シュレディンガー大公領

Last-modified: 2012-05-17 (木) 19:06:11
国名シュレディンガー大公領
元首ブリュンヒルデ・シュレディンガー大公
公用語ミッタナクト語、ノルト語
首都ブリューテッヒ
領歌

概要

六つの吸血氏族の中で最も数が少なく滅亡の危機を迎えているシュレディンガー氏族の大元シュレディンガー一族が治める領地。
一族の長は大公を名乗る。
領地はアンタンジルの最北西にあるツウィリヒト山脈の中の小さな盆地にある。
また最北西にあるが故にベルセリア地方の人間に狙われ、又人間の人口も多い。
シュレディンガー氏族は少なくとも外見上は最も人間に似た氏族であり、力もオルトリープ氏族と一位二位を争うほど弱い。特筆すべきは優れた美貌を持つことで、これは抱擁(吸血鬼化させる事)の基準が犠牲者の貢献や能力ではなく、もっぱら外見的な美しさを基準としている為である。
シュレディンガー氏族は十五歳以下の処女・童貞に限り抱擁が出来、その条件を満たさずに吸血鬼化を行うとその者は屍食鬼(グール)となる。グールは知能は低く、その風貌は腐敗の進んだ死人に等しいが、並外れた怪力を持ち、シュレディンガー氏族の命令に忠実に従う。

シュレディンガー氏族は他の氏族と比較すると非常に大人しい存在であるが、吸血鬼としての吸血衝動は同様に存在する。シュレディンガー氏族は血の乾きに比例して魅了の力が強まり、時にはリリスもかくやという魔性の幼女と化すという。

歴史

シュレディンガー氏族の祖先は他の氏族との競争に敗れて現在の領地に身を引いてきたとされている。
その地で脈々と氏族は続いていったが、ある時聖教の聖軍侵攻により(第一次聖軍遠征)氏族は圧倒的に数を減らし隠遁生活を送ることとなった。
が、その後その吸血により徐々に人間を従え再び領地の頂点に立つ。この頃から大公を名乗るようになったと言われる。
その後数百年に渡り領地は絶頂期を迎えるが聖軍の二度目の侵攻により(第二次聖軍遠征)現大公ブリュンヒルデとその妹を除く全ての吸血鬼が「討伐」される。
姉妹は第一次の遠征後、先祖がしたのと同じように隠遁生活を送った。
その間領地は聖軍により恐怖政治が敷かれていたが民衆が大蜂起を行い聖軍は追い出され(懐古革命)姉妹が担ぎ出され、その姉ブリュンヒルデが大公となった。
彼女はその圧倒的なカリスマ性で民衆を魅了し政治を押し進めたが聖軍が其処へ襲い掛かる。(第三次聖軍遠征)しかし今度は民衆は一致団結し、聖軍に立ち向かった。そして戦乱は十年近く続き漸く聖軍を追い出すことに成功する。
荒廃しきった国土を見てブリュンヒルデ大公は支配をするのが吸血鬼だから聖軍が来襲すると考え、支配層を人間にし自分は象徴的立場になろうと考えた。
そこで彼女は民衆の自治を約束した条文(民衆自治条文)を作り公布する。これが憲法(シュレディンガー憲法)となった。

政治

立憲君主制であり政治は一院制の国民議会で行われる。
国民議会は無作為に全国民から選ばれる・・・と見せかけて一部の上流階級しかえらばれない。
最も進んだ共和制を自負する。
しかし現在近隣の山が大噴火を起こし、国民議会が機能不可能な状態となった為、一時的に大公の絶対君主政となっている。

外交

軍事

文化

盆地にある内陸国の為、冬は寒く、夏は暑い。
この為温度差を利用して蜜の詰まった最高級の林檎の生産が盛ん。
なので林檎を用いた料理、スイーツが多い。
吸血鬼は人間の血しか口にすることができないが、スイーツを味わった人間から吸血することでその味覚を共有することができる。
主食はライ麦と小麦。
民衆は主にライ麦パンが普通で小麦は上流階級が好む。
ライ麦は麦角による中毒が心配だが、ライ麦と麦角を選り分ける技術があるので問題はない。
また、アンタンジルと他の地域を繋ぐ中継国家として多くの商人が集まっているので様々な文化が混じりあう。
宗教関連は何であろうが領地、吸血鬼に危害を加えなければ自由であり領内には聖十字教の信者も存在する。

永遠の氷

第三次聖軍遠征後にある農地から発見された中に文字の書かれた石板が入っている氷。
融けることが無く、割る事も出来ない。
石板の文字は恐らくこの世界には現在は存在しないだろうとされるもので三種の字体を使用して書かれたと言うことだけが分かっており、相当高度な文字である事が伺える。この文字は夫々「永遠氷文字A,B,C」と呼ばれている。

地理

小さな盆地にある内陸国。
寒暖差が激しい。

ブリューティヒ

大公領の首都でシュレディンガー一族が住むブリューティヒ城を中心に広がる都市。
商人達が多く集まり商いが盛んで方々から移住した様々な種族が暮らしている。

人物

ブリュンヒルデ・シュレディンガー(Brünhilde Schrödinger)現大公の少女。象徴的なものでありながらそのカリスマ性は民衆からは熱狂的な支持を得ている。
フランツィスカ・シュレディンガー(Franziska Schrödinger)ブリュンヒルデの妹。先天的四肢欠損児で吸血鬼化後も四肢欠損状態は治らなかったが一族の中でトップクラスの美貌を持つ。性格は純粋で姉依存。何時も「お姉様ー」と言ってべったりくっついているが、四肢欠損の為公には姿を現さない事となっている為にブリュンヒルデが公務中の時はアガーテにくっついている。
アガーテ・エスレーベン(Agathe Eßleben)第二次聖軍遠征後、ブリュンヒルデが見つけてきた戦争孤児。吸血鬼にされ、姉妹の執事役を行っている。
フュルヒテゴット・リーメンシュナイダー(Fürchtegott Riemenschneider)国民議会議長にして国内最大の商人ギルド「リーメンシュナイダー協会」の会長。老齢であるが世の動きを察する能力に長けている。現在は臨時的にブリュンヒルデから大公補佐大臣に任命され、彼女に助言等を行っている。
ファイト・ホフマンスヴァルダウ(Veit Hofmannswaldau)大公領親衛隊隊長でブリュンヒルデの剣の指南役。
七魔女第三次聖軍遠征後にブリュンヒルデが見つけた素質がある者達。全員吸血鬼化されている。リリスとも関係し、堕落と腐敗の業を行使する。特に彼女らのもたらす淫隷の呪いは心の認識を歪め、吸血鬼とリリスへの偽りの忠誠と、爛れた肉欲の充足をその身にもたらす。さらに、犠牲者から産まれる子は全て女児となり、産まれついたときから呪いを身に受けることになる。