LM386を用いたベース用小型簡易アンプの製作

Last-modified: 2018-04-21 (土) 20:59:40

はじめに

何故必要になったか

  • ベースの生音は周波数的にもほとんど聞こえず、扇風機ですらかき消されて自分で何を弾いているのかすら分からなくなる。
    • やはりエレキベースには、どんなにしょぼくてもいいから電子式のアンプが必要である。何故エレキベースが生まれてきたか・・・。コントラバスのサイズを見れば分かる気がする。
  • 出先で自分の音だけ聞ける程度でいいので、音質無視でも気軽に使えるアンプが欲しい。
  • アンプ自体もポケットチューナーサイズに抑えて、気軽に持ち出せるような物が欲しい。

仕様

  • 音質は自分の音が確認できる範囲であれば良しとして、追求しない。
    • PCビープ用小型スピーカ
  • 電源は電池式として、コードレス
    • 006P予定
  • 電源スイッチを有する
  • 筐体をギターに刺してそのまま使えること
    • ボトルガムかガチャガチャのケースに収まるような小型サイズとする
    • 振り回されても壊れない程度の重さとする
  • アンプICはLM386かその互換品を使う
  • 外付け部品の帰還回路を実装することで、低音増幅が可能となる
  • 外付け部品の帰還回路を実装すれば可変ゲインになる
    • 音量と共に歪み量も変えられるかも。電源電圧との絡みもあるし
  • 外付け部品を実装しなくても最低限の機能は果たすこと。必要に応じて高性能にしたい場合は部品を実装する。

回路設計

sch.png

  • スイッチを抜かせば、アプリケーションノートの最小構成回路です。
  • 図中4色の未実装可能部分を含みます。それぞれ必要に応じて実装して下さい。
  • ちなみに最小構成回路で普通につかってたことがあるので、別に困ったことも無いのであれば付けなくてもいいのでは。適当だし。
  • アプリノートにパスコンが書かれていなかったので入れ無かった(ひでえ・・・)ダメなら入れよう。一応実績はあるし。

オレンジ

  • 可変ゲインです。この回路を未実装=開放だと内部抵抗により、20倍のゲイン
  • 10kは適当な値。確か内部が1k位の抵抗で、そいつと並列に抵抗を入れることで合成抵抗を小さくしてゲインを大きくできる。すなわちボリューム調整のやりやすさというか、最低音量を決めるのがこの値だと思う。

  • 帰還回路に挿入されるHPF・・・つまり相対的に低周波の利得があがってバスブーストです。ビープ音用のSPなのでこれくらいしてあげないと?
  • カットオフ周波数とかは・・・知らん。大体アプリ通りにはしたが。C5無しにRをやたら下げる事はダメとか書いてあったような。詳しくは自己責任でデータシートみてね。

ピンク

  • 謎。
  • 内部等価回路と電源変動除去比のグラフを見る感じ、まぁパスコン的な役割。
  • 無いよりはあった方がいいと思う。無くてもいい。
  • 大容量Cの割りにアプリシートに極性が書いてなかったが、恐らく図面の向きで良いはず。

  • 多分誘導性負荷による発振を止めるやつ。
  • 発振しているようであれば入れてみる。
  • 突然発振して耳を痛めたりスピーカーを壊したり、アンプを壊したりその他諸々を考えて欲しいと思ったら入れて下さい。ちなみにこの回路に留まらず、適当なアナログ増幅回路は容易に発振します・・・。

パターン設計

  • やる気も無いし、たいした回路じゃないので、適当にぼーっと意図も見られないレイアウトをして、オートルーター多用の超適当。参考にしないでね。
  • 自分で使うんだし鳴ればいいんだよ鳴ればorz
    • 気が向いたらしっかり引き直そう・・・
  • 基板外形:24*20 mm
    • スイッチ込みにしてはまぁまぁかな。
  • スピーカー出力端子を基板外周に出してあるので、ヘッドフォン端子をつける拡張を行いやすい。
    • 基板サイズを拡大、TRSミニジャックを配置、S(スリーブ)をGNDへ、T・S・SP+を短絡で行けるはず。
    • ヘッドフォンを使うときはレベルに注意。
      brd_0.png
  • お断り
    • ベタに反転間違いをしないようにテキストを入れています。
      • この文字の小ささでは転写不可能です。あくまで印刷時に読めればいい程度なので気にしない。
    • ハイライト表示になっているのがGNDベタ。

基板作成

  • 葡萄法で。

生基板

  • 紙フェノール両面
    • 切断性の良さと、回路規模の低さから。
    • 部品面は一切レジストせず、そのまま全て溶かして片面基板として使います。エッチング時間も変化無し。エッチング液もケチる度合いじゃないです。50mlだけで何回もできるので・・・。
      DSCF4859.jpg
      数々の研究と挫折の繰り返しの跡が・・・orz

版転写

  • 3枚面付けしました。
    • Eagleで面付けする方法が分からなかったので、回路図だけ閉じることでバックアノテーションをぶった切り、勝手にコピペで3枚面付け。なんか違うようなw
  • 注目点
    • ベタのピンホール
    • ベタ分断
    • ランド半損
    • 不要となった文字列
    • UnRouted(未配線)・・・えw
      • これらは全てマッキーでレジストしました。
        DSCF4860.jpg

エッチング

  • 両面直ぐに溶けきりました。
    DSCF4862.jpg
  • 光っている部分がマッキーによるレジスト。インクも溶けずにしっかりレジストされてます。
    DSCF4863.jpg
  • 超省エネエッチング。これしか使ってません・・・。
    DSCF4864.jpg
  • 完成品。結構小さいです。親指の爪より一回り大きいくらい。
    DSCF4865.jpg

レジスト除去

  • #800位のペーパーで水研ぎ。
  • ほらほら、どう見てもプリント基板!って感じのが覗いてktkr!
  • この瞬間が一番楽しい
    DSCF4866.jpg
  • 除去完了わふーっ!
    DSCF4867.jpg

穴開け

  • リューターをつかって穴開け。フットスイッチ併用。
    DSCF4868.jpg
  • 切手と同サイズ。やったね
    DSCF4870.jpg

組み立て

  • 部品を実装
  • 青いやたら長いジャンパはゲイン調整用。
    • 後にここに可変抵抗を半田付け
      DSCF4872.jpg
  • 全体図
    DSCF4873.jpg
  • プラグ部分はこんな感じ。
    • 標準TSフォーンプラグのネジ部が通る穴をプラに開け、プラグのネジ自体を使って筐体を挟み込むように固定
      DSCF4871.jpg
  • バッフル板として適当にドリルで穴を開けた筐体
    • みよ、このやる気の無さを。
    • けがきもポンチも全くされていない事がバレバレの、1つずれて目立つ中央の穴。
  • GPクリアーをつかってスピーカーユニットを裏から接着
    • 乾燥時間はCクランプで保持した
  • ここでついている黄色とオレンジの可変抵抗が、先ほど青ジャンパだったゲイン用ボリューム
    • ベース+スピーカーの組合せで使うなら、ぶっちゃけ意味が無かった。後述するかも。
      DSCF4874.jpg
  • 蓋を閉めて完成!
  • 実際にベースに刺すとこんな感じ。
    DSCF4875.jpg

実験結果

  • 後で書きます。簡単に書くとベースだとだめだめかも。

要改良点

  • 後で書きます。

参考文献

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  • ご質問等ご自由にどうぞ
  • 一度インピーダンスを落としたほうがいいのでは? -- radioboy627? 2013-08-30 (金) 08:09:56
  • ピンクは電源on/off時のノイズ対策では?他のアンプで見たことがあります。 -- su-ama? 2013-11-30 (土) 09:21:21
  • これ欲しい (^^) -- 岡田好弘? 2016-11-01 (火) 13:13:01
  • 386はアンプ部品だけ10個持っていた時に全部ギターアンプの実験に使いましたが、ギター直結でゲイン上げると音出ますね。 -- kaoaru? 2018-02-18 (日) 17:44:34
  • お邪魔します。こちらの回路図で製作しました。ピンク部の毛m -- すんどめ太郎? 2018-04-21 (土) 20:54:32
  • お邪魔します。こちらの回路図で製作しました。ピンク部のケミコン私は22μで製作。 -- 2018-04-21 (土) 20:55:29
  • ベースの場合は回路もですかコーン自体のサイズが重要かと思います。http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-06275/これと百均のMDF6枚入りで正方形の箱を作ったのですがベースにもギターにもイケるいいアンプができました!感謝! -- すんどめ太郎? 2018-04-21 (土) 20:59:40