目次
概要
- 豪山龍ダレン・モーランの素材を用いて作られたハンマー。
神々が住まうという聖なる山麓に見立てたとされるその鎚は、振るう度に大地が波打つという。
- ジエン武器を基とした外見だが、豪山龍素材によって全体が朱色に染まっている。
名前や説明文の通り、その形状はさながら雪を被った富士山である。
- 生産にあたって使用する豪龍岩はダレン武器中最多の4個。
討伐せずとも手に入る素材とはいえ、4個ともなるとなかなかの労力を要するだろう。
ただし他は豪山龍の甲殻が5個、荒々しい龍角が1本と、割と良心的である。
性能
MH4
- 生産段階でひと際目を引くのは、何かぶっ飛んでいる水属性値350である。
下位武器としては破格。攻撃力も624、会心率10%、おまけに防御力+10と、
この段階で一線級を争う事になるであろう他の下位ハンマーと比較しても何一つ隙がない。
覚醒必須のくせにスロットの有無以外の点で完勝しているガイアスプを鼻で笑える性能である。
- 当然ながら上位武器豪鎚【櫛名田】への強化が控えている。
…のだが、なぜか属性的にもまったく関係なさそうな獄狼竜の昏玉を使用する。
というかダレン素材と言うべき素材は豪山龍の上腕甲2個しか使用しない。
他は古龍の血が3個、ユニオン鉱石10個と、やけに面倒な素材が多数要求される。
- 肝心の性能だが、
- MH4における水属性生産ハンマーは穿鎚オーバークロック、
グレートガイアルク、そして本武器のみとかなり少ない。- 穿鎚オーバークロックは、攻撃力が高くスロット2を有するものの、
属性値は270と低く、さらに白ゲージが出ない。
- 穿鎚オーバークロックは、攻撃力が高くスロット2を有するものの、
- グレートガイアルクは斬れ味レベル+1で及第点の白ゲージが出る上、属性値は450と十二分に高く、
スロット3と拡張性にも優れるが、如何せん攻撃力が低くしかも覚醒が必須。
- そして本武器、豪鎚【櫛名田】はスロットこそないが、属性値においてトップ、
白ゲージも出るには出る、会心率持ちで防御力ボーナスもつくなどオールラウンダー。
今作にはイャンクック一族やティガレックス亜種希少種など、
ハンマーで戦いやすくかつ水属性弱点のモンスターが多く存在する為、活躍の機会は多いと言えるだろう。
MH4G
- MH4GではG級ダレン素材を用いて、富嶽鎚を経て豪破鎚【倭撫子】へと強化できる。
その性能は、- 低めだが相対的には上位時代よりいくらかマシな攻撃力1352
- それを補う会心率20%
- 匠で長めの紫と優秀になった斬れ味
- 水属性660
- 防御+45
- なかなかの強化を受けていると言えるだろう。
攻撃力がやや低めだが、会心を含めれば攻撃力1404の武器に勝てる事を考えると、属性武器としては十二分である。
斬れ味も大幅に改善され、属性値、防御ボーナス共にかなりの磨きがかかっており、
水属性ハンマーとしては一級品である。
- 他の水属性ハンマーとしてはセルタスハンマーのG級強化形、超硬穿鎚ヴォルダミルがあるが、
スロット以外のすべてにおいて完勝しているので、精々本武器が作れるまでの繋ぎにしかならないだろう。
もう一つ、今作では蟹武器のカチワリが復活している。
こちらは素で斬れ味レベルがMAXかつ紫ゲージを持っているが、その紫ゲージは匠を付けた豪破鎚より短く、
その他の性能ではやはり豪破鎚に惨敗しているため、問題にはならないだろう。
- 今作では異常な物理性能を持つミラガルズイーラに多くのハンマーが食われてしまっているが、
この武器は属性偏重であるためにその浸食から逃れている。
物理が重視されるハンマーにおいては微妙かと思うかもしれないが、
高い属性値を持ちながら物理性能の方も決して悪くなく、
相手の肉質次第ではミラガルズイーラを上回る事もあり得る。
ミラガルズイーラよりは相手を選ぶことになるが、高性能なハンマーの一本に数えられるだろう。
- 唯一気になるのはその作成難易度。
まず富嶽槌への強化へ入手の面倒な豪山龍の重腕甲が5つも必要となる。
これだけでもかなり骨が折れるが、【倭撫子】への強化が更に待っており、
重腕甲がさらに2つ要求されて、レア素材の大地の龍神玉も要求されるのみならず、
古龍の大宝玉まで一個要求される。
しかしその対価に合った性能は十分に有しているので、
水属性弱点の相手のために強化しておいて損は無いだろう。
余談
- 山権現および強化形の漢字の読み方が分からない人も多いかもしれないが、
公式ガイドブックによるとそれぞれ- 山権現:やまごんげん
- 豪鎚【櫛名田】:ごうつい【くしなだ】
- 富嶽鎚:ふがくつい
- 豪破鎚【倭撫子】:ごうはつい【やまとなでしこ】
特に山権現は「さんごんげん」と読んでいた人もいるのではないだろうか。
もしくは「さんけんげん」だろうか。
- 「権現」とは、日本式仏教の用語であり、「本地垂迹思想」という考えにおいて、
仏様が日本の神の姿で姿を現したことを意味する。
神道と仏教という二つの宗教が入り混じった日本の特殊な宗教観ならではの思想を現す用語である。
- 「富嶽」とは、富士山の別名の一つである。葛飾北斎の浮世絵の題名『富嶽三十六景』などが代表的か。
- 「櫛名田(櫛名田姫)」とは、日本神話でヤマタノオロチの生贄にされそうになり、
後にオロチを退治したスサノオノミコトの妻となった女性の名前である。
「倭撫子」は、そのまま日本女性の美を表す「大和撫子」からだろう。
「倭」の表記は古語表現である。
巨大でゴツいモンスターであるダレン・モーラン、しかもハンマーという力強さが売りの武器に女性とは意外にも見えるが、
山体信仰において山の神は女性とされることが多い。
ほとんどの伝承で山神は嫉妬深い醜女として言い伝わるが、
富嶽つまり富士山の神格のひとつである浅間大神は
木花之佐久夜毘売という美しい女性であり、
大和撫子というイメージもあながち的外れではないと言えよう。