ヘッドコルク打ち替え
勧告
- 楽器保守整備等の本職の方、楽器を愛して止まない方、楽器に関してはセオリー通りでないと嫌な方はこれ以上閲覧するのはやめて下さい。不快感を覚える恐れありです。
- またこれをみて自分の楽器を破損するなどしても当方は一切責任を負いませんので悪しからず。十分理解の上で、物事を楽しめる方だけお試し下さい。技術的、時間的、音的にもショップにお任せすることをお勧めします。
はじめに
- 自分のジャンクフルートのコルクがスカスカな気がしてならない。
- 吹くと左耳にびびる音が聞こえ、空気の振動すら感じる。
- 2オクターブ目がやたらでない。
- コルクの打ち替えをググっても全然出てこない。
- この世界ではありがちだが、コルクの打ち替えなんて楽器屋以外にやらせるのは言語道断で、ヘッドスクリューを回す事すら禁忌とされているらしい。
- なので、余り楽器に"触れる"ことがないので、とんでも理論が飛び交っていたりするのをしょっちゅう見かける。
- 自分の楽器も弄れない男の人って(ry
- という理由なのか、そもそも交換用のコルクが売ってない。需要が無いらしいw
というわけで、自分で打ち替えることにした。
ちなみに店に任せても、技術料だけかもしれないが1000円くらいらしい。
コルクの入手
- どう考えてもワインの栓以外思いつかない
- 実際、フルートの頭部管のテーパーの終端が17mm、ワインのコルクの直径と長さは、欲するコルクより一回りだけ大きく実に都合が良かった!
- 家に転がっていた、ハヤシ・ワイナリーなる所のワインのコルクをゲット。ちなみに自分はワインは飲まないので、どんなものだったのかは不明。
頭部管分解
- ヘッドスクリューを緩めて外す。このネジはただコルクを頭に引き寄せるためのもの。
- コルクから生えるM4ボルトがヘッドスクリューと勘合している。下が新しいコルク(というかただのワイン栓)
- コルクはヘッドスクリューとは逆側に抜く。テーパーがかかっているので、これを間違えると抜けない。
- しかし以前のコルクは余りに萎縮していたため、ヘッドスクリューを外した瞬間ぽろっと落下したw
- 内部はこんな感じ。左から反射板(M4ボルトの頭となっている)、コルク、コルク押さえ?(コルクを軽く潰す、円盤ナット)。
- 一番右のナットにヘッドスクリューがつながる。
コルク加工
切り出し
心棒挿入
さてどうしよう・・・。どうやって内径を合わせるか・・・。とりあえず旋盤の要領で加工する必要がありそうだ。
4mmの穴を開けて、そこに長めのボルトナットを通して回転させるかなー、と思っていたが、手元にそんなに長いM4のボルトが無かった。
お、こんな所にいい物あるじゃんw ボルトの長さも完璧だし、しかも直径の目安付き!
ということで・・・。
切削
- ここまで5分くらい。ホント、さくさく削れる。楽勝
- 偏心部分は、ヤスリを1本だけつかってコツコツコツって感じで削る
- 後は、現物合わせ。ボール盤の脇にノギスと頭部管を常備し、荒削り目標になるまで削る。テーパー端が17mm位らしい。
- 注意点は、一部たりとも内径より小さい部分を作らないこと!筒に入れるときにコルクはかなり圧縮できます。そして、そのとき自由に膨らんだりするので、切削径は大は小を兼ねるにしておかないと、自分のように失敗してしまいます。
- 最後に#400位のペーパーを旋盤の要領で当ててあげると、みるみるつるつるになって完成!
- 完成品!かなりそれっぽいw
コルク打ち直し
- ナットをラジペンで締めこんでコルクを気持ち圧縮させてから、ヘッドに挿入し直す。
- 内部は水で濡らしてから行った。
- 足の方から適当な棒材で体重を半分かけるように押し込んだ。
最終確認
- ヘッドスクリューを付ける前に、管の頭を蛍光灯に付けて、管の内部を底から覗き込む。
- 管をいろいろな角度からみると光が漏れている場合、これはNG、削りすぎです。
- 最後にヘッドスクリューを付け、反射位置17mm調整を行って完成
結果と感想
- 僅かにコルクを削りすぎた部分があり、リークがある。
- しかし、前の状況が酷かったため、高音の吹きやすさが間違い無く向上した。
- 予想以上に簡単に作れた。30分もかからなかったかも。
- コルクはさくさくと思い通りの形に削れるため、切削はペーパーまで含めて10分くらい?
- 簡単なので、皆さんも気軽に試してみては。萎縮したコルクとの違いは明らかに分かります。
- 失敗しても元のコルクあるしね。ボルトだけは傷付けないように・・・
- 反射漏れを感じない訳でも無いので、コルクが手に入ったら作り直そうと思う。
- コルク削るのも面倒なので、シリコーンゴムの栓とかもいい気がする。密度的にどうなんだろ。ポーラスじゃない限り何でもいい気がする。むしろ、大根や人参を管で打ち抜いて、毎日変えるのがいいんじゃないかとすら思えてきた。
コルク打ち替えその後
- その後、「コルク 打栓」などで調べてみると、どうやらワインコルクの打栓方法が参考になるようだ。コルクは水分量で圧縮率や復元率が大きく変わる性質があり、それを利用して切削時と打栓時で使い分けを行うようだ。
- コルクの打栓は、大きめのコルクを絞り出すように細目ながら瓶の口へと押し込むことでなされるようだ。
- その際、煮沸や水に浸けておくなどの方法が多いようで参考になる。再びコルクが手に入ったら検討したい。
感想・質問等お気軽にどうぞ
- 全く吹けませんがジャンクでフルートを購入。メンテナンスはプロ以外触れないと思っていたので、本当に大変参考勇気を頂きました!特に野菜ネタ最高です!! -- 中和中性? 2023-05-08 (月) 12:05:06