カセットアダプタを直す

Last-modified: 2011-05-02 (月) 03:34:11

はじめに

  • S2000はカセット時代の車で、外部音声入力することができない。
  • 独自規格なオーディオコントローラがハンドル周りについており、これが結構便利なために、純正オーディオを残したい。ヘッドユニットを社外製にすれば解決するんだけど。USBキーとかので。
  • ヤフオクで500円弱で激安な中華カセットアダプターを買ったんだけど、余りに使えない代物だったので色々修理するはめに。その記録。

S2000のオーディオ外部入力方法

  • カセットアダプタ
    • 音質△、手間◎
  • FMトランスミッタ
    • 音質×、手間◎
  • 純正オーディオにGA-NET対応機器を繋ぎ、その機器が音声を出してるかのように見せかけて、他のプレーヤーから音声バスに直接信号をぶち込む
    • 音質○、手間×

研究対象

  • こいつ
    • 中華製で激安
    • 見た感じからしてショボイ
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問題点

  • 初期不良。リールが重くてどちらにも回転しない。そのためデッキに挿入してもオートリバースを試みた後、異常テープとして自動排出される。
  • →買って音を聞けることもないまま、即分解

ばらす

構造

  • テープが両方回転していないと排出してしまうデッキ用の同期ギア
  • 一方向に回転したとき、リールをロックしオートリバースでひっくり返させるための機構(右上)
  • 磁気ヘッドにパッシブで半田付けされたケーブル。
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オートリバース機構

  • ギアが下向きでスライドする軸受にはまっている。
  • ある方向に回転すると、ギアと軸受脇にある爪が引っかかってロック→デッキがオートリバース。ヘッドを片面しか使わないようにするための機構
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不具合再現

  • 筐体を締め直すと、片側のネジを強く締めると回転が重くなるようだ。これは軸受臭いぞ・・・。
    • この状態では正常動作する。なんだよ、ネジを締めると動作しないとか。エンジンじゃあるまいし。
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ヘッド

  • 磁気ヘッドは磁気テープの中心よりどちらかに傾いている。これはA/B面のトラック訳がそういう構造になっているから。
  • しかし、このヘッド、機械加工精度が悪く、全く正しい位置が出ない。ビデオテープでいうトラッキング。
    • 5回くらいデッキに入れ直すと運良く両スピーカーから音が出る。が、車のキーを抜けばその地点でやり直し。実用じゃない。
  • そしてこのヘッドはアナログヘッド。
    • A面をL/Rchでトラック分けしてるのがステレオらしいのだが、でかい磁気コアが真ん中にあるだけだからモノラル。つかえねぇ・・・。カセットアダプターにモノラルとステレオがあるなんて後で知ったorz 当然パッケージに表記はない。
    • ステレオヘッドは2つの四角いコアを線で分離するような形になっているようだ。分数みたいな感じ?カセットアダプター買うときはヘッドを覗き込むことを強く推奨します。
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  • 明らかにL+RとGNDで結線されているヘッド。パッシブミックスしてる。これじゃーダメポ
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問題発見

  • 症状から考えて軸受か軸の精度が悪すぎることだろう。と見てみると・・・ギアの樹脂の湯口から1mm以上のヒゲが生えてる!!ユーザーが痛くなければバリ取りしなくてもまだ良いだろうけど、動作原理的にこれは明らかにNGだろ!!設計はいいとして、製造がとことんダメだな・・・。ありえん。
  • ニッパでふっとばしたら問題解決
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トラッキング問題対策

  • 全くトラッキングが安定しない。とりあえずこんな事してみたけど一切意味無かった。
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おわりに

  • 激安な中華カセットアダプターは安物買いの銭失い!
  • もし買うのなら自分の目でヘッド見て、ステレオのものを買いましょう。モノラル製品でも当然プラグは3極になっているのでそれじゃ分かりません。
  • この後オーディオバス直接入力にしてしまったので、それが行かれたときの保険として一応使おうかとは思うけど、常用には耐えない代物だった・・・。