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メインシナリオ4～方向音痴で迷子になった人型兵器アルファ～

大国と接する炎国の国境の町でどういうわけか帰る道が分からない者と遭遇した主人公達。
ここはえっと・・・。僕の帰る家は・・・。とぶつぶつ喋る青年が一人。
こいつ、自分が帰るべき場所も道も分からないのか？とディリルは主人公に聞く。
みたいだ。でも、この町に居るような存在ではないよ。と主人公は言う。
あの、僕はどうやってどこへ帰ればいいですか？と青年が主人公達に気付き、質問した。
名前は？私は風花と言うの。と黙ってしまった主人公とディリルの二人にかわり、風花が青年の言葉に反応した。
名前ですか？正式名称は人型兵器完成品番号11546389627番タイプOランクAアルファニオン・グレイマシー・キュニアです。人としての名前はアルファですけどね。と青年は長々と自己紹介した。
こいつも兵器で、しかも人型兵器かよ・・・。とディリルは驚いた。
僕も兵器って言いませんでしたか？他にも兵器がいるんですか？とアルファはディリルの言葉が気になり、質問をした。
主人公が兵器でね、アライドと言う類なの。とディリルにかわり、アルファの質問に答えた風花。
僕、実はよく迷子になるんです。今回もみんなとはぐれてしまって、・・・。とアルファは事情を話す。
今回もって事はそれだけ方向音痴だって事だね。と主人公は言う。
でも、それ以外を除けば優秀ですよ、僕は。とアルファは笑顔で言う。
アルファ、正式名称が長い・・・。もしかしたら、主人公の正式名称も長いかもしれないけどな。とディリルは言う。
僕の正式名称が長いのは、僕と言う存在と他のを区別する為でもあります。主人公さんはきっとまた違った意味で正式名称が長い気がします。とディリルの言葉に反応したアルファ。
違う意味で長い？それ、どういう事だ？とディリルは言った。
僕もよく分からないですが、僕が作られた国には主人公さんが手に入れたいと思うような極秘情報があるみたいです。僕達でさえ触れられないような場所に保管されているようですが、あまり気にしている人がいないので隙はそれなりにあります。とディリルの質問に答えたアルファ。
気になるな、極秘情報と言うのが。とディリルは興味を示した。
ですよね。僕も実はかなり前から気になっていたんですよ。とアルファは言う。
アルファくん、他の人型兵器はその事について知っているの？と風花はアルファに質問をした。
知っているんですが、無反応でNGワードみたいです。殆どの場合量産型なので、知能も低く、多数のNGワードが設定されているんですが、僕の場合固有型なのでNGワードはなく、知能も高いです。と風花の質問に答えたアルファ。
固有型？量産型ならいくらでも聞いた事があるが、それは・・・。とディリルは言う。
固有型にも種類があって、僕の場合はモデルが存在し、なおかつオールラウンダータイプの最高ランクであるAであるモデルありの最高ランク万能型です。Sランクのも居ますけど、それは別タイプの固有型となります。
モデルがある分作りこまれ、量産型よりも総じて能力及び知能が高いのが特徴なんです。ただし、いずれの固有型もモデルが持つ欠点がそのまま反映されている為、量産型以上に扱いにくい点があります。とアルファは言う。
アルファの欠点＝モデルの欠点か・・・。と言う事はアルファのモデルは方向音痴だったって事に。とディリルはアルファを見ながら言う。
僕もモデルの事はよく分からないのですが、執事さんで僕と同じような口調で喋り、方向音痴だったという事だけは知っています。とアルファは言う。
それだけモデルそっくりに作られたもんだな、アルファは・・・。とディリルは言う。
でも、外見とかは別ですよ。さすがに全部をモデルそっくりにとはいかないから。とアルファは言う。
誰かに利用された事ってあるの？と風花は言う。
利用された事はないですね。僕は方向音痴がきいて、戦場にすら行った事がないです。元々固有型は個性が強く、まともに誰かの指示を受け入れるのがいないので、その多くは単独行動を許可されていますが、僕は方向音痴なので単独行動は禁止されているのですが、他のが量産型なので僕がついてきているとずっと思いこみながら行動しているんだと思いますね。と自分なりに状況分析も入れて喋るアルファ。
固有型はいずれも個性が強いと言っていたけど、何体ぐらいいる？と主人公は質問をした。
さあ、僕にも分かりませんが、量産型に指示を出すような存在から、引きこもりまでいますからね。僕が知っている固有型は十数体で、残りは世界各地でスパイみたいな事や支援をしているそうです。とアルファは答えた。
主人公の方は現存でどのくらいいる？とディリルは言う。
アライドそのものですか？確か戦争で各タイプ二体ずつしか残らなかったと聞いたんで、人型兵器の方が数が多いな。と主人公は答えた。
けど、僕らよりずっと優秀だと聞きました。だから、その技術をものにして、敵なしにするんだと誰かが言っていました。とアルファは言う。
確かに大人になればな。だけど、俺は完全に大人になる前に家族を失い、交流する相手がいなくなったから、完全な大人ではない。それでも、人型兵器よりも優秀なのは変わりないな。と主人公は言う。
僕なんか主人公さんの噂は前から聞いていました。とアルファは言う。
アルファが作られたのはいつだ？とディリルは言う。
確か500年以上前ですね。その時点ですでに主人公さんの噂が流れていました。とアルファは答えた。
そんな昔から生きていたのか、主人公は・・・。とディリルは驚きつつも言う。
吸血鬼とかも条件を満たせば1000年は生きられると聞いたから、私は特には気にしてないよ。と風花は言う。
まあ、当然の事だが、メンテナンスが不要なタイプだからな。と主人公は言う。