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Last-modified: 2013-07-15 (月) 21:48:10

メインシナリオ2~破壊者ディリル~

炎国の首都で一人の男が手当たり次第に物を壊していた。
気に入らない事が一つでもあると破壊する癖を持つその男は、炎国では有名な巨剣士だった。
その様子を見つつも自分の身の安全の為に、素通りしていた主人公と風花だった。
が、二人の進路を例の男が持っている巨剣がふさいでしまう。
ど、どうするの?と少し困った顔で風花は主人公に言う。
貴様らは何だ?このあたりでは見かけない顔のようだが・・・。と例の男は二人に対して言った。
主人公は自分や風花よりも身長が高くて体格のいい男をただ見ていた。
おい、何かしゃべれ。さもないと貴様らを斬るぞ!!と例の男は巨剣を持ち直しながら言った。
ディリル様、今日もご機嫌ななめですね。と一人の人物が歩きながら言った。
何だよまた、お前かよ。と男は自分の名前を呼んだ彼に対して言った。
仕方がないんですよね。私は仕事上罪人でもある貴方の様子を見続けなければいけないんでね。と彼は笑顔で答えたが、ディリルの機嫌は余計悪くなった。
賞金首ではなくて、罪人?と風花は首をかしげた。
まあ、罪人と賞金首の違いは基本的にその国の生まれであるか・どうかその国の種族なのかどうか・他の賞金首とともに行動していないかどうかと言う三点だけですね。と平然と彼は風花に対して答えた。
それにしても、貴方達二人はこの国において絶対的に賞金首ですね。さっきの三点のいずれにもバツが付くので。と彼はやはり平然と言う。
お前は本当に説明するの好きだな。とディリルは彼に対して言った。
ディリル様はこの国の虎族ですから、人間と比べて体格がよく、攻撃に優れています。ディリル様がお二人を見事に殺してくれるのであれば、さっきまでの破壊罪が一気に軽くなるんですがね・・・。と彼は何気に恐ろしい事を言った。
ふん、俺はこの二人を殺すつもりはねぇぞ。軍に入って敵軍の兵士を殺せば罪が軽くなると言われたときだって、断ったぐらいだ。戦争で家族を殺されてからずっと一人で生きて来て、最初は復讐でもしようかと思ったが、やめた。俺が俺ではなくなる気がしたからだ。とディリルは言った。
やっぱりディリル様は私に殺されたいようですね。と彼は恐ろしい事を言った。
お前な、直接賞金首や民衆の前で俺の死刑をやりたいのか?もし、それをしたら、どうなるのか分かっているのか?とディリルは彼に対して反論した。
(死刑と言うのはない。彼の言っている死刑って・・・。)と主人公は疑問に思う。
殺刑ですよ。私はディリル様の担当なので、特別にディリル様を殺す事が許されているんです。と彼は言った。
殺刑、それは罪人をその罪人の担当が殺すと言う方法で処刑する事であり、ディリルの場合は彼が担当であった。
殺刑自体はどの国でもある事なのだが、大抵は非公開で実行されている為、罪人及び元罪人以外はその実態を知らない。
また、公開でやると世界全体でその国に対してのイメージダウンになり、国民の評価も下がる。
殺刑自体なくした方がいい。俺はどんな状況でも俺自身や仲間を守る自信はあるので、この破壊虎を引きずってでも自分の手かがりを探しに行動する。と主人公は言うと、ディリルに縄を巻き付け、本当にディリルを引きずりながら移動を始めた。
す、すごすぎ!!わ、私なんか一人では絶対に動かす事なんてできないよ・・・。と風花は主人公に言うと俺、持ち上げる事も出来るが、あえてしない。と言った。
ディリルは貴様、俺をどうする気だ!!と言う。
単純に戦力だよ、戦力。と主人公は歩きながら答えた。
どういうつもりなのですか?と彼は主人公に言うが、主人公は無反応のまま姿を飛行系に変え、片手でディリルを持ち上げ、もう片手で風花の手をとって、翼を大きく広げてそのままその場から居なくなった。
彼は主人公達がいなくなった空を見上げていた。
破壊者ディリルと言う二つ名を持つ虎族の巨剣士ディリルを仲間に加えた主人公。
また一人、その名を賞金首のリストに書かれた。