目的
純正カセットオーディオにAUX入力端子を設ける。
背景
S2000のオーディオは古く、外部入力(AUX)端子(が無い。圧縮音源のポータブルプレーヤーが一般的となっているなか、書き込みの手間や
容量に劣るCDを用いたり、カセットアダプタを使って音質の劣るAUX入力を行う必要がある。
純正アンプはGathersというシリアルバス規格で接続されており、このバスにナビ音声出力などもつながっていたり、ハンドル左のオーディオコントロールが使用不可能になったり、
また奥行きの狭い純正アンプホルダーに社外製が収まらなかったりすることから、
へたに社外製のプレーヤーを導入しづらい状況がある。
これらの理由から、純正を生かしたままアナログライン乗っ取りを行い、外部入力を使用する。
予備知識
GathersはHondaのオーディオ系統のシリアルバスで、ナビやらオーディオやらを1つのバスに繋ぐことで音声再生できるもの。
だから、ケーブルでハード同士を繋ぐだけで簡単増設できる利点がある。
一方で、正規の利用方法以外を企むものにとっては使いづらい。
単純にパワーアンプ入力の配線にアナログ信号を入れただけでは増幅してくれず、シリアルバス上に再生中みたいな信号を垂れ流してやる必要がある。
そのために純正オーディオを利用する。
自分は純正カセットデッキの利用者だが、こいつにはGathersによってCDチェンジャーが外部接続でき、実際にされている。
入力ソースをチェンジャにするとき、プレーヤのLCDにはAUXと表示され、チェンジャから再生信号のシリアルデータ?と音声のアナログ信号が出力される。
この状態でアナログ信号線だけ乗っ取り、無理矢理外部入力をぶちこむのが今回の手法。
施術後の状態
- 純正アンプでの音量調整は可能
- ハンドル右MUTEは動作OK
- ハンドル右音量増減は操作NG
- ハンドル右入力ソース?は動作可能
- 普通のオーディオプレーヤーだと入力ゲインが小さいため、他の音源よりちょっと音が小さくなり、ノーマライズ的にどうなの?とはなる。FMラジオとか使わないhとなら何ら問題にならない。
使い方
純正カセットをAUX入力にし、ボリュームを上げ目(20位)にする。取り付けた3.5mm ミニTRSプラグにmp3プレーヤとかを挿す。以上。
施行
純正オーディオの配線取りだし
- このコネクタの下4つがアナログオーディオライン。
普通のオーディオと同じ感覚。下2つの黒・緑がアナログ音声用GND、白がL、赤がRである。
2つのGNDはまとめて接続しコモンとして使い、白と赤にステレオ入力を行えばおk。
- こんな3.5mm TRSジャックに2芯シールド線を半田付けし、収縮チューブを被せたような適当なケーブルを作り、プレーヤへの接続用ジャックとする。
このジャックに3.5mm TRSのオス-オスケーブルを挿して使うことにした。この切りっぱなし側を、先ほどの純正オーディオのアナログラインへ半田付けする・・・。
- といいたいところだが、まぁ大丈夫だろと思ってエレタップで接続した。接触不良多発であまり大丈夫では無かったので半田付けした方がいいだろう。
純正のラインの被覆は強く、エレタップを噛んだだけでは被覆が向けなかったりするし、片chが突然死んだりするので非推奨。安定すると接触不良起きないけどw
- ジャック付きケーブルを、オーディオ両サイドにあるプラ内装の奥の隙間から引き出し、ケーブルを助手席の網の中へ突っ込む。
- オーディオとその蓋を元に戻す。ケーブルを上手く畳まないと最後まで入らない。
- オーディオの蓋に100均のダッシュボード用滑り止めを起き、そこにプレーヤを乗せて運用開始!
終わりに
- オーディオ内張を外して、Gathersの4本にアナログ入力を入れればAUX入力が可能となった。
- CDチェンジャーが無い車体の場合、この手法が可能かどうか不明なため、そのような環境の方は更に調べる必要があります。
参考文献
- 旅☆Everyday : オーディオ交換 - 組付作業編
- 書き足りない事を書きなぐる 車道楽S2000オーディオ弄り
- 工作の時間
- S君とカタナ君と : iPod直結
- アヴァンシア・オーディオ・純正オーディオへ直接入力