ゲーム用語/乱数調整

Last-modified: 2022-12-15 (木) 11:04:04

概要

  • 「乱数」とは、法則性を持たず予測する手段が存在しない数字のこと。
    身近な所だと、サイコロの出目などを想像すると分かりやすい。
  • コンピューターゲーム用語としては、「法則性の無い結果」を生み出すために設定された数列のこと。
    RPGのランダムエンカウントやギャンブルゲームのスロットやカードシャッフル、
    いわゆるガチャ、モンハンなら各種の報酬アイテムなど
    「結果が出るまでプレイヤーには予想がつかない」演出のために利用される。
  • これを何らかの方法で「調整」して、出る結果をコントロールしてしまおうという行為が乱数調整である。
  • そもそも「法則性のある」プログラムで動くコンピューターが
    「法則性の無い」乱数を生成するのは困難なため、
    ゲーム内にランダム要素を作り出す処理には擬似乱数が使われる。
    擬似乱数はゲーム開始時に特定の要素を用いて生成されるが、
    その生成パターンを理解している人なら結果を予測できてしまう。
    そこで、生成された疑似乱数を何らかの条件で消費したり切り替えたりすることで二重に変動させ、
    ランダムな現象が起きているように見せかけている。
  • 乱数調整では、この「生成パターン」と「何らかの条件」の両方を検証作業などによって見つけ出し、
    プレイヤーが意図的に実行できる「条件」の方を調整して結果を操作する。
    • 例えば「三つの乱数」が「クエスト出発」を条件に切り替わっていた場合、
      クエスト2回を即リタイアし、3回目だけクリアすることで、
      三つめの乱数で出る報酬を一回分のクエスト時間で狙って引き当てる事ができる。
    • 無論、これほど単純なパターンで動いている疑似乱数など普通は存在しないため、
      実際の乱数調整の検証や実行は格段に複雑なものになる。
  • チートのようにゲームのデータを改竄するものではないため、
    理論上は通常プレイでの再現が可能である。
    もっとも、アナログ操作では極めて困難な精度での細かい操作が必要だったり、
    調整そのものに膨大な時間や手間がかかる、
    オンラインで他人の挙動も条件に含まれる、
    そもそもパターンや条件が解明できないなど、
    現実的には再現不能な場合もある。
  • チートとは別の行為といえど、本来は想定されていない手法を用い、
    仕様の穴を突いて欲しい数値(アイテム等)を狙う行為であるため、
    ルール無視のチート同然として強く嫌う人もいる。
    モンハンシリーズで乱数調整がゲーム性に極端な影響を及ぼす例は少ないが、
    対戦の勝敗や攻略に大きな影響が出るゲームについては、
    ユーザーコミュニティで物議を醸すケースもある。
    • 乱数調整そのものには具体的な違法性が追及できない点や、
      ソフトウェアとしては仕様どおりに動いている点で、
      メーカーからの直接的な見解が出ることは少ない。
      乱数調整の利用を認めるか咎めるかは、あくまで個人の裁量や各コミュニティの雰囲気に左右されている。
      • ただし、乱数の生成や変動条件をプログラムの解析によって調べたりした場合は
        リバースエンジニアリングなどを禁止する販売契約に反するという面で不正行為になりうる。
    • ゲーム自体はプログラムどおり動いている以上、
      自己申告以外で乱数調整を用いたかを判別するのは困難でもある。
      所持アイテムやステータス値などを理由に
      「乱数調整を使ったに違いない」などと決めつける行為は、
      トラブルのもとであると同時に失礼極まりないので注意しよう。

モンハンの場合

以下に挙げるような、あまりに運任せな部分が強く、
腕前や努力ではどうにもならない要素を解消するために使われる事が多い。
もちろん「あまりに」の基準は人それぞれであるし、
各種のやり込み要素を台無しにするため敬遠する向きもある。

  • モンスターの最大・最小サイズを意図的に出現させる。
    • サイズ由来の勲章である「キングクラウン」「ミニチュアクラウン」を獲得するため。
      イベントの特殊個体などを除きサイズの大小は基本的に運であり、
      人によってはこの勲章だけがいつまでも手に入らないことがある。
  • MHP3でのお守り採掘におけるパターン把握。
    • UMDの起動時間を変えることで乱数のパターンが変化すると判明しているのだが、
      パターンによってはいくら「炭鉱夫」に精を出しても永遠に意中のお守りが出ない場合がある。
      このような徒労を避けるためにはパターンの把握が必要だとされ、
      テーブル合わせ」と呼ばれるようになった。
      MH3Gではこれに致命的なバグが生じている。
  • 特定の報酬を狙って引き当てるため。
    • レア素材を比較的簡単に手に入れることも可能。
      しかし、モンスターによっては特定の行動の後に必ず乱数計算が行われて調整がずれるため、
      全てのクエストで通用するものではない。
    • 狙った素材が欲しいことがシリーズの中でも特に多いMHFは
      完全オンラインであるため乱数調整は不可能である。
  • MH4ではお守りスナイプを利用して高性能な護石を現実的な確率で入手できるが、
    17個の乱数テーブルを処々の情報(NPCの位置やクエストの出方など)で見極めた後、
    乱数5400個から成る乱数テーブル内の一つをピタリと撃ち抜く必要がある(乱数の消費速度はおよそ45個/秒)…と、
    物理的に調整するのが困難であり、高度な目押し技術が必要。
    一つのお守りを取るために一日、もっとすれば1週間かかったという話もある。

関連項目

ゲーム用語/テーブル
クエスト/水没林の紫の霧