世界観/滅竜砲

Last-modified: 2023-11-12 (日) 11:26:41

ノベル版「モンスターハンター 狩りの掟」に登場した兵器。
王立武器工匠により開発された。

目次

概要

  • 金属製のリオレウスの頭部を台座に乗せたような奇怪なデザインの兵器。
    通常の大砲よりも大きく、圧縮された超高熱の火球を放つ。
    リオレウスの火球を吐き出す仕組みの威力を強化して、人工的に再現したもの。
    いわば人の手で火竜を作り出そうとしたのに等しい。
    図面によると撃龍槍を超える威力を持つらしく、
    実際、火に耐性があるリオレウスすら一撃で火達磨にしてしまう威力を誇る
    この兵器の基本的な仕組みは、古代大戦の資料にあった超兵器を再現しようとしたもの、という噂がある。
  • 劇中では、なかなか複雑な発射手順が描写されている。
    • 最初に火薬岩を精製した燃料棒を挿入し、
      砲身がランゴスタの羽音のような騒音を立てながら発熱すると、
      熱された火竜の骨髄が強い異臭を発する。これが圧縮された火球を生み出すらしい。
  • 機関部には火竜の骨髄が大量に使用されており、砲身は純度の高いマカライト鉱石で造られている。
    一機造るのに、マカライト鉱石が二百個は必要だとされ、
    強度はリオレウスの鉤爪でも破壊するのは困難なほど。
    威力は耐火性に長けるリオレウスの素材をも焼き潰してしまうほどだが、
    破壊力が高すぎて、倒したモンスターから素材を得ることができない。
  • 大きさに加え、アプトノスに牽引させて動かさねばならないほどの重量を持つ。
    このため動きは鈍く、向きを変えるのも一苦労で狙いもつけづらい。
    ただしこの辺りは現実の中近世の大砲にも言えることで、
    ましてモンハン世界の大砲はMHWまで横に振る事もできなかったのだから、
    この点に関してはむしろ狙いをつけられるだけ優秀な設計と言っても良い。
  • 大砲や爆弾の類全般に共通する話だが、
    狙いはともかく当たった際の破壊力が個人のセンスや体力などに左右されないのも大きな利点である。
    操作に必要な知識と体力さえ付ければ、一般人が遠距離から
    各種ハンター用武器を遥かに上回る威力を撃ち込めるわけで、
    こと兵器としての優秀さに関しては、かなり非凡なものがあると言えよう。
  • ただし、これ程の威力を生み出すための欠点もある。
    • 上記の取り回しの悪さに加え、燃料棒を入れてから発射までに15分間の加熱が必要
      その燃料棒も発射のたびに入れ替えなくてはいけない。
      さらに、2発目以降は焼け付いた砲身のせいで交換作業が滞り、炎の圧縮にかかる時間も増す。
    • マカライト鉱石を融解させて造り上げた砲身でも
      骨髄の発する熱には耐え切ることができず、使用できるのは三回が限度となっている。
    • 大量に希少鉱石と火竜の骨髄を使用するため、製造も簡単ではない。
      特に骨髄は正規のギルドの依頼ではとても足りず、偽装した依頼でも不審に思われる為、
      武器工匠は違法ハンターにまで依頼を出していた。
      彼らが分別無く幼体の火竜まで狩猟した結果、
      個体数を調査していた保護団体が異変に気付き、今回の事件発覚の糸口となる。
    • 悪いことに、火竜の骨髄が空気に触れて燃焼する際の臭いは
      一種の異性に対するフェロモンのような効果があり、
      縄張りを侵されたと勘違いしたリオレウスを呼び寄せてしまう。
      劇中ではミナガルデ周辺を縄張りにしているリオレウス達がこの臭気に気づき、
      余所からの侵入者と勘違いして縄張りから追い出そうと襲来してきた。
  • この兵器はハンターの存在を快く思わない王国騎士たちが、
    王立武器工匠の力を借りて設計したもので、
    ラオシャンロンを討伐するために造り上げられた。
    しかし肝心のラオシャンロンへの砲撃は身体に積もった土と苔を吹き飛ばしただけで、その下の甲殻は無傷だった。
    結果としてミナガルデにはラオシャンロンに加えリオレウスが大挙して押し寄せる事態になり、
    最終的には全ての砲台をクレーンで持ち上げてラオシャンロンの背中に落とし、
    リオレウスの群れごとラオシャンロンに持っていって貰うという本末転倒な結果に終わっている。

余談

  • 全体的に失敗と否定という結末で終わっているが、
    ゆうきりん版は養殖アプトノスの肉の味に主人公が微妙な評価を下したりするなど
    人為的なものよりナチュラルである方を優先させるような価値観があり、
    この兵器に関しても、主人公は上記の欠点とは別に
    「ハンターの誇り」という感情論で否定していた。
    • 野生の命と向き合って来たハンターの心情としてはごく自然なのかもしれないが、
      ハンター御用達のギルド製バリスタや大砲、もっと言えば
      強力なハンター用武器もまた段階的に開発されて来たものであるため、
      どこまで新しくて強力で便利なら「誇りが無い」のかは主観的な決め付けになることが避けられない。
      後のシリーズではハンターも巨龍砲ような兵器を活用しているため、
      その線引きは微妙なところとも言える。
  • 己の身ひとつで挑む狩猟との対比、言ってしまえば噛ませ犬として作中ではさんざんな扱いを受けている代物だが、
    ハンターや他の移動式兵器が不可能な大型モンスターの一撃必殺を成し遂げている点は特筆すべきである。
    シリーズ全体を見ても滅竜砲に匹敵する威力を持つと思われる兵器は撃龍槍巨龍砲くらいしかなく、
    それらでさえ基本的に固定式で使い勝手が劣悪なのを鑑みれば、
    移動可能な時点で汎用性は大きく勝っている。
    凡人でも扱えて、必要な時に必要な場所へ運べる大火力の砲は、それだけで高い戦略的価値を有するものなのだ。
    欠点だらけという悪評も、それらは反省して改善すべきものと理解していれば批判こそすれ否定される謂われはない。
    良くも悪くも「モンハン世界の科学力の可能性」を垣間見せたのは興味深いと言えよう。
    いずれにせよ、どんなリソースや技術を注ぎ込んでも大型モンスターを一撃で討ち取るのは容易ならざることを考えれば、
    初期投資・ランニングコスト・欠点がどうあれ、曲がりなりにもその領域に辿り着いたのは極めて画期的なことだった。
    • 火竜をおびき寄せてしまうという特性も、逆に考えれば利用価値がある。
      例えば人里離れた場所に仕掛けて安全な距離まで一時的に火竜を遠ざけたり、
      誘導して罠に嵌め狩猟する、縄張り争いで消耗させてから倒すなど、
      モンスター討伐の主導権をコントロールできたりするかもしれない。
      一方で、悪意の輩がわざと人里に火竜をおびき寄せてテロを起こすなどの危険もないとは言えず、
      色々な意味でハイリスクな発明品だったことは確かである。
  • この兵器の使用対象であるラオシャンロンの街への誘導は、
    王立武器工匠の第四工兵隊が大タル爆弾を100個ほど爆発させることで強引に進路を変更させた。
    その爆弾を全部直撃させていればラオシャンロンの体力は2/3にできたのだが
    前述のとおり討伐作戦は完全に失敗したどころか、リオレウスの群れまでやってきて混沌とした状況になった。
  • MH4、MH4G、MHX、MHXXでネコ式火竜車というリオレウス型の戦車が登場している。
    もっとも、発射するのは火球ではなくドングリ製の弾だったり、乗り込んで運転したりなど全くの別物である。

関連項目

イベント・メディア展開/ノベル版
モンスター/リオレウス - このモンスターのブレスを人工的に再現した。
モンスター/ラオシャンロン - 使用目標。
モンスター/アプトノス - この兵器を牽引している。
アクション/竜撃砲 - 同じく火竜のブレスの原理を研究して完成させた機構。
フィールド/巨龍砲-この兵器と同じく絶大な威力を誇る大砲。
アクション/炎ブレス - 再現したブレスの種類。
アイテム/マカライト鉱石 - 砲身の材料。
アイテム/火薬岩 - これを精製した燃料棒を使う。