ゲーム用語/期待値

Last-modified: 2023-12-14 (木) 13:28:28

本来の意味

  • 本来の意味での期待値とは「ある行為を何回か行って得られた結果の平均値」を指す数学用語である。
    この値を確率(パーセンテージ)で表したものが、次に同じ行為を行う際に理論上の見込み数値として利用できる。

ゲームにおける期待値

  • 現実世界とは異なり、あらかじめ確率やステータスが機械的に決められ、場合によっては可視化されているゲーム内で「期待値」と言った場合
    「各種の数値を照らし合わせた結果予測」のことを指している場合が多い。
    • 例えば「特定の敵をx匹倒せば、確率の設定上ドロップアイテムがy個手に入るだろう」とか
      「レベルいくつまで成長させたキャラに攻撃力xの武器を持たせればyのダメージが出せるはずだ」
      といったもの。
  • もっとも、ゲームによってさらに細かい乱数の設定やアクション要素などが絡む以上、これもあくまで「そうなる可能性が高い」という理論上の話に過ぎない。
    本気で精度を求めるなら本来の意味通り実測を繰り返してデータを集める必要がある。
    そして実測値が得られたからといって確率通りの結果が出るとは限らないのも現実と同じ。
    しょせんは「計算上の見込み」に過ぎないと言える。

モンハンにおける期待値

  • モンハンで期待値という言葉が使われるのは、主に武器の性能の優劣について語る時である。
    具体的に言えば、指定の武器特定のスキルといった条件を整え、斬れ味補正や武器倍率、会心率などを総合して
    「どのぐらいのダメージを与えられそうな感じか」という曖昧なイメージを一言で表すものとして
    「期待値」という単語が使われる。
    数学用語の方とはまったく関係ない用法である。
  • カッコつけて数学っぽい言葉を使ってるクセにちゃんとした数字は出ないのかよ…
    と、お思いの方もおられるだろうが、モンハンはターンや手番などが存在しないリアルタイム型アクションゲーム。
    さらに、同じ武器を使ってもプレイスタイルや中腹補正、ヒットストップ、相手となるモンスターの耐性、肉質、動作など、
    膨大な外的要因に掻き乱されて機会や結果が大きく変動するので、
    「この武器とスキルなら1分間に1000のダメージが与えられるだろう」といった絶対値での予測は事実上不可能なのである。
    このため、基本的には明確な攻撃対象を想定せず、特定条件を揃えた武器の攻撃性能を計算し、
    その値が他の武器と比べて大きいか小さいかの相対的な比較において「期待値が高い・低い」と表現されることになる。
    • 特定モンスターの攻略を想定して特定の部位を理想的なタイミングで殴れた時の実ダメージ、
      あるいは安定して攻撃可能な訓練所の標的を殴った際の数値で比較評価する場合もあるが、
      実戦で同じことが安定して繰り返せる訳ではないため、これが期待値として扱われることはまず無い。
  • 当Wiki内で「期待値」と言えば匠スキルによる斬れ味と補正値の変化に絡んだ比較論において登場することが多い。
    また会心率がある武器についても、表示される攻撃力だけでは時間当たりのダメージ量を比較できないため、
    「会心率0%ならこれくらいの攻撃力に相当する」という換算を期待値と称する例もある。
    他によく使われるのは、以下のようにゲーム内の表示数値で単純比較できない部分を含めた性能を語る時だろう。
    • 表示上の攻撃力はほぼ同じだが、斬れ味ゲージの長さや色でダメージ補正に差がつく武器の比較
    • 物理攻撃力と属性値の比率が極端に違う2つの武器を比較(この場合、弱点属性を突いたか否かも条件に加わる)
    • 手数や倍率が違う別の武器種での比較
  • MHXX以前ではダメージ表記がゲーム内に存在しなかったため、
    やりこみ派ハンターが「どの武器が最適か」を追求するにあたり期待値を導き出すのが重要とされることが多かった。
    しかし、MHWorld以降ではゲーム内でダメージ表記が行われるようになり
    クエスト中に装備変更もできるようになったため、机上で計算するよりも実際の狩猟で試した方が手っ取り早くなっている。
    試し斬りのためのトレーニングエリアも登場し、MHW:I、MHRiseと作品を追うごとに機能・実用性も向上している。
    それでもなお狩猟効率やスペックを追い求めたいというハンターは、
    やはり理想の武器や防具(=スキル)や装飾品の組み合わせを事前に計算して目標となる期待値を定め、その実現を目指して素材集めに励むことになる。
    • 最高効率や1分単位の攻略スピードアップなどに興味の無いスタイルのハンターでも、
      なんとなく「こっちの武器のほうが強そう・狩猟ターゲットと属性や肉質の相性が良さそう」と頭の中でイメージする事は多いだろう。
      それをステータス値などでより具体化したものが「モンハン用語としての期待値」だとも言える。
  • 剥ぎ取り素材や採掘などのアイテムドロップに関しても、
    攻略本などの公開情報や試行によって確率が明らかになれば、どのモンスターを何回狩ればいくつ手に入るかという「入手の期待値」を計算することは可能。
    だが、アイテムに関しては乱数テーブルなど不確定要素が強すぎて有意義な数値が得られない場合が多く、こちらの文脈で使われる事は殆ど無い。
    故にただただひたすら試行するしかない状況を意味するモンハン用語や、確率の無意味さを象徴する言葉も産み出されている。

関連項目

システム/ダメージ計算式 - 期待値の元となる武器の攻撃性能を算出するのに必要な知識。
ゲーム用語/DPS - おおよそのダメージ量予測という点では期待値と同義語。こちらもモンハンで具体的に算出するのは困難。