Washington

Last-modified: 2021-03-24 (水) 20:51:53

1908年 アメリカ合衆国 装甲巡洋艦 ワシントン

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アメリカツリーの低ティア重巡洋艦。
ワシントンと言えばノースカロライナ級戦艦の方が有名だが、こちらはテネシー級装甲巡洋艦の二番艦である。

他画像

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左舷から。

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砲撃中のワシントン。大口径砲を搭載しているだけあり迫力はかなりのものである。

基本性能

※括弧がある欄は【改修後の数値(初期値)】

年代1908国家アメリカ合衆国
艦種重巡洋艦対潜×
耐久値19800(18000)戦闘成績(BR)180
無装甲排水量(t)9500無装甲速力(kt/h)27.4(25.1)
基準排水量(t)14500最大速力(kt/h)22.0(20.2)
最大排水量(t)15715最大舵角27.5(25.0)
可視距離(km)14.1(13.5)絶対視認距離(km)-
アンロック費120000S購入費用1200S
240G

装甲防御

※単位はインチ(in)表示
※史実/技術ツリースペック準拠の場合。購入時は無装甲状態

防御区画前部中部後部装甲重量(t/0.1in)
甲板部4.04.04.020
舷側部3.05.05.020

搭載武装

主砲名称火力射程
距離
(km)
装填
速度(s)
旋回
速度(°/s)
重量(t)貫通力基本弾数(HE/AP)
40口径 25.4cm Mk.3 連装砲100012.017675050100/100
副砲名称火力射程
距離
(km)
装填
速度(s)
旋回
速度(°/s)
重量(t)貫通力基本弾数(HE/AP)
51口径 12.7cm Mk.9 単装砲50019.66.593050450/450
魚雷名称火力射程
距離
(km)
装填
速度(s)
旋回
速度(°/s)
重量(t)雷速(kt)基本弾数
21インチ 水中魚雷34505.560108273

部品改修

改修段階火力索敵速度装甲
副砲装填装置(副砲装填時間-15%)新型望遠レンズ(望遠鏡拡大倍率+20%)制動機(後進加速度+12%)排水ポンプ(自艦浸水継続時間-12%)
照準システム(主砲射撃精度+9%)電波探信儀(理想発見距離+5%)スクリュー(エネルギー交換率-10%)傾斜装甲(装甲HP+10%)
主砲装填装置(主砲装填時間-9%)精密探信儀(強制発見距離+4%)副舵輪(横滑り防止+10%)船体強化(HP+10%)
新式徹甲榴弾(徹甲弾ダメージ+12%)特殊塗装(隠蔽性+8%)舵輪(最大舵角+10%)強化装甲(装甲硬度+9%)
強化弾頭(装甲貫徹力+12%)警戒管制機(スキル『広域探知』アンロック)ボイラー(巡航速度+9%)×

立ち回り

低ティア帯では弩級戦艦に次ぐ艦体長を誇り、所狭しと並ぶ艦上構造物によって見た目的な威圧感も凄まじい。どう見てもボスキャラ枠。
だがその実情は、戦艦並みの巨体に巡洋艦相応の防御力しか持っていない上に砲門数も少なく機動力も鈍いという、一歩間違えなくとも張子の虎一直線になってしまう可能性が非常に高い、極めて扱いが難しいぶっちぎりの玄人向け艦艇(もしくはマゾ艦長専用艦)である。
戦艦相手には射程限界まで距離を取っての砲戦、巡洋艦に対しては積極的に距離を詰めて中~近距離戦、駆逐艦は発見次第最優先で近寄られる前に撃破、が基本の動き方だが、全てに於いて極めて繊細かつ慎重な動きを要求される。

主砲

本艦特有の10インチ連装砲塔を艦体前後に一基ずつ装備している。
貫通力こそ平均的だが17秒間隔で斉射できるため、DPMでは前弩級戦艦群を上回る。精度も良いため、しっかり狙えば砲門数の割に命中弾は得やすいだろう。
しかしこの主砲、最大射程距離が12kmという致命的な欠陥がある。史実での射程を大幅に下回っており、どう考えても設定ミス
しかも部品に射程を向上させるものもないので、どう足掻いてもこれ以上は砲弾を飛ばせない。
本艦は戦艦を相手にした接近戦は死亡フラグなので、格上とやり合うことになった場合、可能な限りこの最大射程ギリギリでの砲戦を心掛けよう……と言いたいところだが、いくら低ティアでも12km圏内での砲戦というのは生じにくい。戦闘後半になれば近距離戦になる可能性も相応に高くはなるが、逆に言うとそれまでは撃たれっぱなしであり、本艦の耐久力でそこまで持ち堪えられるかは怪しいところ。イギリス初期艦のハイフライヤーとも共通する問題である。
また、敵に対して艦を斜めにしてしまうと細長い艦体が災いして全門斉射できなくなる場合が多い点にも注意。

副砲

旧式戦艦の副砲にも使用される、ケースメイト式の12.7センチ砲を片舷八基ずつ装備可能。
こちらの射程距離は19.6kmと充分。しかし艦体全体をカバーするように分散配置されているため、一度に発射できる門数は少なくなりがち。さらに精度が悪くバラけて着弾するため、近距離でも大して当てにすることが出来ない。
無いよりマシな放火用武装程度に思っておこう。

魚雷

水中魚雷を片舷二基ずつ搭載しているが、射角が固定されている上に射程距離が短く雷速も遅いという三重苦。
使う機会は殆どないだろうが、幸いにして重量は軽い。御守り感覚で持っておくぶんには損はない。

装甲

巡洋艦相応の防御力である。
水平装甲に関しては均一4インチと比較的厚く、大落角砲弾を被弾しても一撃で大ダメージを負うことは少ない。一方で舷側装甲は、中部と後部に5インチ装甲が張られているものの前部が3インチと手薄であり、ここに被弾すると容易に貫通されてしまう。
いずれにせよ本艦は艦体が大きく動きが鈍いため、デフォルト状態では戦艦と撃ち合いになった場合に碌な抵抗も出来ず撃沈される可能性が高い。下手をすると格下のセントルイス相手でも不覚を取りかねないので、排水量目一杯まで装甲を積み増ししておこう。
砲弾数をやり繰りし、被弾しにくい部分の装甲を他に回すなどの工夫をすればそこそこ硬くすることは出来る。

機動性

劣悪の一言に尽きる。本艦最大の弱点と言っても良い。
最高速力についてはボイラー込みで22ノットと(低ティア帯では)平均的な速度を確保しているが、問題は別にある。
最大舵角が非常に小さく、加えて舵の反応も芳しくないのである。要するに、旋回性能が死んでいる。
近距離から魚雷でも撃たれようものならまず回避できないので、駆逐艦の挙動には細心の注意を払おう。また、機動力の高い艦に丁字を描かれるような事態になると自慢の10インチ砲も真価を発揮できないため、敵の動きに合わせて早め早めに舵を切ることを心掛けるべし。

その他

本艦は低ティア帯としては極めて優秀な視界を誇っており、さらに何故か『広域探知』のスキル持ちでもある。これらの恩恵により、視界面で敵に後れを取ることはほぼ無いと言っても過言ではない。
前述の通り主砲門数と射程には問題を抱えているので、その意味では折角の高性能も噛み合っておらず宝の持ち腐れ気味だが、開幕での敵情把握や見落としやすい駆逐艦の所在特定など味方のサポートには非常に有用である。

総評

前弩級戦艦並みの火力を手にした代償に、機動性と射程距離に非常に大きい問題を抱えてしまっている。特に射程の欠陥が致命的。
装甲を積み増しすれば巡洋艦でありながら前弩級戦艦程度なら真っ向から互角に渡り合える能力はあるのだが、砲戦できる距離まで持ち込むことが困難極まりない。
弱点をしっかり把握し、それをカバーする動きができれば優秀な艦である。ただし、それは立ち回り方に気をつけないと呆気なく海の藻屑にされてしまう危険性が高いということと同義でもあり、
現状では使いやすい艦とはお世辞にも言い難い。おそらく低ティアではダントツの苦行艦である。
主砲射程が史実のものに是正されるだけで十分に戦えるようになるはずなのだが……


歴史背景

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テネシー級装甲巡洋艦(Tennessee class Armored cruisers)は、アメリカ海軍が建造した装甲巡洋艦の艦級。4隻が建造され、1904年から1908年にかけて就役した。
本級が装備する連装二基の10インチ(254 mm)砲は、アメリカの装甲巡洋艦としては最も強力なものだった。一方で前級であるペンシルベニア級と比較すると防御装甲はむしろ薄くなっていたが、これは装甲巡洋艦保有トン数に対して新たに課せられた議会による拘束の影響と、その中で最高速力22ノットを発揮するための妥協案だった。もっとも、装甲帯そのものはペンシルベニア級よりも広い範囲に亘っていたこと、さらに火力が高まったことを鑑み、海軍はこれを『改善』と見なした。
この艦級は諸国巡行の機会が比較的多く、1910年1月には姉妹で横浜港にも寄港している。

ワシントンはテネシー級2番艦であり、1905年3月18日に進水し、1906年8月7日に竣工した。
1916年に『ワシントン』の艦名を建造予定だったコロラド級に譲ることとなった本艦は『シアトル』と改名後、駆逐隊の旗艦任務に就き第一次大戦に参加。
戦間期には宿泊船として利用されていたシアトルは1941年2月に再びIX-39の識別番号で海軍に復帰したものの、第二次世界大戦中は本国から離れることはなく、1946年夏に除籍され40年に亘る艦生を終えた。


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