概要
スカーミッシャーとは「散兵」を意味する語で、元来は密集歩兵戦法の時代に敵集団の側面攻撃などを担った軽装歩兵。
このXCOM2に於いても身軽に敵に切り込み、側面攻撃を得意とする兵科となっている。
大半の攻撃行動が通常射撃を含めて行動値1で行えるのが特徴で、それに基づいた運用は、
移動系スキルやグラップルで敵側面にポジションを取り、2回の側面攻撃を仕掛ける…という感じになる。
また、ロスト含みの状況に強い、むしろロストがいると強くなる、という側面も持つ。
1ターンの内に多数の敵を倒す事で効果の上がるスキルがあるので、まずグラップルでいい高所を取り、
ヘッドショットで見える限りのロストを倒す事で能力を上げ、そのまま本命のエイリアンのユニットを2体、
上昇した能力と側面攻撃ボーナスを合わせて倒す…というのが理想の動き。
欠点としては、かなり思い切った動きをする兵科な割に、生存性を上げるスキルを一切持たず、せいぜい体力が高い程度。
スカーミッシャーの突撃に際しては、余分な接敵を避けるため、リーパーなどで事前に周辺の索敵を済ませておくこと、そして
突出したスカーミッシャーがいい的にならないよう、そのターン中に敵を壊滅させるしっかりした算段が必要になる。
また、ロスト、ザコ狩りに寄ったパラメータ設定の為、終盤はユニーク武器などで伸びしろの大きいXCOM兵に見劣りしてくる。
命中値も高くはない値だが、これはお得意のポジショニング系スキルで高所ボーナスを乗せればあまり気にならない。
不安があればPCSやアップグレードで強化してもいいだろう。
近接武器のリップジャックを持っているが、遊撃兵のブレードのように自由に使えるモノではない。
対応するクールダウン制のアビリティ使用時にだけ使える形なので強化する際はその辺を考慮して慎重に。
攻撃系アビリティは直接攻撃である報復や報いを除けば高所ボーナスが乗るようになっている。
決して弱くはないものの、「スカーミッシャーでなければできないこと」というのは育つほど段々なくなっていく。
いるかどうかが難易度に直結する程の特殊能力を持つリーパーや突き抜けた戦闘力のテンプラーと比べて地味に感じるのは仕方ないかもしれないが、一方で手を掛けた分だけちゃんと強くなってくれるのも確かである。
基本能力
数値は難易度ベテラン(ノーマル)のもの。
階級 | 新兵 | 一等兵 | 伍長 | 軍曹 | 中尉 | 大尉 | 少佐 | 大佐 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
体力上昇値 | - | |||||||
命中率上昇値 | - | |||||||
合計値(体力,照準) | , | , | , | , | , | , | , | , |
メイン武器 | サブ武器 |
---|---|
ブルパップ(専用) | リップジャック |
アビリティ
階級 | アビリティ名 | AP コスト | 効果 | 備考 |
---|---|---|---|---|
一等兵 | マローダー | - | 通常攻撃でターンが終了せず、射撃後の移動または1ターンで2度の射撃ができる | |
ジャスティス | ヒューマノイド型の敵をグラップルで引き寄せ、リップジャックで攻撃する | 行動値消費1 クールダウン4ターン | ||
グラップル | グラップリングフックを使って高所に素早く移動する | 行動値消費0 クールダウン2ターン | ||
伍長 | リフレックス | 10 | 発砲された時、次のターンで行動値が1増加する。1ミッションにつき1度発動する | |
トータルコンバット | グレネードまたはアイテムの使用でターンが終了しなくなる | |||
軍曹 | ラース | 11 | グラップルを使用して敵の位置まで移動し、リップジャックで攻撃する | 行動値消費1 クールダウン4ターン |
ゼロ・イン | 同じターン内でもう一度攻撃をおこなった際に、クリティカル率+10。また前回の攻撃とターゲットが同じだった場合、命中率+10 | |||
中尉 | ウィップラッシュ | 12 | 電気のムチで敵を攻撃する。行動値は消費されない | 使用回数1、威力6 機械系に対しては2倍ダメージ |
フルスロットル | このターンに敵を1体倒すごとに、機動力が2増加する | |||
大尉 | コンバットプレゼンス | 13 | 味方に追加のアクションを与える | 行動値消費1 クールダウン3ターン |
報復 | 近接攻撃の範囲に入った敵や範囲内から攻撃してくる敵にノーコストでリップジャックによる攻撃を行う | 発動回数に制限無し | ||
中断 | 監視の強化版。自動的に発砲する代わりに行動値1の任意のアクションを実行できる | 使用回数1 | ||
少佐 | 要撃 | 14 | 監視の発動時、残りの行動値の数だけ発砲できる | |
報い | リップジャックのスラッシュ攻撃をアンロックする | 行動値消費1。遊撃兵のスラッシュと違い、クールダウン6ターン | ||
大佐 | マニュアルオーバーライド | 25 | すべてのアビリティのクールダウン時間が1ターン短くなる | 行動値消費1 発動回数、クールダウンに制限無し |
バトルロード | 視界にいる敵がそれぞれのターンを終えるたびに、直ちに1回行動できる | 使用回数1 | ||
ジャッジメント | 攻撃のターゲットになると、その敵を一定確率でパニック状態にする | SPARKのインティミデイトと違い、敵の意志力によって確率が変動する |
ランダム(XCOM)アビリティ
アビリティ名 | 元兵種 | 備考 |
---|---|---|
戦術的補助 | なし | アイテムスロット+1 |
ライトニングリフレックス | なし | 敵からの監視射撃を1ターン1回完全に回避する |
ヴォラタイルミックス | グレネード兵 | |
飽和攻撃 | グレネード兵 | ※APコスト25 |
リターンショット | 狙撃兵 |
XCOMアビリティは戦術的補助と飽和攻撃はとても優秀。
初期で戦術的補助が習得できると、最序盤からアイテムを2つ持てる唯一のユニットとなる。もちろん中盤以降も補助アイテムと弾薬を持つというようなこともしやすくなり、アイテムによる補助係としても弾薬による火力の増強が行いやすくなる。
飽和攻撃はこれまた場合によっては序盤からグレネード兵の大佐のスキルが習得できてしまう。グレネード兵同様、それも武器アップグレードもあまり無い序盤から弾薬消費3は少し重たいものの、使用回数無限で広範囲の遮蔽破壊が行えるのはかなり役に立つ。序盤に頭を抱えがちであろう大木の裏に隠れた敵もこれで解決。
ライトニングリフレックス(前作の電光反射)はWotCから監視の仕様が変更されてグラップルでの移動でさえ監視に引っかかるようになったため、このアビリティがあれば相手の監視を容易にいなすことができる。だがそもそも監視が脅威になる場面自体そんなに多くないので優先順位は高くない。
ヴォラタイルミックスは一見グレネードランチャーのないスカーミッシャーには不要に思えるしゲーム後半にはあまり役に立たなくなると思うが、レジェンドのトルーパーもフラググレネード一発で確殺できるようになるため、序盤に習得できると案外頼りになる。
リターンショットはアビリティ自体は相変わらずなんとも言えないが、スカーミッシャーは相手からの狙われることがある程度前提でアビリティを習得するキャラであるのでそういう意味では相性としては悪くない。
また、狙撃兵と違いメイン武器であるブルパップによる反撃を行うためしっかり強化を行えば比較的火力が出る。
戦術とビルド
一等兵
マローダー
射撃→移動はあまり使う機会がないだろうから、(フック→)射撃→射撃やジャスティス→射撃などの使い方が主になると思われる。
武器パーツの拡張弾倉をつけてくれと言わんばかりの性能だが、拡張弾倉は他の兵科も欲しいことを考えると、リロードのタイミングがかなり自由なこの兵科はどちらかというとオートローダーを優先するところだろうか。
ジャスティス
照準に+25の補正がかかり距離補正がないため、よほど近い距離でない限り通常射撃より命中率が高くなる。
また高所ボーナスの恩恵も受けるので、序盤はブルパップによる攻撃より格段に高い確率で確定4ダメージを与えられるため、特にレジェンドでの序盤で役に立つ。
ただし敵の遮蔽の影響も受けてしまうので、あくまで命中率の高い射撃、である。
これらの特徴は後述のラースでも同様。
引き寄せる敵の移動先のスペースが存在しないと使用できないのと、引き寄せた際に潜伏している兵士の位置によってはそれが解除されてしまうので位置取りには気をつけること。
グラップル
スパイダースーツなどのフックと同じ。
スカーミッシャーのブルパップはショットガンと同じ接射命中+40%の武器なので、少し離れた高所に登るよりは敵に近接できる場所に飛んだ方が命中率が高くなることが多いので注意。 スナイパーなどのフックとは少し運用感覚を変える必要がある。
行動値消費が0なので、位置取り次第ではグラップルにより高所と側面を取り、かつマローダーによる二連射撃を浴びせることもできる。
余談だが、当然ながら火力を出したければ高所から二連射撃をするのが最適なのだが、グラップルは基本的に同じ高さや低い場所には飛べないため、予め低い場所にいたほうがグラップルによる移動先が増え、高所+側面を取れる可能性も場所次第では高くなる。
ラースや報いにより敵陣に切り込んだ後に、グラップルにより戦線離脱、高所からの射撃という芸当も。
伍長
リフレックス
さすがにミッション中に1回しか発動しないのはだいぶケチ臭い。
スカーミッシャーにはSPARKやテンプラーのような防御力もないので、積極的には狙いづらい。
ちなみに抑圧されても発動する。
トータルコンバット
元から射撃→アイテムという行動は可能なので、使い所はあまり多くない。
グレネードで遮蔽破壊→射撃ができるくらいだろうか。
やや限定的にはなるが、のちのち習得できるバトルロードと合わせることで模倣ビーコン→バトルロードと発動することで安全にその恩恵を受けられる。
軍曹
ラース
逆ジャスティス。自由に近接攻撃ができないスカーミッシャーとしては、実質近接攻撃スキルとしての意味も持つ。
ただジャスティスによる引き寄せは敵を遮蔽物から出せるというメリットがあったのに対し、こちらは自分が遮蔽物から出て敵の中に突っ込んでいくというややマゾいアビリティ。 ジャスティスが使えるならそっちを使いたい。
差別化要素としてこちらは人型限定ではないというのがある。アドヴェント兵以外が増えてくる中盤以降はこちらに世話になるだろう。
グラップルできないが位置取りが悪い時に、手数を維持しながら移動するスキルとしても使える。
のちに習得できる報いと違い、あくまでグラップルによる移動のため、敵に接近する移動経路で敵をアクティベートすることはない。
発動後の場所で未接敵の敵の視界に入らないのであれば、ラースで安全に近接攻撃+接近が行えるのである。
ゼロ・イン
普通に使う分には気休め程度だが、ロスト&エイリアン勢力の混戦時に強力なスキル。
ロストをHSで多数倒し、その分クリティカル上昇させたうえでエイリアンのユニットを攻撃できる。
グラップルでの位置取りによる側面攻撃ボーナスを合わせるとクリティカルが90%、100%になる事もザラ。
ただ、リロードを挟むと効果がなくなるのは残念。最高性能弾倉を用いて+70%が限界。
マガジンの制限の中で最大限の打撃を与えられる攻撃順をよく考えて撃とう。
中尉
ウィップラッシュ
行動コスト0。その有用性は斧投げやライトニングハンドで証明済み。加えて機械系の敵には2倍のダメージが入る。
とても優秀なのは間違いないのだが、ライトニングハンドと違って1ミッション中1度限りであることと、命中率はスカーミッシャーの照準値のみである上に遮蔽物の影響もあるため、平地で使うと無遮蔽の相手であろうと恐ろしいぐらい信用ならない命中率となってしまう。間違いなく高所ボーナスを前提としたアビリティである。
余談だがクリティカルが発生してもボーナスダメージが無い点には注意。
フルスロットル
ロスト含みの状況で、ターン制限に追われている時には有り難いスキル。
ロストを始末した上で、次の位置に爆速移動できる。
ただ、ロストがいないと移動+2が限度の渋すぎるスキルになる。
大尉
パルクール(ゲリラ訓練施設スキル)
ターンの最初の移動時、5%の確率で行動値を消費しなくなる。
通常の移動及びグラップル・ラース使用時に発動する。
発動確率が低すぎる。ゲリラ訓練施設スキルの中でも最弱の部類だろう。
コンバットプレゼンス
サイキック兵のインスパイアとほぼ同等。
あちらと同様、青移動程度(?)の射程制限があるので要注意。 しかし有用なことには違いない。
ブルパップの威力が控えめで火力アビリティもないスカーミッシャーは、二連射撃をするより射撃+コンバットプレゼンスにより仲間に攻撃してもらうほうが大抵火力を出せる。
サイキック兵のインスパイアとの違いは、SPARKにも使えることと行動値消費が1で済むことであり、上位互換と見ても差し支えない。
- 何故か模倣ビーコンにまで対象に出来てしまう。
ただ行動値が失われるだけなのでうっかり使ってしまわないよう注意しよう。
報復
実質ブレイドストーム。 監視ペナルティが乗り必中ではない点も同じ。
リップジャックは他の近接と違って威力も命中も盛る手段がないので、多少見劣りする。
中断
1ミッションに一度だけ使える監視の強化版。
中断発動時に行える射撃は通常の射撃なので、監視射撃と違い命中ペナルティが乗らない。
少佐
要撃
敵との初回遭遇時など、こちらの行動値に余裕があるときに監視で2回撃てる。 ただスカーミッシャーは遠距離では命中率がガタ落ちなので、実用的に活きるのは潜伏からの初回攻撃時か非常に入り組んだ地形での待ち伏せ時ぐらいかもしれない。
報い
報復と紛らわしい、待望の近接攻撃スキル。 ただしクールダウンなんと6ターン。
マローダーの効果か、なんとこれも行動値消費1で黄ダッシュ範囲の攻撃ができる。
ラースに似たアビリティだが、どちらもクールダウンが存在するため、なんだかんだ双方ともお世話になるだろう。
優秀なアビリティであり、近接攻撃のため当然遮蔽物に命中率を下げられることはない。
しかし、ジャスティスやラースの命中補正+25%と違ってこちらは+20%、さらに高所ボーナスも乗せられないため、報いでは100%にならないことも珍しくない。
二連続でこれらの行動をする場合、使う順番には気をつけよう。
大佐
マニュアルオーバーライド
行動力を1消費してクールタイムを1ターン分短縮するスキル。このスキルにクールタイムも使用回数制限もなく、同一ターン中に何回でも使える。
グラップルや報いなど、回転率を上げたいアビリティはまぁまぁある。 XCOMスキルで飽和攻撃を取ったならそれにも効く。
大佐まで引っ張るほどのアビリティかと言われるとちょっと微妙だが、APが余ったら貰っておいて損はない。
ちなみに名前の通りマニュアルで発動するものであり、パッシブアビリティではないので注意。
バトルロード
視界内で敵が動くたびにこちらに行動値1で行動できる。
ただスカーミッシャーは敵に近接していないと高い命中率が出ず、一方で敵に近接した状態で敵にターンを渡すのは側面攻撃などを受けるリスクが増す、というジレンマを抱えている。
倒しきれない敵と遭遇してしまったときに、硬めの敵1体を何らかの方法でスタン状態にした上でこのアビリティを発動し、敵ターン中にそいつを撃ちまくる、といった運用なんかが考えられるだろうか。
また、敵にターンを渡すことが多いベータストライク適用時などは価値が大幅に増加する。
敵の行動時にスカーミッシャーの報復が発動すると、バトルロードの効果が発動しない。
ちなみに支配種のルーラーアクションにも反応する為、二人だけ別時空で戦うような事が起こる。おそらく支配種メタとして運用するのがベターだろう
ジャッジメント
防御アビリティ皆無のくせになぜか反撃系のアビリティが多いスカーミッシャーの大佐スキルに相応しいといえば相応しいアビリティ。
大佐まで来てなんでSPARKの中尉相当アビリティの劣化版を取らなければならないのだろうか……。
発動確率は(125-敵の意志)%で、最大45%の最低5%。