでは、最高点(軌道遠点)が大気圏を超える高度で(大気が無い場合は高度不問)、一時的に対地水平飛行をするが、その後に重力に引かれて落下する軌道。Ap(軌道遠点)が大気圏を超え、Pe(軌道近点)は大気圏内か地表以下。kerbinでは遠点高度70000m以上、近点高度70000m未満の軌道を指す。現実では、周回軌道でも大気圏内飛行でも無い軌道を指すが、「周回軌道」も「大気圏」も厳密な境界線が有るわけではないので、厳格な定義は無い。
昇交点
軌道が対象軌道に対して北に向けて交差する交点。AN(Ascending node)。
ジンバル
エンジンノズルの基部を回転させることで噴射角を変え、推力偏向を行なう機構。KSPではエンジンによって付いているものも付いていないものもある。付いているエンジンは噴射中の方向変更が容易になるが、当然噴射中にしか効果はないため、エンジンを停止したままスムーズに方向を変えるにはリアクションホイールRCSを取り付けよう。
重力ターン
宇宙機を天体の周回軌道に乗せる場合、垂直方向への力は全て重力損失となるため、純軌道力学的には機体を水平方向に発射するのが最も効率が良い。しかし、実際には大気による空気抵抗があるために、いきなり水平方向に発射するのは不効率である。そのため、まずは垂直方向に発射して大気がある程度薄くなるまで上昇し、その後に水平方向に転換することになる。その際、「真上→真横」の折れ線型に向きを変えるより、早い段階から少しずつ水平方向への転換を行い、丸みを帯びた軌道とする方が効率が良い。KSPでは、この「丸みを帯びた軌道」を重力ターンと呼ぶ。
各高度における理想的な速度や角度は、天体の重力や大気圧、機体の形状(空気抵抗の受けやすさ)やTWRなどの要素に応じて変わる。基本的には、カービンなど強い重力と厚い大気を有する天体では、垂直に打ち上げる時間を長めに取り、水平方向への転換も緩やかに行う。対してムンなど重力が低く大気のない天体では、地表に衝突しない範囲で離床後すぐに一気に水平にする。
一方で現実では通常、無誘導重力ターンスイングバイを指す。
スイングバイ
重力アシストとも言う。天体の重力や公転エネルギーを利用して、燃料を消費せずに機体速度や軌道を変えること。推力と比べて自由度は低いが燃料の節約になる。
加速スイングバイでは天体の公転方向に対して後方を横切るような軌道を、減速スイングバイは前方を横切るようような軌道を通る。Peの高度が低いほど効果は増すが、大気に触れると空気抵抗によるスイングバイ効率の悪化や意図せぬ軌道変化が生じるので注意が必要。また、大気の無い天体でも山などの地形にも注意を払う必要がある(最高峰が10000m以上ある天体もある)。スイングバイ中、Peで燃焼加減速することをパワードスイングバイという。加減速の効率は良いが、実行後の軌道誤差が出やすく調整難易度が高い。
スイングバイバイ*
スイングバイを行おうとして失敗し、またはスイングバイとなる軌道になっているのに気づかずに、宇宙船があらぬ方向に飛んでいってしまうこと。Kerbinから他の惑星ではかなりの遠距離になり非常に精密な操作になるので天体の重力に引っかかってるのを見逃してタイミングを逸してしまうことはよく見る光景である。また高度操作を誤り地表と同化してしまうのもスイングバイバイの一種である。
推力偏向
噴流の向きを変えることで、推力の方向を偏向させること。ジンバル機構を備える液体燃料エンジンと、ノズルの方向を変えられるジェットエンジンで行なえ、可動角はエンジンによって異なる。
静止軌道
赤道上にあり、離心率が0の(真円の)対地同期軌道
静止衛星
静止軌道上にある人工衛星のことを指す。
惑星カービンでは、軌道傾斜角が0度、高度 2868.4 km 速度 1008.9 m/sにすると、地表面から見ると静止しているように見える。
自由落下
機体の推力を使わずに重力に任せて落下すること。自由落下中に何もしなければ、空気の抵抗に対して機体が安定する姿勢を取る。

た行

対地同期軌道
公転周期が中心天体(惑星等)の自転周期と一致する軌道のこと。
特に赤道上にあるものを静止軌道とよぶ。
デブリ
スペースデブリ。宇宙ゴミ。現実では地球軌道を目的を持たずに周回する人工物体。数が増え続け、対策が必要となってきている。
ゲーム内では操縦装置を持たない、あるいは動力を喪失した天体を周回する機体やパーツ。あまりに多くなると動作に影響するので、トラッキングステーションで追跡終了したり、セッティングで最大数を減らす等した方がよい。
なお、天体地表に衝突しない場合は、操作中か操作機体の2.5km以内でなければ消滅せず、大気圏内でも高度は低下しない。
デルタブイ(V)
Delta-v(Δv)参照。

な行

謎動力
0.90まで存在した動力。カナードが動き方向転換したときに起きる力だった。その力はとても微々たるもので普通に設計してこの存在に気づくことはなかった。十分に軽い機体に大量のカナードをつけた場合に発生した。動力の特性上大気のある場所でしか加速することは出来ないが地表面で1000m/sを超えることもあった。動力の特定が出来たので謎ではなくなったが、発見者が「謎の動力を発見した」と報告したことから謎動力と呼ばれた。

は行

バイオーム
一般には生物・植生の地理的群系を指す言葉だが、KSPでは高地・低地・クレーター等の天体上での類型地形や固有の領域をさす。
サイエンス・キャリアモードでは状況、実験との組み合わせによってバイオーム毎に異なる実験データが得られる場合がある。
v1.0移行、各天体に複数のバイオームが設定されている。v0.90以前は、3天体(Kerbin,Mun,Minmus)のみに存在した。
バニラ
MOD等の導入やデータの改造などが行われていない素の状態のことを指す。
PCゲーム一般で用いられる用語だが、MOD無しの意味の場合とDLC無しの意味の場合がある。
針金
EAS-4 Strut Connectorの日本プレイヤー間における愛称。
構造体同士を結合するのに使用される部品で、パーツ同士の振動・がたつき・空中分解に対する処方箋として、主にブースター同士の結合やデカプラー周辺の補強に多用される。ただし過度の使用により逆に振動に弱くなることや、パーツ増加によるゲームの負荷増大の最大要因となるのでご注意を。高度な設定の「自動支柱」の方が同様の効果が得られる上に負荷が少ない。
比推力(ひすいりょく)
エンジンの推進効率を示す尺度。推進剤流量(消費量)に対する推力の大きさを示し、単位は「秒」。通常はロケットエンジンに対して用いるが、ジェットエンジンやイオンエンジン等でも定義可能で、KSPでは定義されている。
定義は「単位重量の推進剤で単位推力を発生させ続けられる秒数」で、「推進剤噴出速度(線速度)÷重力加速度」に等しい。
これは、「1トンの推進剤を消費して、1トンの物を空中静止させられる秒数」と言い換えられる。ここでいう「1トンの物」には、貨物・エンジン・推進剤等全てを合わせた質量になるため実際には経時変化するが、これを含めて一定とした仮想的な状態を考える事になる。
なお、定義上、計算に用いる重力加速度により値が変動するが、通常はKerbinや地球の表面重力(9.81m/s)を用いる。
また、ロケットエンジンは周囲の大気圧が下がると比推力が向上するため、典型値として1気圧での「海面比推力」と真空での「真空比推力」を表記する場合が多い。
古いバージョンでは、現実と異なり「推力は変化せずに推進剤流量が変動する(大気圧が下がると流量が減少する)事により比推力が変化」していた。ver.1.4.4現在では、現実同様に「主に推力が変動する(大気圧が下がると推力が増す)ことにより比推力が変化」する。
フライバイ
天体作用圏に入り、軌道周回や大気圏・地表に接触せずに作用圏を脱出する軌道(Peだけが作用圏内にある軌道)を通過すること。
ホーマン遷移軌道(せんいきどう)
Hohmann transfer orbit。ある天体をめぐる、同一軌道面の2つの高度の違う円軌道がある場合、その2つを行き来するために必要なエネルギーが通常最小となる楕円軌道をさす。
つまり、AP(軌道遠点)が高軌道側に、PE(軌道近点)が低軌道側に接している楕円軌道の事で、Kerbin軌道上ではKSPのプレーヤーなら普段から使っているだろう。この軌道を使う場合、速度変化はAPとPEそれぞれ1回ずつ行うだけでよい。
Kerbinから他の惑星に移動する際は、Sun(Karbol)を中心としてこのホーマン遷移軌道を取ればよいことになるが、各惑星の公転周期はKerbinと異なるため軌道離脱タイミングは大きく異なることに注意する必要がある。MODや計算してくれるサイトを利用すれば大分ラクになる。
他の代表的な遷移方法としては「二重楕円遷移(Bi-elliptic transfer)」がある。一度目標軌道から大きく離れた長楕円軌道をとり、そのAPで再び加速/減速することで目標軌道に向かう。円軌道の半径の比が約12倍以上の場合にはホーマン遷移より必要ΔVが少なくなるが、所要時間は大幅に伸びる。

ま行

マニューバ
噴射によって軌道(高度)変更や姿勢変更・修正を行なう機動のこと。JAXA等日本の宇宙関連機関ではマヌーバとも書かれる。
航空機の機動も指すが、本ゲームでは宇宙開発の視点からの軌道マニューバの意味である。
宇宙船の軌道をクリックすると、「その地点でどの方向にどれだけ加速するとどんな軌道に変化するか」を知ることができる「マニューバノード」が作成できる。
軌道変更する際はこのマニューバノードを作成し、その結果に従って加速し軌道変更することが基本になる。
カーバルを指す日本コミュニティ内の通称。ニコニコ動画、2chなどでそう呼ばれたことから普及したと考えられる。
現実の(宇宙服を着た)人間に比べ極めて身軽かつ頑丈であり、さらに食料も呼吸も不要。だがそれ以上に無茶なプレイヤーの実験機で今日も爆散している。その命の軽さは以前からネタにされているが、新しく追加されたキャリアモードでの彼らの雇用には大金が必要であり、ホイホイ使い捨てられなくなった。緑を大切に。
無誘導重力ターン方式
ゲームとの直接的な関連性は低いが、宇宙科学研究所が日本初の衛星、おおすみを打ち上げる際に使った打ち上げ方式。風任せのため非常に非効率的な飛行ルートを通ることになり、誘導装置を付けて通常の重力ターンで飛行した場合よりも圧倒的に打ち上げ重量が下がる。1970年当時誘導ミサイルへの軍事転用疑惑を避けるために用いられた方式。後の「たんせい」では全段制御を可能にした。実際L-4sやss520では追加された上段を除いても大幅に搭載重量が減っている。
なお、ゲーム内にはMOD以外に航路設定機能はないため、MODを用いない場合は手動制御による打ち上げを行なう必要がある。

ら行

レトロモーター
段間分離の際、切り離した下段が上段に衝突するのを防ぐために、逆噴射して下段を減速させるために使用される小型の固体ロケットのこと。KSPでは"Sepratron I"が適しているだろう。

わ行

数字

記号

コメント

  • 比推力の項目はちょっと間違ってないかな?無学なんで直すだけの知識が無いんだが、英語wikiともwikipedhiaとも内容が違うような。 -- 2015-06-24 (水) 15:20:26
    • wikipediaをざっくり読んでみたけど、少なくとも前半部分であまり違和感は無かった気がする。具体的にどこに違和感があったのか、指摘してもらえりゃ調べて直すよ。 -- 2015-06-24 (水) 20:34:50
    • めっちゃ亀だが、修正しといた。 -- 2018-07-25 (水) 19:07:21
  • トルクとはなんぞ -- 2015-07-20 (月) 15:43:58
  • 緑硬すぎやしませんかね・・・・宇宙服姿で大気圏突入しても生きてるとか -- 2015-11-08 (日) 04:47:39
  • crewって5000m近くから落としても生きてたぞ -- 2016-10-15 (土) 16:31:13
  • パラシュートのところ、1.4でクルーパラシュート実装されたから変えた方いいかも -- 2018-08-31 (金) 20:33:11
    • パラシュートは説明するほどの用語ではないためコメントアウトしました。 -- 2018-09-01 (土) 20:25:34
  • スイングバイバイ草 -- 2019-12-18 (水) 18:46:28
  • stockってMOD&DLC非適用のことでいいのかな。vanillaって表現は英フォーラムやSteamワークショップではあんまり見ないのだけど -- 2020-11-25 (水) 23:05:46
  • 宇宙関係専門用語集と、ゲーム関連用語集の分割を希望します。 -- 2021-06-30 (水) 18:17:39
  • 脱出軌道ってどの部分でしょうか?テリアをそこで起動っていうのクエストがクリアできません。今後の為にもお願いします。 -- んん? 2022-07-06 (水) 01:34:25
    • 準軌道:カービンにいずれ落ちる軌道。周回軌道:カービンを回り続ける軌道。脱出軌道:カービンから離れて太陽周回軌道に乗るまでの軌道。 -- 2022-07-06 (水) 17:05:31
  • 総爆散緑数6万突破おめでとうございます! -- 2022-10-02 (日) 20:16:10

*1 緯度が非常に低いため、東方向への打ち上げではKerbinの自転による東方向への初速を最大限得ることができる。一方で西向きへの打ち上げではこの初速を打ち消す必要がある。
*2 現実では幾何学形状に応じて変わる経験則的な数値