アルファベット表記:L'l Gaf
読み:ルルガフ
区分:毛阿
発案者:tocoma110
【Tag: 人種 毛阿 月吼えの民 同盟種 応州 俄州 楪州 発案:tocoma110 】
概要
イヌ科に近い系統にあるとされる毛阿。
律義で戒律と誇りを重んじる性格で知られ、各地の森や平野部に集落を構え、その一帯の「秩序」を取り締まる。
年功序列・上下関係に厳しく、同時に目上の者は目下の者の面倒を見る義務があると考え、縦割りかつ権限と義務の強い社会を構築する傾向にある。
それらの構造から義理人情に厚く、誇り高くあることを好む種族性を構築している。故に仲間と認めた者には親身になりやすいが、部外者には距離を作りやすく、また誇りにかかわることには非常に繊細で敏感。
分布
森林部に好んで生息し、応州・俄州・楪州に特に大きな集落が多数存在する。その他の地域にも分布は多く、比較的見かけやすい毛阿の一つ。
- 中でも応州では独立した一大国家まで存在するほど。
形態
イヌ科──より正確には狼を直立させ、前肢を腕にしたような形態をしている。
ある程度地域差が存在し、特に応州の者たちは毛深く鬣状に首~胸元までを剛毛が覆っている。体毛は黒・茶色・灰色が主流。
- 北部ほど大型化し体毛も強靭になりやすく、南部の場合は身軽さを求めた体躯になっていく傾向にある。
生態
嗅覚・聴覚が鋭く、獣に負けぬ敏捷性の高さと長距離を移動するタフネスを誇る。
筋力・頑強性でも毛阿らしい高さを持ち合わせており、フィジカル面では非常に恵まれたものを持つ。
- 一方で視覚分野ではやや他種と比べてやや弱いものがあり、細かな輪郭や細部を捕らえることが難しい。
そのため多くの場合、彼らは声や臭いで他者を覚える。都市部などに進出する変わり者は、視力矯正器具をつけることも多い。
手に関しては意外なことに細やかに動かすことが可能で、加工技術という点では開拓の民や白羽の民に負けず劣らず。
- 実際、彼らは輸入品に頼ることなく自らの手で弓矢や槍、また刀剣類を作り出して利用する。
それらは手工業の範囲故に量産性にこそ劣るが、出来そのものは決して悪くない。
雑食性だが、肉を好んで蝕する。これは後述の文化性にも基づく点も大きい。
- 一般的には狩猟で得た乳生類や有鱗類、魚類、鳥類、昆虫類を主として食べる。他、野草・果実類も食し蜜類も好んでいる。
文化
自然崇拝的な性質を色濃く持っており、人格などを伴わぬ精霊を中心とした、素朴な信仰・生活様式を好む傾向にある。
特に石造りの街や煙を好まず忌避しているとさえ言っていい。そのため、多くの個体は森林部などに集落をつくり、狩猟と農耕を日々の糧とし、森弓の民などと交易を行ないながら暮らす。
- 金銭的な価値観に疎い傾向にあるほか、下記のように敢えて廃止しているような面もあり、彼らとの交易は基本的に物々交換となる。
また、所有権についても個人の持ち物よりも集落・集団の所有物という意識が強い。そのため、必要に応じて自分の愛用する道具さえも仲間内で軽々に貸与し合う。ただし、個人の尊厳にかかわる品物については明確な線引きをしている。- なお、衣類などは股間・乳房などを隠す程度にとどまり、寒冷地でもない限りはあまり身につけない。身につけたとしても肌着一枚などが多い。戦などでもない限り、多数の衣類や装具を纏うことへ忌避感を覚えるらしい。
金銭的な商業文化を厭い、また個々人より群れ・集落の生活を重視する傾向にある。
そのため、多くの場合集落の所属員は集落内での役割に従事することとなる。各々が割り当てられた役割に準じるのが当たり前で、好き勝手な行動はあまり許されない。大抵は若年期からの行動を見て長老集が寄り合いで方向性を検討、それを元に子供らに進むべき道を示す。
- 当然、こうした在り方は個人を尊重する思想とは正反対のため、管理社会性が強く、若い個体などは反発を覚えて集落を出ていくこともある。
- ただし、まったく異論を唱えられないわけでもない。その役割が不適合であると見なされた場合は、部署変更に近い形で配属を変えてもらえることもある。
- また、大陸歴1400年代以降はある程度そういった社会性にも見直しを求める声が出ており、変革の時期を迎えているところも多い。とはいえ、種族的な気質もあるためこうした役割分担そのものが消えているわけではない。
- ただし、まったく異論を唱えられないわけでもない。その役割が不適合であると見なされた場合は、部署変更に近い形で配属を変えてもらえることもある。
種族全体で“月の狼”?と呼ばれる存在を崇拝しており、自らと動物としての狼をその末裔として神聖視する。
- 時代が上るにつれ、他文化との習合も見られるようになるが、その中でもこの存在が中心となる。
それなりに広域に生活する種族だが、他種との関係は複雑。
特に、開拓の民との関係性はかなり不安定。
- 俄州ではかつて肌人に鬼獣類と混同され迫害された歴史を持ち、多くの俄州国家に対して悪感情を抱いていることが多い。近年では関係回復に努める団体(主に秘境開拓組合)もあるが、成果はいまいち。辛うじて、月舞いの民が緩衝材となって均衡を保っている。
- 一方で応州ではその文化性の近さから肌人と並ぶ有力な種族であり、尊重し合う関係が築かれやすい。
名前について
彼らは氏族を重んじるため、『里の名前+里の中での血統による公名・通名(ないし幼名)』という形をとる。
通名は成人と共に変えられ、大抵は村の長か極めて親しく特別な目上のもののみが、名付ける権利を持つとされる。
- 例:
ウルグハームの灰色=フィガル など
(ウルグハームの里の・灰色の血統の・フィガル の意)
備考
いわゆるわんこ系獣人。誇り高い部族。
関連するもの
- 【人種】/森弓の民
- 【人種】/月舞いの民
- 【信仰・思想】/“月の狼”?
- 【生物】/鬼獣類
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