モンハン用語/モンハン持ち

Last-modified: 2023-08-28 (月) 00:44:25

主にPS2作品・PSP作品のMHシリーズをプレイする時に用いられるコントローラの特別な持ち方。
モンハン用の持ち方ということで「モンハン持ち」と呼ばれる。

目次

概要

  • ハンティングアクションのMHシリーズでは、ご存じの通り
    「ハンターの移動」と「視点操作」が独立しており、
    プレイヤーはハンターを動かしつつモンスターの位置を正面に捉えるように
    俊敏な視点操作を要求される。
    ところが、MHP3までのシリーズには現在の「ターゲットカメラ」のような、
    ワンボタンでモンスターの正面に自動で視点変更をするシステムは備わっておらず
    しかもPlayStation2で発売されたメインシリーズ作品においては、右スティックに割り当てられていた操作が、
    昨今のFPS・TPSゲームのCS版で見られる視点変更ではなく、攻撃アクションだったため、
    方向キーで視点変更をする必要があった。
    実際にPS4などのゲームコントローラーを触ると分かるが、
    普通の持ち方では左スティックと方向キーの同時操作、つまり移動と視点変更を同時に行うのは極めて難しい。
    それを実現するためのコントローラーの持ち方として編み出されたのがモンハン持ちである。
  • ちなみにPSPもアナログパッドと方向キーが両方とも左側にあるため、
    PSPでのシリーズ作品でも移動と視点変更を同時に行うのは難しく、モンハン持ちが活用された。
    後述するが、「モンハン持ち」という用語自体の発祥はPSP作品であるとみられる。

詳細

  • 右手は従来の持ち方と変わらないが、左手の人差し指で方向キーを操作するのが最大の特徴。
    「モンハン持ち」で検索していただければ具体的な絵面はすぐに分かると思われるが、
    通常ゲームコントローラー(PSP)を持つ場合、左手人差し指はLボタンに置いておくことになる。
    モンハン持ちでは、親指はアナログスティック(アナログパッド)というのは同じだが、
    人差し指は折り曲げて方向キーの上に置くというのが大きな違いである。
    慣れるまでは指を攣りそうになる持ち方だが、使いこなせば移動と視点変更を同時に行うことができる
    • ちなみに本来人差し指が担当するLボタンをどうするかは人によって違う。
      「中指で押す」「必要なときのみ人差し指を移動して押す」などが多い。
      いずれにしても人差し指の基本ポジションが方向キーの上という点で、
      通常の持ち方とは一線を画している。
  • この持ち方自体はMH無印やMHGの時代から存在しているが、
    続くPSP作品であるMHPでもこの方法を取り入れるプレイヤーが多かった。
    だいたいMHPの頃からこの呼び方がちらほら現れ出し、
    更に同シリーズが爆発的に普及したMHP2において、当時非常に珍しいPSPの持ち方であるとして
    「モンハン持ち」の呼び名が完全に定着することになった。
    続くMHP2Gに至っては公式ガイドブックでもこの持ち方の紹介が書かれている。
    電車の中でPSPをこの持ち方でしている人がいればほぼ間違いなくモンハンプレイヤー…という時代もあったほど。
  • 攻略本や半公式の書籍でも度々この持ち方が推奨されているほど当時の界隈では一般的な持ち方と言えたが、
    当然ながら、指の太さ・長さ・手の大きさ・慣れなどにより操作しやすさには個人差がある。
    また、この持ち方というか操作方法(視点変更と移動の同時操作)はそれなりの器用さが求められ、
    誰でもできるという訳ではない。
    更に上述したようにPSPでは手に負担がかかり、長時間プレイに向かないという欠点もある。
  • PSPでは元々PS2コントローラーでやる指のポジションを、
    ゲームグリップの無い状態で行っているため、普通の持ち方よりは手に負担がかかる。
    その為、モンハン持ちに特化した専用グリップなるものが販売された事も。
  • 上記の点からモンハン持ちが出来ない(しない)プレイヤーも少なくはない
    (「モンハン持ちができません。」の著者などが有名)。
    いわゆる普通の持ち方でも、Lボタンで視点を強制的に前方に変更するという仕様を活かし、
    攻撃時は方向キーを触らず、モンスターやハンターが移動した際に、
    モンスターの側を向く→Lボタンで視点変更して対応するプレイヤーもいる。
    カメラは一瞬で背後に回り、モンスターの動きさえ読めていればより確実に視界内に捉えられる他、
    ハンターがモンスターに対して正対している状況であるため、
    攻撃もしやすくガード可能武器なら咄嗟にガードも効くなど、便利な部分はある。
    • ただしこれを行う為にはモンスターの位置を見極めなければならない。
      MHP2Gでもナルガクルガ、MH3以降の作品では全般的に、
      慣れない内だと逆にモンスターを見失ってしまうこともしばしば。
    • この他にも回避中や攻撃、アイテムの使用など、各硬直の間に方向キーでサッと向き直すことも可能。
      ただこちらに関しても、モンスターの位置やテンポを把握しておかないと被弾の原因になってしまう。
  • 当時は異端とされるモンハン持ちだが、PSPをMHPシリーズ専用機として使っており、
    他のゲームは一切遊ばないプレイヤーはモンハン持ちが通常の持ち方となるため、
    モンハン持ちが異端な持ち方だと知って逆に驚く人もいたという。
    • 因みに他のPSP作品でも、オートカメラが無く視点変更とプレイヤー移動が独立していれば
      モンハン持ちが効果的に機能する。
      左スティック(パッド)と方向キーを同時に操作したくなるゲームであれば、この持ち方になりうる。

変遷

  • 初代から存在し、MHP2(G)で一躍有名になった「モンハン持ち」であるが、
    この操作が(操作体系上)できるかどうかは、長年界隈での関心事となっていた。
  • Wiiで発売されたMH3では、
    そもそも根本的な操作体系がリモコン(ヌンチャク)に変わるという事で大きな話題になった。
    実際にはクラシックコントローラーも用意され、
    それを使うことで「モンハン持ち」を行うことができた。
    スティックが攻撃アクション入力になっている操作タイプ(Type2)に設定することで、
    概ねPS2コントローラーと同じような操作ができる。
    • なおこの当時は「モンハン持ち=PSPのモンハンと全く同じ持ち方と操作」という認識も強く、
      「クラシックコントローラーではモンハン持ちが出来ない」ともいわれていた。
      実際には、人差し指でカメラ操作をする必要があり、
      モンハン持ちの条件である左手の配置はクラシックコントローラーでも同じである。
    • PSPとほぼ同じボタンアサインのType1も存在するが、
      こちらは視点変更を右アナログスティックで行えるため、モンハン持ちをする必要がない。
      ただしこちらは操作性が微妙に悪いと言われていた。
      詳しくはクラシックコントローラーの記事も参照のこと。
  • MHP3は一時期、PSPgoで発売するかもしれない。と噂されており、
    PSPgoのボタンの配置上、モンハン持ちが困難になるので一部で不安が高まっていた。
    どんな感覚か体験してみたい方はPSPを縦にして持ってみると分かるだろう。
    実際はPSPで発売されており、モンハン持ちは当然可能であった。
  • MH3Gでは、従来の常識を大きく覆す出来事が起こった。
    ターゲットカメラの実装である。
    Lボタンを押せば視点が自動的にモンスターの方向を向くというものであり、
    これによって従来の視点操作を行わなくても快適な狩りが望めるようになった。
    なお3DSでは下画面に仮想十字ボタンが表示され、
    それを用いることで従来の視点変更は一応は可能である。
    • ターゲットカメラの性質上、周囲を見渡すようなカメラ操作は出来ないため
      小型モンスターの掃除などは自分でカメラを操作しなければならない。
    また、3DSはアナログパッドと十字ボタンの位置がPSPとは上下逆であることから、
    そもそもモンハン持ち自体が難しくなった。
  • MH3Gの当時はモンハン持ちに慣れていたプレイヤーが多数存在しており、
    まだターゲットカメラ関連も過渡期であったことから、
    「モンハン持ちが仕様上できない」事への不満を感じるプレイヤーはそれなりに存在していた。
    一応そのような声を予測してか、任天堂から3Gと同時に「拡張スライドパッド」が発売された。
    (とはいえ重さや大きさは確実に増してしまうためこれも好みはある。)
    また、3DSの下画面に存在しているパネル配置を操作し、
    カメラのパネルを人差し指が届く左側に置くことでもある程度は対処できる。
  • また、拡張アイテムを使用せず、どうしてもモンハン持ちをしたいというプレイヤーも存在し、
    強引に新モンハン持ちを生み出したり、あろうことか、拡張スライドパッドを改造したり、
    仮想十字ボタンに本物の十字ボタンっぽいものを貼り付けるという驚きの暴挙に出た馬鹿強者も現れた。
    さすがにここまでモンハン持ちに固執するのはかなり少数であるが…。
    • 一応、「攻撃をしながらでも周囲や背後を見やすい」という利点もある。
      スタンや麻痺中に攻撃をしているところに、こっそり背後から近づくロケット生肉
      ベリオロス亜種の小竜巻なども未然によけやすい。
  • 任天堂の据置機であるWii Uで発売されたMH3GHDは、
    Wii用のクラシックコントローラーにも対応しており、それを使用すれば従来通りのモンハン持ちが可能。
    右スティックでカメラ操作も可能である。
    なおゲームパッド使用時は、手の大きさによっては仮想十字ボタンに指が届かないことがある。
    • 一方でWii UとNintendo Switchにおける純正のプロコントローラーは、
      左アナログスティックと十字ボタンの配置が逆のためモンハン持ちができない。
      ただし、方向パッドとアナログスティックを入れ替え可能なサードパーティー製のコントローラーがあり、
      それを使用して強引にモンハン持ちをする剛の者もいるという噂も。
  • MH4以降のシリーズではターゲットカメラの重要性が更に上がり*1
    そもそもモンハン持ちの必要性自体が薄くなっている
    ただ、約7年近くにわたって普及した持ち方であることから、
    モンハン持ちに拘り独自の工夫を図るプレイヤーは、MHXXの頃まで存在していた。
    • Newニンテンドー3DSシリーズではXボタンの少し上の位置に、
      拡張スライドパッドでいう右パッドに該当する「Cスティック」が存在する。
      スライドパッドのそれと比較し、比較的近い場所に配置されているので、
      Cスティック独特の操作感に慣れれば所謂「攻撃しつつ周囲を見る」ことは難しくはないと思われる。
  • 据置機のMHWorldについては、ターゲットカメラに加え自動追尾機能(常にモンスターへ視点が向く機能)が実装された。
    更にMHFの携帯機操作同様、右スティックでの視点変更が可能である。
    方向キーについては設定で視点変更に割り当てることが出来るため
    「モンハン持ち」は可能ではあるが、方向キーを視点変更に割り当てた場合、
    アイテム使用に大変便利なカスタムショートカットキー機能が使用不能になってしまうため、
    そちらに慣れてしまうとモンハン持ちには戻せない、という声があるようだ。
    • 大型拡張コンテンツのMHW:Iでは方向キーで視点変更かつカスタムショートカットが
      使用可能となる操作タイプが新たに追加され、この問題は解決された。
    • カメラ操作ではないが、上記の操作タイプ(R2で切り替え)を使用せずに
      ショートカットパレットの切り替えを移動しながら行う場合には、人差し指で方向キーを操作する必要がある。
      またこの場合、Lボタンを中指で操作することになる。
  • MHFではMH2と同じ操作体系である「クラシック」が選択でき、
    (現在では入手困難だが)PS2コントローラー、或いは近い形状のコントローラーを使用できるため、
    PS2作品と同様の形式であるモンハン持ちは出来る。
    また「携帯機」操作の場合はボタンアサインがPSP作品に近い形になり、
    右スティックでも視点変更ができるようになるが、
    方向キーの視点変更操作は失われていないため、こちらでもモンハン持ちは可能。
    どちらにしても、MHF-G8アップデートでターゲットカメラ機能
    (同作ではロックオンカメラという名称)が実装されているため、
    他シリーズ同様モンハン持ちの必要性自体はサービス後期になると薄くなっていたが、
    MHFの元々の経緯から、古くからのプレイヤーからはターゲットカメラを用いず、
    クラシックタイプでのモンハン持ちによる同時操作を推奨する声が強めである。
    • なおMHFのプラットフォームの内、Xbox 360とWii Uは先程のSwitchと同様、
      標準コントローラーの左アナログスティックと方向パッド(十字ボタン)の
      配置が逆のためモンハン持ちは不可能だが、サードパーティー製のコントローラーで解決できた。
    • また、PSVita版に関しては、右アナログスティックが存在するため、
      他のプラットフォーム同様に右スティックを攻撃か視点変更のどちらかに設定できる。
      一応モンハン持ちも可能だが、有効性については上述した通り。
  • MHP2G for iOSやMHNow(横画面)ではデバイス形状の関係上、モンハン持ちは極めて難しい。
    だがこれらにはターゲットカメラ機能と自動追尾機能があり、
    視点変更と移動を同時に行う必要性が薄く、モンハン持ちはそこまで重要ではない。
    また、MFiなどのゲームコントローラに対応するため、それでモンハン持ちをしようと思えば可能である。

余談

  • 上述したようにターゲットカメラの無い作品では使いこなせばかなり便利な持ち方ではあるが、
    持ち方や操作性には個人差があり、更に誰でもができるわけではないという点で、
    その定義(持ち方や操作方法)・重要性・必須性については論争になりやすかった。
    PSP作品での展開が終了した直後は特に、
    コミュニティなどでモンハン持ちの必要性についての話題が出ると荒れる原因になりやすかった。
    MH3Gの発売から10年以上が経過している現在ではこの点を論じられることも減ってきたが、
    少なくとも自分の考えを押し付けるような意見はすべきではないだろう。
  • なお、冒頭ではモンハンシリーズをプレイする際の持ち方、として紹介したが
    近年、FPS*2等のシューティングゲームの人気が高まるにつれ、
    コントローラーを使用するプレイヤーが、視点移動とキャラクター移動を
    同時に行うことができるモンハン持ちを採用する事もある。
    キーコンフィグ等の紹介サイトでは「通常持ちの場合」に加え、「モンハン持ちの場合」が紹介されていることもある。
  • モンハン持ちと双璧を成す存在として、フロム・ソフトウェアの人気IP『アーマード・コア』が発祥の、
    コントローラーを表裏逆に持つ「AC持ち」という超人じみたテクニックがある。
    こちらは複雑なコマンド操作を素早く円滑に行うため、
    普段使ってない指をボタン操作に割り振るために生み出された。

関連項目

ゲーム用語/プレイステーション2 - 操作方法の発祥
ゲーム用語/プレイステーション・ポータブル - 「モンハン持ち」という呼称が普及した大きな要因
ゲーム用語/クラシックコントローラー
ゲーム用語/拡張スライドパッド
イベント・メディア展開/モンでき。 - 初期のタイトル「モンハン持ちができません。」は、著者がモンハン持ちできないことが由来。
モンハン用語/プレイヤースキル


*1 同作から取り入れられた高度差の概念に対応し、上下の視点変更にも対応できるようになった。上空のリオレウスなどを素早く捉えられる
*2 First-person Shooter、一人称視点のシューティングゲームのこと