スラガガー

Last-modified: 2025-11-13 (木) 12:16:58

当たればよく飛ぶが、三振率が非常に高い打者」の呼称。類義語は「ブンブン丸」。
初出は2004年、プロ野球板の實松一成(当時日本ハム)の個人スレで発生したタイプミス。
発祥から20年が経過した現在も使われる息の長いネタである。

概要

實松は1998年ドラフトで日本ハムから1位指名*1を受け入団。高校通算39本塁打を誇る強打の捕手として期待されていたが、入団以降は当たれば飛ぶがほとんどバットにボールが当たらないバッティングが課題であった。
入団後5年間で三振率は良くて3割台前半、酷い年には100打席以上入ってその半分で三振と改善の兆しは見られず、翌2004年の開幕前に以下の書き込みが投下される。

【実松*2】三振応援スレ【一成】
https://sports5.2ch.net/test/read.cgi/base/1077945665/


121 : 代打名無し : 2004/03/08 05:05 ID:0yIJT8p3
でもそんな実松だって高校時代はスラガガーだったんだろ。
プロに入って少しは成長しただろうから、今高校生に混ざれば鬼のように打ちまくるだろう。
そう考えるとプロってやはり凄い。
 
122 : 代打名無し : 2004/03/08 05:06 ID:JfN5mqjD
そうか・・・
スラッガーじゃなくてスラガガーだったからプロに入ってだめになったんだな・・・
 
123 : 代打名無し : 2004/03/08 05:07 ID:0yIJT8p3
× スラガガー
○ スラッガー
 
_| ̄|○
 
124 : 代打名無し : 2004/03/08 05:13 ID:B8uOttBE
スラガガーのスレはここですか?
 
125 : 代打名無し 2004/03/08 07:23 ID:THdAuNYl
スラガガーじゃ打てなくても仕方ないよな……
ガをッにすれば――――そうか! だからガッツはあんなに打てるんだ!
みんな聞いてくれ。小笠原の首位打者はスラガガー実松のお陰だったんだよ!(AA略

スラガガー」という単語の力強そうな響きながら紛い物感溢れる字面や、「ガガ」というフレーズが丁度打ち損じを思わせるなどの要素が上手く噛み合い彼の別称として定着。
以降、實松個人スレのスレタイに「スラガガー」が追加され、上記のやり取りは「スラガガー」発祥の経緯としてテンプレ入りした。

後に實松に限らず、彼同様の打撃スタイルを指す用語として「スラガガー」が浸透した。
「当たれば飛ぶなんて誰でも一緒じゃないか」、などと突っ込んではいけない。


その後

「スラガガー」誕生以降は正捕手の座を掴めず、打撃成績も低調のままであったが、通常であれば話題に挙がらない選手にもかかわらず「スラガガー」の書き込みにより一躍ネタ選手としての地位を確立した様子が下記のスレにて伺える。

( ・ェ・)スラガガー実松37三振目サネ(・ェ・。)
https://uni.2ch.net/test/read.cgi/base/1318809874/


15 : 代打名無し@実況は野球ch板で : 2011/10/20 03:42:29.46 ID:PW1D1i3O0
いまさらだが、5のスラガガー誕生の書き込みがなかったらスレタイは
【実松】三振応援スレ【一成】その37
とかだったかもしれないんだな……
 
16 : 代打名無し@実況は野球ch板で : 2011/10/20 07:04:42.93 ID:5YsxEYlW0
>>15
【実松】三振応援スレ【一成】その6

                    ↑
   _     -―-    _
  , ', -、ヽ'´       `'´, -、ヽ
  ! {  /  /     \     } 今シーズンでも
  ヽ`ー,' -=・=-  -=・=- ゙ー'ノ こんなもんじゃね?
   ` !      (  )      l"
  .  `ヽ.    -===-    ノ
      /`==ァ'⌒ヽ=='ヽ

*3

また、人望の厚さを買われて晩年(第二次日本ハム時代)は二軍育成コーチも兼任し2019年まで現役を続け、引退後も巨人・阿部二軍監督(当時)からも「俺が監督に言って呼び寄せた」と語られ二軍バッテリーコーチに招聘された事からも、彼がいかに多くの人間に愛されていたかが伺えるだろう。

成績

シーズン所属打席三振三振率本塁打
通算951322.33920
1999日本ハム一軍出場なし
200094.4440
200116753.3176
200220064.3201
200310251.5003
20042511.4401
200511941.3452
2006巨人156.4000
200741.2500
200863.5000
2009一軍出場なし
2010221.0000
20112410.4172
20129226.2832
20137320.2741
2014278.2960
2015399.2311
2016337.2121
2017136.4620
2018日本ハム00-0
201910-0


実松以外の「スラガガー」扱いされやすい選手

  • 鵜飼航丞(中日)
    球界屈指のパワーを誇る一方、ルーキーイヤーの2022年にプロ野球タイ記録およびセ・リーグ記録となる9打席連続三振を喫した。なお、2023年にはソフトバンク・佐藤直樹がこの記録に並んだ。
    また、初球から振りに行き空振りをする場面が多く、その様子を当時の監督である立浪和義から「儀式のような初球の空振り」と揶揄されている。
  • 江越大賀(元阪神→日本ハム)
    阪神時代から長打力と俊足・堅守を評価されている一方で三振が非常に多く、三打席連続三球三振などの珍記録を筆頭に数多くのエピソードを持つ。
  • 佐藤輝明(阪神)
    ルーキーイヤーの2021年にいきなり24本塁打を放つも、同時に新人最多かつ球団のシーズン最多記録を更新する173三振を喫した。
    2025年現在、プロ入りから5年間のすべてで年間130三振以上を記録している。なお、2025年には球団39年ぶり、日本人選手に限れば41年ぶりの本塁打王を獲得している。
  • ロブ・ディアー(元阪神)
    NPBでの在籍こそ1年のみだったものの、MLB時代の1986~1992年には毎年20本以上の本塁打と130以上の三振をコンスタントに残していた。1991年には打率.179・175三振ながら25本塁打という異次元レベルのスラガガーぶりを発揮。
  • ラルフ・ブライアント(元中日→近鉄)
    1989・1993・1994年の計3回本塁打王を獲得している一方で、1993年にNPB記録となるシーズン204三振を喫する。現在に至るまで1シーズン200三振以上を記録した唯一の選手である。
    また、1989年に187三振(歴代3位)、1990年に198三振(歴代2位)という記録も残している。
  • リチャード・ランス(元広島)
    1987年に88安打中39本塁打という成績でセ・リーグ本塁打王に輝いたが、同時にリーグ規定最低打率(.218)、最多三振(114)を記録した*4
  • ブランドン・レアード(元日本ハム→ロッテ)
    2015年~2022年に、日本ハム・ロッテで活躍。NPBでの8年間のうち、規定打席に到達したのが6回あるが、うち4回が「本塁打25以上、打率.250未満、三振120以上」であった。
  • カルロス・ペゲーロ(元楽天)
    NPB在籍は2016年~2018年の実質2年半。MLB/3A時代から三振率が極端に高い選手であったが、NPBでの三振率は「1065打席/326三振」と、三振率が「30.6%」である。
    一方でNPB通算53本塁打のうち、打った瞬間である特大本塁打も多く放っていた。
  • マット・デビッドソン(元広島)
    NPB在籍は2023年の1年のみ。極端な打率の低さ(打率.210)もあって、規定打席にはわずかに届かなかったが、「381打席/19本塁打/120三振/三振率31.4%」で、これはこの年のリーグ1位の三振数の村上宗隆(ヤクルト。28.1%)をも上回る三振率であった。
    なお、MLB/3A時代から既に「低打率・高本塁打・高三振」の傾向が強い打者であり、2017年は「443打席/26本塁打/打率.220/165三振/三振率37.2%」を記録している。


関連項目 

Tag: 日ハム 巨人 誤植 プロ野球板 蔑称


*1 松坂大輔の外れ1位。同期には森本稀哲や建山義紀がいる。
*2 旧字体の「實」を新字体の「実」で代用した表記。
*3 このAAは日本ハム時代(一期目)のチームメイトで、同じく強打の捕手としてレギュラーの座を競った高橋信二のもの。実松個人スレでは罵倒キャラとして登場していた。
*4 ランスの個人応援歌にも「確かに三振多いけど」「当たればホームラン」とこの特徴に触れる歌詞があった。