セリフ/【俺には よく 分からないんだ】

Last-modified: 2023-09-03 (日) 17:36:49

ナンバリングタイトルのオープニングムービーの冒頭には、ソラの語りと英文が登場する。
どれも詩的で謎めいた文章になっており、恐らく各作品でのソラの心境や状況を示唆していると思われるが、本編ストーリー中でこの文には一切触れられていない。

  • KHIとKHIIのオープニングデモにも同じような英文が登場するが、あちらは後に本編でも出番があり発言者も明らかになっている。

KH

I’ve been having these weird thoughts lately
like is any of this for real or not?

俺には よく 分からないんだ
この世界が、本当に、本物なのか。
そんなの、考えたこともなかった…


KHIのオープニングムービーに登場する文章。
直後のムービーでソラの中の夢と現実、眠りと目覚めが入り混じるような幻想的な描写が展開されることと合わせて何やら曰くありげである。
これがKHI開始前のソラ本人から発された疑問なのかは定かではないが、この疑問に対する回答がゲーム中に提示されることはなかった。


余談だが、KHIIの後期のトレーラーではロクサスがこのセリフの一部を発言している。
本編未使用ではあるが、序盤の彼の状況を考えるととても合っているかもしれない。

KHII

A scattered dream
 that's like a far-off memory.
A far-off memory
 that's like a scattered dream.
I want to line the pieces up──
yours and mine.

遠い思い出のようなちぎれた夢
ちぎれた夢のような遠い思い出
つなぎ合わせたいんだ──
一緒に


KHIIのオープニングムービーに登場する文章。
眠りの中で記憶を修復するソラとその記憶を夢として見るロクサスの関係性に一致しており、彼らの表裏一体の繋がりを表したものだと解釈できる。
また開発時点では意図されていなかっただろうが、Daysにおいてシオンとロクサスがソラの記憶を無意識に奪い合いながら同じ時間を過ごしていたという構図にも近しいものがあるように感じられる。

  • コミカライズ版KHIIの単行本の表紙カバー折り返しにも毎巻掲載されている。

KHIII

They can take your world.
They can take your heart.
Cut you loose from all you know.
But if it’s your fate...

奪われた世界──
奪われた心──
その繋がりを断ち切られても
それが運命なら──
歩む道は帰るべき方向を常に向いている


KHIIIのオープニングムービーに登場する文章。
英文ではこの後に続く「then every step forward will always be a step closer to home.」はテロップ上は省略されており、セリフだけとなる。
KHIIIアルティマニアのインタビューによればこの文はエンディング後のソラの心境を示唆したものであるが、それ以外の意味も込められているらしい。


「Re Mind」プレイ中のSNS投稿風ロード画面の中には、このセリフを引用したものがある。

  • 英語版ではなぜか本編での翻訳とは異なる新しい訳文が用意されている。ローカライズの際の連携不足だろうか?

シークレットエピソードの描写から、このセリフがED後のソラの現状にある程度当てはまるものであることが改めて明らかになったと言える。
また、一部の表現を見るとこれからシナリオ上で焦点が当たっていくであろうヨゾラに関連している可能性もある。

  • ちなみにこの投稿に添えられたハッシュタグは日本語版・英語版の両方とも本作のOP主題歌Face My Fearsを思わせるものになっている。

KHIIIRM

俺には──
俺にはよく分からないんだ
この世界が本当に本物なのか
そんなの 考えたこともなかった──

I’ve been─
I’ve been having these weird thoughts lately.
Like, is any of this for real or not?
None of this...makes sense to me.


シークレットエピソードヨゾラとの戦闘後、KHIのOPと同じセリフが流れる。
ソラとヨゾラが交互にこのセリフを読み上げる形で、ソラが勝った時と負けた時とでセリフを読む順番が異なる。
作中のゲームキャラクター……つまり、セリフで言及されている「本物の世界」と相反する「虚構の世界」の住人と思われていたヨゾラであるが、KHIIIRMでは彼が現実に存在する人物であることが示唆されている。

  • ヨゾラはソラ達から「VERUM REXというゲームの主人公」と見なされているが、ヨゾラ本人にはその自覚や認識がない事も明らかになった。「ヨゾラ」としての姿もまた本来の彼の容姿とは異なるようだ。
  • 余談となるが、ラルフを初めとする「シュガー・ラッシュ」に登場するゲームキャラクターは、「自分はゲームの世界の住人である」と全員が自覚している。これはUχでも描写されている。
  • とはいえそもそも、ソラも我々にとっては「キングダムハーツというゲームの住人」である。
    ソラの方が虚構なのかもしれないし、どちらにとっても自分が属する世界が現実で相手が属する世界が虚構なのかもしれない。なんだか胡蝶の夢じみている。

上述の通り、KHIでは「この世界が 本当に 本物なのか」というソラの疑問に対して物語上で回答がなされることはなかったが、ヨゾラとの邂逅を経て現実と虚構が曖昧になった今、再び彼らによってこの疑問が呈されるというシチュエーションは非常に意味深である。


ちなみに英文における「そんなの 考えたこともなかった──」の部分はKHIでは省略されていたため、今回「None of this...makes sense to me.」と初めて訳された。
英語の訳としては、
「最近、こんな変なことを考えるんだ。
つまり、この全ては現実なのか、そうではないのか?
このどれもに全然…実感がないんだ」
となるかもしれない。日本語とはちょっとニュアンスが違う気もする。


ディレクターは「7つの光と13の闇 Q&A」"闇編"にて以下のように話している。

あれはいずれ回収できる機会があれば回収したいと考えていたセリフでした。
全く意味が分からないと思いますが、当時あのセリフを入れる事で「KINGDOM HEARTS」の世界を承認されたんです。
今回で謎が解けるわけではありませんが、入り口には立てると思います。