アメリカ合衆国の企業「Valve Corporation」が開発、運営しているPC向けプラットフォーム。
利用するにはSteamソフトウェア本体とSteamアカウント、及びインターネット接続が必要である。
読みは「スチーム」で、蒸気を意味する英単語のSteamと綴り・読みともに同様である。
対応タイトル
- モンスターハンター:ワールド
- モンスターハンターワールド:アイスボーン
- モンスターハンターライズ
- モンスターハンターライズ:サンブレイク
- モンスターハンターワイルズ
- モンスターハンター ストーリーズ
- モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
目次
概要
- PCゲーム、PCソフトウェアのダウンロード販売、ストリーミングビデオサービスの提供や、
Steam固有サーバーを用いたマルチプレイのサポートなど、
幅広いサービスを展開しているプラットフォームである。
主にWindows、Mac OS、Linuxといった、
オペレーティング・システム(以後、略してOSと表記する)で利用することが可能。- PCゲームの購入先として最も有名なプラットフォームであり、
PCユーザーだけでなく、「ゲーミングPC」を謳う程の高性能PCを製造・販売している企業ですら、
「PCゲームと言えばSteam」と言われる事があるほど有名な存在である。
- PCゲームの購入先として最も有名なプラットフォームであり、
- Steamでは、ソフトウェア本体またはWebサイトのストアから、
現在販売されているPCゲームや今後発売予定となっているPCゲーム等を閲覧する事が可能である。
また、ジャンルやカテゴリー毎にPCゲームを区別して検索する事も可能で、
直接ゲームタイトルを入力して検索、販売ページを閲覧することも出来る。- 販売ページ下部には、そのPCゲームの動作要件が記載されている。
自身のPCが購入したいPCゲームの要求スペックを満たしているかどうか、事前に確認することが可能である。
- 販売ページ下部には、そのPCゲームの動作要件が記載されている。
- ソフトウェアは全てダウンロード販売となるため、
冒頭で述べた通りインターネット接続環境がSteamのサービス利用の際に必須となる。
パッケージ版として販売されているSteam版PCゲームも存在することがあるが、
大体はパッケージに認証コードが付属しており、「Steam上で入力して認証する」というケースが多い。
- Steam本体である「Steamクライアント」はSteam公式サイトからダウンロードする事が出来る。
その後、PCにインストールし、Steamアカウントにログインして利用する形になっている。
最近では、「ゲーミングPC」を謳う高性能PCを製造しているメーカーが、
対象となるPCに「プリインストール*1」しているケースも増えている。
- Steamクライアントは単純なPCゲームプラットフォームではなく、
内蔵Webブラウザによるストアページの閲覧や、PCに接続されたゲームパッドの認識、正常な互換性の実現など、
PCゲームライフを送る上で欠かせない機能が多く搭載されているのが特徴。
特にゲームパッドは、PC関連のメーカーが設計、製造したUSB規格のゲームパッドだけでなく、
DUALSHOCK4やDualSense、Nintendo Switch Proコントローラー、Xboxコントローラーなどの、
ゲーム機用のゲームパッドも正常に認識し*2、互換機能を提供している他、
キーコンフィグ設定を弄る事で、自分好みの操作感を作り出す事も可能となっている。
- 利用規約によって「満13歳未満の人は利用できない」ように定められている。
これは利用規約という、
「Steamというサービスを利用する上で絶対に守らなければいけない事」によって定められた、
「明確な決まり事」であるため、これを無視して満13歳未満の人が利用する事する事は推奨されない。
勿論、他人のアカウントを借用するのも禁止されているため、注意が必要である。
ゲームについて
- Steamを語る上で欠かせないのが販売されているゲームタイトルの多さ。
その数は非常に多く、過去の名作から現在発売されている新規ゲームタイトル、
更にはインディーゲーム*3やアダルトゲーム*4、
果てにはアーリーアクセスゲーム*5も含まれているため、そのラインナップは幅広い。
何故ここまで幅広いラインナップを実現できているかというと、以下の2点が挙げられる。- 第1に、販売形式として「ダウンロード販売」という形態を採っていることが挙げられる。
特に、過去の名作をプレイしたいと思った時にそのゲームがパッケージ版のみの場合、
パッケージ版が生産終了していた場合、頑張って中古品を探すか、最悪入手不可能という事になる。
しかし、ダウンロード販売は販売サービスのサーバー側にデータが存在する限り、
販売元が発売を終了しない限り、いつでも購入することが出来るというメリットがある。
このため、Steamには過去から現在に至るまで幅広いゲームタイトルが揃っているのである。- 中でも「過去の名作が存在する」という点は大きなメリットとなっている。
SteamのプラットフォームであるPCの主流OSである、
Microsoft Windows OSは年代通してアーキテクチャが揃えられている他、
ゲーム設計、開発、動作などの機能を全て盛り込んだAPI「DirectX」が搭載されているため、
システム側の互換性の問題など*6が無ければ正常動作するからである。
これは、世代毎にアーキテクチャが異なる事が多い、
ゲーム専用機では決して実現できない事であり、
あのNintendo SwitchやPS4、PS5ですら、
過去の名作をプレイするには専用サービスに加入して、
専用のエミュレータ上でソフトを動作させる必要がある程の足枷となっている他、
専用サービスという関係上、プレイできる「過去の名作」が限られているという問題も招いている。 - 当然ながら、アダルトゲームの購入には年齢認証が必要となる。
Steamアカウントに生年月日を登録し、それを用いて認証する形となる。
- 中でも「過去の名作が存在する」という点は大きなメリットとなっている。
- 第2に、「開発者が参入するハードルが低い」という点が挙げられる。
Steam側で求めている法的手続きを終えれば、あとはソフトウェア登録料*7を支払えば、
Steamに、開発者が開発したゲームのストアページを簡単に開設する事ができるのである。
また、ストアページを開設する段階ではゲーム本体の納品、審査は必要なく、
先にストアページを作成して宣伝を行い、後に納品、審査を通してゲームを販売する…という手法も利用可能。
こういった、開発者側の参入ハードルの低さも、
Steamの豊富なソフトウェアラインナップに寄与しているのである。
- 第1に、販売形式として「ダウンロード販売」という形態を採っていることが挙げられる。
- 特記すべき事柄が無い限り、販売ページ下部にそのPCゲーム(PCソフトウェア)が動作する環境が記載されている。
具体的には- 対応しているOS
- ゲーム本体を最低設定で「とりあえず」動作させるのに必要なCPU、GPUの型番、VRAM*8の容量
- ゲーム本体を高品質設定で「快適」に動作させるのに必要なCPU、GPUの型番、VRAMの容量
- 必要なメインメモリ(RAM)容量
この内、最低設定で「とりあえず」動作させるために必要な環境は「最小要件」と呼ばれ、
一方で高品質設定で「快適」に動作させるために必要な環境を「推奨環境」と呼ばれる事が多く、
何方とも、ゲーム開発者が実際に確認した上で判明した性能指標として記述されているモノである。
自身のPC環境でも動作するのか、それを確認するためにも、
最低でも、要求スペックの欄にはしっかり目を通しておくことが強く推奨される。
Steamで販売されているゲームの大半は、
Microsoft社が開発したマルチメディアAPI「DirectX」を利用しているためか、
基本的に「対応するDirectXのバージョンをサポートするWindows OSのみ対応」という形が散見される。- ちなみにSteamで購入したソフトウェアは、正しい手続きを行うことで返金を受けることが出来る。
基本的に、まずは販売ページに記載されている動作環境をしっかり確認してから購入すべきだが、
動作環境を満たしているにもかかわらず動作しない可能性が絶対に無いという訳ではない。
返金を受けられる期間は定められているため、
ソフトウェア購入後出来るだけ早い段階で動作確認をしたほうが良いだろう。
体験版がリリースされている場合、それを用いて事前に動作確認をするのもありである。 - なお、ゲーム開発者が確認した最低設定は必ずしも「全ての設定を最小にした環境下ではない」ことがある他、
仮に全ての設定を最小にした環境下であっても、
ゲーム開発者がターゲットとする設定解像度やフレームレートの違いにより、
細かい設定をより下げる事で、最小要件以下のスペックのPCでもゲームが動作する可能性はある。
あくまで可能性はあるだけであり、PCに負荷をかけずに快適にプレイできる事を保証するモノではないという、
いわば自己責任によるモノになることは理解しておこう。
- ゲームタイトルによっては無料、ないし有料のDLCが発売されていることが多いが、
Steamではゲームタイトル本体とDLCがセットになった、セットパッケージで販売されているケースが多い。
このため、この販売形式を利用することで新規ユーザーは個別にDLCを購入せずとも、
ゲームタイトル本体とセットでDLCを購入、プレイすることも可能となる。
もちろん、ゲームタイトル本体のみを購入したり、DLCのみを個別購入する事も可能。- 後述するモンハンにおいても、
ゲームタイトル本体とDLCがセットになったパッケージ販売がなされているモノがある。
- 後述するモンハンにおいても、
- 購入したゲームはSteamアカウントに紐付けられ、ゲームライブラリに所有タイトルが全て表示される。
加えて、対応ゲームタイトルであればSteamクラウドサーバーにセーブデータもバックアップされる。
このため、PCを新調したり別PCでプレイしたい場合も、1つのSteamアカウントがあれば、
ゲームをダウンロード、インストールするだけで即座にゲームをプレイする事が可能である。
また、最近プレイしていない、使用しているストレージの空き容量の関係といった理由で、
インストールされているゲーム本体をアンインストールしたい場合、
自身のゲームライブラリからお手軽にアンインストールを実行することが可能である。
無論、所有権は残っているため、「アンインストールしたゲームを再びプレイしたい」と思った時は、
ゲームライブラリから簡単な操作で再インストール、再プレイが可能であるため、上手く利用すると良いだろう。- また、ゲームライブラリ上から所有権のあるゲームを削除する事も可能。
余計なゲームを表示させないための手段としては非常に役立つのではあるが、
システム上、この操作を行うと基本的に「所有権を手放した」と見做されるため、
ゲームライブラリ上から削除したゲームを再びプレイしたい場合、
場合によってはゲームの再購入が必要となる可能性がある。 - なお、初回起動時のみ正規購入品である認証を実施するためにインターネット接続が必要。
初回認証後はオフライン環境でもプレイすることが可能となる。 - 注意事項として、1つのSteamアカウントでゲームをプレイできるPCは1台のみという点が挙げられる。
同一のSteamアカウントを用いて、
インターネットに接続された複数のPCで同時にゲームを遊ぶ…という事は出来ないので気をつけよう。
- また、ゲームライブラリ上から所有権のあるゲームを削除する事も可能。
- Xboxシリーズにおける実績、PlayStationシリーズにおけるトロフィー機能に相当する機能として、
Steamには「実績」と呼ばれる、ゲームをやり込んだ証となる機能が設けられている。
Xboxシリーズの実績には、その難易度に応じたスコアが設定されており、
一方でPlayStationシリーズのトロフィー機能には、
その難易度に応じた銅、銀、金、プラチナのランク分けがされているが、
Steamの実績システムは、高難易度の実績に「放射光が発せられる」というギミックが用意され、
低難易度の実績と見た目で区別できるように工夫されている。
この実績はユーザー自身が獲得した実績、他のユーザーが獲得した実績を閲覧することだけでなく、
そのゲームを所有している「全Steamユーザーが獲得した実績*9」の比率を閲覧する事も可能になっている。- ゲームによっては獲得するまで詳細の分からない「秘密の実績」が用意されている事もあるが、
グローバル実績を見る事でどんな名前の実績かは分かってしまう。
- ゲームによっては獲得するまで詳細の分からない「秘密の実績」が用意されている事もあるが、
- PCゲーム特有の事情として、
グラフィックオプションが別途設けられ、グラフィックス設定を細かく調整できる事が多い。
これはユーザー自身の手で自身のPCスペックを強化したりすることが可能、
つまりPCの性能が各々違うため、PC環境に応じて調整できるようにするためである。
- ゲームの購入は「Steamウォレット」と呼ばれる仮想通貨を用いる。
この通貨は現実の通貨と全く同じ価値を持っているため、
純粋に「Steam上で売買するためのお金」という風に捉えて貰って問題ない。
また、クレジットカード・デビットカード・プリペイドカードやPaypal、
コンビニ決済、銀行振込などによる直接的な支払い方法にも円建てで対応している他、
これら直接的な支払い方法を用いてSteamウォレットに金額をチャージするという使い方も可能である。- タイトルによってはSteamキー(CDキー)版(ダウンロードコード)をイーカプコンなどの
ECサイトで購入することができるようになり、購入のハードルが少し下がった。
また、MHRise以降はSwitch版と同様にダウンロードカードも発売している。*10
- タイトルによってはSteamキー(CDキー)版(ダウンロードコード)をイーカプコンなどの
オンライン環境について
- Steamのオンライン環境は単純なオンラインマルチプレイに限らず、
Steamコミュニティと呼ばれるユーザー交流機能、
フレンド機能やチャット、ボイスチャットなど多岐に渡る。
- Steamコミュニティやフレンド機能はユーザー間交流として利用することが可能。
単純な文章による交流だけでなく、動画や画像による交流も可能となっている。
また、フレンド同士であれば専用のチャット、ボイスチャット機能が利用可能である。
- オンラインマルチプレイはSteamが設けている専用サーバーを用いる形となる。
利用自体は無料であるが、PlayStation NetworkやNintendo Switch Online等とは異なる、
独立したサーバーであるため、
同じSteam版ユーザー同士としかオンラインマルチプレイが出来ないので注意が必要。- 例外は「そのゲームタイトル固有の専用サーバーを利用する」ケースのみ。
この場合は同一ゲームタイトルであれば異種ハード間でのクロスプレイが可能となる。
ただし、オンライン環境の利用にはそのゲームタイトル毎の条件が適用されるので、
随時確認が必要となる。*11
- 例外は「そのゲームタイトル固有の専用サーバーを利用する」ケースのみ。
- Steamフレンド機能を用いることで、ゲームをギフトとしてプレゼントする事が可能である。
親しいフレンドに自身がオススメするゲーム、同じゲームをプレイして欲しい時に利用すると良いだろう。
一部ユーザーの間では安価のクソゲーを投げつける遊びが存在するとかしないとか
モンハンにおいて
- モンハンにおいては
- モンスターハンター:ワールド
- モンスターハンターワールド:アイスボーン
- モンスターハンターライズ
- モンスターハンターライズ:サンブレイク
- モンスターハンターワイルズ?(2025年発売予定)
- モンスターハンター ストーリーズ(2024年夏発売予定)
- モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~
- 性能が限られているゲーム機と異なり、ユーザー自身の手で性能を調整できるPC版故に、
モンハンシリーズにおいてもグラフィックオプションが新規に設けられており、
グラフィック設定を細かく調整できるようになっている。
相応のPCスペックがあれば、ゲーム機以上のクオリティでモンハンを楽しんだり、
あえて設定を下げてフレームレート重視でプレイする…といった、
各々のスタイルでモンハンのゲーム環境をチューニングする事が可能である。
- Steam版モンスターハンターシリーズは無料でオンラインマルチプレイを楽しむことが可能である。
これは上述した通り、Steam側のサーバーを利用するためである。
ただし、この関係上、各プラットフォーム毎にサーバーが独立しているため、
MHW~MHR:SはPSハードユーザーとXboxハードユーザー、
MHRiseとMHR:S、およびMHST2はNintendo Switchユーザー間とのクロスプレイは不可能である。
各社が提携し、プラットフォームの垣根を超えてクロスプレイを実現する…という動きも見られないため、
基本的に「クロスプレイそのものが絶望的」という事は頭に入れたほうが良いだろう。
- なお、有志の手によってMOD*12が開発されている事がある。
これらを導入して遊ぶことが出来るのも、PC(Steam)版のメリットである。
ただし、当然ながらこれら MODは全て非公式であり、
尚且オンラインプレイの際はお互いが同じMODを導入していないと誤動作を招く可能性がある。
以上の理由から、MODを導入した環境下でのオンラインマルチプレイは止めた方がいい。
最悪の場合、チート行為として取り締まられる可能性も十分に考えられる。
あくまで自己責任で、個人で楽しむもの、と捉えるのが無難だろう。
当wikiは正規プレイを前提としており、MODを使用しての攻略情報や導入方法は記載しない。
なお、こちらに詳しい情報が記述されているが、
カプコンは(システム上)チートとの区別が困難なこと、公序良俗に反するMODの存在等から、MODの利用を認めていない。
- コントローラーはPC用コントローラーだけでなく、SwitchやPS4、PS5、Xboxなどのものもそのまま使うことができる。
以前はMODでボタン表記を修正する必要があったが、
MHW系列やMHRise系列ではゲーム内オプションからボタン表記が変更可能。
SteamがNintendo Switch ProコントローラーやDualSenseに公式対応していることもあり、
使い慣れているコントローラーで不自由なく遊ぶことが出来る。- なお、Steamは基本的にXboxコントローラー準拠の操作になるため、
Nintendoコントローラーを接続するとボタン設定がややこしいことになる。
Steam側の設定で「Nintendoボタンレイアウトを使用」という項目があり、
これをONにすることでNintendoコントローラーに最適化された状態に切り替わるので、
NintendoコントローラーをSteamで使う際は、この設定を覚えておくと良いだろう。
ただし、MHRiseにおいてはゲーム内に各コントローラー向けのボタンガイドを用意する形で対応しており、
この機能を有効にするとボタン割り当てがややこしいことになるので注意が必要である。
- なお、Steamは基本的にXboxコントローラー準拠の操作になるため、
- 全くの余談だが、MHW系列はSteamで配信中のゲームの中でも高負荷な部類に入る為、
PCパーツのレビュアー達の間ではCPUやGPUの性能の、
検証・比較を行う為のベンチマークソフトの一つとしてMHFに替わってよく用いられている。- これは同程度のグラフィックのゲームと比較してCPUの負荷が大きく、
GPUを揃えるとCPUの性能差によりスコアが開きやすい為、
CPUの性能計測に向いているからである。
ベンチマークとしても最適なツールとは言い難い存在となっている。
理由は、MHW系列と比べてMHRise系列は極めて軽量なゲームであるがために、
最低限の性能さえ確保できていれば、多くのハードウェア構成で快適にゲームがプレイできるからである。
ただ、処理負荷が低いことを逆手に取り、GPU使用率の監視用途に適してはいる。*13 - これは同程度のグラフィックのゲームと比較してCPUの負荷が大きく、
Steam Deck
- 「Valve Corporation」が発売した、PCゲームのプレイを想定して設計されたモバイル形PC。
見た目は携帯モードのNintendo Switchに近いが、
中身はPCゲームのプレイに耐えられるPCそのものである。- コアプロセッサとしてPlayStation5、Xbox SeriesX/Sと同様、
AMD社のAPUを採用、ワンチップに収める事で限られたスペースにCPU、GPUの搭載を可能にしている。*14
CPU側はZen2マイクロアーキテクチャベース「4高性能コア、8スレッド」、
GPUはRDNA2アーキテクチャベース、最大1.6TFLOPSとPlayStation4に匹敵する描画性能を持ち、
RAM(揮発性メモリ)も16GBと潤沢な容量を確保、
Steamで販売されているWindows PC向けのAAAタイトルのプレイにも耐えられる。
また、インターネット接続用にWi-Fi5(IEEE 802.11ac)モジュールが搭載されており、
互換機能により、Wi-Fi4(IEEE 802.11n)にも対応しているため、
2.4GHz帯と5GHz帯の双方が利用可能となっている。 - 外部出力用のドッキングステーションも用意されており、
こちらはSteam Deck本体に備わるUSB Type-Cポートに接続する形で使用。
USB Type-Aポート3基*15とHDMI2.0、DisplayPort1.4ポート、
そして有線インターネット接続用のRJ45イーサネットポートがそれぞれ増設される形となっている。
また、このドッキングステーションを利用すると、
Steam Deck本体側のUSB Type-Cポートが塞がる。
つまり、デバイスの追加と充電が不可能になってしまうため、
前者に関しては、上述したUSB Type-Aポートを利用する形となり、
後者についてはドッキングステーションに設けられた、USB Type-Cポートを利用する形となる。
- eMMC PCI Express2.0 64GB
- M.2 NVMe SSD PCI Express3.0 256GB
- M.2 NVMe SSD PCI Express3.0 512GB
異なるのはストレージ部分のみで、基本構造は全モデル共に同じというモノになっている。
デフォルトでは独自規格のSteam OSが搭載されているが、
後でカスタマイズしたり他のOSと取り替えたりすることも可能。- 上述の通り、GPUはRDNA2アーキテクチャを採用しており、
RDNA2アーキテクチャはレイトレーシング処理専用のコアを搭載している。
しかし、Steam Deckではレイトレーシング処理専用コアは使われていないようで、
公式サイトのスペック表にも、レイトレーシング対応の表記は無いため、
レイトレーシング機能は使えないと考えたほうが良いだろう。 - ストレージについては、外付けストレージに相当する媒体として、
MicroSDメモリーカードが利用可能となっている。
これは全てのモデルのSteam Deckにスロットが標準搭載されている。
また、自己責任ではあるが、M.2スロットを採用しているモデルに限り、
分解することでM.2 2230サイズのM.2 NVMe SSDを換装する事が可能。
なお、換装の際は新しいSSDにSteam OSをインストールする必要があるため、
交換先のM.2 NVMe SSDの他にSteam OSインストールメディア用のUSBメモリが必要になる。
- コアプロセッサとしてPlayStation5、Xbox SeriesX/Sと同様、
- ハイエンドモデルのPCを持ち運び出来、ゲームプレイにも向いた構造と言うこと、
豊潤なゲーム資産に恵まれたSteamプラットフォームが利用可能という事もあって、
発表時は既に世界的にすさまじい売上を叩きだしていた、
Nintendo Switchを脅かすものであると、非常に強く期待されていた…のだが、
いざ発売されても事前の期待ほどに盛り上がっているかと言われると、そうでもない様子である。- この理由に関しては大きく分けると3つほど上げられる。
- まず1つ目は、価格である。
上述した通り3種類のラインナップがあるSteam Deckだが、
最も下位の64GBモデルのものの日本での予定価格が税込で5万9800円、
中間の256GBモデルが7万9800円、最上位の512GBが9万9800円となっている。
この価格は高性能PCとして見れば破格の安さではあるものの、
ゲーム以外のことにも応用可能な一般的なPCと異なり
ほぼゲーム専用機であるSteam Deckは、どうしても他のCSゲーム機と価格が比べられがちになる。
Nintendo Switchが約3万円、PS5が約5~6万円、Xbox SeriesX/Sが約3~5.5万円である、
と考えると、どうしても割高感は否めない。
もちろんこの価格は2022年時点での円安も影響しているため
海外ではもう少し手に入りやすいかもしれないが、それを考慮してもCS機より割高であるし、
PCを視野に入れると、あと2~3万足せば同等以上の性能を有する、
「PCゲーム」に対応できる程の性能を有するPCの存在がチラつくのも難点と言えよう。*16 - 2つ目に上げられるのは、基本スペックである。
Steam Deckは持ち運びが可能とは言え、重量は約669グラムとなっている。
Joy-Conを付けた通常のSwitch本体が約398グラム*17であることを考えると、
持ち運んだり寝転がったりしながらゲームをやるのは中々つらいであろうことは想像し易い。
また、バッテリーの持ち時間もゲームによっては1時間ほどで切れてしまう。
これらに関しては外部出力用ドッキングステーションを使えば問題は解決するが、
そうなるとせっかくの持ち運び可能と言う利点が生かせない。
更に、下位のモデルではゲームによっては増設が必須と言えるほどに容量が少ないため、
結果的に最上位の512GBモデルを選ぶのと大差ないと言う難点も存在する。 - 3つ目に挙げられるのは、Steam Deckはゲーム機として設計されたのではなく、
あくまでモバイルゲーミングPCとして設計されたという事。
これは、ゲームソフト側がSteam Deckに最適化されているという事は一切ないという事を意味し、
ユーザー側はSteam Deckの性能を把握して、
ゲーム側の品質設定を調整する必要があるという事に繋がる。
このため、本場のゲーム機のように「ソフトを購入すれば特に気にせず遊べる」という訳では無い他、
Steam Deck OSの仕様と上手く噛み合わずに不具合を起こす事もある。
このため、Steam Deckはゲーム機ではなく、
あくまでPCの延長線上の存在である事を把握しておく必要がある。 - とはいえValve社はSteamで販売している各タイトルについて、Steam Deck上での
動作互換性や快適性をチェック・公開しているため、事前にある程度の判断は可能。
発売済のMHシリーズにおいては、ワールド(アイスボーン)及びライズ(サンブレイク)は
特別な設定なく快適にプレイできる「確認済み」である。
ストーリーズ2は残念ながら「非対応」。モバイル型はRPGと相性が良いだけに悔やまれる。
持ち運び可能、場所を問わずに手軽に遊べる点に魅力を感じれば、
購入の検討は充分あるゲーム機であると言えよう。
電車やカフェでサッと取り出して一狩り、といった使い方は難しいかもしれないが、
自室のベッドや出張先などで電源に繋いで遊ぶような場合は、なかなかいい仕事をしてくれる。 - まず1つ目は、価格である。
- この理由に関しては大きく分けると3つほど上げられる。
- 北米や欧州主要国にて2022年2月25日に発売。
日本国内では、同年12月17日より市場への流通を開始、その後は一般販売へ移行、
2023年4月末からは店舗販売も開始された。
- なおこのSteam Deckの発売直前のタイミングに、
次世代機となる「Steam Deck2」なるものの計画も既に動いているとの発言をValve社が公式に明言している。
肝心の次世代機がどのようなスペックでいつ頃登場するかは不明だが、
購入を迷っていると言う人はそちらの情報も追っておくといいだろう。
- 日本での発売からおよそ1年後、マイナーモデルチェンジを行い有機EL(OLED)版が発売された。
ディスプレイの発色の強化やサイズ向上のほか、
バッテリー効率や排熱などと言った様々な部分に改良が加えられている一方、マシンスペックは据え置き。
価格帯がスライドする事によって事実上の値下げも行われ、
大雑把に言えば初期型と同じくらいの値段で64Gモデルは256Gに、256Gモデルは512G+OLEDに、
512Gモデルは1T+OLEDにアップグレードされたといえる。
64Gのモデルは廃止されたのだが、もしこれがさらなる低価格で提供されていれば、
今度こそNintendo Switchを脅かす存在になっていた……かどうかは、神のみぞ知るところである。
- 完全な余談となるが、モンスターハンターワールド:アイスボーンにおいて、
Steam Deckの最適化を強化したアップデートを実施し、Steam Deckでのプレイが以前より快適になった。
誰が言ったか「MHW(:I)ポータブル」