ゲーム用語/プロコントローラー

Last-modified: 2024-02-22 (木) 11:42:51

任天堂から販売されているゲーム機周辺機器のひとつ。
本体に同梱される標準のコントローラーよりも、
持ちやすさや、特定の操作方法の利便性を高めたデザインになっているコントローラーである。
Wii Uでは「PROコントローラー」、Switchでは「Proコントローラー」が発売されていて、
どちらも「プロコン」の通称で呼ばれる。

目次

概要

  • Wii U」、「Nintendo Switch」で使用できる拡張コントローラーの1つ。
    • 小型モニターを内蔵し携帯ゲーム機のように扱える2機種だが、
      標準コントローラーは独特のWiiリモコンだったり筐体と一体化しているため、ボタンなどの造りが簡素になっていた。
      大型モニターに繋いで従来の据え置き機のように遊ぶ際、
      操作性や握りやすさを高めるための拡張コントローラーがこの「プロコン」である。
    • 同じく独特な標準コントローラーを採用していたWiiにも、「クラシックコントローラー」という同様の機器があった。
      かつてMH3と同時に発売されたクラシックコントローラーPROのデザインが好評だったからなのか、
      外形はクラコンPROを踏襲して左右にグリップが生えたPS系ゲーム機型になっている。
      「プロ」の名称もそこから取られたものだと思われる。
  • 基本的にはワイヤレス式で、本体などとUSBケーブルを使って接続することで充電やペアリングを行う。
  • Wii UとSwitchのプロコンに互換性はないため、ゲーム機に対応するプロコンを用意すること。

Wii U

  • Wii U本体と同時に発売された拡張コントローラー。本体と同じく、基本カラーはshiroとkuroの2色。
    希望小売価格は4,800円(税抜)。
  • ボタン配置はWii Uのゲームパッドを踏襲しており、
    向かって左側が上段に左スティックと下段に十字ボタン、右側は上段に右スティックとABXYボタン。
    中央部分には上段に左から-ボタン、ホームボタン、+ボタン。下段には電源ボタンが付いている。
    コントローラー上部にはL、RボタンとZL、ZRボタンを搭載。ゲームパッドと異なりTVボタンは付いていない。
  • WiiクラシックコントローラーPROとは異なり、振動機能が搭載されている。
    ただしゲームパッドにあったジャイロセンサーは非搭載*1
    形状はやや丸みを帯びた形となり、Xbox系ゲーム機のコントローラーに近くなった。
    右側のアナログスティックと4ボタンの位置関係についてはXbox系と逆で、アナログスティックが上である
  • 充電用の端子部は USB Mini-B。
    電池は満充電から80時間も持つため、電池切れの心配は殆どないのだが、
    肝心のUSB Mini-B規格はUSB Micro-Bへ置き換える形で徐々に姿を消しているため、
    接続、充電用のケーブルを新規に確保する事は難しくなっている。
  • ソフトによってはゲームパッドをスタンドに立てかけてモニター代わりにし、
    PROコントローラーを使って遊ぶなんてことも可能。
  • Wii UではMH3GHDがローンチタイトルとして発売されているほか、
    かつてはMHFのサービスも行なわれていたが、
    残念ながらモンハンシリーズ専用デザインのPROコントローラーは登場することは無かった。
  • 2023年5月23日を以て、Wii U本体および公式から出されている周辺機器の任天堂公式による修理の終了告知が出された。
    この日以降は修理用の部品が無くなり次第、修理依頼の受付を打ち切るとのことである。
    当然ながらPROコントローラーも純正の周辺機器であるため、修理受付打ち切りの対象となる。
    既に生産終了して久しい機器であり、代わりを入手するのも難しいため、持っている人は大切に使うようにしよう。

Nintendo Switch

  • こちらも本体と同時に発売。希望小売価格は6,980円(税抜)と、やや高額になった。
    基本カラーは黒いものだけだが、一部のタイトルと同時発売の限定カラーのもの*2もある。
    限定カラーのものは基本カラーのものと比べてやや割高だが、見た目が異なるだけで性能などに差はない。
    全体的に半透明素材でできており、うっすらと内部機構が透けて見えるデザインとなった。
    • グリップ部分は手で持った時に滑りにくい表面加工になっている。
      Joy-Conグリップを使った通常のスタイルが手になじまないという場合にも良いかもしれない。
  • ボタン配置はJoy-Conグリップに接続されたJoy-Conとほぼ同じで、右側上段にABXYボタンと下段に右スティック、
    左側上段に左スティックと下段には上下左右ボタンの代わりの十字ボタン、
    中央に左から-ボタン、キャプチャーボタン(画面の静止画撮影などに使用)、ホームボタン、+ボタンという配置。
    上部にL、R、ZL、ZRの各ボタンが付いている点も同様。
    • 通常版のJoy-Conには十字ボタンが存在しない*3が、Proコントローラーには搭載されている。
      バーチャルコンソール配信の古いゲームを当時と同じ感覚でプレイしたりするのに嬉しい要素である。
    • 形状はよりXboxシリーズのコントローラーに近くなった。
      個別に2つのコントローラーとしても使える物を2つ組にしたのと全く同等に使える関係上、
      右半分のボタン及びアナログスティックも、Xbox系と同じくアナログスティックが下配置になっている。
    • ホームボタンの周囲はランプになっており、何かお知らせがある時には青く光る。
      ……だが、この機能はSwitchで普通にプロコンを使用する分には現状ほとんど使われることがなく、
      光っている姿を見ることは非常に珍しい。
      発売直後の最初期のバージョンではゲーム起動時に押すとよく光っていたのだが…。
      • 後述するようにSteamでSwitchプロコンを有線接続で使用したり、PCで給電する等した場合は、
        接続に利用しているUSBケーブルの個体によってはむしろ頻繁に発光することも。
        恐らく、公式でサポートされていない使用方法であるゆえにエラー表示を出しているものだと思われる。
        光っていても大きな問題が起こったというケースは確認されていないが、どうしても発光が気になるという人は、
        Steam側の設定を変えたりUSBケーブルを別のものに変更したりすることで、発光を止められる可能性がある。
  • Joy-Conに搭載されていたHD振動やNFCリーダー/ライター*4も搭載されているほか、
    Wii U PROコントローラーと異なりジャイロセンサーも入っている。
    やや高額で、Wii UのPROコントローラーより重いのも、こうした機能の追加分といったところか。
    • Switch版MHRiseはこのHD振動に対応している。
      例えば咆哮は大きく振動するのに対し、太刀の特殊納刀は小さくシャープな振動をするといった具合で、
      強化された触感表現を体感できる。
    • ジャイロセンサー対応になった為、MHRiseのガンナーのジャイロエイム機能も使える。
  • 充電用の端子部はUSB Type-C。
    USB Type-Cコネクタは表裏という概念が存在しない*5ため、
    どの向きでもUSBコネクタを端子部に接続可能という利便性から、
    従来のUSBコネクタと比べて取り扱いやすくなったと感じるユーザーは多いことだろう。
    電池の持ち時間は約40時間と短くなったが、普通に遊ぶ分にはほとんど気にならない。
  • 知っている人は知っているネタではあるが、とある箇所に購入者に向けた隠しメッセージが刻まれている。
    分解をしなくても読み取れる場所のため、気になる人は答えを見ないで探してみるといいだろう。
  • 優秀なジャイロ機能やHD振動、何より操作しやすいボタン配置や大きさと言った、ユーザー配慮に長けた構造故に、
    発売直後からSwitchのコアユーザーを中心に極めて高い評価を得ている人気の拡張コントローラーである。
    そのためか、社会現象級のソフトがSwitchで発売されると、プロコンも併せて飛ぶように売れて一緒に品薄になりやすい。
    欲しいと思ったときに売られていたら、早めに買っておいた方が良いだろう。
    • 特に2022年にはMHR:S以外にもスプラトゥーン3やポケモンシリーズ作品が複数発売されるなど、
      人気タイトルが次々に発売されたため、長期にわたってプロコンが店頭から姿を消す事態となった。
  • Switchでは当初MHXXNSが発売されたが、
    Wii UのMH3GHDと同じくこの時は専用デザインのプロコンは登場しなかった。
    だが、のちに発売されたMHRiseの発売日に合わせ、
    マガイマガドを前面に押し出した専用デザインのものが数量限定で発売された。
    MHRiseの超大型有料DLCであるMHR:Sの発売日にも、
    メル・ゼナを描いた専用デザインのプロコンが数量限定で発売された。

PCとの接続について

  • PCとはUSB Type-A~Type-Cのケーブルか、Bluetoothで接続可能になっている。
    ただし、PCに普通に接続した場合はDirectInputのコントローラーとしてしか認識されない。
    PCゲームではXbox系のコントローラーが実質的なスタンダードとなっていた時代が長く、
    XInputに対応しているコントローラーでないと利用できない為に、プロコンでゲームをしようとすると
    設定になかなかの手間が必要になってしまうケースもあった。
    • 現在ではSteamがクライアント機能としてDirectInputのコントローラーを
      XInputとしてエミュレートする機能を提供しており、これを利用すればPS系でもSwitch系でも
      PC版のモンハンをプレイ可能である。この機能のおかげで、遡ってMHWorldやMHW:Iも可。
      A/BとX/Yを反転させる必要があったり、MHWorldではボタンガイドがちぐはぐになるが
      MHRiseではきちんと合致するボタンガイドを出せるようになっている。
    • PC版MHRiseではジャイロ機能については公式には対応していないという事になっており、
      設定項目自体も消えているのだが、このSteamのクライアント機能で部分的に使用できる。
      ただ、専用に最初からチューニングされているSwitchと比べると最適な設定を探す手間はある。
      その分機能は豊富で、Switch版ではできない操作体系を実現できなくもない。
    • HD振動もPC版モンハンでは対応していないため、宝の持ち腐れではある。

余談

  • プロコンはいずれも任天堂公式が販売している純正品だが、
    周辺機器メーカーからも拡張コントローラーが多数販売されている。
    デザインや機能などはピンキリであり、純正品よりはるかに安いものから同等の価格のものが主流だが、
    高額なものも存在する。
    • 純正プロコンより価格が安いものは一部機能が非搭載であったり、
      正式なライセンスを受ておらず補償の対象外だったりすることが多い。
      一方で、高額なものは純正品にない新たな機能が独自に搭載されていることもある。
    任天堂に限らずあらゆる社外品コントローラーに言えることだが、
    一部の機能が使えないことで、対応したソフトが満足に遊べなくなったり、
    独自機能がソフトによってはうまく動いてくれなかったりするケースもある。買う際はよく確認しておきたい。
    • Switch対応の社外品コントローラーを例に取ると、ジャイロセンサー、振動対応など基本機能の有無の他、
      接続が有線か無線か、連射などの付加機能の有無などで各社の違いがある。
      特にスティックやジャイロセンサーはアナログな値を出力するため、品によって感度や精度の違いが出やすい。
      • ジャイロに関してはスプラトゥーンシリーズなど有名タイトルでも多用されることがあるため、
        非搭載だとプレイに大きな影響を与えやすい。
        中にはプレイ自体が不可能なものもあるが、
        モンハンにおいてはMHRiseの翔蟲やガンナーの照準操作に対応している程度のため、
        プレイヤーによって必要性は大きく異なるだろう。
      • 接続は有線だとプレイスタイルがやや制限されるが、
        遅延はUSB規格に存在するポーリングレート*6による性能差ぐらいしかない上、
        電波関連の器機が省かれる分、無線式より低価格なものが多い事から、
        ケーブルの存在とUSBポート数に抵抗感がないなら、安価で高い接続性を得ることが可能である。
        一方、接続が無線だとケーブルの取り回しを気にしなくて良くなる代わりに、
        電波信号の処理*7と利用する電波の周波数帯域の混雑具合に巻き込まれるため、
        有線と比べて入力に遅延が発生しやすい傾向があり、
        特に、電波が入り乱れている環境下ではそれが顕著に現れやすい。
        また、無線接続用のアンテナを搭載しないといけない関係上、
        有線オンリーのゲームパッドと比べて高価になりやすいのもネックである。
      • 連射機能はモンハンを普通に遊ぶのであれば基本的には不要な機能だが、
        MHRiseの水没林での放置採掘金策など特殊な遊び方に利用できる。
        ただし、アナログだと不可能な操作を周辺機器にやらせる行為は、特にオンラインゲームで
        「ハードウェアチート」という不正とみなされる場合があることに注意*8
      • 振動機能が操作に必須となるようなソフトは少ないものの、やはり搭載されていた方が臨場感が高まる。
        ただし、動作品質の面では純正品が最適とされる事が多いようだ。
      この他にも、値段や消費電力、デザインなど見るべき点は多いため、
      純正のプロコンも含めよく見比べ、自分に合った拡張コントローラーを選ぶようにしたい。
    最新の任天堂製ゲーム機に限らず、社外品の拡張コントローラーには
    純正品と誤解させるような商品名や外観、「平行輸入」などの不自然な宣伝文句を用いた悪質な非正規品も出回りやすい。
    任天堂公式からの注意喚起も出ているほどなので、
    特に通販などでプロコンを買う際は気を付けよう。
    非純正品はコントローラーのシステム更新が行えない点でも見分けがつく(ただし大抵は分かったところで後の祭りだが)。
  • 近年ではモンハンシリーズの一部作品がSteamでも展開され、PCでプレイする機会が増えた。
    その際にはゲーミングデバイス(コントローラーパッド)が有ると操作面で便利だが
    USBケーブルの規格で作られているSwitch専用のプロコントローラーも
    ハードウェアとしてのUSB規格上ではPCのUSBポートに差すことができるため、
    PC側で『USB規格のゲーミングデバイス』として認識できればプロコンでの操作入力が可能になる。
    ただし、ソフトウェア上でUSBと認識できなかった場合は使用できない
    Steamの場合はSteam側がプラットフォームとしてSwitchにも対応しているが
    プラットフォームによってはSwitchのコントローラー規格に反応しないこともある。
  • ハードウェアは工業規格なので揃える事ができるが、
    個々のプラットフォームやPCのシステム構成に対して
    全ての組み合わせを検証、保証することは事実上不可能なこともあり、
    任天堂公式では、PCで使用できる旨について一切の説明が無い。
    • つまり任天堂公式プロコンが個人のPCで使用できる状態は
      ハードとしてのUSB規格とソフトとしての認証が、そのパソコンでは運良く噛み合った状態に過ぎないため、
      電気系統や通信などに不具合が発生した場合にはサポートの対象外になるリスクもある。
      • そもそも規格化された機器なので、市販PCに繋いで
        そこまで重大なトラブルが起こることは稀ではある。
        「公式が推奨していない以上は、積極的に使わない方が良い。使うなら自己責任」と考えておこう。
    • PCゲーム用にゲーム機用のゲームパッドを求めるであれば、
      公式から「有線接続での使用が可能」と明言された「DualSense」、
      Windows PCでの使用時も公式サポートが受けられる「Xboxコントローラー」や、
      各メーカーが独自に設計、製造した、PC向けゲームパッドは多数ある。
  • 接続がUSB規格なので、PC用のゲーミングデバイスの中にもSwitch対応をうたう物がある。
    もっとも、正規ライセンス品でない限り、あくまでも販売している側が自社で調べてそう言っているだけに過ぎない。
    「プロタイプコントローラー」「switch対応コントローラープロ」など
    それらしい名前や外観デザインで売られていても、任天堂非公認の品は非公認でしかないことは注意が必要。
    安全確実を求めるなら素直に公式プロコンを選ぶのが一番である。
    しかしながら上述したようにそもそも公式プロコンの入手が極めて難しい時期と言うのもあるため、
    そう言った場合にやむを得ず非公認のものを購入して使っているユーザーも少なくない。
  • 標準コントローラーに備わってない機能を有する拡張コントローラー、
    もといゲームパッドはゲーム機ではお馴染みの名物アイテムみたいなものであり、
    ファミリーコンピューターの時代から様々なものが存在する。
    プロコンに相当する操作感向上型の拡張コントローラーだと、
    Switchに近い世代のゲーム機なら、PlayStation5の「DualSense Edge」や
    Windows PC及びXbox SeriesX/Sの「Xbox Elite ワイヤレスコントローラーシリーズ」などが発売されている。
    これらコントローラーは、深いやりこみを追求するユーザーやプロゲーマーを中心に人気を博している。
    • 特に、ゲームパッドで競技性の高いゲームをプレイするプロゲーマーは、
      これらの拡張性の高いコントローラーでのみ行える、細かいチューニング機能を重視しており、
      プロゲーマー達から「プロコン」という言葉が出た場合、
      間違いなく、本記事で取り扱っているプロコンの事は指していないと考えて良い。
      無論、これらのプロコンについても、
      連射機能などを始めとした「コントローラーの範疇を超えた機能」が搭載されている場合、
      ゲームタイトルによっては、それらを利用すると、
      上述した「ハードウェアチート」に引っかかる可能性があるため、
      闇雲に選んで良いというわけではない。

関連項目

ゲーム用語/Wii U
ゲーム用語/Nintendo Switch
ゲーム用語/クラシックコントローラー


*1 Splatoonのオフラインモードではジャイロセンサーを搭載したWiiリモコンプラスをProコントローラーに縛り付けるという力業でジャイロに対応させることができる
*2 このうち、「スプラトゥーン2」カラーと「スプラトゥーン3」カラー、「ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム」カラーのものはゲームソフト発売と同時に、数量限定ではなく通常の販売が行われた。スプラトゥーン2カラーに関しては現在は生産終了済みと見られる。
*3 これはファミリーコンピューター以降の任天堂のゲーム機としては初めてのことである
*4 有線接続中は使用不可
*5 厳密にはUSB Type-Cコネクタにも表裏の概念が存在するが、電気信号を用いて表裏の識別を自動で行う仕組みになっているため、ユーザー側がこれを気にする必要が無くなっている
*6 USB2.0までの通信規格に存在する仕様で、ホストがデバイスを正常に認識、動作させるためにホスト~デバイス間で「たとえ操作が無くても」通信を行い続けるというモノ。1秒に処理を行える回数は「Hz」単位で表記され、数値が高いほど遅延が少なく、高精度な入力が可能(例えば1000Hzの場合、1秒間に1000回もの信号送受信が行えるという意味になる)となる。なお、USB3.0以降は通信規格の仕組み自体が根本的に変わっており、この仕様による遅延は皆無となっている。
*7 ここにも、ポーリングレートによる遅延が生じる
*8 一部の対戦型FPSなどでは非人間的な高速連射を検知・入力拒否するシステムがあるとされ、不正行為として記録されるおそれもある