アイテム/皇帝バッタ

Last-modified: 2024-01-04 (木) 15:09:35

虫素材の一種。基本的にはG級素材として登場している。

目次

概要

  • MHP2G以降のG級クエストでのみ手に入る昆虫系素材。アイコンはオレンジ色の虫で、ツチハチノコと同じ。
    王を超えて皇帝の名を冠するゴージャスな名前のバッタで、
    並の甲虫では及びもつかないほど強固な甲殻を持ち、優れた素材として工房でも注目されている。
  • 鎧石との調合で、MHP2Gでは王鎧玉、
    MH3G、MH4G、XXでは重鎧玉を作ることが可能。
    他にもG級の武器防具の材料としてそこそこの数を要求される。
  • MHP2Gでは、G級に上がった後でクエストごとに虫の木を叩き続ければ意外と集まる。
    1つ1200zとまずまずの値で売れるので、余ったら換金するのも手。
    レアはレアだが、G★1でマボロシチョウを集めるのに比べればまだまだ楽である。
  • MHSTではゲーム版では一切登場しないが、アニメ版にて意外な形で登場を果たした。
    黒の凶気から逃れんとする皇帝バッタが大群を作り襲い掛かるという、
    ほとんどランゴスタブナハブラのような小型モンスターと言っていいほどの扱いを受けた。
    まさかの登場に加え予想外の扱いを見て、驚いた視聴者も多かったのではないだろうか?
    ちなみに見た目はバッタと言うよりもイナゴに近くオレンジの体に緑の羽を持っており、
    大きさはランゴスタより一回り小さい程度と、結構大きい。
    やはり虫だけあって、退治には毒けむり玉が有効なようだ。
    一連の様子からハクム村のライダーの間では素材としては使われておらず、
    どちらかと言うと普段から植物を食べつくしてしまう害虫のような扱いを受けているのかもしれない。
    • なお凶暴化した虫の群れによる被害を蝗害(こうがい)と呼ぶ。
      名称にはイナゴと付くが代表的なのはトノサマバッタによるもの。
      環境などの影響によって、群れを成して移動する性質が強まり発生する。
      皇帝バッタも同様の性質を持ち、群体となった際の凶暴性が引き出されたのだろう。
      殿様、皇帝、どちらも似たようなネーミングだし。

環境生物としての皇帝バッタ

  • MHWorldでは「環境生物」の一種として登場する。アイテムポーチには入らない。
    扱いが変わったため、G級限定ではなく下位でも遭遇できる存在として登場している。
    雄々しい表情で、頭のギザギザは王冠にそっくりとされ、更にマントを連想させる羽の柄を持つ。
  • 古代樹の森や大蟻塚の荒地といったフィールドで地面をピョンピョン跳ねている。
    やや茶色掛かった色味であり、場所によっては地面が保護色になる場合がある。
    「皇帝の名にふさわしい大きさ」というがせいぜい握り拳大であり、アニメ版のMHSTほど大きくはない。
    • また、「素早く跳ねて逃げ回るため捕獲するのが難しい」とも説明されているが、
      実際は壁際に引っかかっていることが多く、捕獲ネットで捕まえる分にはそう難しくはない。
      適当に狙っても引っかかる分、鳥系環境生物よりは遥かに捕まえやすい部類に入る。
      MHWorldの虫系アイテムは手掴みできるものが多いため、そちらと比較した説明文だろうか。

暴君バッタ

  • 瘴気の谷に棲息する赤いバッタ
    大きさは皇帝と大差ないが、こちらは頭部が赤く染まっており、より荒々しい印象を受ける姿をしている。
    瘴気の谷では皇帝バッタの代わりと言わんばかりに多数配置され、特別レアな存在ではない。
    その正体は「相変異を起こし狂暴化した皇帝バッタ*1」とのこと。
    「元は草食だったと考えられているが腐肉まで食糧にするようになった」ともされる。
    • 相変異とは、個体数の密度に応じて姿や行動が変化することである。
      現実世界では、サバクトビバッタ等に見られるものが代表的で、上述の蝗害も相変異によるもの。
      暴君バッタは、数が増え過ぎた結果、餌が不足して相変異を起こしたのだろう。
      新大陸で蝗害が起きなくて何よりである。というかこんなものを家で放ってしまうハンターって…
  • 凶暴化しているらしいが、幸いハンターを襲うようなことは無い。
    代わりにもっとデカくて凶暴な甲虫が襲ってくるのだが…。

余談

  • 今の日本人には馴染みがないが、現実の蝗害は下手な「超」大型モンスターよりも遥かに凶悪である。
    デカい螳螂の話は今は忘れなさい。いいね?
    なにせ、黒い巨大な雲が如きバッタの群れが手当たり次第に植物や繊維(紙も例外ではない)を喰らい尽くしていき、
    飢饉や土地の荒廃、それによる混乱や紛争で大量の死傷者を発生させる超弩級の大災害なのだ。
    気象衛星が低気圧と誤認した火炎放射器や軍用航空機すら無力化する
    唯一卵は脆弱だが主要な場所は地雷原で近寄り様がないなど、
    数多くの絶望的な逸話の所為でかのギネスブックに「最強の害虫」として登録されるほど。
    日本ではオオスズメバチが人を殺せるほどの猛毒を持っていて極めて危険な虫といわれているが、
    さすがにこのような大規模な被害は少ない。
    このように現代ですらまともな対応が出来ない天災なので、モンハン世界では手の打ちようがないと思われる。
    冗談でも誇張でもなく毒けむり玉の千や二千を撒いた程度でどうにかなるような規模ではないだろう。
    伊達に「虫の皇」*2などと言う漢字を奉られてはいないと言うことだろう。
    • 旧約聖書の「出エジプト記」では、十の災いの一つとして蝗害に相当する「いなごの災い」が存在する。
      モーセがエジプトの地に杖を差し伸べると、主はまる一昼夜、東風が吹いた。
      そして、朝になると、東風がイナゴの大群を運び、そのままイナゴはエジプト全土を覆い、
      エジプトの領土全体にとどまった。
      イナゴの大群により、地面を全て覆ったので、地は暗くなったように見えた。
      そしてあらゆる草、木の実など食い尽くした結果、エジプト全土の緑は何一つ無くなったという。
    • 新約聖書には蝗害と関連付けられる悪魔として、アバドンが登場する。
      「ヨハネの黙示録」に登場する奈落の王であり、ヘブライ語で「破壊の場」「滅ぼす者」「奈落の底」を意味し、
      蝗の群れを率い、人々に5ヶ月間の苦しみを与えるという。そこから蝗害が神格化されたものだと考えられている。
      • 「奈落の底」「破壊」「虫の群れを使役して人々に苦しみを与える」というと
        聞き覚えのあるハンターもいるだろう。
    • 日本では様々な環境の違いで他国ほど大規模な蝗害は起こってはいないものの、
      それでも明治13年に当時開拓中だった北海道で起こったものは非常に大きな被害をもたらした。
      入植者だけでは手に負えなくなり、アイヌ民族や陸軍まで駆除に動員されたものの全く抑えられず、
      最終的には4年後の明治17年に発生した豪雨によってようやく終息した…が、
      今度は豪雨による大規模な水害が北海道各地で発生した。
      豪雨は蝗害終息のきっかけである一方で、蝗害に苦しんだ人々に追い打ちをかけた災害でもあった。
  • 一方、日本で食される醤油や砂糖を加えて甘辛く煮付けたイナゴの佃煮だが、
    蝗害を起こす蝗(サバクトビバッタ)とは全くの別種。
    小エビに似た食感であり、わずかに、緑茶の茶葉のような爽やかな風味もある。
    内陸部の稲作民族にとっては不足がちになるタンパク質・カルシウムの補給源として利用された。
    佃煮以外でも串刺しにして炭火で焼く、鍋で炒るなどの調理法もある。
    また、日本以外にも昆虫食の1つとしてイナゴを食べる民族は多い。
    • この話を聞いたハンターの中には、「蝗害を起こすバッタも食べてしまえばいいのではないか
      と考える方も居るかもしれないが、群生相のバッタは大移動のために体を可能な限り軽量化しており、
      ありていにいうと極めて身が少ない。
      さらに、大移動の過程で食べた有毒植物や、駆除に使用した殺虫剤の成分が体内で濃縮されている為、
      そのような駆除法は取られていない。
      そのような物を食べてしまえば当然、悪影響を受ける可能性が出てくる。
  • 本邦では跳ねるものと認識されるバッタであるが、上述したとおりその飛翔能力は高く、
    モンゴルの「ツァルツァー」なるバッタに至っては空中をホバリングすることさえ可能。
    それを考慮すると、モンハンの皇帝バッタもかなりの潜在能力を持っているのかもしれない。

関連項目

アイテム/のりこねバッタ
アイテム/イナゴージャス
アイテム/釣りバッタ
ゲーム用語/バッタ - アイテムではなく、セルフジャンプ等のプレイスタンスの話題で言われる場合はこちら
モンスター/アトラル・カ - 飛蝗や蝗とは似て非なる存在、螳螂。


*1 図鑑の説明文には記載されないが、瘴気の谷で情熱の生物調査員から皇帝バッタとの関連性に言及がある。
*2 虫偏に皇という漢字の成り立ちも、蝗害が皇帝の不徳によるものとされたという説や、蝗害を阻止できるかどうかに皇帝の命がかかっていたという説がある程である