タンクの激サビ除去・亜鉛メッキ

Last-modified: 2010-08-23 (月) 00:38:34

はじめに

  • 友人のXJR400とCBR400のタンクが赤さびで酷いことになっている。
  • 錆が原因でオーバーフロー、その他問題が多発
  • これらタンクの錆に対し、自分が行ってきたサンポールによる赤さび除去のノウハウを適応することで、タンクの錆を除去できないかと考えた。

目的

  • タンクの酷い赤錆に対して「サンポールにて除去、乾電池による亜鉛メッキ、灰汁による進行停止処理」という一連の処理の流れの有効性を確認する。

実験方法

  1. タンクを中性洗剤で脱脂洗浄
  2. コックを外し、ガムテープで塞ぐ
  3. サンポールと水を注入し、数時間置く
  4. 電池の亜鉛板をタンクに投入し、電流を流して亜鉛メッキする
  5. 灰汁で中和する
  6. 水洗いにより、剥がれたさびを除去する

現状確認

  • CBRのタンク。酷い・・・。
  • 傾けると波打ち際の音がし、タンクから赤い煙がもうもうと立ち上がる。
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    DSCF5371.jpg
  • XJRのタンク。酷い・・・。
  • 傾けると波打ち際の音がし、タンクから赤(ry
    DSCF5378.jpg

脱脂処理

  • 中性洗剤で水洗いする
    DSCF5379.jpg

さび取り

  • サンポールで錆をとる
  • タンクとサンポールもどき
    • ダイソーに売られているフマキラー製「ネオナイス」(以後、サンポールと呼称する。・・・ひでえw だってサンポールはサンポールというか。)
    • 塩酸9.5%で500ml入り。サンポール1L入りは200円以上するのでこちらの方がお得。
  • タンクにサンポール原液を入れ、行き届かせる。
  • 今回18Lタンクに対してサンポール1Lを投入した。指標もなく、根拠もないが・・・。
    • 結果として、2Lでは薄すぎて反応が鈍すぎた。
    • その後追加投入し、計2Lのサンポールを投入して、そこそこになった。
    • 錆がすごかったせいもあるかもしれないが、シュワシュワすることがなく、除去能力も低かった。最適な濃度以下であるためと思われる。
    • したがって、まずはこれを超える濃度(20%v/v)位を指標としてみて下さい。
  • 水を満たす。
    • お湯の方が反応が早いです。
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  • お茶をしながらしばらく待つ
    DSCF5395.jpg
  • 十分錆が落ちたらそこでやめとする。
    • 錆は擦らないと完全には落ちないかも。濃度と時間にも寄るかもしれないけど。
    • 何となくモチベーションにつながるので、目に見える部分は指で擦ったりすると地金が見える。

亜鉛メッキ

  • 鉄に亜鉛メッキを施し、長期的な保護を行う。
    • 恐らくサビを除去しても、地金が見えたままだとすぐに錆びると思われるため。
  • 鉄に亜鉛メッキ、つまり屋外に晒され続けても朽ち果てることのない、あのトタンと一緒である。詳しくは分からないため調べて欲しいが、亜鉛が犠牲となることで鉄が錆びるのを防ぐ。

亜鉛板の入手

  • 亜鉛板はホームページ、ヤフオク、試薬、画材屋?、どれにおいても入手困難。
    • あったとしても高い・・・。
    • 船用に耐蝕用の亜鉛リングが比較的安価で売られているので、これを検討するのもありなのかも。形状が使いにくいが。
  • というわけで身近で安価な亜鉛板の入手法を考える。
  • コンビニでも入手出来る亜鉛板=マンガン乾電池の負極缶の入手
    • ダイソーで単3本で100円でした。サンポールと同時購入。
    • 電池1つで1タンクはぎりぎりいけるようです。メッキ厚にも寄るんだろうけど。

マンガン電池の分解

注意点

  • 塩酸処理と並行して。
  • マンガン電池で無いと構造・材質的に不可です
  • 新品の電池でないと、亜鉛缶が溶けて無くなっていて分解しても鉄の缶しか手に入らないので注意。

分解

  • 缶の側面を鈍器で叩く。
    • 色んな方向から叩き続けると・・・
      • 正極、負極の電極が左右にはじき出される。
      • 側面の勘合部が外れてくる。
        DSCF5399.jpg
  • 側面の鉄の缶をラジペンなどで開く。
    • 鋭利なので手を切らないように。
  • 鉄の缶の下に透明な絶縁フィルムの筒が現れるので除去
  • フィルムの下に、鉄の輝きとは異なる、錫などに似た鈍い金属光沢の筒が現れる。これが亜鉛缶。
    DSCF5404.jpg
  • 亜鉛缶を入手したら、内部の二酸化マンガンとおぼしき粉を水洗い。

メッキ

  • 安定化電源か、1.5Vの電池を用意
  • タンクをワニ口でGNDにつなぐ
  • ワニ口に亜鉛板を噛ませる。
  • 亜鉛板とタンクが短絡しないよう、亜鉛板にテープを貼る等する。今回はビニールを介して、亜鉛とタンクが直接接しないようにした。
  • 亜鉛板を一部残してサンポールが満たされたタンクへ沈める。
    • このとき間違えてもワニ口まで沈まないようにすること。
    • ワニ口が溶けて無くなり、見覚えの無い導線だけが浮いている状態になります(経験あり)。高いワニ口をメッキ材としないように注意。
  • 安定化電源のメーター(主に電圧計かな?)を確認して、短絡してないかチェック。
    • 大体500mAくらい流れました。(V=1.5 [V])
  • 電圧は1.5~3.0V位にした方が良いそうです。1.5Vが良いかも。電圧を上げると早くメッキされるが、メッキが荒れるらしい。
  • こんな感じ
    DSCF5410.jpg
  • タンクが鈍くて白っぽい金属光沢に変わるまで待つ。
    • なんだかんだで20時間位放置していた。
      Dscf5403.jpg
  • メッキ終了後、半分溶けて無くなった亜鉛缶
    DSCF5411.jpg

中和

灰汁の仕込み

  • 仕込みはタンク処理を行う3日前以上に行って下さい。
  • さびとりをあわせて読むこと。
  • 手を突っ込んでしばらくすると、手がぬるぬるすることを確認してから使って下さい。
  • 仕込んだ灰汁
    DSCF5400.jpg

中和

  • 例の灰汁による中和を行う。
  • ガムテープを剥がしサンポールを排出し、ウエスで濡れた部分を拭き取り、再びガムテを張る。
  • 封ができたらすぐさま灰汁を満たす。
    • サンポールがかかった部分全てを満たすこと。
    • 中和処理しないと、みるみる真っ赤に錆びます。
  • どれくらい置けばいいのか分かっていないが、適当に数時間おいた。