コーエーテクモ/コーエーテクモNEWS2010

Last-modified: 2010-11-08 (月) 20:47:54

コーエーのオンラインゲームに使い捨てパスワード導入・・・朝刊チェック(1/5)

http://www.inside-games.jp/article/2010/01/05/39675.html
日経産業新聞4面「使い捨てパスワードゲームサイトに導入、コーエーが4作品に順次」
コーエーは運営するオンラインゲームで不正侵入を防止する安全性を強化します。従来のIDやパスワードの入力に加え、利用ごとに発行する使い捨ての「ワンタイムパスワード」を今春をメドに導入します。携帯電話を使って利用者に発行し、パソコンに入力する仕組み。

日経産業新聞7面「iPhoneでワンセグ視聴、出先でチューナー遠隔操作」
ソフトバンクグループで動画コンテンツを手掛けるTVバンクは、専用チューナーを持ち歩かなくても米アップルのiPhone上で携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」を閲覧できる応用ソフト「TVモバイル」を開発しました。自宅などに置いた専用チューナーを遠隔操作する仕組み。チューナー「TV&バッテリー」は9840円、「TVモバイル」の価格は1000円で、アップストアから購入することが出来ます。

コーエーテクモ、『TRINITY Zill O’ll Zero』『QUANTUM THEORY』発売日延期に

http://www.inside-games.jp/article/2010/02/02/40203.html
コーエーとテクモは、PS3向けRPG『TRINITY Zill O’ll Zero』とPS3/Xbox360向けアクション・シューティングゲーム『QUANTUM THEORY』の発売日を延期することを発表しました。

当初の予定では『TRINITY Zill O’ll Zero』と『QUANTUM THEORY』は共に2010年3月の発売予定でしたが、「更なる品質向上」の為に発売日が延期になりました。現時点では新たな発売時期は決まっていません。

発売を楽しみに待っていたファンには残念なニュースですが、新たな発売日が決定次第お伝えします。

コーエー、筑波大学「コンテンツ応用論」の講義に協力

http://www.inside-games.jp/article/2010/02/03/40213.html
コーエーは、2月1日に行われた筑波大学情報学群情報メディア創世学類の講義「コンテンツ応用論」(西岡貞一教授)に協力したと発表しました。

講義では「ゲーム業界ではたらくということ」をテーマに、「ゲーム業界の歩き方」の著者である石島照代さんを講師に行われました。講義では筑波大学の春日キャンパスと日吉のコーエーを通信回線で結んで、常務執行役員、鈴木亮浩氏と、『信長の野望・天道』プロデューサーの北見健氏がテレビ電話で学生の質問に答えました。

コーエーでは『大航海時代Online』を教材にした東京大学の研究に協力したり、地元日吉で「夏休み! 親子で楽しむゲーム講座」を開催するなど社会貢献に力を入れています。今後も積極的に行っていきたいとしています。

■講師プロフィール 石島照代 (いしじま てるよ)
明治大学文学部を経て、早稲田大学教育学部に在学中。1999年から業界ウォッチャーとしての活動を始める。現在は「夕刊フジ」本紙とウェブ媒体「ZAKZAK」(産業経済新聞社刊)、「ダイヤモンド・オンライン」(ダイヤモンド社)で執筆中。2009年11月に「ゲーム業界の歩き方」(ダイヤモンド社)を刊行。

■教授プロフィール 西岡貞一 (にしおか ていいち)
筑波大学大学院図書館情報メディア研究科教授。専門はバーチャルリアリティ。Augmented Realityを応用したデジタルコンテンツの制作研究に取組む。1997年よりシスティーナ礼拝堂、唐招提寺等を題材とした超高精細大型バーチャルリアルリアリティ・コンテンツを開発し展覧会映像として展示。現在文部科学省デジタルミュージアム研究プロジェクトのメンバーとして10年後のミュージアム展示システムを研究中。

■特別講師 鈴木亮浩 (すずき あきひろ)
1992年コーエー入社。現コーエー常務執行役員。「真・三國無双」シリーズなどの開発に携わり、ディレクターやプロデューサーを歴任。「無双OROCHI」シリーズや『BLADESTORM 百年戦争』のプロデューサーも担当。現在は、『トリニティ ジルオール ゼロ』のプロデューサーを務めている。

【講義を終えての感想】
予想以上に多くの学生の方々が、”就職”という観点からゲーム業界に興味を持ってくれている、というのが率直な感想です。ゲームに興味があるから出席したのでなく、”働くこと”について真摯に考えているのが伝わって来ました。そういう意味で、非常に有意義で興味深い講義でした。ゲーム業界は、ユーザーの方と繋がるイベントは多いのですが、今回のような就職を見据えた学生との繋がりを持つ機会は少ないのが実情ですので、今後、このような活動を増やして行くべきだと思いました。

■特別講師 北見健 (きたみ けん)
1992年コーエー入社。「三國志」シリーズや「Winning Post」シリーズなどの開発に携わり、その後『太閤立志伝IV』、『三國志11』、『信長の野望DS 2』などでプロデューサーを担当。 2010月3月4日(木)発売予定の『信長の野望・天道』でもプロデューサーを務めている。

【講義を終えての感想】
学生の方々とお話しする機会は滅多にありませんので、今回はとても貴重な体験ができました。自分が学生の頃と比較すると、今の学生は「働く」ということに関して随分まじめに考えているのだなと感じ、私がお話ししたことなど「答え」になっているのかという不安もありましたが、今回の講義が何らかの形で役に立てていただけたら嬉しいです。

コーエーテクモ、第3四半期業績を発表・・・品質向上のため一部大型タイトルを延期2010年2月5日(金)

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=1046
コーエーテクモホールディングスが発表した平成22年3月期の第3四半期業績は、売上高219億0100万円、営業損失18億4200万円、経常損失8億0900万円、純損失9億5900万円となりました。

ゲームソフト事業では『戦国無双3』(Wii)、『アンデッドナイツ』(PSP)、『AGAIN~FBI超心理捜査官~』(DS)といったタイトルを発売し好調でした。また海外でも欧州史上でプレゼンス拡大に取り組んだことでリピート販売が好調に推移。さらに米国でも販売組織をコーエーとテクモで一本化しました。しかしながら主力タイトルが期末に予定されていることから、開発費が先行し、売上高137億5500万円、営業損失18億7900万円となりました。

オンライン・モバイル事業でも大型アップデートや海外向けサービスインを控えていることから開発費の負担が大きく赤字に。イベントなどを行うメディア・ライツ事業、パチスロ向けのSP事業は堅調。アミューズメント事業も厳しい市況の中、業務効率の向上やコスト削減に務め、営業利益を確保しています。

コーエーテクモでは今期中に発売予定にしていた一部大型タイトルを品質向上の目的から来期に延期するとして、通期の業績予想を下方修正しています。売上高345億円、営業利益2億円、経常利益26億円、純利益10億円となります。

コーエー、モバゲータウン向けゲーム『100万人の信長の野望』の開発を発表

http://www.inside-games.jp/article/2010/02/09/40333.html
コーエーは、モバゲータウン向けシミュレーションゲーム『100万人の信長の野望』を2010年春頃に配信することを発表しました。

『100万人の信長の野望』は、現時点では「基本プレイ無料のアイテム課金制を採用した、100万人が参加できるソーシャルシミュレーションゲーム」という情報のみ公開されています。モバゲータウンでアプリを楽しんでいる人だけではなく、『信長の野望』ファンの人にとっても続報が楽しみとなりそうです。

(C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved.

コーエー、オンラインゲームの「サーバー統合で消費電力削減・・・朝刊チェック(2/15)

http://www.inside-games.jp/article/2010/02/15/40410.html
日経産業新聞4面「コーエー、サーバー統合でオンラインゲーム電力消費量を削減」
コーエーは、運営するオンラインゲームで消費電力量を削減する取り組みを始めます。オンラインゲームのサーバーを統合するなどして、二酸化炭素排出量を削減します。独立行政法新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める地球温暖化ガスの排出削減事業に採用されました。同事業でのオンラインゲーム関連事業の採択はこれが初めて。

日経産業新聞4面「グーグル携帯用電子書籍閲覧ソフト、閲覧・検索・決済をひとまとめ」
携帯サイト運営のミルモは、米グーグルの携帯電話向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載した高機能携帯電話用の電子書籍ソフトを開発しました。閲覧機能に加え、書籍検索や決済など、電子書籍の流通に必要な機能をソフト単体に取り揃えました。5月にも実用化して2010年末までに利用者を200万人、累計10億の売上高を目指します。

テクモと板垣伴信氏が和解・・・「世界クラスの作品を開発中」

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/01/40719.html
コーエーテクモホールディングスと、テクモの元社員でTeam Ninjaを率いた板垣伴信氏は、賃金・賞与・慰謝料等の請求訴訟を争ってきましたが、26日付で和解が成立したとのこと。

板垣氏は1UP.comに対して「テクモとの訴訟の終結に関して」とのコメントを出し、「この間、ファンの心配りや励ましが本当に力強い助けとなりました。本当に感謝しています。最新作を発表できる日を楽しみにしています。まだ詳細は明らかにできませんが、今まで作ってきた全てのゲームを超える、まさに世界クラスの作品になると保証できます」としています。

昨年の春のインタビューで板垣氏は何人かの仲間と「Tokyo Vikings」(仮称)という開発スタジオを設立することを明らかにしています。どのような作品が登場するのか、楽しみです。

一方のコーエーテクモホールディングスは短いプレスリリースで、和解が業績に与える影響は軽微であると伝えています。

任天堂、コーエーと提携し『戦国無双3』を北米で秋に発売

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/18/41065.html
任天堂オブアメリカは、コーエーテクモの現地法人でテクモコーエーと提携し、Wii向けソフト『戦国無双3』の北米地域での販売促進を行っていくと発表しました。

「戦国無双」シリーズは、戦国時代を舞台にした無双アクションで、戦国時代を生きた個性豊かな武将をプレイヤーキャラクターに、一騎当千の爽快感を味わう事が出来ます。『3』は初めて任天堂プラットフォームで発売され、昨年秋に国内では発売されています。

北米版にもユニークなプレイモード「謎の村雨城」モードは収録されるようです。

発売は2010年秋の予定。

板垣伴信氏、新スタジオ・ヴァルハラゲームスタジオを設立

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/25/41219.html
元テクモで、Team Ninjaを率いた板垣伴信氏が新しいゲーム開発スタジオ、株式会社ヴァルハラゲームスタジオを設立、公式サイトがオープンしています。

板垣氏と共にテクモに在籍し、同社の常務執行役員クリエイティブ部長を務めた兼松聡氏が代表取締役CEO、板垣氏が代表取締役CTOとなります。

「いざ大海原へ。戦う同志を募る」というメッセージで、求人が行われていて、ゲームデザイナー、プログラマー、CGアーティスト、アシスタントプロデューサーなどが募集されています。

現在「家庭用HDゲーム機向けの超大型プロジェクト」が進行しているとのこと。

板垣氏は公式サイトで独立の理由について、「その理由は、世界最高のエンターテイメントを、仲間と共に創り続けるのだという決意です。応援してくださる全世界のファンの皆様を揺り動かす、そしてこれから出会う未来のゲーマへの方たちが、心の底から感動する一級品のゲームを作り続けてきたい」とコメントしています。

期待したいと思います。

『北斗無双』発売から2日間でハーフミリオン達成!

http://www.inside-games.jp/article/2010/03/26/41236.html
コーエーは、2010年3月25日に発売したPS3/Xbox360ソフト『北斗無双』が発売翌日に50万本を突破したことを発表しました。

『北斗無双』は、世界で1億部以上を発行する「北斗の拳」と、世界累計2200万本以上出荷する大ヒットアクションゲーム『無双』シリーズとのコラボレーション作品です。

発売日当日は天候に恵まれなかった中、多くの購入者が続出して異例のスピードで50万本突破になりました。今後どれだけ数字を伸ばすのか注目が集まります。

『北斗無双』は、好評発売中で価格は8190円(税込)です。

(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証KOI-001
(C)KOEI Co., Ltd. All rights reserved.

コーエーテクモ第一期業績は予想を大きく上回る2010年5月11日(火)

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=1585
コーエーテクモホールディングスは、コーエーとテクモが経営統合してから最初の期となる平成22年3月期業績を発表しました。

それによれば、売上高345億0200万円、営業利益6億4100万円、経常利益30億2300万円、純利益26億0400万円と、事前の予想を大きく上回る結果となりました。期末に発売した『北斗無双』や『信長の野望・天道』などの収益性の高いタイトルの出荷が好調だったこと、経費削減に務めた事が要因です。

ゲームソフト事業では『北斗無双』の累計出荷が55万本に到達したほか、『信長の野望・天道』も好調でした。海外では『真・三国無双 MULTI RAID Special』や『DEAD OR ALIVE Paradise』も好評でした。今期も海外向けのコンテンツは拡充していく意向のようです。

オンライン・モバイル事業では『モンスターファーム ラグーン』の正式サービスを1月より開始。一方で『BASTARD!! -ONLINE-などの不採算タイトルの整理を行いました。モバイル事業ではモバゲータウンでのサービスを開始。さらに『100万人の信長の野望』の開発にも着手し、ソーシャルゲーム分野でもプレゼンス拡大を目指します。

その他、メディア・ライツ事業では「ネオロマンス・フェスタ 遙か十年祭」が単一イベントとして過去最大の4万人を超える観客動員を記録したほか、信長の野望や戦国無双、金色のコルダなどのシリーズをベースにしたイベントを積極的に展開しています。SP事業は堅調に推移。アミューズメント施設運営事業では既存店のテコ入れと同時に不採算店舗の閉鎖や合理化を進めています。

今期は海外市場向けのオリジナルタイトルの開発を一層強化しつつ、マーケティングや営業活動に注力していくとしています。業績予想は売上高365億円、営業利益50億円、経常利益64億円、純利益35億円を見込みます。

パッケージとオンラインの両輪に注力 V字回復を目指すコーエーテクモゲームス

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/special/20100512/1031756/
コーエーとテクモが経営統合して1年。初めて迎えた2010年3月期決算は、売上高約345億円、営業利益約6億円と、期中の修正予想からはプラスとなったが、期初の目標には届かなかった。

 この結果を「厳しい船出」と振り返るコーエーテクモゲームスの松原健二代表取締役社長の顔には、深い落胆の表情はない。なぜなら2年目となる今期は、コーエーテクモグループを再編し、最終体制に整えて再出発を期し、2011年3月期には営業利益50億円のV字回復を目指す考えだからだ。そのビジョンについて松原社長に聞いた。

(聞き手:渡辺一正)

「改めて、私たちのモノを作る力、お客様に届ける力を見直したい」(画像クリックで拡大)
――2009年度は、コーエーテクモにとってどんな1年でしたか。

松原氏:なかなか厳しい1年でした。2010年2月に大幅な業績修正を報告しましたが、結果的に営業利益や経常利益は少し持ち直しました。ただし、期初の見込みと比べると、厳しい数字となったのは事実です。2009年度は統合初めての年でしたが、大変厳しい船出になったと言えます。

 世界不況という経済環境下ではありますが、こうなった一番の原因は私たち自身の中にあるのではないかと思っています。例えば、2009年度に出荷できると思っていた大型タイトルのうちいくつかが、作りきれずに2010年度にずれ込んでしまったという点。また、リリースした大型タイトルの収益性が目標を下回ったという点などが重なった結果だと考えています。改めて、私たちのモノを作る力、お客様に届ける力というところを見直していく必要があると思っています。

――具体的には、どのような現象だったのでしょうか。

松原氏:2008年度と比べるとゲーム業界も景気の影響を受けているとは思います。しかし、2009年度のハードウエア出荷台数を見ると、プレイステーション3(PS3)もXbox360も欧米を含めてずいぶん力強くなっています。従って、我々のようなサードパーティがビジネスできる領域は広がっているのは確かなのです。しかし、そのチャンスを生かし切れていないというのは何か問題があるのだと考えています。

 コーエーという企業は、発売するほとんどのタイトルで、ある程度の利益を確保することに加え、無双シリーズのようにヒットするタイトルが大きな利益を上げます。全体で見ると高収益体質を維持し、赤字タイトルは作らないというのが伝統でした。

 ところが、2009年度は“堅いタイトル”も、予想した収益を下回るケースがありました。『戦国無双』(2004年発売)はプレイステーション2(PS2)版で100万本超、『戦国無双2』(2006年発売)は約60万本を出荷しましたが、Wii用に出荷した最新作『戦国無双3』(2009年発売)は50万本に届きませんでした。

  • 新しい『北斗の拳』を作ろうという努力が結実した

――『北斗無双』は好調なようですが。

松原氏:発売後2日目に出荷50万本を超えて、順調に追加受注をいただいています。『北斗無双』は2009年10月に「年度内に発売する」と発表して、何とか間に合いました。本当はもっと早く出荷したかったのですが、品質に妥協ができずに3月25日まで引っ張ってしまいました。お客様にもお待ちいただいておりましたし、年度内に間に合わせられて良かったと思っています。

――原作がしっかりしているものを、ゲームとして演出するのは難しくなかったですか。

松原氏:外部企業の原作モノという意味では『ガンダム無双』シリーズでノウハウをある程度積んだこともありますが、プロデューサーが原作者の原哲夫さんと、とことん話し合って、『無双』シリーズが持つ魅力も先方に理解してもらい、その難しさを克服できました。

 『北斗無双』の記者発表会の際、原哲夫さんから「これは新しい『北斗の拳』だ」とおっしゃっていただけました。非常にありがたい言葉だったと思います。

 成功のポイントは、共通の価値観を持てたことだと思っています。無双シリーズが持っている魅力と『北斗の拳』が持っている魅力を組み合わせると、「プラスアルファの面白さがある」ということで意見が一致しました。このように、お互いが新しいモノをお客様に届けようという前向きな姿勢を貫けたから、良い結果を残せたのではないでしょうか。

――新しい『北斗の拳』を作ろうという姿勢だったわけですね。

松原氏:過去に、『北斗の拳』の世界観を使った他社のゲームがいくつかありました。それらと違う新しいゲームにするために、どのように変えるべきなのかという挑戦的な姿勢を理解していただけたのではないかと思っています。そういう意味では、出荷50万本を超えることができて、原作者に対する責任を全うできたかなとホッとしています(笑)。これから海外での展開もありますので、あまりホッとしていられないのですが。

――『北斗無双』の海外展開についてどのように考えていますか。

松原氏:『北斗の拳』はアニメ番組の放送などの影響もあり、北米や欧州でも人気があります。特に欧州では日本のアニメは思った以上に浸透していますよね。実際、『ガンダム無双』シリーズは、イタリアで『機動戦士ガンダム』シリーズを放映していたことから、欧州市場の中でも売れた割合が高かったんですよ。同じように、『北斗無双』も欧州のパートナーから期待されています。

  • 開発がズレた3作品は、しっかり作りたい

――一方、リリースがずれてしまったタイトルについては、どのように見ていますか。

松原氏:開発が遅れてしまったのは、『トリニティ ジルオール ゼロ』と『QUANTUM THEORY(クウォンタム セオリー)』と『TROY(トロイ)無双』の3タイトルです。この中で『QUANTUM THEORY』はテクモが作っているタイトルで、主に北米市場向けです。

 『トリニティ ジルオール ゼロ』は、コーエーが日本市場向けに作ってきた『ジルオール』をベースに新たに開発しているアクションRPGで、ターゲットとするマーケットは国内外で半分ずつというイメージです。『TROY無双』はカナダ・スタジオが作っているタイトルで、無双シリーズのシステムを土台にして、古代ギリシャでの戦いを再現しました。北米と欧州をターゲットにしています。

 3作品とも、完全新作です。その分、スケジュールやクオリティという面でブレが出てしまいました。最終的にはクオリティという言葉になりますが、モノを作っていくプロセスを管理できていなかった、という側面がありました。

 もう一度、会社内部態勢を見直さなければいけないと思っています。たまたまスリップしてしまったとか、たまたま社会情勢が悪かったというのではなくて、私たちの中に緊張感が欠けていたということの表れだと思います。そこを反省し、しっかりと作って、お客様にお届けしたいと考えています。

  • 欧米市場ではイマージョン(没入感)がトレンドに

――それらタイトルの主要な市場となる北米・欧州市場での動きはどのように見ていますか。

松原氏:北米・欧州市場だけ見ると、全体の消費傾向がコンサバティブになっているため、売れるゲームタイトルがシリーズ新作中心に偏っていると見ています。PS3やXbox360の発売タイトル数は2008年と変わっていないという底堅い部分はありますが、完全新作などのチャレンジングタイトルは思ったほど伸びていませんね。

 シリーズ物としては『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』や『アンチャーテッド2(日本名はアンチャーテッド 黄金刀と消えた船団)』などは非常にヒットしています。これらのタイトルは確かにすばらしい出来です。

 そうしたタイトルのキーワードとなっているのは「イマージョン(没入感)」だと思います。これが日本のゲームプレイヤーとは異なる嗜好の表れではないでしょうか。例えば、『アンチャーテッド』では、ゲームをしているとスッとムービー部分がスタートして、そこからまた次のゲームがシームレスに続く、といった形でストーリーが進行します。

 逆に日本のゲームは少し異なります。例えば当社の『無双シリーズ』では、戦闘アクションが終わると「戦果画面」に切り替わり、次は「ブリーフィング」モードに戻ります。これは戦略性のあるアクションゲームとして、とても良くできているシステムだと思います。しかし、北米のユーザーからは、アクション性は良いとしても、イマージョンという部分については十分に提供できていないという評価を受けることもあります。今後、我々も北米市場ではイマージョンを取り入れた新規ゲームタイトルを作っていきたいと思っています。

 ただ、イマージョンは映画制作から派生してきた要素だと思います。映画を見ているようなゲームというのは、映画を作っていた人がゲーム業界に入ってきている北米・欧州の強みなのではないでしょうか。

  • 急速に立ち上がるソーシャルゲームなど新プラットフォーム対策が鍵

――オンライン関連に対する今年の方針はありますか。

松原氏:オンライン関連のゲームタイトルとしては、パソコンやモバイルなどもたくさんあります。しかし、欧米や日本では、家庭用ゲーム機がまだまだオンラインゲーム市場の中心にあると思っています。

 そこにプラスして成長を見込めるのが、ソーシャルゲームやスマートフォンのマーケットではないのでしょうか。2010年から、他のゲームメーカーも含めて、本格的な動きになってくると思います。もちろん、我々もソーシャルやスマートフォンのゲーム開発には取り組んでいます。

 実際、米国ではPS3やXbox360の販売台数が増える一方で、米ジンガ(Zynga)社が提供するようなソーシャルゲームが急速に立ち上がっています。これはカジュアル層が家庭用ゲーム機にプラスして、PCやスマートフォンでゲームをやり始めたからだと見ています。このように、勝負できるプラットフォームは増え続けていますので、それにどう取り組むかが我々の課題となっています。

 一方、日本市場における、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の大手各社は、いわゆる従来からあるゲームメーカーではありません。従って、SNSの中であっても、ゲームらしいゲームをやりたいお客様がいるならば、そこは私たちがビジネスできる範囲だと思います。コミュニケーション重視のサービスで、ゲーム性があまり問われないSNSの場合、参入障壁が低いので、ある意味早い者勝ちですよね。

 ソーシャルゲームで最初にヒットしたものは、ゲームを遊ぶ要素はあまり強くありませんでした。最近はゲームコンテンツとして、勝負できる状態に近づいてきていると思います。当社でもディー・エヌ・エーの『モバゲータウン』向けに『モンスターファーム』を2010年1月からサービス開始し、さらに『100万人の信長の野望』を2010年春から開始しようとしています。

――iPhone向けなどのゲームタイトルでは1本200円といった安価なレンジにあります。素早く、コストを抑えてゲームを開発する態勢作りが必要になりますが。

松原氏:歴史のあるコーエーテクモが、そうした新しいプラットフォームでのゲーム開発態勢に向けて組織全体をスッと切り替えるということは、なかなかできることではありません。何週間も企画会議を重ねて、ようやくできた企画書を何度もダメ出しするような、これまでの家庭用ゲーム機向けの開発と、スマートフォンなどの開発ではスピード感が違うのは認識しています。

 いいゲームを作るという目的を見失ってはいけません。ただ、例えば従来よりも少ない1000万円以内の開発予算と決めたタイトルならば、従来のやり方とは違うことを意識して、開発に臨まなければならないと、開発現場と話をしています。

  • ソーシャルゲームは早い者勝ち市場、勝ち抜くための戦略が必要

――ソーシャルゲームは収益の柱になりそうでしょうか。

松原氏:今年3月に北米で開催したゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス(GDC)でも、話題はソーシャルゲーム一色だったと聞いています。ソーシャルゲームがエマージングマーケットであるとは理解しています。しかし、先行しているソーシャルゲームと同じサービスでは決して成功しないと考えています。

 ソーシャルゲームの基となるSNSについては、世の中に出てきたときからウォッチしてきました。当初は、集客にもとづいた広告モデルがメーンだと思っていました。そこにゲームというキラーアプリをプラスして、広告モデルだけではないビジネスモデルを成立させました。『モバゲータウン』などの先駆者は、目の付け所が違うなと感じました。

 一方で、インターネット上の新しいサービスに目先を奪われているのではないか、という懸念もあります。少し前に、3次元仮想空間サービス『セカンドライフ』は、新聞でも大きく取り上げられ、これからは3次元アバターの時代だという期待感に満ちていました。しかし、現在の『セカンドライフ』の動きは、見えなくなっていると思います。とても速いサイクルで動いている市場だという認識があります。

 「柳の下の2匹目のドジョウ」を狙ってサービスを真似ても、先行している企業の良くて半分。たいていの場合はすでに市場の多くを占有されてしまい、後発組は事業として赤字が出ない状態にするのが限界だったりします。早い者勝ち市場で、勝ち抜く戦略が必要になるわけです。そういう意味で、「ゲームコンテンツとして勝負する」という戦略で進もうと考えているわけです。

 開発コストに対する利益率という結果だけを見ると、もしかしたらPS3やXbox360上のタイトルを開発する場合と、ソーシャルゲームの開発にそれほど違いがないかもしれませんね。我々はPS3やXbox360でコンテンツを作る強みがありますし、そのコンテンツをユーザーが遊び続けてくれると思っています。ですので、従来の家庭用ゲーム専用機を中心にビジネスを展開していく方針は維持していきます。

  • 中国などのソーシャルゲーム市場では、従来のゲーム開発手法では間に合わない

――中国ではソーシャルゲームを作る会社がものすごい勢いで増えているといいます。

松原氏:半年前くらいに、中国のベンチャー企業に投資している人と話す機会がありました。驚いたのは、中国のゲーム会社の開発速度が異常に速いということです。例えば、「日本のユーザーはこんなことを楽しんでいますよ」と、開発会社に話したところ、次の日にはその要素を盛り込んでサービスしているといった具合です。それくらい速い。

 彼らの優れている点は、ユーザーがどのように楽しんでいるのかということを徹底的に調査し、それを取り入れようという姿勢です。そのあたりの感覚がかなり違います。「ゲーム性も必要ですが、それ以上に分析が重要だ」と彼らは言います。ユーザーがプレイしてみて、ゲームをあきらめてしまうポイントがどこにあるのか――。それはスタートから10分という時間的な問題なのか、乗り越えられないクエストがあるのか、などの分析をします。

 もし、飽きてしまうのだったら、その飽きそうな時間の前に「もう少しでレベルアップしますよ」というメッセージを出すなどの工夫を、彼らは一生懸命やりますよね。ソーシャルゲームのボトルネックをすぐに見つけ出して、それを解消するわけです。

 これまで日本の主要なゲームメーカーが培ってきた開発手法――ユーザーをイメージして、その想像上のユーザーに対して、自分のアイデアを作り出して提供するというパッケージゲームのやり方とは違います。

 つまり、ソーシャルゲームでは、ユーザーが明確に求めていることがリアルタイムに近い形で分かるわけです。そこに目がけて、創造性を加えていくという作業になります。こういったゲームの開発手法は、ゲーム開発にゼロから取り組む人の方が合っているのかもしれませんね。経験者の場合は、従来の考え方がかえって足かせになりかねないということもあります。

――中国市場をはじめとするアジア市場に対して、どのような取り組みをしていますか。

松原氏:中国には、北京と天津に開発拠点があります。一方、中国市場向けのビジネスは、本社を通して実施しています。中国では、『大航海時代オンライン』や『信長の野望オンライン』『真・三國無双オンライン』などを展開しています。

 中国は海賊版があるためにパッケージゲームで勝負できません。だからこそ、オンラインゲームなのですが、ソーシャルゲームに関しては、我々は今年、ようやくゲームメーカーとして参入できる態勢が整いました。

 日本で開発を進めているゲームメーカーらしいソーシャルゲームを、日本市場だけではなく、中国でも同様にサービスしていきたいと考えています。その成果は2010年度中にお伝えできるようにしたいですね。

 パッケージゲームの販売面では、台湾にコーエーテクモゲームスの販売会社があり、香港やマカオ、マレーシア、シンガポールなどへの流通を担っています。そこは順調に成長しています。何が良いかというと、日本語版も売れるし、繁体字にローカライズしても売れるし、シンガポールなどを中心に英語版を出しても売れるというサイクルが構築できていることですね。

  • 企業合併は結果が重要、「コーエー」と「テクモ」のブランドは継続

「コーエーとテクモはゲーム開発会社として別々に存続させます」(画像クリックで拡大)
――コーエーテクモゲームスが4月1日付けでスタートしましたが、組織上の大きな変更はあったのでしょうか。

松原氏:コーエーテクモホールディングスは持ち株会社として存在していて、その下にゲーム会社としてコーエーテクモゲームスがあります。そして、その下に、ゲーム開発スタジオとしてコーエーとテクモという会社があるという考え方です。

 ですから、コーエーとテクモには、ほぼプログラマーとプランナーしか在籍していません。コーエーとテクモをそれぞれ会社として存続させ、ブランドを維持するという方針は変えません。

 企業の合併は結果論でしか語られないので、どのやり方が正しいかというのは分かりません。現時点ではゲーム開発のプロセスの統合化は進めていきますが、スタジオ機能として「コーエー」と「テクモ」は今後も存続させています。

 ただし、マーケティングや宣伝など、開発を支援する部門については、基本的に1つの組織にして、仕事のやり方を共通化していきたいと思います。共通化することで、コストメリットも生じると見ています。

――最近ベトナムにスタジオを設置しましたが、海外拠点の使い方について教えてください。

松原氏:海外拠点は、販売子会社が4社(米、英、韓国、台湾)、開発子会社は6社(カナダ、シンガポール、リトアニア、中国・天津、中国・北京、ベトナム)があります。開発面でいうとカナダとリトアニアは一緒に組んで、北米向けテイストの仕事をすることが多いです。

 ベトナムにスタジオを作ったのは、何よりコストメリットがあるからです。それに最近はITを含めたゲームに必要な技術力が上昇しており、ゲームを仕事にしたいという若手技術者が増えてきています。

 現地法人を作って、若手を教育していけば、メリットが大きいと考えています。このまま市場が成熟していけば、開発拠点としての存在を生かし、販売拠点を作りやすくなるのではないかと思っています。

――今年の目玉タイトルにはどんなモノがありますか。

松原氏:まだ詳細は言えませんが、発表していないタイトルはあります。それを世の中に出すのはE3のタイミングになるかどうかは未定です。ご期待ください。

――ニンテンドー3DS(仮)は、どんなユーザー層になると思いますか。

松原氏:立体視のゲームの実績がないので分かりませんが、カジュアル層というよりはコアプレイヤー層に受けるのではないかと思います。マーケットを新たに創出するときには、コアプレイヤー層が面白いと思ってくれて、それから広がっていくもの。最初はDSユーザーの中でも新しい物好きのコアプレイヤーであったり、DSを持っていなかったコアプレイヤーが入ってくるのではないでしょうか。そこから先はコンテンツ勝負になると思っています。

――ありがとうございました。

コーエーテクモ、iPad向けに『三國志 TOUCH Plus for iPad』を今夏配信

http://www.inside-games.jp/article/2010/05/27/42271.html
コーエーテクモゲームスは、今iPad向けに『三國志 TOUCH Plus for iPad』を今夏配信することを発表しました。

『三國志 TOUCH Plus for iPad』は、レイアウトやグラフィックを一新し、iPadの画面に最適化した情報画面やインターフェイスを搭載しています。

作中に登場する武将は全255人。ゲーム内の「列伝」で、功績や人となりを知ることができます。また、「新武将登録」や「新勢力作成」機能を使ってオリジナルの武将や勢力を作成可能なので、ゲーム上でまったく別の歴史を作り上げる楽しみも味わえます。

そのほか、チュートリアルや用語辞典、ヒント集などのサポート機能が充実しているので、「三國志」シリーズをよく知らなくても安心です。

『三國志 TOUCH Plus for iPad』は、App Storeにて今夏配信予定で、価格は未定です。

(C)1985-2010 TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

コーエーテクモゲームス、ニンテンドー3DS参入 ― 新作は4タイトル開発中

http://www.inside-games.jp/article/2010/06/16/42634.html
コーエーテクモゲームスは、任天堂の新携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」に参入することを発表しました。

コーエーテクモゲームスは、現在4タイトルを開発中です。

■日本語表記
『DEAD OR ALIVE 3D(仮称)』
『戦国無双 3D(仮称)』
『NINJA GAIDEN(仮称)』
『真・三國無双(仮称)』

任天堂ハードで『DEAD OR ALIVE』シリーズが発売されるのは今回が始めて。他のタイトルもニンテンドー3DSならではの内容に期待したいですね。

発売時期や価格については未定です。

コーエーテクモホールディングス、「GAMECITY」会員の個人情報漏洩したと公表

http://www.inside-games.jp/article/2010/07/21/43304.html
コーエーテクモホールディングスは、同社グループのウェブサイト「GAMECITY」にて一部の個人情報が漏洩していたことを公表しました。

漏洩した情報は、「GAMECITY」に市民登録している一部の個人情報。「SQLインジェクション」による攻撃で、不正に情報が窃取されました。

今回の件が発覚後、すぐに不正アクセス及び情報漏洩に係る対策委員会を立ち上げ、グループ内で徹底した調査を実施し、さらに企業情報セキュリティを専門とする第三者機関による調査が行われました。

警察には2010年5月11日に被害届を提出。発表まで時間を要したことについては「万全を期すため、第三者機関による調査を実施した結果」とのこと。

コーエーテクモホールディングスは、今回の事件に対し「これまでグループ会社内の情報セキュリティ強化を図ってまいりましたが、このような事態を招いたことを厳粛に反省し、あらためて情報セキュリティ体制の総点検を行うとともに、再発防止に全社を挙げて取り組み、信頼の回復に努めてまいります」とコメントしています。

【E3 2010】『TROY無双』開発スタッフの9割はカナダ人、ジャンプをしない新たな「無双」

http://www.inside-games.jp/article/2010/06/22/42794.html
『真・三國無双』を皮切りに『戦国無双』『ガンダム無双』『北斗無双』と展開を続ける無双シリーズ。そんなコーエーテクモゲームスの次なる支流が、トロイ戦争を舞台にした『In Warriors:Legends of Troy』(日本名:『TROY無双』)です。

ギリシャ神話の一大叙情詩「イリアス」などで綴られているトロイ戦争がベースの3Dアクションで、開発はコーエーカナダ。E3のコーエーテクモブースで早速プレイしてみましたが、これが過去の無双シリーズとは、かなりイメージが異なります。

最大の特徴が「ジャンプしない」ということ。無双シリーズといえばジャンプしながらボタン連打で斬りまくるイメージがありました。しかし本作ではジャンプのかわりに盾で押し合い、相手の体制を崩して斬りつける、ガチなアクションゲームとなっています。

もう一つの特徴が、画面全体に飛び散る流血シーン。それもこれ、なまっちょろいエフェクト処理じゃなくて、わざわざシミュレーション的な計算がされています。いわゆる「無双乱舞」のかわりに「Fuly」(=覚醒)ボタンがあり、これを押すと流血量も倍増。キャラクターやグラフィックデザインもマッチョでバタくさく、過去にない強烈なオーラが画面全体から放出されています。

これはもう話を聞くしかない、というわけでプロデューサーの鈴木亮浩氏(写真右)と、ディレクターの門脇宏氏(写真左)に話を伺いました。鈴木氏は『真・三国無双』の初期から携わっており、門脇氏は『大航海時代online』のディレクターという経歴の持ち主です。

プロジェクトの発端は鈴木氏の「欧米で売れる無双シリーズをコーエーカナダで作って欲しい」というオーダー。これに対して門脇氏らが、現地のスタッフと共同で題材探しをするところからスタートしました。中には「ゾンビ無双」などのアイディアもあったそうですが、欧米向け第一弾、ブランドイメージなど、さまざまな側面を考慮して、最終的に「トロイ戦争」が題材になりました。

開発スタッフは9割がカナダ人で、ディレクターやグラフィックチーフなどの要所で日本人スタッフが参加。UAB TECMO KOEI Baltija.(リトアニア)のデザイナーも加わるなど、ミックスカルチャーで作られているそうです。門脇氏の役割も最終的な成果物を「ゲーム」としてまとめること。欧米で売れる物を、現地のスタッフで開発する姿勢が貫かれているようでした。

これが如実に表れているのが、前述の「ジャンプしない」「流血表現」という点。開発チームから「ジャンプ」よりも「盾で押し合い、相手を切り倒す」方が、爽快感があるという声が上がったのです。流血表現についても同様で、鈴木氏を驚かせたのだとか。このあたりが市場ごとの「ファンポイント」の違いということなのでしょう。

またアクションと共に今回、力が入っているのがストーリーテリング。ゲームはシングルプレイのみで、キャラクターやストーリー体験に重視がおかれています、

そのためメインのストーリーラインはカナダ人のテレビ映画監督が担当しました。マルタ島出身のイタリア系移民でギリシャ文化にも近く、ネイティブが遊んで違和感のない、骨太のストーリーになったそうです。キーワードはずばり「神々の悪戯」。神々の他愛のない悪戯が原因で巻き起こる人間界の悲喜劇という点で、すでに平均的な日本人の想像範疇外といった印象です。
 
主人公はプティーア王ペレウスと海の女神テティスの間に生まれた英雄アキレウスをはじめ、オデュッセウス、パリスなど6名が公開済み。ゲームは「ギリシャ編」「トロイ編」の2つがあり、ストーリーが立体的に語られるとのこと。コーエーのゲームに良くある「ゲームが実際の歴史に関心を持つきっかけになる」タイトルが期待できそうです。

一方で当初は無双エンジンをベースにプラスαのイメージでスタートしたはずが、次第にゲームエンジンをゼロから作り上げる方向に進んでいった誤算もあったとか。カナダ人スタッフは技術志向で、最初からゲームエンジンを作り込みたい欲求が強かったそうです。このあたり、企画重視の日本人とは正反対の指向なのでしょう。

ちなみにゲームプレイは、無双シリーズでおなじみの一騎で多数を相手にするものに加えて、1対1の戦闘、さらには巨大ボスとの戦闘も存在します。1対1のシーンでは、いわゆる「ロックオン」システムを装備。巨大ボスとの戦いは無双シリーズでは珍しい存在ですが、本作では要所で登場します。デモプレイでも女神アテナが乗り移った石像と戦うシーンが体験できました。

戦略目標は欧米市場ですが、日本でも発売が決定しており、流血などの残虐表現は調整される見込みです。とはいえストーリーラインに大きな変更はないと思われます。筆者も含めてトロイ戦争といえば脊髄反射的に「トロイの木馬」以上!という読者も多いかと思いますが、これを機会にゲームで触れてみるのも良いかもしれません。

(C) TECMO KOEI GAMES Co., Ltd. All rights reserved.

【E3 2010】リアルタイムで変化する塔『QUNTAM THEORY』を体験

http://www.inside-games.jp/article/2010/06/22/42795.html
昨年のE3で発表されたコーエーテクモゲームスの新作『QUNTAM THEORY』、SFファンタジー風味の三人称視点アクションシューティングです。デモプレイのみだった昨年とは異なり、今年はプレイアブル出展されていたので、さっそく体験プレイしてみました。

『QUNTAM THEORY』の舞台は侵食により姿を変える塔。プレイヤーは塔の破壊に執念を燃やす戦士シドとなり、塔の内部に乗り込んでいきます。謎の女性フィレーナに出会ったシドは、時に反目しつつ、時に協力しながら進んでいくが・・・というストーリーです。

ゲームを始めると、シドを操って塔の内部を進んでいきます。目の前をさえぎる敵キャラクターを「レヴナント」と呼ばれる銃器で射撃。フィレーナはAIキャラクターで、もたもたしていると彼女が敵を破壊するシーンも。遠距離ファイターで重々しく動くシドに対して、接近戦が得意で軽快に動くフィレーナが好対照をなしています。

なんといっても特徴的なのは、シドがワンボタンでフィレーナを敵にめがけて投げつける、コンビネーションスローと呼ばれるアクションです。これによってフィレーナを敵陣まっただ中に送り込んだり、天井に飛ばすなどして攻撃させられます。これで敵が混乱した隙をねらって、バシバシと遠距離から射撃。画面右下のアイコンが光っている時は、二人の位置が離れていても投げられるので、非常に便利です。

もう一つの特徴が「生きている塔」、すなわちリアルタイムに変化するレベルデザインです。本作では、いわゆる「カバーアクション」が採用されています。デモプレイでも有機的な壁が地面からニョキニョキと生えてきて、防御陣地に使うことが出来ました。

逆にこの2つの要素をうまく使えないと、攻略はかなり難しそう。一人でずんずん進んでいくと、四方八方から攻撃をくらい、あっという間にゲームオーバーになってしまいました。カバーアクションをうまく使いながら、フィレーナを使って敵をおびき出したり、注意をひいたりと、かなり戦略性の高いアクションが楽しめそうです。

テストプレイの後は柴田誠ディレクターに話を伺いました。開発はもともと旧テクモのチームが中心で、「海外市場前提」「サードパーソンシューティング」「オリジナル」と非常に挑戦的なプロジェクトとのこと。特にシューターは敵AIのアルゴリズムをはじめ、さまざまな要素技術の塊で敷居が高いが、一つずつ課題をクリアしている最中とのことでした。

また「ヒロインを敵に投げつける」という発想がどこから出てきたのか聞いたところ、主人公キャラクターのアクションを、どうやったらもっと増やせるか考えた結果とのことでした。つまり最初から「バディもの」が念頭にあったのではなく、たとえるなら横スクロールシューティングにおける、オプションなどの延長線上から生まれたアイディアというわけです。

確かに主人公1人だけのアクションなら、撃つ、殴るなど限界がありますが、キャラが2人だとアクションの幅が格段に広がります。柴田氏のデモプレイでは、2人で強力な近接攻撃をたたき込むコンビネーションアタックや、連続コンボ的な攻撃も確認でき、通常のシューターとはかなり違ったプレイ体験ができそうに感じました。

ただし、シングルプレイの主人公はシドのみで、フィレーナではプレイできないとのこと。これは最初から考えてなかったそうです。ストーリー面もさることながら、「フィレーナ=主人公のアクションの延長」という視点も大きいように感じられました。あらためて日本はゲームデザインの国と感じた次第です。

また「変化する塔」については柴田氏のデモプレイで後半の様子が確認できました。そこでは千枚岩のような地面が上下に移動しており、シドとフィレーナ、そして敵との位置関係をきちんと把握し続けることが求められそう。レベルデザインがここまでダイナミックに変化するゲームは珍しいと感じました。

ストーリーモードの平均プレイ時間は8時間程度で、NPCも数多く登場し、イベントシーンも盛り込まれます。オンラインプレイは8人までで、「バトルロワイヤル」「チーム戦」、そしてランダムに選ばれたプレーヤーが女性キャラクター(リーダー)となり、お互いのリーダーを守りながら戦う「ガーディアン」の3種類が収録される予定です。ピンチの時はリーダーを投げて脱出させる、なども可能だとか。

当初はPS3専用で進んでいましたが、途中からXbox360とのマルチタイトルになり、よりリーチが広がりました。国産テイストの詰まったシューターが、どのような評価を受けるか楽しみです。

(C)TECMO,LTD.2010

コーエーテクモゲームス、iPhone/iPod Touch/iPad向けに『信長の野望・全国版』などを配信開

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/19/43826.html
コーエーテクモゲームスは、iPhone/iPod touch/iPad向けアプリ『信長の野望・全国版』『三国志 TOUCH』『KANJI SHAKER』を8月18日より配信開始しました。

『信長の野望・全国版』『三国志 TOUCH』は、言わずとも知れたコーエーテクモゲームスの看板タイトル。どちらも乱世の中で統治者となり、天下統一を目指す歴史シミュレーションゲームです。

『信長の野望・全国版』では、GPS機能を使うことでプレイヤーが住んでいる地域の大名の能力を強化することが出来るほか、iPhone/iPod Touch/iPad版オリジナル要素として大名作成、大名の寿命を無限にして楽しむモード、プレイリスト上の音楽をゲームのBGMとして再生出来るといった機能が追加されています。

また『三国志 TOUCH』は、旧来のバージョンからオートセーブ機能が追加され、よりプレイしやすくなっているようです。他にも新たな3つのifシナリオ「皇帝呂布」「漢朝復興」「馬超躍進」が追加されたほか、新武将作成機能や、武将・領地のデータの編集機能が追加されています。

同時に配信が開始された『KANJI SHAKER』は無料のエンターテイメントアプリで、ローマ字読みや英単語といったアルファベットの名前を、格好イイ漢字に変換してくれるというもの。ちょっとしたお遊びとして楽しめそうな本作は、上記2作を遊ぶ合間の息抜きとして丁度ぴったりではないでしょうか。

『信長の野望・全国版』『三国志 TOUCH』『KANJI SHAKER』は好評配信中で、価格は『信長の野望・全国版』が1,200円(税込)、『三国志 TOUCH』が1,200円(税込)、『KANJI SHAKER』が無料となっています。

(C)1985-2010 TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

『TRINITY Zill O'll Zero』発売日が今秋に延期

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/20/43857.html
コーエーテクモゲームスは、プレイステーション3ソフト『TRINITY Zill O'll Zero』の発売日を延期することを発表しました。

当初の予定では9月30日に発売される予定でしたが、「更なる品質向上」の為に今秋へ変更になりました。

発売を楽しみに待っていた方には残念なお知らせになってしまいました。もうしばらく辛抱しましょう。秋発売ということで、年内にはなんとか遊べそうです。

『TRINITY Zill O'll Zero』は今秋発売予定で、価格は通常版が8190円(税込)、「プレミアムBOX」が1万1340円(税込)です。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

コーエーテクモゲームス、モバゲータウンで『100万人の信長の野望』の正式サービスをスタート

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/26/43950.html
コーエーテクモゲームスは、「モバゲータウン」においてソーシャル・シミュレーションゲーム『100万人の信長の野望』の正式サービスを8月26日より開始しました。

プレイヤーは、織田信長や武田信玄など戦国時代の好きな大名家に所属し、自らの所領を治める領主となります。そこで真田幸村や直江兼続といった武将を登用して、領地の開発やアイテムの生産といった内政の指示を出し、領地を発展させていきましょう。

家来は、武将だけでなく女性に商人、忍者に剣豪など総勢700人以上から選ぶことができます。それぞれが異なる能力や技能を持つので、どのように使いこなすかを考えるのも楽しみ方の一つです。なお、武将には人物像がわかる「列伝」が用意されているので、歴史を知らずにプレイしても、戦国時代に親しめます。

ゲームの目的は、全国84か所の城を合戦により奪い合い、自分が所属する大名家によって天下統一すること。他プレイヤーとの交流で、兵力の回復や内政や合戦の補助をお互いに得ることができたり、プレイヤー同士で一門を結成することで所属する大名家における自らの地位が向上して、勢力の戦略に影響を与えられるようになるなど、天下統一を推し進めるためには、協力プレイが必須となりそうです。

合戦は、足軽・騎馬・鉄砲の3すくみが軸となります。対戦相手が決まったら、敵の武将の種類を読んで、家来の登場順を並び替えます。合戦シーンはアニメーションで描かれ、迫力のある戦いを楽しめます。

『100万人の信長の野望』は、Flash Lite 1.1に対応し、モバゲータウンへの無料会員登録を行うことで、基本プレイ料金無料、アイテム課金制にて楽しめます。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

【CEDEC2010】基調講演 コーエーテクモ松原氏「開発者にとって普遍的なものを得る場に」

http://www.inside-games.jp/article/2010/08/31/44040.html
CEDEC初日の31日、コーエーテクモホールディングス代表取締役社長で、新しくCEDECフェローに就任した松原健二氏が、「CEDECとは?-そのもたらす価値の追求-」と題して基調講演を行いました。松原氏は80年代から90年代にかけて、IT業界の元エンジニアとして活躍した体験を振り返りながら、CEDECの価値について改めて問いかけました。

CEDECフェロー・松原健二氏

今でこそCEDEC、そしてコーエーテクモの顔として著名な松原氏ですが、業界では有名なように、異業種からの転職組です。その経歴を改めてひもとくと、東京大学大学院情報工学課程を修了後、1986年日立製作所に入社。MBAを習得後、97年に日本オラクルに転職。2001年にコーエー(当時)入社。『信長の野望 Online』などのプロデューサーを経て、2007年に執行役員社長COOに就任。2009年から現職となります。

このように80年代から90年代にかけて、IT業界の最前線でエンジニアとして活躍した松原氏。日立製作所ではマイクロプロセッサの設計に携わり、日本オラクルではデータベースをはじめ、ツールやアプリケーションの開発マネジメントに携わります。「THE日本」的な会社と、西海岸の社風を持つ外資系企業。ハードウェアとソフトウェア。そしてエンジニア、プロデューサー、経営者と、さまざまな職種を経験してきた松原氏だけに、講演は年輪を経て熟成された、重みのある内容となりました。

はじめに松原氏は、昨今日本のゲーム業界が厳しい環境にあると周囲から指摘されるようになったと切り出しました。その上で、これらすべてを否定するわけではないが、単なる悲観論にはくみしないとコメント。ただしゲーム業界(これはコンソールゲームの、一部の企業文化を指してのことだと思われますが)で、「進化の対応が遅いのではないか」と苦言を呈しました。

ここで松原氏は80~90年代のIT業界を振り返り、その渦中にいた者として教訓を示しました。当時はIBMを筆頭にメインフレーム全盛時代だったのが、マイクロソフトとインテルが台頭し、ワークステーションからパソコンへと、急速にダウンサイジングが進んだ時代。その過程でコンピュータも、大企業や研究所内の一握りの技術者が使用するものだったのが、オフィスで誰もが使うツールになっていきました。

これをゲーム業界におきかえると、ゲームがそのジャンルや内容を変えながら、コアユーザーからカジュアルユーザーに広く普及していった流れに符合します。当時メインフレームからすれば、登場したばかりのパソコンは玩具同然。しかし、そこに安住していた企業は、あっという間に時代の流れに取り残されていきます。そこにはエンジニア自身の、進化を嫌う保守的な思想もあったのです。

中でも日本のIT業界は、この流れに完全に乗り遅れたと振り返ります。そこには「危機意識」「戦略」そして「課題共有」という3つの欠如がありました。そして危機意識と戦略については企業や組織レベルの問題だが、情報共有については開発者個人の問題でもあったと指摘します。これを痛感したのがアメリカで開催された、マイクロプロセッサの開発者が集まる技術カンファレンス「HotChips」に参加した時のこと。日本のIT業界にはほとんど見られなかった、自由闊達に議論を行い、互いに切磋琢磨しあう姿に、大きな感銘を受けたと語りました。

もっとも、日本のIT産業はこれまで世界のトッププレイヤーだった経験がありません。ここが日本のゲーム業界との最大の相違点。逆にゲーム業界においては、厳しい環境にあると言われる今だからこそ、開発者自身の意識の向上が重要だとしました。今なおトッププレイヤーの一角であることに自信を持つのは結構。しかし、それが傲慢さにつながってはいけない。謙虚さを忘れず、かといって意味のない悲観論に浸るのでもなく、危機意識を業界で共有して、次のステップに踏み出していこう、というわけです。

松原氏は情報共有の意義を次のように語ります。「開発者同士が会社の枠を超えて集まり、議論することで、現在抱えている課題点が顕在化する。そのことが開発者自身の英知を呼び覚まし、問題解決のための糸口が見つかる」。そして日本のゲーム業界は、まだこの雰囲気を醸造しきれていないとも続けます。「これは企業の考え方にもよるが、私は情報をオープンにして共有する方が、開発者自身の成長にもつながると思う」。過去3年間、CESA副会長兼技術委員長としてCEDECを牽引してきたのも、こうした自由闊達な文化をゲーム業界で活性化させたかったからだと語りました。

「一生懸命やっても、タイトルがヒットする保証はない。しかし、その可能性を少しでも高めることはできる」と松原氏は続けます。そのために何をすればいいのか。松原氏は「進化の認識」「危機感の共有」「進むべき方向性の確認」という3つのキーワードを示しました。そして方向性が定まったら、あとは目標を設定して、そこに向かって自己研鑽を続けるだけだと。これはIT業界でもゲーム業界でも変わらない、開発者にとって普遍的なものだとしましたが、社会人全般に通じる真理だといえます。とにかく、昨日と同じ明日は来ない。そこに、どう対応できるか。そして、それをいかに楽しむか、なのです。

さらに「言い方は悪いが、売れてナンボ」だとして、開発者が陥りやすい、ゲーム作りの呪縛に対して警鐘を鳴らしました。ゲーム開発はお客様に喜んでもらうために行うもので、その客観的な指標は売り上げしかない。そのため「売れたものは良い物」で、「良いゲームだったが売れなかった」という言い訳はして欲しくない、というわけです。そしてCEDECの目的はゲーム開発力の底上げにあるが、ゲーム開発力とはプログラミングなどの要素技術だけではない。最終的にタイトルの売り上げに繋がることが、ゲーム開発力の向上なのだ、という考え方を示しました。

もっとも松原氏は「こうしたことは、ここにいる皆さんには、ある程度理解してもらっていることでしょう」と続けます。そして何らかの理由でCEDECに参加していない人に対して、CEDECの価値を認識して欲しいと呼びかけました。なおCEDECについて良くある誤解の一つに「プログラマーのためのイベント」だという認識があると指摘。確かにかつては、そうした時期もあったかもしれないが、今ではゲーム開発に何らかの形で携わる、すべての人に向けたイベントだと、改めて補足しました。

冒頭で述べたように、本年4月から組織委員会を外れ、CEDECフェローという役職についた松原氏。今後はアドバイザーという立場から助言をしていくとのことです。そうしたタイミングだけに「元エンジニアという立場に戻って、開発者イベントの大切さについて理解してもらいたかった」と締めくくりました。

「ただし、あまり声高に啓蒙すると、かえって周りから呆れられてしまう恐れもあるので注意してください。じっくり時間をかけて、価値を広めていきましょう」

【CEDEC 2010】コーエーの歴史シミュレーションゲームにおける「AI設計」とは9/1

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2056
歴史シミュレーションのAIに求められるのはどういったことなのでしょうか。

株式会社コーエー ソフトウェア本部 ソフトウェア2部シニアリーダーである入江 禎之氏は、歴史シミュレーションゲームに存在する課題を「ある時点でユーザーの勢力に対抗できる勢力がなくなってしまうこと」であると語ります。

同社の歴史シミュレーションは自由度が高く、ユーザーはどんな弱小勢力でも選択できます。どんな展開になるかはユーザー依存であり、通る道筋も決まっていないため「RPGのようにだんだんボスを強くするわけにはいかない」のです。その一方で、ユーザーが簡単に最強勢力になれるとモチベーションが低下するという問題も存在しています。

これを解消するために求められるのは「ユーザーに負けないスピードで勢力を拡大するAI」。AIが同格の勢力を持つことで、新鮮みや緊張感が持続できるというわけです。

そのために必要なのは、ゲームの特徴を見極め、それにあわせたAIを設計すること。『信長の野望・革新』では技術の獲得に最も時間がかかるため、AIもこれを最優先するようになっています。

技術を円滑に取得するため、「金銭系の施設を最優先」とし、次に「技術の研究中に、次の研究に必要な学舎を建てる」という判断をさせることで、研究中という状態を常に途切れさせないようにし、スムーズな勢力拡大を可能としています。

また、勢力ごとの個性化と雰囲気作りも重要となります。武田なら騎馬隊、など勢力のイメージに合わせた戦力を重視するようにAIを設定するほか、能力の低い大名の場合、あえてAIを非効率にするということも行われているそうです。また、武田信玄が姫を要求しないなど「ゲーム内で表現可能な史実はできるだけ表現する」ことでも雰囲気を追求しているそうです。

入江氏が最も重視するのは初心者。初心者がゲームに躓かないようにするため、『信長の野望・革新』ではAIに制限をかけて手加減させています。拠点数や兵力に上限を設けてユーザー以上に勢力が拡大することを抑制するほか、拠点攻略を簡単にするため、改築や援軍も大幅に制限しているそうです。

すべての判断を逐一行っていたのでは負荷も相当なものとなります。『信長の野望・革新』ではコマンドの必要度に応じて判断を行う頻度を変え、判定するアルゴリズムの数を抑制することでこれに対応。「処理がコールされた回数」「最も多くかかった処理時間」などのデータを実際に表示させることでボトルネックの発見に努めているそうです。

また、想定外の動きがあってもすぐに調査できるようなオートセーブ、コマンドを実行したか否かを理由付きでテキスト出力するログ、人間が関与しないデモプレイなどでデバッグの効率化が図られています。

入江氏はAIの強さを「設計者がプレイした際のせいぜい7割」であると語ります。優れたAIを作るには普段から攻略法を見極める力を養うことが重要。なぜならゲームの数値を変えるだけでもベストなアルゴリズムが変わるからだそうです。

氏は「AIの完成度が低いとどんなよいシステムも台無し。勝算を持った上でシステムを決めるのが大切」と結論づけました。

【CEDEC 2010】『金色のコルダ2f(フォルテ)』の多面展開とは?コーエー園部氏が語る成功の理由

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/01/44052.html
『金色のコルダ2f(フォルテ)』では、これまでより深く多面的な展開が成功を収めましたが、その秘密が明かされます。

CEDEC2010では『金色のコルダ2f(フォルテ)』のメディアミックスをテーマとした講演である「キャラクターゲームにおけるメディアミックス」が行われました。

株式会社コーエー ソフトウェア本部ソフトウェア3部プランナーである園部 知子氏は『金色のコルダ2f(フォルテ)』のメイン企画を担当しましたが、成功の理由を「IPプロデューサー」という新しい役職を置いたことにあると明かします。

同社の「ネオロマンスゲーム」は女性向けの恋愛ゲーム。1994年の『アンジェリーク』からスタートし、15年間メディアミックスを行ってきました。

アニメ、CD、書籍、コミック、イベント、舞台、グッズと多岐に展開するメディアミックス。コーエー社内にこれらのコンテンツを生み出す部署があるのですが、ゲームの後追いで商品企画を行うため、ゲームと商品がうまく連動しない「スケジュールのずれ」「内容のずれ」が起こったといいます。アニメがゲームにワンテンポ遅れるなどの現象により、ユーザーの話題性が分散し、さらには世界観が乱立するなど、その影響は少なくなかったそうです。

こうした「ずれ」を解消するため、同社内では体制の改善が行われました。各部署のまとめ役として「IPプロデューサー」という役職を作り、週に一度各部署の責任者と会議を持つこととしました。当初は手探りだったものの、会議を繰り返すうちに「同じ目標を目指す上で、連動していこうという意識」が生まれたそうです。

『金色のコルダ2f(フォルテ)』では新キャラクター「衛藤桐也」を軸に、各部署が連動プロジェクトをスタートさせました。新キャラクター告知後にプロローグとなるCDやケータイドラマを展開し、ユーザーの期待感を維持。ゲーム発売と同時にイベントを行い、さらに発売後にはキャラクターのことを深く知ることができるフォローグッズとして小説などの展開を行いました。

これらのコンテンツはゲームと同時に開発されるため、キャラクターなどの情報を共有することが必要となります。ここで週に一度の会議を持つ「IPプロデューサー」制度の強みが遺憾なく発揮されたそうです。

「IPプロデューサー」制度の連携により、メディアごとに様々な角度での展開も可能となりました。ゲームでは「衛藤桐也」の恋愛を、アニメでは彼との対立を、小説では彼の過去を描くなど、異なった切り口でキャラクターを掘り下げられたのです。過去の物語などは第三者視点が適しているので小説で展開する・・・など、メディアの特性に合わせた深い描写を実現。ゲームでは見られない側面が他のメディアで見られるため、ユーザーからも好評を博したそうです。

こうしたメディアミックスと新キャラクター連動商品により各部門は10~30%の売り上げアップを実現。さらにはメディアミックスが『金色のコルダ』自体への興味・関心につながり、新展開がゲーム全体へのいいイメージにつながったとのこと。

ゲーム開発のみならず、メディアミックスの設定も監修しなければならなかったため負担は大きかったものの、得たものも大きかった・・・と園部氏。
「メディア間での協力体制」「タイミング(同時期展開)」「多角的な新展開(マンネリ打破)」のため、多角的な展開を見据えた世界設定を行うことが大事である・・・と、メディアミックスのポイントを公開して講演を締めくくりました。

【CEDEC 2010】どうやって人を育てる? コーエーテクモの人材育成

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/02/44074.html
テレビゲームはデジタル技術を活用した遊びです。そこで用いられる技術も日進月歩で進化していきます。そこで課題となるのが社内の人材教育体制。どこも重要性はわかっているが、頭が痛いのが本音ではないでしょうか。CEDEC2日目に行われたコーエーテクモゲームスの金井新一氏による講演「社内の技術教育、どうしていますか?-コーエーテクモの事例-」は、まさにこのテーマを直球ストレートで扱ったものでした。

2001年、ちょうどPS2の初期に新卒で旧コーエーに入社したと語る金井氏。当時のインなグラフィック技術は「ポリゴン」「座標変換」「スキニング」「カラーテクスチャ」「頂点カラー」「ライティング」などでした。しかし現在はシェーダー技術を筆頭に、はるかに大量の技術習得が求められています。新人は、すぐにこの「学習の壁」にぶつかってしまう・・・。金井氏はこう指摘します。

また、高度に複雑化・専門化された今日のゲーム開発では、ベテラン開発者であっても話は同じ。担当分野が変わると技術のキャッチアップが大変です。こうした教育不足は開発現場でチーム間の些細なミスを誘発。これがボディブローのように蓄積していきます。こうした状況が何年も続くと、開発力は維持できるのか・・・。これが金井氏が抱いた問題意識でした。

この対策として、自分たちが所属する技術支援部が音頭をとって、社内の技術教育体制を確立することを提案。「新入社員研修」と「社員向けの専門研修」の両者で、少しずつ教育体制を改善していくことになります。

初めに金井氏はコーエーテクモの新入社員研修カリキュラムを紹介しました。研修期間は約1ヶ月半で、新人にはまず一般研修が行われます。続いてプログラム研修が行われ、それと平行して社内ツール研修とグラフィックス講座を実施。5月半ばに配属が決定すると、その後は実際に業務を行いながら、各部でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)と社員向けの専門研修を受けていくことになります。

一般研修は社会人としての常識を身につけるためのもの。プログラム研修はプログラマと非プログラマに分けて実施されます。企画・デザイナーに対してはコンピュータの仕組みからC言語の基礎レベルまで。プログラマ向けにはC/C++の演習課題が施されます。非プログラマ職にも研修が行われるのは、プログラマとの会話をスムーズにするため。今後はスクリプトを組む機会の増加も予測されます。またプログラマ向けには「マインスイーパ」を自作する課題も出されます。二次元配列や再起処理などの応用問題に適しているのだそうです。

一方、3Dグラフィックス講座は新人に加えて、社内希望者向けにも行われます。特徴は最新の3Dグラフィックの技術概要が網羅的に学べること。これには部内の打ち合わせなどで、耳慣れない専門用語や概念を減らすなどの狙いがあるそうです。同様に社内ツール研修も、新人と希望者向けに実施されます。これにも社内ツールや、職種横断別の連携業務になれてもらうなどの狙いがあります。

このほか社員向けに行われている研修には、プログラマと希望者向けのシェーダー講習会、プランナー・プログラマー向けのSoftimage講習会があります。シェーダーは現在、技術支援部が作成したものが現場で使用されていますが、今後は現場でシェーダーが書ける人材を育成していきたいとのこと。Softimageのプラグインについても、同様の人材を育成していきたいと説明がありました。その前提として技術のわかるプランナーやデザイナーを育成し、開発の効率化をはかる狙いがあることは、言うまでもありません。

その他の取り組みとして、▽技術支援部が開発したライブラリ/ツールや、技術調査などを全社にフィードバックする技術連絡会▽技術支援部内で専門書(数学・物理・グラフィックスなど)の輪講▽新入社員向けに「ITパスポート」の参考書を読み、レポートを書かせる、などの研修が行われているとのこと。ユニークなところでは、良いクリエイター・ビジネスパーソンには教養も大切という観点から、新入社員の懇親会を兼ねてテーブルマナー研修も行われているそうです。

研修効果も定量的に計測できるものではないが、参加者アンケートによれば、おおむね好評とのこと。「学習意欲はあるが、きっかけがない」「知識を整理する機会が欲しい」といった潜在ニーズを、ある程度すくい取れているのではないか、と解説されました。金井氏は「継続は力なり」で、5年後には開発力が1~2割はアップするのではないか、と語ります。また教育ノウハウや資料の蓄積が進むといった点も見逃せません。

ただし研修には、その準備コストも発生します。講座形式では1コマ(2時間)あたり約2週間の準備が必要で、講師役の負荷もやや高いのが実情です。もっとも、すべて社内で行うことで、自社にあわせた研修が実施できますし、次回からはスライドや資料などを使い回せます。輪講形式だと1コマあたり約1週間の準備が必要で、各自の担当回のみで済むので、ぐっとコストは低減。もっとも適した書籍を探す手間がかかり、ジャンルによっては参考書自体が乏しい、といった問題も発生します。

また悩ましいのが場所と機材の問題です。コーエーテクモでは研修用の常設PCルームなどはなく、会社支給のノートPCなども全社員向けにあるわけではないので、会議ホールにPCを設置したり、持ち込んだりしながら実施しているとのこと。さらにフィードバックの質を高めることや、講師の確保。グループでゲームを1本作ってみるなどの集団研修。さらには体系的な教科書が少なく、きちんとした正解もないゲームデザイン分野の教育をどのように行うかも、今後の課題だそうです。

このように「最近の技術教育は大変」だが、「やらないともっと大変になる!」と金井氏は警鐘を発しました。その上で、まずは現場レベルの、小さな勉強会からスタートすることを推奨しました。こうした研修は上から押しつけられるとモチベーションが保ちにくいので、現場主導で行っていくのがオススメ。その際も「教えたいこと」を持っている人は意外と多いので、そうした人材をうまく見つけ出し、巻き込んでいくことがポイントだと述べられました。

なお、昨今の開発シーンでは避けては通れないのが英語力。こちらは人事部主導で行われているとのことでした。社内での座学などはありませんが、TOEICで一定以上のスコアを納めれば、英会話学校の学費補助が受けられるとのこと。最新の技術情報は英語圏から来ることを考えれば、英語力はもはや「技術」の一部かもしれません。

また余談ながら、多くの企業ではCEDECに出席すると、受講した講義などについてレポートの提出が課せられます。その際に「興味深かった」「刺激になった」などの定型文で終わらせている人が多いのではないかと指摘されました。そうではなく、講義を聴いて自分なりに浮かんだアイディアや具体案などを書き添えることが肝心。その上で実行に繋げていこう、というわけです。

このように各社が教育体制を整備することで、業界の魅力がアップし、優秀な人材が多く集まる。そしてゲーム業界が強くなる・・・。そんな正のループを描いていくことが重要です。そうした未来が訪れるように、業界で切磋琢磨していきましょうと投げかけられ、講演が締めくくられました。

コーエーテクモ・ベリサイン・DNP、ワンタイムパスワードを表示する「カード型トークン」を共同で製作

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/13/44352.html
 コーエーテクモゲームス、日本ベリサイン、大日本印刷(DNP)の3社は13日、ワンタイムパスワード(OTP)を表示する「カード型トークン」を協同製作したことを発表した。

 ゲームユーザーはオンラインゲームへのログイン時に、アカウントIDとパスワードに続けて、「カード型トークン」に表示される6桁のOTPを入力し、追加認証を受けることで、なりすましによる不正アクセスなどを防ぐことができる。この「カード型トークン」は、コーエーテクモゲームスの総合ポータルサイト「GAMECITY」で提供するオンラインゲーム「信長の野望Online」「大航海時代Online」「真・三國無双Online」で利用可能なものとなっており、9月16日から幕張メッセで開催される東京ゲームショウにおいて、一般公開日の18日、19日に数量限定でプレゼントされる予定。今後「GAMECITY」のサイトにおいても応募受付し、抽選により無料でユーザーに提供する。OTPサービス利用料は105円/30日間。

 「カード型トークン」は、DNPが2010年3月に開発したOTP表示機能付きキャッシュカードをベースにしたもので、厚さ0.76mmのカード内にICチップや小型のOTP生成機器を組み込み済み。財布やポケットのなかでの曲げやねじれにも強い、携帯性と耐久性に優れたトークンとなっている。

 コーエーテクモゲームスでは、2010年3月に携帯電話などを利用した「ベリサイン アイデンティティプロテクション(VIP)オーセンティケーションサービス」をオンラインゲーム3タイトルに導入し、さらに正しいウェブサイトであることを示す「ベリサインEV SSL証明書」の導入も進めていた。今回製作された「カード型トークン」は、ゲームユーザーがカード表面に印刷した3つのオンラインゲームの人気キャラクターを楽しみながらOTPを利用することで、セキュリティに対する理解・知識を高め、より安全な環境で安心してプレイしてもらうことを目指したという。ベリサインは、携帯電話やスマートフォンをトークンとして利用するOTPアプリをコーエーテクモゲームスに提供しており、OTPの追加認証には「VIPオーセンティケーションサービス」が利用されている。

 今後、ベリサインとDNPは、ゲームに加えて、金融やSNSサービスなどログイン(本人認証)用途での「カード型トークン」の利用拡大を目指す。

【CEDEC 2010】コーエーが明かすネオロマンスシリーズのキャラクター作り

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/15/44405.html
女性向けゲームの祖、ネオロマンスシリーズのキャラクター作りとは。

株式会社コーエーテクモゲームスでキャラクターCGを担当する大森まゆこ氏が、その工程を語りました。同社の『アンジェリーク』『遙かなる時空の中で』『金色のコルダ』の各シリーズはネオロマンスと呼ばれ、開発に携わるルビーパーティは、その構成・人数など謎に包まれた部分が数多くあります。

大森氏は入社以来14年に渡ってキャラクターCGを担当。ネオロマンスシリーズのみならず、同社の代表的タイトルである歴史シミュレーションに携わることもあるといいます。そんな大森氏はいかにして「乙女たちが恋愛のドキドキワクワクを楽しめる」キャラクターを生み出しているのでしょうか。

■「橋渡し」も重要な仕事

ネオロマンスシリーズでは、キャラクターデザインに少女漫画家を起用しています。『アンジェリーク』シリーズであれば由羅カイリ氏、『遙かなる時空の中で』は水野十子氏、『金色のコルダ』では呉由姫氏が、同社内のシナリオ担当者からあがってきたキャラクター設定をもとに、デザインを起こします。

これらのタイトルでは、ユーザーの多角的なニーズに対応するため、キャラクターが多数登場します。キャラクター設定は、ゲームとしての面白さを決定づける仕掛けであるため、プロジェクト初期に企画者、シナリオ担当者が骨組みを作るとのことです。

そのため、漫画家のデザインで一発OKというわけにはいかず、たいていはシナリオ担当者とのあいだでイメージのすり合わせが行われるといいます。

ただ、シナリオ担当者からの要望は具体的なデザイン案というより、「威厳を出したい」「もっとかわいらしく」など、どのようなキャラクターを表現したいかという曖昧なものが多いとのことです。

『金色のコルダ3』のキャラクター、八木沢君の例を見ます。

髪の毛が緑色というほか、恋愛対象というには特徴がないように見えます。彼は「穏やかでおっとり。個性豊かな部員たちを苦労しながらもまとめている。ライバルである主人公たちにも礼儀正しくて誠実」と設定されていました。

これをもとに漫画家からあがってきたデザインの第一稿は、地味なものでした。するとシナリオ担当者は、おっとりというイメージから「アホ毛」をつけてはどうかという提案がありました。しかし、漫画家サイドは「アホ毛はやめてほしい」とNGが出します。

ではどうすべきか。八木沢君にあらゆる小道具を持たせてみるものの、しっくりきません。なかには「肩に鷹をとまらせては?」という案まであったといいます。

こうした「迷い」は、見た目に特徴づけをしたい社内デザイナーの不安と、シナリオ担当者によるゲーム演出上の必須条件「地味」とがぶつかったために生じたものでした。

大森氏は詳しく意図を知るためシナリオ担当者に問い合わせると、ゲーム内で八木沢君のチームが敗北することがわかります。そこで八木沢君が仲間を熱く励ますのが見せ場のひとつで、その場面で急変させることで「芯の強さ」を表現したいというのです。

ここでポイントが「ギャップ萌え」にあると気づいた大森氏は、漫画家のデザイン案をそのまま採用することにしたといいます。このような漫画家と開発陣との「橋渡し」もまた仕事のひとつとのことです。

■「いわば伊達政宗なのです」

続いて、実際にCGに落とし込む際の事例が紹介されます。

『金色のコルダ3』に登場する東金千秋のキーワードは「派手で尊大」。開発初期にシナリオ担当者のチェックを受けたところ、「キャラクターの器を大きくしてほしい」と指示され、困ったといいます。というのも、漫画家からあがってきたものにはすでに「派手で尊大」なテイストがあると感じたからです。シナリオ担当者により詳しく話を聞くと、「彼はいわば伊達正宗です」との返事。華やかで挑戦的な言動が目をひく、戦国武将・伊達正宗のような人物だというのです。

そこにはもっともな理由がありました。『金色のコルダ3』に登場する各学校は、戦国時代の各軍をイメージし設定されていたのです。このあたり、歴史ゲームを得意とするコーエーテクモゲームスらしい考え方だといえます。

しかし、こうした細かな設定までも漫画家に伝えてしまうと、負担になる可能性もあるとのこと。ゆえにこうした要求には、大森氏ら社内デザイナーが応えることになります。

結果、「器を大きく」するためにどのような調整が施されたのでしょう。

まず右眉をつりあげ、まつげをを細く、瞳孔を小さく、瞳の色を明るくするといった修正がなされました。これによりキュートな印象を排除し、生意気な感じをより強めたといいます。また上唇を薄く、口角の影を小さく、アゴのラインをシャープにといった変更もありました。こうしたニュアンス調整を経て、「漫画家の持つ原画の魅力とシナリオ担当者の思惑とが重なるようになった」と大森氏はいいます。

■美男子はすでに100名を超える

同シリーズのキャラクターメイキングは、物語背景やゲーム内での立ち位置、舞台設定の把握から始まります。プロットを読んだり歴史背景を学んだりして、キャラクター作成に着手する前に知識を高めておくのです。

たとえば『金色のコルダ3』は音楽の全国大会コンクールを目指すというストーリーなので、現代的な服装や髪型、キャラたちの真剣さがポイントとなる、といった点を押さえておかねばなりません。また『遙かなる時空の中で』シリーズは、鎌倉時代や神話時代が舞台となるため、時代ごとの衣装について学んでおく必要があります。『遙か~3』に登場する源義経の衣装には、史実の義経の家紋・竜胆紋をアレンジしたもの。同様に弁慶の衣装も歌舞伎『勧進帳』での弁慶の衣装に着想を得たものといいます。

色設計については、ゲームごとに決められたイメージカラーと、特撮ヒーローのようにキャラクターごとに設定されたキャラカラーとを組み合わせ、衣装や瞳の色に使っているといいます。

また、キャラクター性を統一するため、ウエストアップ表示では必要とされない全身図を用意するとともに、身長表が作られています。こうした資料は、多くの開発者が目を通すため、常に最新の情報が保たれるようにしているといいます。

これまで同シリーズに登場した美男子キャラクターは、総勢100名。ただ「美しい」だけでは埋もれていくため、いかに特徴があり魅力あるキャラクターを作っていけるか、挑戦し続けていくと大森氏はいいます。

■200点以上のCGを3ヶ月で

ゲームのために用意されるCGは『遙か~3』で175点、『遙か~4』で230点。同シリーズでは平均200点前後だといいます。ただし、ウエストアップ、バストアップなどサイズ別に加工するため、実際の納品数はこの2倍以上になるとのこと。しかしながら、キャラクターの制作期間は3~4ヶ月しかありません。

同シリーズでは、すべての工程を『Photoshop』で作成しています。これはチェック体制が厚く、さまざまな修正要望に応える必要があるためだといいます。また、パーツ類の流用が容易で、素材ごとの齟齬をなくすことにもつながるとのことです。

実際の作業は、「後戻りしないための工夫」として6段階に分かれています。

第1段階は「下絵」です。これは前述の通り漫画家が担当。キャラクターの魅力、動きの勢い、表情の豊かさ、ポーズの確定がなされます。

第2段階の「ラフ作業」では、各パーツの位置や形状、人体的構造の整合性、表情のニュアンスがチェックされます。

第3段階の「線画クリンナップ」は、線の美しさ、設定落ちの確認などがなされます。このとき、髪、顔(目と口)、体はそれぞれ、別レイヤーで作成されます。

第4段階は「色マスク」です。ここで各パーツごとに着色範囲の確定を行い、人物部分が隙間なく埋められます。この工程で模様がつながらない、毛量が足りないなどといったことがわかるといいます。
第5段階「着色」では、色表現すべての確定、表情のニュアンス最終確定、立体感・質感の調整がなされます。

そして第6段階で「目パチ口パチアニメーション」の確定、レイヤー構成の整理を行います。

こうした手法を取っているのは、各工程で細かなチェックを入れるためで、結果的にはコスト削減、リスク回避につながっているとのこと。また、分業化の促進という側面もあり、スキルの壁を越えることができるようになった一方で、全体を統括する人材の育成が課題として出てきたといいます。

と、ここまで効率的なキャラクターメイキングについて述べてきた大森氏ですが、それでもやはり重要なのは、「思いやりの心、相手を尊重する心。これに尽きるのではないか」と、キャラクターゲームに携わる開発者たちに訴えていました。

【TGS 2010】コーエーとテクモが手を組み『仁王 NiーoH』を開発再開

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/17/44455.html
東京ゲームショウ2010のビジネスデイ1日目、コーエーテクモブースで、シブサワ・コウ氏と早矢仕洋介プロデューサーの対談が実現。2人が中心となって『仁王 NiーoH』を開発することが発表されました。

シブサワ・コウ氏は株式会社コーエーテクモゲームスのゼネラルプロデューサー。歴史シミュレーションゲーム『信長の野望』『三國志』の生みの親として知られますが、ゲームショウのイベントに参加するのは、なんと10年ぶり。『決戦』発売時以来だといいます。

一方の早矢仕洋介氏は、同社の開発チームTeamNINJAを率いるプロデューサー。TeamNINJAは先日、『METROID Other M』(wii)をリリースしたばかりです。

『仁王』は5年前に開発がスタート。当初はPS3のロンチタイトルとなるはずでしたが、シブサワ氏自身「面白さが出せていない」として開発が一時中断されていたものです。

昨年、コーエーテクモゲームスの設立を機に両者が話をしたところ、シブサワ氏は「彼らならすばらしい『仁王』を作ってくれるだろう」と感じたといいます。実際、シブサワ氏は『デッド・オア・アライブ』などTeamNINJAの作品に触れており、『METROID Other M』に至っては「攻略本を送ってほしい」と早矢仕氏に頼むほど、その出来に満足していたとのこと。

早矢仕氏らTeamNINJAも、「『METROID Other M』を通しチームの外の人と開発する楽しさを知りました。今度の相手は、これほど楽しく作れる相手は他にいない『最高のパートナー』」だといいます。一度は中断したタイトルということで、超えるべきハードルが高く感じないか? との問いには「いろんなアイデアをいただき、挑戦しています」と前向きな発言がありました。

『仁王 NiーoH』の舞台は戦国時代。金髪碧眼の侍が主人公だといいます。これは一時中断する前の『仁王』の設定を、ほぼ引きついだものとのこと。

早矢仕氏が「TeamNINJAはあらゆる忍者を生み出してきましたが、今度は皆さんが想像する『サムライ』の、さらに上をいきたい」と意気込みを語ると、シブサワ氏も「(早矢氏との)年齢差を考えると、親子で作るようなものですが、頑張って良い作品を作りたい」と話しました。

なお、対応機種については「PS3を中心に展開」。発売時期は「発表会を開き、その時に皆さんにお伝えしたい」とのことです。

【TGS 2010】坂本龍馬の物語を追体験、DS『維新の嵐 疾風龍馬伝』トークステージ

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/17/44477.html

東京ゲームショウ2010の初日、コーエーテクモブースで『維新の嵐 疾風龍馬伝』のトークステージが開かれました。

『維新の嵐 疾風龍馬伝』は、ニンテンドーDS向け「幕末アドベンチャー」で、2010年11月18日に発売予定。古いゲームをご存じの方は、かつて『維新の嵐』というPCゲームがあったことをおぼえているかもしれません。本作はそのシミュレーションRPG『維新の嵐』の流れをくみつつも、アドベンチャーゲームとしてシステムを刷新したものとのこと。

プレイヤーは坂本龍馬として学問や稽古で能力を磨きつつ、西郷隆盛、勝海舟らさまざまな人間と関係を築き、歴史を大きく動かします。同社のタイトルらしく「if」の要素もあり、史実に反して龍馬が暗殺を回避し、「世界の海援隊」を作り上げるストーリー展開もあるといいます。

この日壇上に登場したのは、歴史アイドルとして活躍する美甘子(みかこ)さん。『龍馬はなぜあんなにモテたのか』などの著書もあるコアな歴史ファンです。いまひとりは出版社・主婦の友社の社員、坂本龍馬氏。坂本氏は本名が「坂本龍馬」だったことが縁で、雑誌『RYOMA』の編集長に抜擢された方。最近はTV等のメディアに多数露出しています。そして3人目は本作のプロデューサー・北見健氏です。

美甘子さんは「ライトユーザーでも楽しめるアドベンチャーに仕上がっている」と本作をプレイした感想を述べると、北見氏は「私自身が歴史に詳しくないので、とにかくそういう人でもわかるように作ってくれ」と開発陣に指示したことを明かしました。

また、本作に実装された登場人物のプロフィールを簡単に参照することができる「これ誰? ボタン」や、ゲーム中に龍馬の訪れた場所が現在どうなっているかを見ることができる「史跡ガイド機能」について、美甘子さん、坂本氏ともに「うれしい機能」だと話しました。

その後、登壇者それぞれの歴史観、幕末観を披露。坂本龍馬の格好で登壇した美甘子さんですが、好きな幕末の人物としては「高杉晋作」の名を挙げていました。その風流な生き方と、どこか漂う切なさとが魅力だといいます。

コーエーテクモブースではこの『維新の嵐 疾風龍馬伝』トークステージを、一般公開日の18日にも開催。坂本龍馬氏に加え、同じく歴史ファンとして、「歴ドル」としておなじみの小日向えりさん、小栗さくらさんが登壇する予定です。

幕末の歴史にはまったく興味のない方も、一度同社のブースをのぞいてみてはいかがでしょうか。

【TGS 2010】3DS『DEAD OR ALIVE Dimensions』早矢仕洋介プロデューサーに聞く

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/22/44572.html
コーエーテクモゲームスがニンテンドー3DS向けに発表した『DEAD OR ALIVE Dimensions(デッド オア アライブ ディメンションズ)』。残念ながら今回の東京ゲームショウ2010には出展がありませんが、開発を担当するTeam NINJAの早矢仕洋介プロデューサーにお話を伺う事が出来ました。

―――まずニンテンドー3DSの第一印象を聞かせてください

3Dは映画館やテレビでメガネをかけたり、特別な所や特別な時にしか体験できないものだと思っていました。「ニンテンドー3DS」はその非日常の「3D」体験を、日常の身近な体験にしてくれるだろうと思います。

―――3DSで『DEAD OR ALIVE Dimensions』を開発しようと思ったのは?

携帯ゲーム機で遊ぶ格闘ゲームというのが非常に大きな可能性を持っていると以前から考えていました。ただ、それに見合ったハードがないというのが実情でした。3DSを最初見せていただいた時、この性能ならいけると。実は3Dに対応すると聞いたのはその後の事なのですが、格闘ゲームに3Dの迫力を加えれば更に凄いものになるだろうと思いましたね。なので、3DSありき、というよりは、携帯ゲーム機でDOAを作りたいというのがスタートです。

―――苦労したのはどんな点でしょうか?

3D映像の作り方というのは勉強しているところです。3Dと聞くと、飛び出す、という印象が強いと思いますが、実際は奥行きの表現がしっかり出来るという方がゲームとしては意味があると思っています。リアルに描くための手段ですね。格闘ゲームでは、キャラクターが横に立っている絵というのが一般的ですが、3Dだと少し斜めや横から見ても遠近感が分かるので、画面が余り単調にならない格闘ゲームというものになっています。

―――ステージもダイナミックなものに?

そうですね。何かにぶつかって、オブジェクトが崖から落ちるような演出は強化しています。

―――実際に3DSで開発してみていかがでしょう?

あの画面に映像が出て、実際に動いているのを見ると、やっぱりニンテンドーDSの正当進化で、これをまた皆が持って電車で遊んでいるような光景が再現されるんだろうなあ、というのを思えるゲーム機ですね。イメージが浮かびますね。

―――『DEAD OR ALIVE』というフランチャイズ自体、久しぶりになりますよね

はい。今の我々のチームで『DEAD OR ALIVE』を再始動しようと考えていて、その一環として『DEAD OR ALIVE Dimensions』というゲームを3DSで発売します。シリーズは『1』~『4』まで発売していますので、「Dimensions」ではその全てを体験してもらいたいなと。始めて『DEAD OR ALIVE』シリーズを遊ぶ方でも入ってこられて、昔好きだった方やシリーズで1作しか遊んでないというような方に向けては、シリーズの歴史を全て遊べるようなゲームにしたいと思っています。集大成であり、出発点になりますね。

―――キャラクターも?

歴史を全て遊べるものにと銘打っていますので、皆さんが期待していただいているキャラクターはもちろん入っています!

―――通信対戦もあるんでしょうか?

格闘ゲームですので、もちろん対応して、持ち寄って対戦できるようにします。

―――ちなみに発売はいつごろ・・・?

すみません、今は未定です。が、開発は順調に進んでいます。

―――最後に期待していらっしゃるユーザーさんに一言お願いします

『DEAD OR ALIVE』を待ち望んでいただいている方の声というのは僕らにもちゃんと届いています。こうしてお応えできるものを発表できたのが嬉しいです。そして格闘ゲームというものを最近やってないという人にも、もう一度手に取ってもらえるように頑張って作っています。もう一度、携帯機から格闘ゲームのブームを起こしたいという野望を持って開発しています。ご期待ください。

―――ありがとうございました

コーエーテクモ、『100万人の三國志』がGREEで配信決定 ― 9月30日より事前登録スタート

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/27/44648.html
コーエーテクモゲームスは、ソーシャルサイト「GREE」において『100万人の三國志』の提供を発表しました。

『100万人の三國志』は、同社の人気シリーズ「三國志」をベースとしたソーシャルゲームで、時にはユーザー同士で都市攻略を競い、時には協力プレイでゲーム展開を有利にできるというものです。

サービススケジュールは、9月30日から事前登録がスタートし、10月14日より一部の事前登録ユーザー向けに開始、その後全GREEユーザー向けの正式サービスが始まるとのことです。

「三國志」ファンの人は、ぜひとも事前登録を行って、いち早く楽しんでくださいね。

『100万人の三國志』は、Flash lite1.1に対応し、基本プレイ料金無料、アイテム課金制にてサービス予定です。

(C)2010 TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

コーエーテクモ、3DS向けに『戦国無双 Chronicle』を2011年春発売へ

http://www.inside-games.jp/article/2010/09/29/44722.html
コーエーテクモゲームスは、本日開催された「任天堂カンファレンス2010」にてニンテンドー3DS向けタイトルを公開しました。

公開されたタイトルは、『戦国無双 Chronicle』と『DEAD OR ALIVE Dimensions』の2タイトル。『戦国無双 Chronicle』については2011年春発売予定と報じられました。

詳しい情報などは今後発信されるとのことで、続報に期待しましょう。

『戦国無双 Chronicle』は、2011年春に発売予定で価格は未定です。『DEAD OR ALIVE Dimensions』は、発売日と価格共に未定です。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.
(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. Team NINJA All rights reserved.

任天堂×コーエーテクモ、Wii向けに『零』シリーズ最新作を共同開発2010年9月30日(木)

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2192
任天堂とコーエーテクモゲームスは、ホラーアドベンチャー『零』シリーズの新作を共同で開発してWii向けに発売することを発表しました。

『零』は、主人公が心霊カメラで怨霊を撃退する和風ホラーアドベンチャーです。Wiiでは2008年7月31日に『零~月蝕の仮面~』を発売しており、本作でWii第2弾となります。

じっくり遊べるストーリーモードでは、世界中を震撼させた真の恐怖を体験
することが出来るとのこと。

また、アトラクション風に短時間で遊べる「お化け屋敷モード」を新たに搭載。こちらでも新たな恐怖の仕掛けを手軽な操作で体験することができます。

『零 新作(仮称)』は、発売時期や価格共に未定です。

(C)2010 Nintendo / TECMO KOEI GAMES CO., LTD.

PS3『北斗無双 International』12月2日発売決定 ― 新ステージ、敵調整、さらに刺激的な表現など新要素満載

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/05/44864.html
コーエーテクモゲームスは、プレイステーション3ソフト『北斗無双 International』を12月2日に発売することを発表しました。

『北斗無双』は、“一撃必殺”を、爽快な無双アクションで実現した作品。ケンシロウをはじめとする登場キャラクターも原哲夫氏監修のもと一新され、『北斗無双』ならではのデザインで描き起こしとなっています。ゲームシステム面では、漫画原作に沿ったストーリーモード「伝説編」に加え、本ゲームオリジナルのストーリーが繰り広げられる「幻闘編」も用意。原作ファンならずとも想い描いた夢の対決が実現可能となっています。

『北斗無双 International』は、海外版の要素を追加し、遊びやすさを改良したプライスダウン版です。気になる新要素を紹介します。

まずは、ゲーム開始時に最強状態のケンシロウで遊べる新ステージが追加されました。これにより『北斗無双』の“一撃当千の爽快感”が、「伝説編」の最初に味わえるようになりました。

また、英語音声が選択可能に。あの名台詞も「You're already dead!」となり、日本語版とはまた違った味わいが楽しめます。

さらにシナリオ、アクションを全面的に調整。オリジナル版から、敵の兵種や配置などが一部変更。バイクの操作方法など操作においても海外版の仕様が採用されました。

そしてバイオレンス表現「HARD」において、本作では海外版に近い描写を採用。オリジナル版に比べ、より“刺激的”なアクションシーンが繰り広げら
れます。

『北斗無双 International』は、12月2日(木)発売予定で価格は3,800円(税抜)です。

(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983 版権許諾証KOI-001 (C)2010 TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

コーエーテクモ、グローバルマーケティング部を新設 10/25

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2322

コーエーテクモホールディングスは、傘下のコーエーテクモゲームスに、グローバルマーケティング部を新設すると発表しました。

海外市場での戦略的広報や、海外向けタイトルの品質向上等を統括する部署になるとのこと。

グローバルマーケティング部長には、執行役員でソフトウェア事業部副事業部長、ソフトウェア事業推進部長を兼任する阿久津透氏が就任します(旧テクモ出身)。

コーエーテクモではカナダやシンガポールなど海外スタジオとの連携を強めているほか、海外での事業を拡大したい考えで、新設部署はそれを戦略的に指揮するものとなりそうです。

3D対応の“晋”時代へ、『真・三國無双6』発表会レポート(前編)

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/26/45266.html
コーエーテクモゲームスは10月26日、東京・赤坂ブリッツにおいてプレイステーション3ソフト『真・三國無双6』の発表会を開催しました。

『真・三國無双6』は、今年10周年を迎えたアクションゲーム『真・三國無双』シリーズの6作目。今回はこれまでのシリーズよりも舞台の幅を広げ、「晋」時代のキャラクターやストーリーが楽しめるとのことです。

「晋」は魏を掌握した司馬懿が立役者となって作られた王朝で、これまでストーリーの中心となっていた魏・呉・蜀のいわゆる三国時代のあとに続く時代です。そのため、本作では新キャラクターとして司馬師(しばし)やその弟・司馬昭(しばしょう)、鮑三娘(ほうさんじょう)らが登場することが明らかにされました。

発表会ではまず、コーエーテクモゲームスの代表取締役社長・松原健二氏が登壇。『真・三國無双』シリーズが「タクティカルアクション」というジャンルを築き上げたことに触れ、「これからもさらに羽ばたいていきたい」と述べました。

続いてソニー・コンピュータエンタテインメントのプレジデントである河野弘氏が、「歴史を舞台とした作品で10年間も支持を受け続けているのは『真・三國無双』だけ」とし、「まさに宝物のようなタイトルです」と語りました。

3Dに対応したオープンムービーが流されたあとには、『真・三國無双6』のプロデューサー・鈴木亮浩氏が登壇。自ら作品の特徴について解説を始めました。鈴木氏によると、『真・三國無双6』のタイトルコンセプトは「シネマティック一騎当千」であり、その実現のため「シームレスプレイ」を導入したとのこと。これはイベントシーンからゲームプレイへの切り替えを途切れさせずに行うというものです。

また、先の「晋」勢力の追加や、新しい武器アクションシステムにも触れました。

『真・三國無双6』では、プレイヤーキャラクターが武器を2つ持つことができ、戦闘中でもボタンひとつで切り替えられます。武器を切り替える際には「ヴァリアブル攻撃」が発動し、これは武器の組み合わせによって異なるとのことです。また、武将ごとに得意とする武器が異なるため「武将ごとの個性は失われずに残っている」といいます。さらに今回から「無双乱舞」を発動させるためのゲージが2つになり、使いどころを見極める楽しさが増えました。

続いて舞台上には「戦国時代、三国志、幕末が大好き」というお笑い芸人・ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏が現われ、場内を沸かせました。

三国志に登場する武将では「馬超とその従弟・馬岱の関係が好き。赤壁の戦い直前の孔明と周瑜とのやりとりもいい」と熱く語る田村氏。『真・三國無双6』については「これまで回避ボタンだったところが武器の切り替えに変更されていたのでとまどったが、慣れると楽しい」、「これからこのシリーズに触れる人にも向いている」とプレイした感想を述べました。

さらに、本作のプロモーションを担う「吉本無双」なる若手芸人らが紹介されます。「吉本無双」は、「ギンナナ」金成氏、「ライセンス」藤原氏、「麒麟」田村氏、「ラフ・コントロール」重岡氏からなるユニットで、皆、『真・三國無双』シリーズの大ファンだといいます。

「三国志の武将になれるなら?」という質問に、藤原氏が「自分には野心がないから黄巾党の一員でいい」と答えると、「自分は、どんな武将が来ても向かっていく『拠点兵長』」と麒麟・田村氏。すると周りから「(麒麟・田村氏は)どちらかといえば木鹿大王(ぼくろくだいおう)だろう」と『三国志』ファン向けのマニアックな指摘があり、会場内に笑いが起こっていました。

メンバーそれぞれが『真・三國無双6』をプレイすると、ロンドンブーツ1号2号・田村氏は「この爽快感は他のゲームにはない」と絶賛。重岡氏は「武器の切り替えを他の武将でも試したい」と語りました。

レポートは後編に続きます。

『真・三國無双6』は、2011年3月発売予定で価格は7,560円(税込)です。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

コーエーのゲームがあれば教科書はいらない!『真・三國無双6』発表会レポート(後編)

http://www.inside-games.jp/article/2010/10/26/45267.html
コーエーテクモゲームスは10月26日、東京・赤坂ブリッツにおいてプレイステーション3ソフト『真・三國無双6』の発表会を開催しました。

発表会後半は、あの人気声優陣が登場します。

「吉本無双」の面々が引き上げていくと、続いて『真・三國無双』シリーズで趙雲や孔明の声を担当してきた声優・小野坂昌也氏が登場。「なんだかんだいって1年に1度は『無双』の収録をしてきた」とこの10年を振り返り、最新作で「晋」勢力の追加されることに「そこまでやるの?とびっくりした」と語りました。

さらに司馬師の声を担当する置鮎龍太郎氏、司馬昭の声を担当する岸尾だいすけ氏、鮑三娘の声を担当する野中藍さんが登場すると、往年のPC・MSXの時代からコーエーのシミュレーションゲーム『三國志』に触れてきたという小野坂氏が彼らに『三国志』の魅力を伝授します。小野坂氏によると「『真・三國無双』シリーズでは、敵を吹き飛ばすときに本気を出して演技しなければならない」とのことです。

新しいキャラクターについては、置鮎氏が「演じる司馬師が美しい青年で嬉しい」とコメント。岸尾氏は「司馬昭はいつも力を抜いているキャラクターだが、少しずつ目覚めていく・・・かも?」とストーリーの一端に触れ、野中さんは「開発の皆さんと相談し、演技の面ではいろいろと遊んでみました」と話していました。

こうして、内容盛りだくさんの発表会は終了しました。

気になる発売日は2011年3月、発売まであと約半年。発売が今から待ち遠しいですね。

『真・三國無双6』は、2011年3月発売予定で価格は7,560円(税込)です。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

『100万人の信長の野望』登録ユーザー数100万人を突破、11月11日より記念アイテムをプレゼント

http://www.inside-games.jp/article/2010/11/05/45478.html
コーエーテクモゲームスは、ソーシャルサイト「モバゲータウン」にて配信中のシミュレーションゲーム『100万人の信長の野望』の累計登録ユーザー数が100万人を突破したことを発表しました。

100万人突破を記念して、11月11日よりログインした人全員にゲーム内記念アイテムがプレゼントされます。アイテムに関する詳細は現時点では明らかにされていません。

『100万人の信長の野望』は、全国84か所の城を合戦により奪い合い、自分が所属する大名家によって天下統一することが目的の大規模ソーシャル・シミュレーションゲームです。Flash Lite 1.1に対応し、モバゲータウンへの無料会員登録を行うことで、基本プレイ料金無料、アイテム課金制にて楽しめます。

(C)TECMO KOEI GAMES CO., LTD. All rights reserved.

松原健二氏がコーエーテクモ社長を退任 11/8

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=2392
コーエーテクモホールディングスは、代表取締役社長を務める松原健二氏が退任し、後任に取締役最高顧問の襟川陽一氏が復帰する人事を発表しました。

襟川氏は1978年に旧光栄を設立。1999年まで社長を務めましたが、以降は会長。2001年からは最高顧問となっていました。シブサワコウとしても知られます。

松原氏はコーエーテクモホールディングスの代表取締役を8日で退任。30日付で取締役も退任します。また、グループのコーエーテクモウェーブ、コーエーテクモネットの取締役も30日付で退任します。

理由は「一身上の都合」としています。

  • シブサワ・コウこと襟川陽一氏,松原健二氏に代わってコーエーテクモホールディングスの代表取締役社長に就任

http://www.4gamer.net/games/042/G004287/20101108024/
コーエーテクモホールディングスは本日(11月8日),松原健二 代表取締役社長の辞任と,取締役最高顧問を務めていた襟川陽一氏の代表取締役社長への就任を発表した。

 発表(PDFファイル)によれば,本日開かれた同社の取締役会において,松原氏から「一身上の都合により代表取締役並びに取締役を辞任したい」との申し出があったことが異動理由とされる。
 松原氏の辞任の理由についてこれ以上の説明はないものの,同じく本日公開された,同社の平成23年3月期 第2四半期決算短信(PDFファイル)では,ゲームソフト事業の営業利益が16億円のマイナスとなったことが明かされており,これが辞任理由の一つになっている可能性はありそうだ。

 なお,子会社であるコーエーテクモゲームスの代表取締役社長,コーエーテクモウェーブおよびコーエーテクモネットの取締役に襟川氏が就任することも,合わせて発表(PDFファイル)されている。

 新たに代表取締役社長に就任する襟川氏は,同社の前身である光栄を設立し,「信長の野望」シリーズを生み出した“シブサワ・コウ”として知られる人物。邪推を承知でまとめるなら,氏を経営のトップに付けることには,会社の意思決定を明確かつ速やかに行っていこうとするほか,スタッフの士気高揚にも一役買ってもらいたいという狙いがあるのではないだろうか。
 襟川氏の今後の舵取りに,大いに注目したいところだ。