Wakayama and Sakurai Lines

Last-modified: 2020-09-16 (水) 01:36:41
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基本情報

Union Workshopが開発した日本の路線アドオン。2016年7月22日発売。

日本
開発元Union Workshop
軌間1,067mm
電化方式架空電車線方式
最高速度80km/h
時代設定現代
価格3,980円
発売日2016年7月22日
販売先Steam

目次

路線解説

実物紹介

大和は国のまほろば。奈良時代に都が置かれていた現在の奈良県は、平城京が置かれた710年から1300年にわたって続く「日本」の生活文化が生まれた地である。世界文化遺産に登録されている建築物も、奈良県には日本の都道府県では最多の3件の登録がある。

そんな長年積み重ねてきた歴史とともに、現代の奈良県は大阪のベッドタウンとしての要素を持つ。JRは奈良と大阪を結ぶ大和路線があり、接続する電化ローカル線の和歌山線、桜井線も大阪への通勤輸送の一端を担う。

和歌山線は奈良県の王寺駅を起点に、高田、吉野口、五条への南下を経て和歌山県に入り、紀ノ川沿いを西に橋本、粉河を経由して和歌山県の県庁所在地の和歌山を結ぶ路線である。

桜井線は、奈良市の代表駅奈良駅を起点に、天理、桜井を経由して高田で和歌山線と合流する路線で、「万葉まほろば線」の愛称がある。

桜井線と和歌山線は直通運転を行う列車が多く、奈良から桜井、高田、五条経由で和歌山を結ぶ列車が多数運行される。

開業から長らく非電化であったが、1980年に桜井線全線と和歌山線の王寺 - 五条間が電化され、この時は113系の4両編成が投入された。主に京阪神地区のお古で非冷房車だらけであったが、車体塗装は関西本線の快速電車用の113系と同じく灰色に赤帯の通称「春日色」が塗られた。

1984年に和歌山線の五条 - 和歌山間と奈良線が電化され、この時に105系が投入されている。当時の国鉄の財政事情が厳しく、常磐緩行線に203系を投入して置き換えられた103系を改造して転用している。

車両は主に2両編成の227系1000番台が使用され、ラッシュ時間帯には221系、201系が乗り入れてくる。王寺と高田の間は日中でも221系の割合が高い。

和歌山線の北宇智駅にはかつて関西で唯一のスイッチバックがあったが、2007年に廃止された。

アドオン概要

開発は中国大陸を拠点に活動するUnion Workshopが行っており、SteamのDLCとしては、日本の架空路線The Story of Forest Rail(森鉄物語)、中国の実在路線Shanghai Maglev?(上海リニア)に次ぐ3作目。

日本の路線は架空を含めると森鉄物語に次ぐ2作目、実在路線では今回の和歌山・桜井線が初の日本の実在路線DLCとなる。現時点でUnion Workshop以外に日本の路線を手がけるサードパーティーは表に出ていない模様。

このアドオンでは和歌山線から桜井線が分岐する高田駅を拠点に、和歌山線の五条駅まで、そして桜井線の桜井駅までの区間を再現。軌間も実物どおりに1067mm狭軌が再現されている。

方向幕の表示変更、車内放送のスクリプト、ATS-Pによる速度照査、JR西日本の運転支援装置など、ギミックが充実している。細かい沿線風景の忠実な再現は二の次で、開発元による様々なギミックの設定や再現に重きをおいていると言えるであろう。

気になる北宇智駅は、スイッチバック時代の配線と駅舎が用意されている。

許諾の都合上、JRマークは貼られていない(日本に限らず他国車両でも許諾済みを除いてロゴ無しが通常である)。MODでテクスチャの差し替えは可能。

沿線概況

和歌山線

和歌山線の起点は王寺だが、このアドオンでは高田駅からの区間を再現している。

高田駅は2面3線、桜井線も合流する主要拠点で、大阪方面からの列車の多くがここまで乗り入れる。桜井線からの列車は多くが折り返し和歌山方面へ向かう。

高田を出ると桜井線と分かれて右カーブで南に進み、大和新庄、御所、玉手、掖上と停車していく。掖上を過ぎると山間に入り、吉野口に着く。吉野口では近鉄吉野線と乗り換えが可能。

吉野口を出ると峠越えの区間となり、一山越えて下ると北宇智駅に着く。本アドオンでは2008年に廃止されたスイッチバックの線路が用意されている(線形は歪だが)。発車後は逆方向に進行しスイッチバックへ、また進行方向を変えて五条へ下る。

五条駅は和歌山線の奈良県内最後の駅で、運行上の拠点もある。もっと先に進みたいところだが、本アドオンでの再現区間はここまで。先へ進むと風景が消え、線路も車止めで終わっている。

桜井線

高田駅を出ると、和歌山線と分かれて左に向かい東進。1面1線の金橋、御陵があり立派な駅舎を持つ畝傍、耳成山を左に見つつ1面1線の香久山、そして近鉄と接続する桜井と停車する。桜井線の再現区間はここまで。

なお、近鉄の線路は実物の標準軌でなく、JR用アセットを流用した狭軌の線路が敷かれている。

車両

103系

1964年より導入された通勤型電車。東京や大阪の通勤線区を中心に3500両以上が投入された。

関西では最初に阪和線に導入、のち大阪環状線、京阪神緩行線、関西本線と運用範囲が拡大した。和歌山・桜井線では朝ラッシュ時にのみ、王寺 - 高田 - 桜井 - 奈良間で運用されていた(実際の早朝夜間の五条直通は221系が走る)。

このアドオンでは、奈良電車区に所属する奈良線仕様の4両・6両編成を収録。戸袋窓が埋められて低運転台という、関西の103系としては典型的なスタイルを持つ。

近年は新型車両への置き換えで急速に数を減らしており、奈良電車区の103系は4両編成2本にまで減少している(6両編成は全廃)。和歌山線での運用は既に終了しており、桜井線で年末年始に運転される臨時列車でのみ運用される。

105系

1980年代のローカル線近代化で導入された。新造車と103系からの改造車があるが、和歌山・桜井線には後者が導入された。

国鉄時代の1984年に奈良線、和歌山線が電化され、常磐緩行線用だった103系1000番台を改造した105系が導入された。長らく和歌山・桜井線の主として活躍してきたが、老朽化のため227系1000番台に置き換えられ、2019年をもって全車が運用を離脱した(2両編成2本のみ紀勢本線の予備車として現役)。

実車の顔は2種類あり、中間車からの改造車は新造車と同じブラックフェイス、先頭車からの改造車は103系1000番台と変わらぬ顔である。

このアドオンでは基本的な2両編成を収録。なお、実車と異なり新造車側の顔も103系1000番台と同じになっている。当初は対向列車のAI専用であったが、2016年11月の更新で運転可能版が追加された。

運転操作

  • 2形式共通
    • 前照灯を点灯するには「M」キーでマスターキーをONにする必要がある。マスターキーONの状態で通常通りのHキーを押すと、前照灯が点灯する(本来は減灯スイッチがあり、明暗を切り替えるのだが)。
    • 圧力計の針が正しく表示されていない。TSの仕様もあり電磁直通ブレーキの挙動も完全ではないが、役割が正常に与えられていない模様。UIやHUDを頼りにしよう。
  • 103系
    • 運転席視点から方向幕と運用番号の変更が可能。左右キーで視点移動して右ドラッグで回転すると、行先と運番のダイヤルがあるので操作し、右上の白いボタンで確定する。
  • 105系
    • 103系にある行先表示と運番を運転中に切り換える機能はない模様。

シナリオ

キャリシナリオ9件を収録する。[105]と書かれていないものは103系を運転。105系のシナリオ2件は、2016年11月の更新で追加された。

  • Early in the morning (明け方)
  • Sakura and I (桜と私)
  • Long long way to go (長い長い道のり)
  • One summer’s afternoon (ある夏の昼下がり)
  • 1 more time, one more try (もう1回、もう一度挑戦)
  • A return journey (帰り道)
  • Last train to Gojō (五条行き最終列車)
  • [105] Night shift on 105 (夜の105系乗務)
  • [105] Good morning, Kansai! (おはよう関西!)

Early in the morning

103系により、早朝の五条駅から高田駅までを運転。所要時間48分。

Sakura and I

103系により、高田駅から奈良行きを運転、アドオン再現区間の終点となる桜井駅まで走る。所要時間20分。

季節は桜の咲く春。シナリオ名は桜井駅の英字表記「Sakurai」と樹木の桜(Sakura)、英語の一人称「I」(私)を掛けている。

Long long way to go

103系により、五条駅から高田駅を経由して桜井駅まで、アドオン再現区間を通しで運転する。所要時間60分。

One summer’s afternoon

103系により、桜井駅から高田駅を経由して五条駅まで通しで運転する。所要時間60分。

途中で悪天候になり大雨になるので、運転の際は注意。

1 more time, one more try

103系により、五条駅から高田駅までを運転。所要時間48分。

最初のシナリオと同様の区間であるが、ダイヤの余裕があまりない。

A return journey

103系により、高田駅から五条駅までを運転。所要時間45分。天気は若干雲行きが怪しい。

Last train to Gojō

103系により、五条行きの最終列車を御所駅から五条駅まで運転。所要時間30分。終点の五条駅へ到着後、乗客を降ろして車庫へ入る。

五条駅で客扱いを行ったあと、運転席後ろの行先表示器を「回送」(駅名対照表の13番)に設定する。続いて一旦東側の本線上へ引き上げ、また方向転換をして留置線に入る。

[105] Night shift on 105

105系により、夜間の高田駅から五条駅までを運転。

103系がAI列車として登場するが、パンタグラフが上がっておらず、行先表示も「試運転」で固定されている。

[105] Good morning, Kansai!

105系により、朝の御所駅から高田駅経由で桜井駅まで運転。

御所駅でのシナリオ開始時点で1両目の行先方向幕が「団体」と誤表示されている(2両目は「奈良」)。

実績

解除可能な実績は用意されていない。

関連アドオン

  • The Story of Forest Rail - Union Workshop開発の架空路線。モデルは北海道のふるさと銀河線。
  • KwaZulu-Natal Corridor Pietermaritzburg-Ladysmith? - 南アフリカの電化路線。日本と同じ狭軌。