自然災害の一つ。
長期間に渡って雨が降らないなどの原因によって引き起こされる、大規模な水不足の状態。
深刻化すると川や池、沼などが干上がり、地域一帯が砂漠のような環境状態となってしまう。
大気も極端に乾燥する事で火災の発生率が上がる、食糧難が発生した事が戦争勃発の引き金となるなど、
様々な二次災害を招く危険性も孕んでいる。
概要
- ほぼ全ての生物にとって「水」は生命の維持に不可欠なものである。
例えば人間の場合、基本的に肉体のおよそ6~7割*1は水分で構成されており、
そこから4~5%の水分が失われるだけで頭痛や食欲低下、体の火照りなどの身体的異常が見られ始め、
10%以上の水分が失われれば生命活動の維持が非常に困難な状態にまで陥る。
故に水はほとんどの動物にとって非常に重要な、文字通りの「生命線」である。
それが「干ばつ」という形で地域一帯から絶たれた時、あらゆる生物は命の危機に晒される。
植物は枯れ、それを餌とする草食動物は飢え死に、さらに彼らを餌とする肉食動物も連鎖的に死に始め…
という死のスパイラルが展開され、結果的にありとあらゆる資源が枯渇していってしまう。
勿論人間にとっても例外ではなく、現代においてもその長期的な脅威に晒され続けている地域がある。
特にアジアではこれまでに何度か数百万という人々が犠牲になった大干ばつも観測されている。
- 大量の水が甚大な被害をもたらす「洪水」や「津波」とは、ある意味で真逆の特性を持つ災害である。
また、洪水や津波は一瞬にして命や資源を奪っていってしまうのに対し、
干ばつは長期的にじわじわと命や資源を蝕んでいくという点も真逆である。
しかし、どちらにせよ大規模な被害を齎す可能性が高いという点について変わりはない。
MH世界の干ばつ
- MH世界でも広大な砂漠が広がる地域がいくつか存在しており、
このような地域では干ばつが発生する場合があるらしい。
実際、MH4G以降のデデ砂漠(旧砂漠)は湖が完全に干上がってしまっている*2。
更に、MHFの白湖は干ばつにより砂漠と化したフィールドである。
また、セクメーア砂漠のベースキャンプには古井戸が存在するが、
地底湖が満潮となる夜でも古井戸から水が汲める位置まで水位が上がってくることはない。
かつてはもっと水位が高かったのだろう。
セクメーア砂漠が現在の姿となった原因としては、オディバトラスの存在が挙げられているが…
ただ、少なくともその影響がゲーム中のハンターに直接的に牙を剥くようなケースは今のところ確認されていない。
しかし、実は世界観的にはハンターやギルドにも大きな影響をもたらす事案の一つでもある。
- たとえ口から火を吐こうとも、水属性の攻撃が弱点であろうとも、モンスターも生物は生物。
命を繋ぐためには最低限の水が必要であり、それらが完全に枯渇するような大干ばつは望むところではない。
そこで干ばつの発生した地域のモンスターの中には、時に大移動を敢行して新天地に進出し、
その被害から免れようとする個体も存在する。
干ばつと関連する設定を持つモンスターとしては、ボルボロス、ヴァルサブロス、
グレアドモス、ガスラバズラが挙げられる。
- ボルボロスはMH3Gにおいてはモガの森にも登場するが、
設定上はこのような干ばつの被害から逃げてきた個体であるとされる
(単純な避暑など、それ以外の目的で移ってきた個体もいるようだが)。
それにしても、海によって周囲から隔絶された環境であるはずの孤島地方にまで進出する事を考えなければ
免れないような被害の大干ばつだったのだろうか?
ましてや自身の縄張りに並々ならぬ執着を持つボルボロスが、である。
流石にその地域の状態が心配である。下手をすれば地域一帯が絶滅寸前の状態になっているかもしれない。
- ヴァルサブロスの祖先は、遠い昔は砂漠をテリトリーとするモンスターであった。
しかし干ばつにより砂漠のオアシスが失われた結果、火山へと移住したという経緯を持つ。- ちなみに、なぜ過酷な環境である火山へ移住したのかという件については、
簡単に言えば火山に好物のサボテンが生えていたからである。
- ちなみに、なぜ過酷な環境である火山へ移住したのかという件については、
- グレアドモスもヴァルサブロスと同様に、祖先が干ばつにより存亡の危機に立たされた。
しかしグレアドモスは他の地域へと移住せずに砂漠に留まり続け、
日の当たらない地底湖を新たな住処とし、人知れず命を繋げてきた。
ところが近年になって地底湖の水量が減少してきたため、水を求めて再び地上へと進出した。
- ガスラバズラの祖先は元々水生生物であったが、
白湖の干ばつによる変化に適応して陸生生物になったと考えられている。
- ちなみに、上記のうちボルボロス以外は全てMHF出身のモンスターであるのだが、
これらのモンスター(と、白湖)はMHF-G6.1からG8にかけて連続して登場している。
こうも続けて干ばつに関連した設定を持つモンスターが登場したともなると、
何かしらの繋がりを感じさせられる。
- なお、同様の理由でこれまで出現が確認されていなかったモンスターが
突然ある地域に来襲するという事例はあり、
その脅威を退けるためにハンターが派遣されるというケースもある。
折角命の危機から逃れてきたというのに、
その行動が原因でハンターという新たな脅威に晒されてしまうとは、
彼らにとっては皮肉以外の何物でもない話である。
しかし、その個体の進出を許した結果、周辺環境にどのような変化が起こるのか分からない以上、
ハンターズギルドがそれを見逃すわけにはいかないのだ。
表現が悪いが、モンスターには己が運命を呪っていただくしか無い。
- 勿論モンスター全員が移転を希望するわけではない。
そのまま自分のテリトリーを作り、その場に留まろうとするモンスターも存在する。
しかし、資源の枯渇という根本的な部分の解決は、
大自然に直接働きかける古龍のような特別な力でも無ければ不可能である。
一般的なモンスターがそんな驚異の能力を所有しているはずが無く、
食糧難や高温などの環境上の問題は継続された状態となる。
生活環境が改善されないままだとストレスが溜まるのは、人間でもモンスターでも同じこと。
するとモンスターはより良い環境を求め、テリトリーの移動や拡大を図って動き始める。
そして同じような考えのモンスターが一斉に動き始めるとどうなるか?
通常より狂暴化した複数頭のモンスターが縄張りをめぐって抗争を繰り広げ始めるのである。
それは干ばつとは別の意味で周辺環境に深刻な被害を齎しかねない。
そうなればやはりハンターの出番だが、環境もモンスターの脅威も通常より悪化しているため、
ベテランのハンターでもこの状況でのクエストの完遂はかなり困難なものとなる。
- 総じて「干ばつになるとハンターの仕事が増える」傾向にある、という事である。
喜んでいいものかどうか…。
- アカムトルムの出現が確認された年は異常気象が発生する事が多く、
実際に過去には干ばつが発生した事例もあったらしい。
しかし、干ばつ以外の災害が発生したという事例もあり、
何よりそれらの災害とアカムトルムの間に本当に何らかの関係性があるのかは不明とされている。
余談
- 「干ばつ」は本来、漢字では「旱魃」と書く。
しかし「旱」も「魃」も常用漢字ではないため読みづらく、画数も多いため使いにくい。
そのため「干上がる」の文字を使い、「ばつ」はあえてひらがな表記にして、
「干ばつ」と表記している場合が多い。
「干」は音読みの場合は「旱」と同じ「カン」と読むので、意味合いでも音でもイメージが合致している。
- 古龍の中には落雷、吹雪、陽炎、霞、砂嵐、竜巻等々、
自身の能力や特性を駆使して様々な気象現象を引き起こすモンスターが存在する。
しかし、今のところ「干ばつ」やその原因となり得るような「日照り」を能力として司る古龍は確認されていない。
いずれ現れてもおかしくはなさそうではあるが、果たして……。- 一応、何らかの形で「熱」「風」「水」などを操る古龍は比較的多く確認されており、
彼らが能力を応用する事で疑似的な日照りや干ばつを局地的に発生させるということはできるかもしれない
(実際、テオ・テスカトルは一晩で砂漠のある一帯を焼き払ったとされている)。
しかし、本格的な干ばつを発生させ得るとすれば、
少なくともテスカト種並みの熱エネルギーを長期的且つ断続的に扱える必要があると考えられる。
- 一応、何らかの形で「熱」「風」「水」などを操る古龍は比較的多く確認されており、