日本ファルコム/日本ファルコム決算2003

Last-modified: 2010-08-11 (水) 22:57:04

通期

当期の我が国の経済は、米国経済の減速を発端として日経平均株価がバブル崩壊後の最安値を更新し、景気の先行き不安から個人消費の伸びが鈍化するなど、一時厳しい局面を迎えました。しかし、大手金融機関への公的資金注入、イラク戦争終結後の米国経済の回復などをきっかけに景気は回復基調に転じており、平成15年10月発表の企業短期経済観測調査(日本銀行)によれば、平成15年9月の企業の景況感を示す業況判断指数は2期連続で改善され、株価も急速に回復するなど、景気の停滞感は払拭されつつあります。
 こうした経済環境の中、当社に関連するデジタル・エンタテインメント業界におきましては、携帯端末によるゲーム、画像及び音楽などのコンテンツ配信や、ブロードバンド環境の拡大により実現したゲームのオンライン販売、ネットワークゲームなど、これまでになかった市場が急速に開拓され、優良なコンテンツの需要はさらに高まっております。
 このような状況下にあって当社は、主力シリーズ「イース」の最新作である「YsⅥ ~ナピシュテムの匣はこ~」を含むゲームソフト4タイトルを発売するとともに、他社とのビジネスアライアンスによる新たなプラットフォームでの収益源の確保を目指し、携帯端末、オンラインゲームなどの分野について、国内外の優良なビジネスアライアンス先へのライセンス許諾を行いました。
 その結果、当期の売上高は1,216,194千円(前期比39.1%増)、経常利益は353,035千円(前期比26.5%増)、当期純利益は193,257千円(前期比32.4%増)となりました。 部門別の概況は以下の通りであります。

製品部門(パソコン向けゲームソフト)

当部門におきましては、当社の売上の大きな柱である新作ソフトについては、「ダイナソア ~リザレクション~」(平成14年12月19日発売)、「月影のデスティニー」(平成15年3月27日発売)、「ARCTURUS」(同年6月28日発売)、及び当社の主力シリーズ「イース」の最新作「YsⅥ ~ナピシュテムの匣~」(同年9月27日発売)の4タイトルを発売いたしました。
 また、当社ソフトの発売後の再販施策としては、過去に販売した製品を最新のOS「Windows XP」に対応させた、「英雄伝説Ⅳ 朱紅い雫XP」、「英雄伝説Ⅴ 海の檻歌XP」の2タイトルと、パッケージを刷新した「英雄伝説Ⅲ 白き魔女XP」、「YsⅠ完全版XP」、「YsⅡ完全版XP」、及び「Zwei!!XP」の4タイトルを平成15年5月23日に同時発売し、当社製品の認知度を高めることに努めました。

以上の結果、製品部門における当期の売上高は1,113,467千円となりました。

ライセンス部門

当部門におきましては、主に以下の売上アイテムがあります。
a.韓国、台湾、中国への当社ソフトのローカライズ及び現地に限定した販売ライセンスの許諾であり、通貨変動に影響されない円建取引契約や、入金確認を前提としたソースコードの引渡しなど、リスクを極力回避する取引をしております。
b.インターネットでのダウンロード販売であり、当社ソフト及び携帯着信メロディなどのコンテンツ販売が主な項目です。
c.当社がコンテンツを作成し、製造・販売を他社に委託するOEM方式であり、この中には、当社ソフトの旧作品の使用権許諾、関連書籍も含まれます。
これらライセンス部門による当期の売上高は102,726千円となりました。