ゲーム用語/晒し

Last-modified: 2023-04-03 (月) 18:52:15

オンラインゲーム内での問題行動・言動などが目立ったユーザーに関する情報を
主に2ちゃんねるやSNSといったネット上のコミュニティなどで公開する行為を指す。
読みはさらしである。

目次

概要

  • 元々の「晒す」という動詞には「広く人々の目に触れるようにする」程度の定義しかないため、
    「特定の情報」は非常に幅が広いものとなる。
    ゲームという分野に限定してみても、以下のような情報を「晒す」ことができる。
    • プレイヤー名やID、或いは本人を特定できる個人情報(連絡先など)
    • キャラクターのステータスや装備品、ファッション、所持アイテム、実績など
    • ゲームのプレイ画面、不具合、ラスボスなどのネタバレ情報
    これらを自他問わず、またその意図に関わらず、
    インターネットで誰でも閲覧できる所に公開するのが「晒し」になるのだが、
    中にはマナー違反となる悪質なものもあり、そのような「晒し」は問題視される。
  • 「忘れられる権利」が完全なものとして確立していない2022年現在の社会においては、
    インターネット上に「晒された」情報は完全に削除する事は現実的には不可能と考えてよい。
    発信源を断つ事が出来ても、二次情報として拡散されてしまうとその削除には膨大にも程がある労力がかかる。
    例えば軽い気持ちで自分の住所と連絡先をネット上に晒した結果、
    尾ひれが付きながら(犯罪を犯した、など)拡散してイタズラや誹謗中傷といった問題が相次ぎ、
    引越しを余儀なくされたり、家族を含めた関係者の就職・進学などに実害を被るなどの事態は、
    現代では往々にして起こりうる。
  • ゲーム、特にオンラインゲームにおいてはプレイヤーの情報は個人を正確には特定できない、
    名前やプレイヤーIDなどに限定されてくる。
    だが、本名や連絡先などを過去に投稿したことがあるSNSでうっかりそのプレイヤーIDを出してしまうことで、
    プレイヤーIDから重大な個人情報にまで到達されてしまう可能性はある。
    また、オンラインゲーム=仮想現実と捉えた場合、
    プレイヤー名やIDは文字通りの意味での個人情報となるため、その公開には相応のリスクが伴う事になる。
    後述する「悪質な晒し」はオンラインのあるゲームの場合大抵の場合この
    「プレイヤー名・ID」をとある目的で公開する行為である。
  • なお、先述したように「晒し」にはその情報に付加されたものが善か悪かは全く関係がない。
    但し、「晒し首」なる言葉があるぐらいなので、
    基本的に「晒し」「晒す」というフレーズを用いる場合は、良い意味で使われることは殆どない。
    自分の情報であれば自虐を含むもの、他人の情報であれば後述する「晒し」を意味する事が多い。

ゲームにおける「晒し」

  • オンラインゲームにおける「晒し」行為は問題行動を行ったプレイヤーの情報
    (や、そうした行動や発言のログ)を公開することで、
    「他の人が被害に遭わないようにする」という大義名分の元に行われることが多かった。
    その為、ゲーム関連コミュニティにおいて「晒し」「晒す」と書くと、
    自分の事を指さない限りは*1ほぼ確実に上記の意味合いで捉えられる。
    • なぜ運営等に通報して対処しなかったのかというと、
      黎明期のオンラインゲームにおいては運営がこうしたプレイヤー間のトラブルに干渉しない、
      あるいはしても非常に腰が重かったため、
      悪質な行為をするプレイヤーが長期間野放しになっているという事も少なくなかったためと思われる。
    • 中にはアイテムを借りるという名目で取り逃げしたり、取引を持ちかけて金品をだまし取るといった者もいたが、
      それに関しても「ユーザー間で勝手に口約束でやった事である」として対処しないという運営方針も非常に多かった。
    • チートに関する対処も現在ほど厳しくない事が多く、現実での逮捕どころかゲーム内で
      堂々チート行為を行っているというプレイヤーも少なからず居た。チーターからアイテムを受け取ったり
      一緒に遊んでいる=チーターという嫌疑をかけられないため、特にチーターの情報は必要とされていた。
    • そうした状況の中で、問題を起こすプレイヤーに対して自衛を行う為に必要な情報であるとして、
      こうした「晒し」行為がオンラインゲームにはつきものとなっていた。
  • こうした「晒し」については、先述した事情からそういった「晒されている」人物を、
    自分のパーティやチームに入れないための情報として重宝する人も当初は少なくはなかった。
    だが、「晒しスレに名前が載るのは悪質なプレイヤーである」という認識が広まると共に、
    私怨や逆恨みによる「捏造晒し」を行う者が増加するという問題も発生した。
    このため、本来の使途であった「問題行動を行ったプレイヤーの情報共有」としては、
    機能不全になる事例も多々見られるようになった。
    晒しスレに名前が載っているからといって、本当に問題行為や言動があったとは限らないのである。
    • 例を挙げると、自分が迷惑行為をしていて注意されたのを逆恨みし、
      その注意した人の発言ログなどを自分の都合の良いように抜き出したり改ざんし、
      「この人はこんな暴言を吐きました!」という晒しを行う事で陥れる、といったものである
      (PCオンラインゲームであれば、ログやスクリーンショットはそれほど苦無く改ざん可能)。
      また「レアアイテムを持っていて羨ましいから」「コミュニティでの人気者だから」などの理由で
      迷惑行為そのものを捏造して晒したり、
      晒し専門のコミュニティに名前が載る事自体ネガティブな印象を与える事を逆手に取って、
      名前だけを只管貼り付けていくなどの荒らし行為に近いものも見られるようになった。
    • こうした事から、「ルールに則った書き込み以外はスルー又は削除申請」
      「無編集である事が証明できるログを全て提出していない者は晒しではなく私怨にすぎない」などの、
      厳しいルールを設けている場合も少なくない。
      だが大抵の場合明確な信憑性を付与することはできず、捏造晒しの被害は後を絶たない。
  • ゲームのプレイ人口全体から見れば、そのようなコミュニティを常時参照し、
    尚且つそこに書かれている情報を完全に鵜呑みにしているプレイヤーは少ないと思われる。
    万一晒されてしまっても、それが事実無根であるならば無視しても問題ない。
    ゲーム内やSNSで(晒し情報を元に)直接誹謗してくる輩はそうそう居ないと思われるが、
    そのような場合は掲示版等の不特定エリアに書かれるよりも通報等で対処しやすい。
    勿論、身に覚えがあるのであれば是正すべきなのは言うまでもないが、
    何をもって迷惑とするかはかなり主観が絡む部分であるため、どうしようもない場合もあるだろう。
    • 一方で、コミュニティの規模が小さいゲームにおいては、ちょっとした晒しが致命的になる事もある。
      その為、晒されないに越したことはない。
    • また、SNSでの晒しは投稿者の想像を超える規模で拡散してしまい、
      晒されたプレイヤーが特定されて炎上してしまうケースもあり、物議を醸す事がある。
      いくら晒されたプレイヤーに落ち度があったとしても、「いじめ」や「私刑(リンチ)」同然であるとして
      眉を顰めるプレイヤーも多い。
  • モンハンにおいては、2chの管轄版(隔離板)であるモンハン板、
    及びMHF関連の話題を扱うネトゲ実況板のどちらにおいても晒し行為は禁止されている。
    当たり前だが禁止されている板で晒し行為を行うと盛大に批判されるのだが、
    モンハン板では度々そのようなスレッドが作成され問題視される。
    • MH4~MHXXまでのメインシリーズでは迷惑行為やチートを行うプレイヤーが処罰された、
      という例が確認されていないため先述した「通報での対処ができない」とされている。
      ゆえに「地雷の存在を注意喚起する」という大義名分がまかり通りやすく、
      このような書き込みは後を絶たない。
      ただどんなに正当性がある(ように見える)地雷の晒しであっても、
      晒し自体がルール違反である事からスレッドの閉鎖などに繋がってしまう。
      MHWorldでは比較的実効性があるとされるPS4(或いはSteam)アカウントとしての通報が可能にはなったが、
      5年近く続いた晒しの文化(といっていいのかは微妙だが)がそう簡単に覆る事はなく、
      更に通報に関して実効性を疑問視する声が絶えないため、この流れには変化がない。
    • ネトゲ実況2では先述したように「晒し」が不可能であったこともあり、
      晒し専用スレッドの名称は「ムカつく猟団、嫌いなプレイヤー」という、
      地雷に対する注意喚起という大義名分すらもかなぐり捨てたものになっていた
      (内容としては他の「晒しスレ」と大差はない)。
      なお、MHFの場合は実況要素のあるネトゲという事でモンハン板にスレッドを作れないため、
      ルール違反が祟ってネトゲ実況2から追放されるような事態が起こってしまうと、
      事実上2chで板を作成できなくなってしまう。
      この点を危惧する利用者も少なくはなかったのだが、結局はルール違反による追放ではなく、
      荒らしの跋扈によって2ch(5ch)から離れざるを得ない状態になってしまった。
    • ちなみに晒しが(一応は)可能な板が別に存在しているのだが、
      モンハン板やネトゲ実況2の外にあることなどからそこまで活発ではない。
  • MHFではメインシリーズ側がオンラインに広く対応する前からオンラインゲームという土台があったため、
    晒し行為はかなり活発に行われていた時代がある。
    こうなっていた理由としては、主に以下のようなものが挙げられる。
    • 黎明期のMHFではチーターが跋扈しており、そのチーターが無関係のプレイヤーとクエに行くと見せかけ
      未配信の違うクエにつれていくという手口があった。
      また、未配信クエをプレイしなければ作れない武器・防具を堂々と身に着けているチーターも居たため、
      こうした悪質プレイヤーの情報は特に求められた。
      • 有名なケースとしては「リオレイア狩猟に行くと思ったら黒龍に連れて行かれた」という話である。
        この一件ではチーターがその様を撮影・動画投稿しており、居合わせてしまった人がそのリアクション含めて
        晒されるような形で多くの人にネタにされてしまう事になる。
        こうした一件から、チーターと同席したくないという事でチーター情報は活発に交換されていた。
      • チーターでない人をチーター扱いして晒すという行動も少なからず見られた。
        上記にもあるように「簡単には作れない装備を作っている=チーター」として晒しスレに名前を出されたり、
        実際にそれを見た人が通報を行ってしまうという案件もあった。
      • 黎明期のMHFプレイヤーは運営チームへの信頼度が極めて低く、
        チートを自動検知するソフトも度々トラブルを起こしていたため「通報」ではなく
        「晒し」が重視されていたが、現在ではチートの対応が精力的に行われるようになった
        (通報を受けて逮捕にまで至るケースも)事が明確になり、
        「晒し」より「通報」の方が有効と見做されるようになったことで、こうした需要は激減している。
    • ゲームバランス上、「求人区」における効率至上主義が最盛だったころには、
      「晒される地雷=少しでも効率の悪い行動をしたプレイヤー」であると考える人も多かった。
      その内容についても、よほど不条理・身勝手でなければ概ね有用なものと考えられていた。
      • 求人区で効率を求める事が減った事から「求人区に居た地雷」の晒しは衰退し、
        当時のエンドコンテンツであった大討伐クエスト中の暴言や迷惑行為などがメインにシフトしていった。
        しかし、この頃から明らかに私怨からの捏造晒しが増加した事もあり、その信憑性や正当性が
        多くのプレイヤーから疑問視されるようになった。
      • MHF-G1にてプレイヤー層が入れ替わった事や、大討伐自体がエンドコンテンツでなくなった事で
        「晒しスレ」として機能していたスレは勢いを失う事になり、更に後のMHFの環境変化や
        ネトゲ実況2における分裂騒動などを通して「晒しスレ」自体が事実上存在しないに等しい状況になっている。
  • ネ実2にはサービス終了した現在でも尚「晒しスレ」が作られているが、
    前述した荒らしの一種であり、そもそもサービス終了したゲームに晒しもへったくれもない。
    板のルール違反ではあるがネ実2板自体が一部ゲームのスレを除いて機能不全になっており、
    板のルールを語るスレすらも晒し行為を行う荒らしが作ったものという事実上の野放しとなっている。
  • 先述したように「晒し」については情報の良し悪しを一切問わないため、
    プレイ動画や生放送などの配信行為において、自分以外の(承諾していない)
    プレイヤーの名前を出す行為は上の悪意からの晒しとはまた事情が違うものの、
    晒し行為に連なるものとして嫌がられる場合も多い。
    • 部屋の中の1人が無断で動画撮影や配信を行っていた場合、その動画や配信を通して
      その場に居なかったはずの不特定多数のプレイヤーに言動行動を見られていたり、
      プレイングのミスがあった時にコメントで謂れなき誹謗を受けてしまうというようなケースもある。
      その為、一般常識として撮影や配信を行う部屋ではきちんと撮影・配信中である事を
      部屋名で示したり、入室時にチャットで確認をとったりといった配慮をすることが求められる。
    • MHFでの晒し行為は上述のような理由から下火傾向にあり、気にしないという人も増えているものの
      配信や動画撮影が手軽になるに従って家庭用ゲーム機にて発表されているシリーズでは
      無断撮影・配信で晒されてしまうという案件については増加傾向にある。
      そうした動画や配信に写っている事すら知らずに済むというケースもあるものの、
      何かしら「ネタになる」ような部分があると面白がられ、拡散されてしまうという問題もある。
    • 特にMH4以降の作品ではこうした行為が問題視される事が多く、
      さらに通報するべき明確な「運営」が存在しないというケースも多いため、
      MHシリーズにおける「晒し行為」に関連する問題点は徐々にシフトしつつある。
  • なお、いわゆる地雷の報告などを個人を特定できない形で行った場合は、晒しとはならない。
    どんなにボロクソに貶す書き込みであっても、どこの誰のことだか分からないのであれば、
    見ていて不快な書き込みではあるが「晒し」ではない。
    ゆえに、個人を特定できないうよう気をつけながら行う「晒し」掲示板なども無い訳ではないが、
    大抵の場合そのような努力は実らず、晒しの温床となってしまう。

余談

  • MHFの関係スレッドでは「晒し」に該当しないように、
    キャラクター名とIDを予め削除した上でチャットログを晒すことがある。
    このときチャットログに残る識別符の一つを取って、晒されている人を「AREAさん」と呼ぶネタが存在している。
  • モンハンフェスタでの上位入賞者や、MHFにおける公式狩猟大会の上位入賞者など、
    その栄誉を称えてある程度特定可能なレベルでプレイヤー名などが公表されることがある。
    特に後者はキャラクター名やIDなどで公表されるため、これを「公式晒し」と呼ぶネタがある。
    悪い事で載るわけではないため実害を被る可能性は小さいが、
    それがきっかけで上記の「嫌いな~」に晒されてしまう危険性は無い訳ではなかったようだ。

*1 自分の事を指す場合は、「自分晒し」などとも呼ばれる