保安装置

Last-modified: 2018-03-27 (火) 20:49:54

運転士も人間である以上、信号の見落としによる冒進や、急病で倒れて列車を制御不能になる事態を完璧に防ぐことは出来ない。鉄道の事故はいつでも起こり得るからこそ、列車を安全確実に止める保安装置が導入され、進化してきた。

Train Simulatorでも、その保安装置の機能も充実して再現できるようになっている。走りながら外部視点で眺めているときに突然列車が非常停止してしまうのは、大抵これらの保安装置が働いているはずである。

国別の傾向

Train Simulatorで再現されている保安装置の概要を国別に紹介。

イギリス

イギリスでは「AWS」(Automatic warning system、自動警報装置)と呼ばれる警報装置が導入された。手前すぐ先の信号表示を音で伝え、青信号は確認音が1回、黄色や赤信号では警告ブザーが鳴り、一定秒間操作しないと列車が強制停止する(TSでは「Q」キーで確認)。
また、速度照査に「TPWS」が使われている(AWSのページで解説)。

高速新線High Speed 1ではフランスの高速新線と同じ「TVM」が用いられている。

ドイツ・オーストリア

ドイツでは「PZB」(Punktförmige Zugbeeinflussung)と呼ばれる速度照査式の保安装置を用いる。列車の種類による最高速度の違いを判別して、周波数により速度を制限する。TSの保安装置でもかなり複雑。

高速運転を行う路線では「LZB」(Linienzugbeeinflussung)が用いられる。列車の現在位置から一定距離先の速度制限の情報を読み、目標速度を運転室内に表示する。線路の真ん中にあるケーブルで情報を伝達する。

運転中に機器類を一定時間操作しないと、日本のEB装置に相当する「Sifa」(Sicherheitsfahrschaltung)による緊急ブレーキが掛かる(TSでは既定値で無効。有効化可)。

近年製造の車両では定速運転装置「AFB」(Automatische Fahr- und Bremssteuerung)に対応している。ハンドル操作で手動で指定した速度あるいは保安装置からの指定速度を維持できる(TSでは「Y」と「B」のキーで調整)。

アメリカ

アメリカでは、地上側よりも車両側で列車を止める装置が広く採用される。「Alerter」は60秒間無操作で警告音が鳴り、確認しないと非常停止する(TSでは「Q」キーで確認)。

東海岸の北東回廊では「ATC」が使われ、指定速度を超えるとブレーキを掛けた状態で8秒以内に確認ボタンを押さないと列車が強制停車するシステムになっている(ATCは「Ctrl+D」、Alerterは「Ctrl+F」で無効化可能)。同じく北東部では「ACSES」と呼ばれる車内信号も機能する。

フランス

フランスでは在来線で速度照査式の保安装置「KVB?」(Contrôle de vitesse par balises)が使用される。

TGVの走る高速新線では「TVM」が使われる。

日本

日本では「ATS」(自動列車停止装置)が全国で使われている。初期のATS-Sから速度制御も可能なATS-Pまで幅広い。

TSでは和歌山・桜井線アドオンでATS-Pの基本機能が実装されている。前方の信号が黄色で次が赤の場合、ATSの警報音と確認音が鳴る。