チョークのネジとは
- キャブに刺さっているチョークワイヤーの止めネジはプラで作られていることが多く、漏れなくWOLF125も同様である。
- このネジはトルクのかけ過ぎその他で破損することで悪名高く、部品があったとしても500円以上もする代物らしい。
ことの発端
- イチ削りによる33ps化の最中に、怖いなーと思いながらもチョークのプラボルトを挿入中、見事にトルクのかけ過ぎによって、ネジの座面とネジ部を引きちぎってしまった・・・
プラネジの構造
- ワイヤー側から、気密用?ゴムブッシュが刺さるためのニップル→フランジ付き6角ネジ頭部→おねじ
- 内部は、キャブに刺さっている部分だけに太い穴が開けてあり、そこにバネとタイコフック付きの真鍮ピストンが刺さる。このため、今回のような折れ方をすると、キャブ内におねじが残り、これを除去しない限り真鍮ピストンも引っ張り出せなくなる。
- 真鍮ピストンの収まるシリンダーには3つの穴があり、ピストン側面2箇所とピストン頭部1箇所のようだ。
- ピストン頭部には気密用にゴムが埋め込まれている。
走行症状
- バネが飛び出た状態のまま、騙し騙し8km程走行した。
- この状態では、チョークが中途半端に効いた状態になったり、突然作動状態になったりと、偶発的な要素を含みまくった、おかしな状態になり、その場である状況に対して対処しても、状況がころころ変わりアウトだった。
- この状態では次のような症状が発症した。
- リッチにより5000rpmで吹け上がらない。
- ネジから吸い込まれる空気のせいか、アイドリングが2000rpm以上にあがり、アイドルスクリューの調整範囲を超える。
- 停止するとエンスト。
- ・・・というわけで全くまともな状態じゃなくなるので、皆さん要注意&要修理です。
修理
検討した修理方法
- 純正部品購入
- 高い
- 同様の部品を製作する
- 中空だけならまだしも、ニップル製作、ダイスなどの作業があり、旋盤が無いと無理。またあったにせよ面倒。
- 接着剤でとりあえずくっつける
- 強度的に不安。軸力で接着箇所がまた引きちぎれないだろうか。
採用した修理方法
- とりあえず接着剤に。
修理
残ったおねじの取り出し
- これを非破壊的に行わないと、後々困る。
- 排気デバイスの時にも行った、舐めたネジの最強除去方法を使う。排気デバイスのページを参照。
- ネジの周にマイナスドライバーを60度くらいに傾けて触れ、左回しとなるような接線方向に向かってハンマーで優しく叩く。
- 頭が出てきたら後は指でまわります。
接着
- 友人から進められ、最も信頼をおき、愛用に使っている瞬間接着剤がこちら。
- 500円以上はしたと思うが、内容量が多く、意外と接着力も強い。少なくとも普通の瞬着よりはくっつく
- 大量に入っているためかかれこれ4,5年たつも全く風邪を引くことがない(溶剤揮発がない)。
- ゼリー状じゃないため接着面が盛り上がらず、濡れ性もよく、隙間に簡単に浸透する。
- 接着時間が丁度良い。楊枝で接着面に広げてもすぐに乾かないため扱いが容易。
- シリコーン系接着剤と違い、それ自身が結構堅くなる。
- ノズルが詰まる事のみが欠点。切り詰めて今は爪楊枝で栓をしてある。
- 切断面に塗布し、適当に中心に貼り付け押さえる
- ある程度固定されたら、切断面の側面に1周ぐるっと接着剤を塗り、気密と強度の2つを確保する。
- 塗り広げるのは楊枝を使うと楽。
- このとき、座面に接着剤を盛るため、ネジが最後まで入らなくなる恐れがある。このため、楊枝で余分な接着剤を除去する。
乾燥
挿入
- 接着部分が折れないよう、トルク等に気をつけ慎重に組み付ける。
- 手で締めたのみだが、多少のトルクでは壊れることがないようだった。
修理結果
- とりあえず症状に関しては全快した。ひとまず成功と言える。
- チョークの作動、非作動どちらも可能なことを確認できた。チョークレバーの操作により、プラネジが壊れることは無かった。
- 気密は十分のようである。
問題点
- キャブワイヤーに触れたりすると、いつかは容易に壊れてしまいそう。
- キャブをばらすときにネジを外す必要があるが、数回の脱着回数しか持たないかも知れない。
- とりあえず経過を見守るつもり
コメント
- 同じ症状になりました 参考になりました -- [[jj/]] 2020-10-11 (日) 11:01:02