FF零式
批評
最期まで前向きに走り続けた0組の死が印象的なEDとなっている。
その後の「ゼロ」からエンドロールにかけての演出もさすがといったところなのだが、
散々朱雀に反逆した挙句クリスタルに依存しまくっていた
(朱雀民なら誰でもそうだがクリスタルがなければ武器も持てない、
挙句その朱雀クリスタルを裏切り白虎のルシになることを求めた)
マキナが最後まで生き残り、指導者として君臨した後、
妻に看取られて安らかに逝ったという結末は一部ファンの不評も買っており、賛否両論と言える。
片方は消息を絶ち片方は英雄として名声を得た、という意味でFFTのエンディングと通じるところもあるが、
こちらは生き残った方の主人公とヒロインの末路から考えてあまりに違うものである。
マキナもまたディリータのような末路をたどっていたら評価も違ったのであろうか、
後味が悪いことには変わりないけれども。
- 愛着が湧いた0組が死んである意味バッドエンド
- 俺はむしろ、これでマキナに好感持てたけどなぁ。
自分の無力さを散々に思い知ったマキナだからこそって感じで。 - 要するに、ゲームは0組の物語だけど、マキナが目覚めるための物語でもあった。
ここのマキナの涙は兄を失いレムを失うことを恐れた彼だからこそ、胸に迫る。
まあ、何にしても0組の死はネタバレしてて尚グサグサとプレイヤーのメンタルを削るんだが。 - 俺もこのエンディングを見てマキナの事が好きになった。
敵方のルシになっても0組が死んだことを悔やんで泣いているマキナは
やはり心優しいキャラクターなんだと思った。 - 指導者という字面を見ると華々しい地位に思えるが、ただでさえそれまで戦争をしていた連中をまとめあげ、クリスタルなしでも生きていけるようにするまでには、想像もつかないほどの苦難があったと思われる。
命を賭して世界を守った0組を覚えているのは、マキナとレムのみである。0組を覚えている者として、彼らが守った世界をより良いものにすることで彼らの働きに報いたいという思いと、0組を裏切った挙げ句、生きているうちに謝罪することもできなかったことへの贖罪の念が、マキナを指導者の道へと進ませたのではないかと思う。
個人的には、このエンディングでマキナに対する見方がかなり変わった。 - そもそもマキナが白虎のルシになることを選んだのも
レムの記憶を失いたくない、レムを守りたいっていう人間的な恐怖心からだったしね。
0組以上に情に厚かったし。- 謝ろうにも0組の面々は亡くなっており二度と謝れない。マキナのとってある意味残酷な罰である、と見ることもできる。
- マキナが戦後復興するときの指導者という最も苦労する地位に就いたのは、0組や自分に関わって亡くなった人達への贖罪の気持ちからだと思う。安らかだったのは最期の時だけで、そこにいたるまでの約50年は後悔とか罪悪感を抱き続けていた、と解釈した。
- ルシから戻ってもレムの病気は治ってなくて、マキナは0組もレムもいない世界を導き、救った。って展開にすればまだマキナへの「裏切ったのに幸せな最期迎えたのかよ」って批判も少なくなったのではないだろうか。まあ数多くいるレムファンが黙っちゃいないが。
- 所詮2人は後から入ってきただけあって0組の本当のメンバーじゃなかったってことか。
- 作中マキナは大切な人の死の3回経験している。極端に死(死による喪失)を恐れていたマキナにとっては、それだけでも既に罰を受けていると思う。
1つ目はもちろん、作中のマキナに最も影響を与え、力を渇望するきっかけとなったイザナの死。
2つ目は、レムを守りたい一心で手に入れた、自らの力によるレムの死。1番失いたくない存在を自ら手にかけてしまったマキナの絶望は察するに余りある。
そして、0組の死である。アレシアの力で復活し、ようやく0組と向かい合う覚悟をした時には既に12人全員が息絶えていた。
レムの死も0組の死もマキナが関わった結果によるものとも言え、理通りイザナの死を受け入れ抗わなければ(ルシの力を手に入れなければ)起こらなかったとマキナ自身が考えてもおかしくない。
0組が死を恐れず勇敢に行動し世界を救ったことは、「恐れ」を司るマキナには決してできなかったこと。
0組への畏敬の念を抱くと同時に、力に溺れ0組を拒んだ愚かさと、それが招いた結果を深く捉え、死ぬまで苦しみながら指導者としての務めを全うしたのではないかと思う。0組の命を賭けた行動に報い、自分の愚かさを償うために。
話で聞いただけの兄の死にあそこまで揺さぶられた彼が、自らが関わった死を忘れることなど死ぬまで出来なかったはず。
生き延びた彼の人生は決して幸せなだけではなく、後悔に苦しみ続ける人生だったのだと思う。
- シンクの「死にたくないよ」は0組成長の証にして、戦争の中誰もが思っていた気持ちの代弁。
本作が「死」をテーマにした作品であることを強烈に思い出させてくれる。
最後は曲も相まって涙腺崩壊必至、儚く美しく悲しい終焉である。- 「死にたくない」はシンクじゃなくてトレイのセリフ。正しくは「死にたく・・・ありません」
ただ、彼女が死に恐怖し号泣する場面は上記の通り、0組が「普通の」人として成長したという証である。
- 「死にたくない」はシンクじゃなくてトレイのセリフ。正しくは「死にたく・・・ありません」
- ここで今まで強く感情をあらわにしなかった0組の素顔が見られる。
死への恐怖と向き合う12人にはとても感動させられた。こういうところはいいエンディングだと思う。
てかBGM自重しろ。泣くから。- ゼロまじ名曲。曲の入り方も絶妙で一気に涙腺が崩壊する。
このエンディング見ちゃうと曲聴くだけで泣けてくるよね。
- ゼロまじ名曲。曲の入り方も絶妙で一気に涙腺が崩壊する。
- ちなみに第1章の作戦終了直後に噴水広場で死体を見ながら「この人のことを誰も覚えていない」と口にするキャラがいる。
EDのマキナは既に死んでしまった0組の面々を見て誰か分かった上で泣いて謝罪するため、この時点で既に死んだ人間を忘れる世界が変わったことを証明する一面ともなっている。
人の死を忘れることができないのはここまで苦しいと見せ付けてくれる名シーン。- それはちょっと違う。
朱の秘史によると、0組が死んだ時点ではまだ死者の記憶の消滅は続いている様子。
0組が死亡し、ティスとジョーカーに説得されたアレシアがオリエンスを去った事で、
クリスタルの力が徐々になくなり、そこでやっと死者の記憶が消滅しなくなるのである。
だからクリスタルが完全に力を失うより前に死亡した0組の事を覚えている人間はいない。
マキナとレムが0組の事を覚えているのは、アレシアによりクリスタルから人間へと蘇生される際に、
何かしらされたのだと思われる。
「あなたたちだけは彼らの事を覚えていてあげて」と言うアレシアのセリフがそれを表している。 - レムのこのセリフも、それを意味してると思う
- ED後の世界ではレムとマキナ(ともしかしたら魔導院で生き残った少人数の人たち)しか0組の最期を知っている人がいなかったってのはなんとなく理解してたけど、そういう構造だったのか…。
短い人生で初めてのアレシアの加護も指示もない状態の中、あれだけ勇気と命を張ったのに…。オリエンスを救った事すらオリエンスの他の誰にも覚えてもらってないなんて0組可哀想すぎる…(´;ω;`)ブワッ
ムツキやカズサ、お着替えお姉さんにすら記憶に残っていなかったって事だよね…(´;ω;`)ブワッ- お着替えお姉さんはフィニス前に既に消されている。
- それはちょっと違う。
他にもルシとなったホシヒメもソウリュウよりアンドリア女王の記憶を戻されている。
- 死の忘却が起きるのは人限定のようである。
実際ソウリュウはアンドリアの遺志を覚えていたし、朱雀トンベリや朱雀サボテンダーも死んだ朱雀四天王のことを覚えているらしい。モーグリは忘れるけどな
概要
魔導院の見慣れた教室で、エースは目を覚ます。
横には読書中のクイーン、黒板を拭くエイト、
他クラスの生徒から講演を頼まれ困惑するセブン、
和やかに談笑するデュース、ケイト、シンク…
そこには、いつもと変わらない0組の風景があった。
やがて教室にクラサメが入ってきて、ブリーフィングが始まり…
自分を何度も呼ぶ声を聞き、エースは「目を覚ました」。
教室での風景を夢に見ていたエースが目を覚ました時、
0組の12人がいたのは、ルルサスの攻撃で崩壊した教室。
審判者を遂に倒した0組は、命からがら万魔殿から抜け出し、魔導院へ戻ってきていた。
審判者との死闘の中で幾度となくファントマを傷付けられ、12人の肉体は限界を超えていた。
癒えぬ傷や苦しさから、彼らは自分たちが本当の「死」を迎えようとしていることに気付いていた。
死への恐怖を抑えられないトレイやケイト、
「覚悟はしてただろ」と一行を叱咤しながらも自らも絶望しかけるナイン、そして死への恐れから泣きじゃくるシンク。
誰からでもなく、皆シンクの傍に集まり、ある者は共に泣き、ある者は救いようのない運命を嘆き始めた。
そんな中、エイトが「戦いってもう終わったんだろ?これからのこと、考えてみないか?」と提案する。
これからなんてあるはずがないと絶望するシンクに、
トレイは「考えるのは自由ですよ、シンク。」と優しく語りかける。
そして、「白虎や蒼龍に旅行に行きたい」というケイトを皮切りに、
各々がやがて訪れる平和な時代を想像し始める。始めは怪訝な顔をしていた者も、
和やかな会話の中で、次第に笑顔になっていく。
その笑顔を映しながら「ゼロ」の前奏が始まる。
そして最後にシンクの「一人じゃなくてよかった」という静かなつぶやきの後、画面が切り替わる。
万魔殿で魂だけの存在となりながらも0組を最後まで助け続けたマキナとレムは、
アレシアの力によってクリスタルから解き放たれる。
魔導院まで駆けつけた二人は教室の扉を開いた…。
そこにあったのは、瓦礫に寄りかかって、全員が寄り添い眠っているかのようにして息絶えた、
0組の12人の亡骸だった。
そして、その瓦礫には12人の武器を組み合わせて作った支柱。
そこには、彼らの朱のマントを繋いで作った朱雀の旗が掲げられていた。
瓦礫の傍に崩れ落ち、己の罪を後悔し声を上げて泣くマキナ、
彼らを見ながら目に静かに涙を浮かべるレム。
マキナ「おい、おい、起きろよ、起きろって!起きろ!!……
うわあああああああああーーーーー!!みんな…ごめん………」
(マキナ、崩れ落ちて号泣する。しばらく泣いているが、やがて立ち上がる。寄り添うように彼の肩に手を置くレム。)
マキナ「弱く愚かだった者にも、過ちを犯した者にも、戦った者にも、耐えた者にも、新しい時は流れた。」
レム「歴史は彼らを置き去りにしたけど、私たちは知っている。」
『僕たちは ここだ』
やがて立ち上がった二人は空を見上げる。
エンディングの「ゼロ」の終奏の中ナレーションが挿入され、
最後に空に見える虹をバックにエンドロールとなる。
エンドロールでは、全てが終わった後の世界の様子が映し出された一枚絵が出る。
復興にいそしむ各地の街並み(荷運びをするカヅサの姿も確認できる)が映された後は、
各国の紋章の後に、ディーヴァを中心としたオリエンスの石版が見える。
そして最後に字幕が流れる。
それによれば、この後各国のクリスタルは力を失い、オリエンスの文明は後退していった。
しかしそんな中、人の力で生きることを訴え、人々を導いた青年がいた。
彼は生涯を人々に捧げ、最後に妻に看取られ、67歳の生涯を終えた。
新たな世界の指導者、その名を「マキナ・クナギリ」と言った。
夢か現実か
アルティマニアでは0組の皆が未来について語るシーンについて、
現実に起きているかもしれないし、誰かが願望として見ている夢みたいなものかもしれないとある。
エースが歌を口ずさみ、画面が暗転した以降は
プレイヤーの解釈次第となっているらしい。
・・・が、あの些細ながらも幸せなシーンを夢だと信じる人は少ないだろう。