FF8
(他人に頼ると……いつかつらい思いをするんだ)
(いつまでも一緒にいられるわけじゃないんだ)
(自分を信じてくれる仲間がいて信頼できる仲間がいて……)
(それはとっても居心地のいい世界だけどそれに慣れると大変なんだ)
(ある日、居心地のいい世界から引き離されて誰もいなくなって……)
(知ってるか?それはとってもさびしくて……それはとってもつらくて……)
(いつかそういう時が来ちゃうんだ。立ち直るの、大変なんだぞ。だったら……)
(だったら最初から1人がいい。仲間なんて……いなくていい)
(ちがうか?)
DISC2の学園祭イベントで聞ける、仲間達代表で頼ってくれと言うリノアに対するスコールの心の叫び。
スコールの人格を形成した核心部分に触れる重大な独白である。
この時のスコールは苦悩の真っ只中にいるお陰で、脳内メッセージがDisc1に増して豊富かつ長いが、例に漏れずこれも相当長い。
どこかしら子供っぽい語尾が散見されるのがミソかもしれない。
- 「そんな事でいちいち辛い気になってるのはおめぇだけだ」と言ってやりたい。
トラビアガーデンで分かることだが「つらい思い」というのはエルオーネが突然姿を消したこと。
彼女一人の為に「居心地のいい世界から引き離され」たかのようなショックに襲われてしまったことになる。
母親と相当早く死別し、父親の顔も知らないでは無理もないかもしれないが。
エルオーネとの別れもさることながら、ガーデンに入学して以降も色々あったんじゃないかな。
現実の学校でもあることじゃない、いじめとか孤立とか友達の裏切りとか。
入学した当初のスコールが学校中からの尊敬を集められるわけでもなし。
これ以降、楽器選びの成否によってリノアと会話の内容が変化する。
正しい楽器の組み合わせが選べていれば、「今すぐ答えなくていい。みんなスコールが好きで力になりたい。どうしようもなくなった時に思い出してくれればいい(要約)」とリノアが綺麗にまとめてくれるのだが、違った場合は途中でグダグダになってしまったり曲のムードがアレで話どころじゃなくなったりする。
ストーリーの進行自体に影響はほぼないものの、リノアへの印象にも相当関わると思われる部分なので、どうか成功パターンを見て欲しいところである。
- ちなみに成功パターンでは独白の最後に(ちがうか?)と控えめに同意を求めようとする表現が追加される。
- 逆にハズレの時は(だったら最初から1人がいい。仲間なんて……いなくていい)の後に、リノアが演奏中の曲について一言言い、拗れる展開になる。
- あえてこじらせてみるのも一興。どうせくっつくし。
- 正解の組み合わせについては学園祭イベントのリンク先を参照。
後にスコールは自分を信じてくれて信頼できる仲間と共に最後の戦いに勝利するも、居心地のいい世界から引き離されて誰もいない世界を彷徨う事になり、とってもさびしくてとってもつらい思いをする事になる。
そんな絶望に陥ったスコールを救ってくれたのが…他ならぬ彼女だった。
一連の台詞で気になるのは
(自分を信じてくれる仲間がいて信頼できる仲間がいて……)
(それはとっても居心地のいい世界だけどそれに慣れると大変なんだ)
(ある日、居心地のいい世界から引き離されて誰もいなくなって……)
の部分。
エルオーネやレインを「仲間」と表現するのは違和感がある。
スコールには本編開始前に信頼した仲間がいて、誰もいなくなった経験があるのか。
それともゼルをはじめとする本編中の仲間たちとの冒険を最初から「居心地のいい世界」と感じていて
だから誰もいなくなるのを恐怖していたのか。
どちらと捉えてもスコールらしいので判別がつかないところ。
補足
以下はこのセリフより少し前、白いSeeDの船がバラムガーデンからエルオーネを引き取った後に始まる、他人に頼ることについて思考を巡らせるスコールの独白。
無口な印象が強いスコールだが、これもかなり長い独白になっている。
(前略)
「(エルオーネがささやいた言葉は……)」
「(頼れるのは、あなたたちだけなの、だ)」
「(どうして人は人に頼るんだ?)」
「(自分のことは自分でなんとかすればいい)」
「(俺は今まで誰にも頼らずに生きてきた。辛いことも苦しいことも飲み込んでそうやって生きてきた)」
「(……たしかに、子供のころは自分1人でなんて無理だったさ)」
「(いろんな人に頼ってきたけど……)」
「(それは認めてもいい。いろんな人がいたから、今の俺がいる)」
「(今は1人で大丈夫。生きていく手段も身につけている。もう子供じゃないから、なんでも知っている……)」
「(ウソだ。俺は何も知らなくて混乱してる)」
「(誰にも頼らず生きていきたい。それにはどうしたらいいんだ?)」
「(教えてくれ……誰か教えてくれ)」
「(誰か? 結局……俺も誰かに頼るのか?)」
(後略)