Epic

Last-modified: 2010-10-07 (木) 00:53:20

http://www.epicgames.com/

Unreal_Engine

『Gears of War』開発費は$1,000万ドル(12億円)以下と結構安上がり!?

http://gs.inside-games.jp/news/111/11159.html
http://www.gamespot.com/news/6165464.html?om_act=convert&om_clk=newstop&tag=newstop;title;7
Epic Gamesの副社長Mark Rein氏が、今回Wired.comへのインタビューで語ったところによると、Gears of Warの開発費は"900万ドルから1,000万ドルの間"(10~12億円)だったそうです。(Microsoftによる販売やマーケティングコストは含まれません。先月で300万本を突破したブームの中、一方でその利益は既に1億ドル(約120億円)を超えているそう。

次世代ゲーム開発にかかるコストは大きいもので2,500万ドル(約30億円)クラスとも言われていて、どこまでを1本に含むのかは会社によっても異なるので(あるいはそもそも真実であるかどうかも)、同列に比較するのは困難だと思われますが、先日話題になったカプコンのロストプラネットは開発と宣伝にそれぞれ2,000万ドル(24億円)ずつでした。

また同じくRein氏によると以前、本体のスペックが謎めいていた頃には何度か仄めかされていた任天堂WiiへのUnreal Engine 3対応について、結局のところラインセンシー側で移植しているところもあるので利用可能ではあるけれども、UE3本体はあくまで高解像度の次世代プラットフォーム(PCと360やPS3)向けにフォーカスしているとのこと。

ちなみにPS2世代のゲーム機では、一説によると1本作るのに1億~数億円などと言われていましたが、Dreamcastで発売されたあのシェンムーは、第一章横須賀の発売までに30数億円(一説には50億とか70億とも)もかかったそうで、当時のギネスブックにも掲載されたんだとか。今となってはこれも、驚くほど高いわけでもないのでしょうか……。

いよいよ現行機となった次世代ゲームの世界では、ハード側でここまでなんでもできるようになると後は、そこまで細かい部分をじゃあ誰が作るのか?という話に最後はなってくるようで、今回は触れられていませんが、Epic社の超絶次世代クオリティーの秘密には、彼が喧伝する自社ゲームエンジンの他に実はもう一つ、上海などに設立した専門子会社へのアウトソーシングによる部分も大きいようです。

結局ゲーム製作において一番お金がかかるのはこの人件費になるわけですが、ゲームエンジンとアウトソーシングを活用した結果メインとなるゲーム部分に集中できたスタッフ達は、この規模のゲーム開発としては異例に少ない30人体制だったそう。

こと日本のゲーム開発では、そんなに性能があっても(今までのやり方では)作れるわけないから必要ナシ的な議論になることがままありますが、これだけのものが既に今あるのならば、それを活用するために作る側のシステムをどうやって変えていくか、今後ますます問われることになるのは間違いなさそうです。
(ソース: GameSpot)

ちなみにエンジンのカスタマイズ費も除いての額です

“Unreal Engine 3”ライセンス供与されたメーカーがEpic社訴える2007年7月26日

http://www.gamasutra.com/php-bin/news_index.php?story=14759
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2007072605.php

 カプコンとスクウェア・エニックスがライセンスを取得したことで、日本市場でも一段と知名度が高くなった米Epic Games社の開発専用ミドルウェア“Unreal Engine 3”。しかし、同様にライセンスを取得し、Xbox 360向けのアクションゲーム『Too Human』を開発しているカナダのメーカー、Silicon Knights社が、このEpic社を法的に訴えたことが、複数の欧米ゲームニュースサイトで報じられた。

 当初、2006年ホリデーシーズンにリリースが予定されていた『Too Human』は、開発難航により延期が続いているが、Silicon Knights社は、これはEpic社が自社ゲーム『Gears of War』のリリースを優先し、他社へのサポートをなおざりにしたためであると糾弾している。

 訴状によると、Epic社は2006年3月まで(これは、Xbox 360の開発キット最終版がリリースされてから6カ月以内にあたる)に、動作するエンジンを提供し、引き続きサポートとアップデートも行うことになっていた。ところが、実際にエンジンが提供されたのは2006年11月になってからで、エンジンを組み込む方法の指示さえまともに与えられなかったという。さらに、PS3向けに開発しているゲームについても、2007年2月までに動作するエンジンが提供される約束なのに、いまだに手元に届いていないとのこと。

 また訴状では、「Epic社が2006年5月のE3で披露した『Gears of War』が“Best Game in Show”に認定され、賞賛を集める一方、『Too Human』のデモは技術的問題を抱えており、未完成の印象を与えて批判にさらされた。同じエンジンを用いているソフトと比較されて不当な評価が与えられてしまったのは、Epic社の不義によるものであることは明らか」と断じている。

 現在Silicon Knights社は、“Silicon Knights Engine”と呼ばれるエンジンを構築中だが、これはEpic社のソースコードには依拠せず、自社独自のものであると主張。さらに、Unreal Engine 3の使用を強いるライセンス契約の破棄を求めている。こうした糾弾に対し、Epic社は「事実無根」とし、正面から受けて立つ構えでいる模様だ。

※この報道ののち、PlayStation関連の話題を専門に扱うニュースサイト“PSX Extreme”は、コーエーの談話を掲載。それによれば、同社はレースゲーム『Fatal Inertia』PS3版の開発において、Unreal Engine 3(以下、UE3)が原因となる困難に直面したという。また、同社のセールス・アンド・マーケティング・マネージャーであるJarik R. Sikat氏は、社内の開発チームばかりでなく、他のソフトメーカーでも、PS3版のUE3による問題を抱えているところは多いと述べている。

 さらに、カナダのニュースサイト“canada.com”は、UE3を採用した『Stranglehold』『BioShock』『Lost Odyssey』『Mass Effect』『Rainbow Six: Vegas』『Turok』『Frame City KIller』『Brothers in Arms: Hell's Highway』などは、いずれも発売延期を経験していると指摘している。

 こうした報道に対して、Epic社のMark Rein氏は、「そもそも素晴らしいゲームを開発するのにはハードワークが要求されるのだ」と反論。「複雑なコンピュータシステムでパフォーマンスの高いゲームを開発するときに、その厄介さを覆い隠してくれるような魔法の薬など存在しない。私たちは次世代プラットフォーム向けのエンジン制作で大きな一歩を踏み出しているが、一夜でこの仕事が片付くものではない」「UE3は、ハードの立ち上げと同時に発売するタイトル向けの技術ではない。そういうタイトルを作るときは、旧世代エンジンをアップグレードして使うべきだ。『Gears of War』や『Unreal Tournament 3』のような、本当の意味での次世代ゲームを作るときは、複雑なエンジンの仕組みを学ぶのに時間がかかるもの。このことは受け入れてもらわなければ」と語っている。

(中島理彦)

新世代エンジン騒動続報――争いは泥沼化の様相?2007.08.16

http://biz.gamedaily.com/industry/feature/?id=17095
http://www.gpara.com/kaigainews/eanda/2007081602.php
 脚光を浴びる新世代エンジン“Unreal Engine 3”のライセンスを取得し、Xbox 360向けのアクションゲーム『Too Human』を開発していたカナダのメーカー、Silicon Knights社(以下、SK社)。以前の欧米ゲーム事情で、この会社がエンジンの開発元であるEpic社を法的に訴えたことをお伝えした。
  これに対し、Epic社は先ごろ、SK社の申し立てを退けるよう法廷に求めるとともに、逆提訴を行ったことが、“GameDaily BIZ”など複数のゲームニュースサイトで報じられている。

 今回、Epic社は「SK社の申し立ては根拠がなく、我が社に何ら落ち度はない」と主張。「SK社はライセンス契約を結ぶ時点で、Unreal Engine 3が必要条件を満たさない可能性があると承知していた」という。
  さらに、「SK社は許可を得ずに、Unreal Engine 3をベースに“Silicon Knights Engine”と名乗るエンジンを作った。その技術を、セガからリリースされる新作の開発にも用いようとしている」と指摘。このことから「我が社の技術を、使用料を払わずに好き勝手に使おうとしていることは明白だ」と強く非難している。

 以上から、Epic社は、著作権侵害/契約違反/商業上の秘匿事項の不正流用にあたるとして、65万ドル(US)以上の損害賠償金と、独自エンジンの廃棄(これにより『Too Human』とセガの新作も影響を受ける)を求めている。

 このEpic社の逆提訴について、もとの原告側であるSK社の法定代理人は、「逆提訴には何ら正当性がなく、我が社の主張は変わらない。受けた損害に応じて、Epic社の求める額を大幅に上回る額を請求することになるだろう」とコメント。また、今回の出来事は『Too Human』に影響を与えることはなく、適切な時期を見計らって同タイトルをリリースするという。

 しかし、どうやらこのままでは泥沼化は避けられない様子。両者が早期に和解して、肝心のゲームがリリースされることを祈りたいものだ。

(中島理彦)

ゲームエンジン裁判(1)巨額開発費に苦しむ中堅ソフト会社2007年8月24日

http://it.nikkei.co.jp/digital/column/gamescramble.aspx?n=MMITew000024082007

 最新ゲーム機の「プレイステーション3(PS3)」と「Xbox360」は、ゲームソフト1本の開発費が10億円を超えるほどに高騰化している。その高コスト環境で、苦境に追いつめられる中堅の開発会社が北米で見られるようになった。代表はカナダのSilicon Knights(SK)である。今年、リリース予定だったマイクロソフトが販売権を持つXbox360向けのロールプレイングゲーム(RPG)とアクションの要素を組み合わせた「Too Human」の開発には、すでに800万―1000万ドル(約9億―12億円)の開発費がかかっている。

 そのようなコストと開発期間をかけながらも、Too Humanのリリースは来年に延期された。SKは開発遅れの原因として、使用しているゲームの開発環境(ゲームエンジンという)のミドルウエア「Unreal Engine 3(UE3)」を挙げ、それをライセンス販売している米Epic Gamesを7月に裁判で訴えた。EpicもSKに対して、8月9日に対抗訴訟を行い訴訟合戦の様相を呈している。

 ゲーム産業でミドルウエアの企業が訴えられたケースは北米でも稀である。また中堅開発会社の苦しい実態が露見しつつあることもあり、非常に注目される裁判になっている。今週から3回にわたり、このUE3裁判を中心に北米の開発現場で起きている状況をお伝えする。

■独占ミドルウエア企業のEpic

 プラットフォームが変化するとき、つまりPS3やXbox360への移行の際には、必ずといっていいほどそれまでと大きくルールが変わる。どこでそれが変わるかという潮目の判断を誤れば、厳しいまでの結果を突きつけられることになる。

 Epicは、昨年世界で350万本以上を売り上げたXbox360向けの「Gears of War」と、今年11月リリース予定でPS3、パソコン向けの目玉タイトル「Unreal Tournament 3」の開発会社でもあり、これらのゲームの開発環境であるUE3を各ゲーム会社にライセンス販売している有力ゲーム企業である。

 UE3上で開発を行えばパソコン、Xbox360、PS3の3つのハード上で動く統合的なデータを作成できるということを売りにしている。マルチプラットフォームのミドルウエアとしては独占的な地位を獲得するまでに至っている。

 しかし、SKが2004年にライセンス契約をして実際にUE3を導入してみたところ、期待したほどの性能は出なかった。パフォーマンスは低く、機能も限られており、またEpicが約束していたタイトルの開発に必要な機能やツール類のアップデートのスケジュールも守られることはなかった。ただ待つだけの無為な日々が続いたという。

 140人もの開発チームを抱えながら、Too Humanやセガと契約している未発表のタイトルの開発がいつまでたっても進まない。そのために、結局は自社の独自エンジンを開発せざるを得ない状況になってしまった。

 SKが公開している54ページの裁判の訴状は、現在の北米の中堅のゲーム会社が置かれている窮状を吐露する生々しい内容になっている。SKにとっては、今回の潮目の変化は裏目に出ている。

■SKが任天堂のセカンドパーティーから離脱した理由

 SKは元々、任天堂のセカンドパーティーとして知られていた会社だ。セカンドパーティーとは、特定のゲーム機に独占的にタイトルを供給する、プラットフォームフォルダーと極めて近い関係の開発会社のことをいう。現在の任天堂の日本でのセカンドパーティーには「スマッシュブラザーズ」シリーズのハル研究所や、RPGの「ファイアーエンブレム」を開発するインテリジェントシステムなどがある。

 SKは、98年に任天堂と契約を結び、一部出資も受けた。02年には「ゲームキューブ」向けのサイコアドベンチャー「エターナルダークネス~招かれた13人」で日本でも高い評価を獲得し、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品に選ばれている。その技術力を任天堂に買われて、コナミのPS2向け「メタルギアソリッド2」の移植版である「メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス」(04年)の開発も担当している。

 しかし、04年に任天堂とのセカンドパーティー契約を終了し、独自の路線を進むことを選んだ。05年にはマイクロソフトとXbox360向け独占タイトルのToo Humanの開発契約を結んでいる。

 SKが任天堂陣営から離脱した背景には、当時のゲーム産業全体の情勢が要因としてあった。任天堂のゲームキューブは北米でPS2のみならず、Xboxにも完敗し、世界的に第3位のハードとなることが確定的だった。しかし、任天堂自身は、低予算でアイデアを重視するタイトルの開発に力を入れようという動きを強めてセカンドパーティーにもその路線を求めていた。また、「Wii」についても、ゲームキューブの拡張版にとどまるスペックであることが少しずつ情報として出始めていた時期である。SKはこれに危機感を感じたのである。

 PS3、Xbox360という高性能ハードが登場するという未来が見えており、またゲームキューブ向けタイトルの売り上げでは企業を維持できない。大型化し複雑化していくゲームの開発技術を企業として戦略的に習得しておかなければ、将来的な競争力で追いつけなくなってしまう。そういう気持ちに、陥っていたのは確かである。「ニンテンドーDS」も「Wii」も、現在のように大成功するとは、当時は誰も考えていなかった。

 そのためこの時期は、任天堂の海外セカンドパーティーが次々に陣営を離れていった。スーパーファミコン用の「スーパードンキーコング」シリーズなどを開発して高い技術力のあった英Rareはマイクロソフトに巨額買収されている。Xbox360のローンチタイトルとして「カメオ」、また昨年末には「あつまれ!ピニャータ」をリリースしている。

 ゲームキューブ用の「スター・ウォーズ ローグ スコードロン」シリーズなどで知られる米Factor5も、やはり05年にPS3向けの独占タイトルに力を入れることを発表した。この秋発売のドラゴンを操って戦うアクションゲーム「ライズ フロム レア」の開発に入り、任天堂との独占的なパートナーシップを解消している。

 SKの離脱もこの流れの一環で、海外の有力セカンドパーティーを次々に失った任天堂は、さらに厳しい状況になると見られていた。

■UE3の採用が裏目に
ただ、SKはRareやFactor5に比べて、開発手法のうえで大きな違いがあった。開発に自社製のゲームエンジンを使うのではなく、UE3を採用したことだ。他の2社は、マルチプラットフォームではなくXbox360かPS3のどちらかのハードに絞ったためにUE3を採用する必要はなく、今年中のタイトルのリリースにこぎ着けている。

 SKがUE3を採用する契約をした04年夏の当時は、リスクがあったとはいえ妥当な判断だったといえる部分は確かにあった。Epicは、UE3の前のエンジンであるUE2が数多くの企業に採用され、大ヒットタイトルを生みだした実績も持っていた。

 韓国NCソフトは大規模オンラインRPGの「リネージュ2」で採用し、2次元のグラフィックス技術しか持っていなかった韓国企業が日本企業並みの表現力を獲得する原動力となった。また、現在でも問題を抱えているPS3の複雑な開発環境と、Xbox360の両方でタイトルが動くというのは魅力的な点だった。

 しかし、SKのこの選択は結果的に裏目に出る。訴状によれば、UE3はさまざまな問題を抱えており、06年5月の米ゲーム展示会「E3」で発表した開発途中のToo Humanは、そのできの悪さに非難が集中した。最悪のお披露目となったうえに、今年のリリースにこぎ着けられなかった。

 タイトル開発会社にとっての最大の経営問題は、発売するまでは実質的な収入を得られないということにある。販売契約を結んでいるパブリッシャーからの投資資金をひたすら消費していくだけになる。SKは上場していないため本当の財務状態はわからないものの、04年を最後にタイトルをリリースしていないため、キャッシュフローは確実に悪化しているはずである。

 10億円の開発費をかけたタイトルの1年の延期は、コスト負担をさらに押し上げる。その追加資金を通常、パブリッシャーは負担しない。またマイクロソフトは今年7月のE3で明らかにしたように多数の有力タイトルを抱えるため、Too Humanのリリース延期を気にしていないようなスタンスも見せている。裁判を起こしたことによってブランドは傷つき、Epicとの関係も悪化するため、さらに厳しい状況に追い込まれたはずである。

■裁判に訴えてまで獲得したいもの

 しかし、そうしたリスクを負ってまで、SKはなぜ裁判に打って出たのであろうか。この点についてSKは口を閉ざしている。損害賠償の請求額は75万ドル(約8600万円)と小さくはないが、全体の開発費から考えると決して大きな額ではない。

 訴状を読んで伝わってくるのは、まずは自分たちのタイトル自体のブランド価値や信用が悪化しており、その原因がEpicのUE3にあることを明確化したいということだ。もう一つは、UE3から独自に改造を施した自社製のゲームエンジンの知的所有権をEpicの影響力の及ばないものにしたいというものだ。

 SKが提供を受けたミドルウエアのプログラムに独自に改造を行った場合、あとでEpicがUE3のアップデートを行って互換性が消滅しても、それは補償の対象とならない。一方で、独自のカスタム化が施されたエンジンであっても、Epicのライセンスの範囲内と判断され、ライセンス料は引き続きタイトルごとにかかる。

 Epicの対抗訴訟は後者に力点が置かれており、SKが完全に独自プログラムのエンジンに切り替えたとしても、UE3から技術情報を盗んでいるため知的財産権の保護の範囲に当たり、ライセンス料は発生するということを争っている。

 SKにとってみれば、今後の生き残りのためにEpicの知的財産権のくびきから解放されたい。Epicにしてみれば、SKのケースを認めてしまうと他のライセンス企業も同じ論法で別の独自のゲームエンジンを開発できることになってしまう。

 そのため、どちらも一歩も引けない裁判になりそうだ。しかし、両者の訴状を見ると、SKの方が不利に見える。そのため、UE3のブランドを傷つけることによって、和解を狙ってくるといったところが本当の意図ではないだろうかという印象もする。しかし、そこまでしなければならないほど、一度は名を成した中堅企業が追いつめられているのだろうかという驚きもある。

UE3は、日本ではスクウェア・エニックスが採用している。日米同時発売予定でPS3、Xbox360のマルチプラットフォームで開発する「ラスト レムナント」や、マイクロソフト傘下の日本の開発スタジオ、ミストウォーカーも年内発売予定のRPG「ロストオデッセイ」に使用しており、決して対岸の火事ではない。

ゲームエンジン裁判(2)EAも苦しんだ統合型環境の夢と現実2007年8月31日

http://it.nikkei.co.jp/digital/column/gamescramble.aspx?n=MMITew000031082007
 今年3月に米で開かれた「ゲーム開発者会議(GDC)」で、2006年の「ベストゲーム」に選ばれたのは、商業的にも大成功を収めた米Epic Gamesの「Gears of War(GOW)」だった。このゲームは同社製のゲームエンジン「Unreal Engine 3(UE3)」を採用しており、下馬評通りの高い評価を獲得した。

 先週の「巨額開発費に苦しむ中堅ソフト会社」に続く、ゲームエンジン裁判シリーズの第2回目。カナダの中堅ゲーム会社Silicon Knights(SK)がゲーム開発用のミドルウエアであるゲームエンジンUE3を提供するEpic Gamesを訴えた裁判の訴状から、ゲーム開発の現場でいま何が起きているのかを解説していく。

■UE3をカスタマイズしていたEpic製タイトル

 Epicは、これまで他のゲーム開発会社に提供するゲームエンジンでは定評があったものの、そのゲームエンジンを使った自社製タイトルで他を圧倒するような大ヒットを出した経験がなかった。今回のGOWの成功は、新しいゲームエンジンUE3で高いクオリティーのゲームタイトルを開発できることを証明し、また、続編ものでない完全に新タイトルのブランドを確立したという大きな意味があった。

 ところが、GDCの期間中にある開発者から奇妙な話を聞いた。GOWは、他社に提供している汎用のUE3ではなく、Epic社内で相当の開発コストをかけてカスタマイズしたバージョンではないかという。GOWの成功の理由はそこにあり、一方で汎用のUE3を使ってゲームを開発している企業は、そのしわ寄せで多大なロスを被っていると。

 少なくとも、Epicが発表している資料には、そのカスタマイズ化のためにEpic社内で専用の開発者を割り当てたということは述べられていない。私自身、心の中に引っかかりを感じたが、こういう話は本当の話がなかなか表に出てくることは稀である。

 ところが、今回のゲームエンジン裁判のSKの訴状は、まさにその点を突いている。EpicはGOWのために相当にカスタマイズしたプログラムを作っていたと、訴状には書かれている。カスタマイズに携わった人数までは具体的に記されていないが、Epicは外部の企業に対してそのような説明を行っていたのであろう。UE3は汎用的に使えるように設計したゲームエンジンで、さまざまなタイトルを柔軟に開発できる環境を維持しているといううたい文句は守られていなかったことになる。

■利用価値のないGOWのプログラム

さらに訴状を見ていくと、EpicがGOW用にカスタマイズ化したプログラムは「ゲーム向けに特殊に」最適化されているため、他の開発チームに提供することは難しいと告知されたという。高度なグラフィックスを表現するためのプログラム「レンダラー」は、06年の夏の段階でGOWに実装されていたにもかかわらず、UE3をライセンス利用するサードパーティー企業には提供されておらず、性能の出ない古いバージョンを使って開発を行うしかなかった。

 レンダラーが確定しなければ、ゲーム会社は3D空間のライト表現などにどの程度の演出を盛り込んでいくのかといったグラフィックス表現の仕様を最終的に決めることができない。つまり、開発が進まないということだ。

 GOWが北米でリリースされる直前の06年11月に、「Xbox360」向けのGOWのソースコードがUE3をライセンス利用する他の企業に提供されている。ただし、GOWにあまりにも特化したプログラムであり、「このコードへのサポートは深いレベルでは行わないだろう」ということが明確であった。事実上このプログラムは使い物にならないということだ。

■自社タイトル開発に邁進、サポートは遅れがち

 Epicのマーク・レイン副社長が04年11月に行った説明によれば、UE3は「(北米製のゲームに多い)一人称シューティングに限ったエンジンではなく、三人称視点のアクションアドベンチャーからレーシングゲームまでどんなスタイルのゲームにも適用できる汎用性の高いエンジン」であり、そのように売り込まれていった。

 しかしSKの主張によれば、EpicはGOW向けのカスタマイズエンジンを開発している間、ライセンス企業に対してそれまでの説明とは完全に反対のことをしていたという。そして、GOWを開発する期間中のプログラム作業やXbox360向けのソリューションはまるで共有されることがなかったと、強く非難している。

 SKは、Epicが従来開発してきた一人称シューティング向けとはまったく違ったゲームエンジンにしたUE3を作ることのリスクを理解していた。そのためUE3の採用を決定する前にはEpicとは十分に議論を重ねて、納得したようだった。

 しかしUE3を使った新作ゲームの開発に2年あまりをかけた末に、UE3が自分たちのゲームには合わないという結論にいたり、06年5月に断念する。そしてEpicはその間に様々な企業から数百万ドルものライセンス収入を得ていただろうとしている。

 つまり、EpicはUE3を利用する企業からライセンス収入を得る一方で、実際にはその資金で自社タイトルの開発に力を注ぐという不当行為を行っていたと、SKは主張している。EpicがGOWの成功に邁進する裏側で、開発に苦しむライセンス企業向けのサポートは遅れていた。Epicのレイン副社長は、外部のインタビューやカンファレンスなどで、現実と乖離した導入の効果と効率性を説き続けたというのだ。

 訴状には、Epicがゲームエンジンに実装すると約束しながら達成されていない機能の項目もリスト化されている。複数のCPUを並列に効率よく使用する方法、野外の地形の表現の拡張機能、XboxLive上での4人までの共同プレイ(GOWでも2人までしか対応できていない)、30のキャラクターを秒間30フレーム以上の速度で描写すること、ライティング機能などだ。これらは結局、SKがUE3使用を断念する最後までサポートされなかった。

■SKの主張に同調する企業も

 今回のSKの訴状には「SKと他のライセンシー」という言い回しが何度となく登場する。SKは、自らが置かれていた窮状に他のライセンス企業も同じように直面していたのだということを匂わせている。

 この裁判が開始された後、SKと同じような指摘をした企業もある。「プレイステーション3(PS3)」とXbox360向けに未来風レースゲーム「Fatal Interia」をマルチプラットフォームで開発し、同時発売したコーエーカナダの開発チームである。

 ニュースサイトの米PSX Extremeが報じたところによると、コーエーカナダのジャリク・R・シカット氏(セールスアンドマーケティングマネージャー)は、「(SKの主張は)UE3エンジンをPS3向けに使ううえで問題を抱えていた他の多くのパブリッシャーにとって、価値のあるものかもしれない」と述べている。「UE3を使っている、多くの他のゲームも遅れている」とも。

 ただ、この裁判はSKにとって決して有利ではない。Epicは機能追加の部分については確約したことではないと対抗裁判で主張しており、契約違反でないことを立証すれば勝てる公算が大きいためだ。EpicはSKがリスト化した実装されていない機能について、いずれも時期を明確に約束していないとして証拠となるメールのやり取りの記録を、EpicとSKの間で取り交わされた契約書とともに提出している。

 SKは他の企業も同様に被害を受けていたとビジネス上の道義的責任を追及しているが、確かに契約上の違反があったとまで考えるのはSK側に少し論理的な飛躍があるように思われる。

■EAさえも断念した統合型ゲームエンジン

 中堅以下のゲーム会社にとって、汎用ゲームエンジンというのは確かに魅力な環境であることは間違いない。新型ハードの一つの特徴とも言える、グラフィックスを高度に表現するレンダラーや物理表現計算の専門プログラム、ネットワークに対応する機能などは、それぞれ専門的な知識を持ったプログラマーでないと対応できない部分がある。北米といえど、特定の分野に特化した人材がどこの中小企業にもいるほど豊富なわけではない。

 それらの機能を統合的に管理するゲームエンジンが本当に使えるものであれば、確かにコスト削減や開発効率化を実現してくれる可能性を期待できた。

 04年頃のゲーム業界の世界的なトレンドが、別の面から将来予想を見誤らせた部分がある。そのころは、ゲームエンジンはやがてある程度統合化されていくだろうという予想が強かった。それを強めたのが、04年7月のエレクトロニックアーツ(EA)による英クライテリオンソフトウェアの買収である。

 英クライテリオンの「レンダーウェア」というソフトウエアは、「プレイステーション2」や「ゲームキューブ」「Xbox」向けのグラフィックス用レンダラーなどのエンジンとして大きなシェアを獲得していた。日本企業でも採用例は多く、世界的に見ても最も成功したゲームエンジンだった。

 EAは当時、PS2、Xbox、ゲームキューブの3ハードで同じタイトルをリリースできる開発体制を整えたことで、ハードメーカーに依存しない存在となった。それをさらに一歩進めて、PS3やXbox360の世代では社内全体のエンジンを統合化するという戦略を描き、買収に踏み切ったのだ。

 EAの全チームに、レンダーウェアと同社のゲームエンジンである「レンダースタジオ」が使える環境が提供され、プロトタイプの開発に利用できるようにした。このエンジンを拡張することで社内全体の開発環境の統一を狙い、当然、他社へのライセンス提供はストップされた。

 振り返ってみると、業界トップともいえたレンダーウェアがなくなり、困っていた企業向けのソリューションとしてUE3がタイミングよく登場したともいえるだろう。

 ただ、それから2年半が経ち、EAのこの計画は頓挫している。EAは今年のGDCで、ゲームエンジンが7種類以上存在していることを認めている。結局、1つのエンジンですべてのゲームを作るのではなく、類似のゲームの場合は共有するが、ゲームに合わせて個別にエンジンを開発した方が効率がよいという結論にたどり着いたようである。

 SKのデニス・ダイアック社長は任天堂陣営を離れてマルチプラットフォーム戦略に転じた当時、これからはハードの差はなくなっていき、鍵はコンテンツになると予想していたと述べている。EAのようにハードの差違に左右されない戦略が成功をみせるなか、リスクはあってもハードメーカーに依存せずオリジナルのコンテンツを持たなければ、新型ハードの時代を乗り切れないと判断していたことがわかる。ダイアック社長の将来予想は外れたのである。

■批判のUE3を使い成功したタイトルが出現

 そして、批判が集中しているUE3だが、このゲームエンジンをライセンス利用している企業が成功できていないかというと、そうとも言えなくなってきた。2KGamesがXbox360とパソコン向けに北米で8月に発売した一人称シューティング形式のアドベンチャー「BioShock」が今、空前の成功を収めようとしている(日本発売予定は未定)。「bioshocked(バイオショックされた)」という造語まで飛び出すほど人気のこのタイトルは、8月初めにデモ版がリリースされてから高い評価を獲得し、欧米両方のヒットチャートに食い込んでいる。

 UE3を同じく使ってSKが開発を進めた「TooHuman」と明暗が分かれているが、次回はその差がどこで生まれたのかを考える。

新 清士(しん きよし)

株式会社カプコン、UNREAL ENGINE 3のライセンス契約を締結2008/06/25

株式会社カプコン、UNREAL ENGINE 3のライセンス契約を締結
~業界でも最先端のゲームエンジン、Unreal Engine 3が
  カプコンが欧州で開発中のタイトル(未発表)開発を支援~

2008年6月25日、ビデオゲーム業界をリードするディベロッパー・パブリッシャーである株式会社カプコン(大阪
本社)は、Epic Games, Inc.のUnreal Engine 3 (UE3)のライセンス契約について合意した事を発表しました。カプコ
ンとEpic Gamesの間でUnreal Engine 3の契約が締結されるのはこれが2回目です。

(中略)

 「カプコンが、開発中のゲームのために再びUnreal Engine 3を選択した事にとても興奮しています。」と語るの
は、Epic Gamesのバイス・プレジデント、マーク・レイン氏です。「カプコンは我々の業界では伝説的な会社で、彼
らと一緒に仕事が出来て光栄です。」

ソース
http://ir.capcom.co.jp/news/html/080625.html

Xbox 360用ソフト『ロストオデッセイ』の開発で失敗したこと全部お教えしますGDC 2008 2008/2/22

テクノロジー
Goodアンリアルエンジンを使ったこと:ツールが使いやすく、レンダリング技術ではアンリアルエンジンがいちばん先を行っていた。PCバージョンをベースにしてXbox 360に移行するのが容易だった。
Badアンリアルエンジンを使ったこと:ベテランの作り手が古くからの作りかたをアンリアルエンジンに当てはめようとして失敗した。あとは、Xbox 360、『ロストオデッセイ』、アンリアルエンジンと3つの開発途上のものが結びついてしまってたいへんだった。『ロストオデッセイ』の開発中には、大規模なアップデートが3回あったのですが、これがたいへん。まるで別のプラットフォームに移行するような感覚で、すべてのプログラマーの仕事をとめて、4~6週間かかった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Unreal_Engine
このUE3も複数のソフトハウスへライセンス供与されているが、テクスチャの張り遅れが目立ったりソフト開発の難しさが指摘されている。PS3版UE3の開発が遅れたことにより、『レインボーシックス ベガス』(ユービーアイソフト)のPS3版はUE3の暫定版にあたるUnreal Engine 2.5を採用しており、『CODED ARMS ASSAULT』(コナミデジタルエンタテインメント)は事実上の開発中止状態へ陥った。またXbox 360用の『フレームシティ』(バンダイナムコゲームス)も開発中止されている。『Too Human』(シリコンナイツ)はゲームエンジンの変更を余儀なくされており、こちらは訴訟問題にまで発展した。

Unreal Engine開発者「C++によるプログラム開発コストは、マルチスレッド版で2倍、PS3版において5倍」2008/09/13

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080911/epic.htm

 それにプラスして、Sweeney氏は現在のゲームプラットフォームハードウェアが複雑すぎることも指摘した。もし、Sweeney氏のいう純粋関数型言語によるゲーム開発が実現したとして、それを基準とするならば、C++によるプログラム開発コストは、マルチスレッド版で2倍、プレイステーション 3版において5倍、シェーダー言語で記述するGPGPU版において10倍かそれ以上にもなるという。2倍以上のコストはゲーム会社のビジネスにとって合理的とは言えない。

この人こういうこといってますが、この会社の評判は⇒PCアクション板住人のEpic評

ラストレムナントはこうして作られた、アメリカ製エンジンに挑んだスクウェア・エニックス2009年3月27日

http://www.xbox-news.com/e6507.html
 『ラストレムナント』のプロデューサー高井浩氏やEpic GamesのMichael Capps社長らが、GDC2009で『ラストレムナント』に関する講演を行っています。
 高井氏はまず『ラストレムナント』の日米の評価について、日本でレビュースコアが高いのはファミ通の評価のせいだとしつつ、「日本のレビュアーは、こういうゲームはこういうプレイヤーに向いているだろうといった客観的な評価をするが、海外のレビュアーの多くは主観的であると思う」としています。

 Unreal Engine 3の採用に関しては「次世代機が登場するに至って従来の開発手法ではコストと人員の面で立ちゆかなくなることが社内で懸念されており、そのため海外に倣ってサードパーティのエンジン導入を決めた」と発言しています。

 ただ海外製ゲームエンジンということもあって、言葉の壁やサポート時の時差、メモリの管理方法などが大きな問題になったています。
 特にメモリ管理はデザイナーがグラフィックスやオブジェクトを次々に作り出し、そのグラフィックスがメモリを占有してしまったことから、群集シーンのキャラクター数を泣く泣く減らすなどゲームシステムの変更が迫られたそうです。
 情報元:4Gamer.net

 『ラストレムナント』ではフレームレートの低下が指摘されていますが、開発思想が異なり、日本語ドキュメントが揃っていない不慣れなゲームエンジンを採用したことに原因がありそうです。
 Unreal Engine 3を採用したタイトルではバンダイナムコゲームスの『フレームシティ』が発売中止になっていますし、『Too Human』が自社製エンジンへ変更しています。また『ロストオデッセイ』でもフレームレートの低下が発生していました。

 既存エンジンを使うことで開発コストは軽減されるのでしょうが、クオリティ面とトレードオフなのかもしれません。実際、Xbox 360のヒットタイトルはほとんどが自社エンジンを採用しています。

【E3 2009】Epic、Unreal Engine 3の最新機能をE3で公開

http://www.inside-games.jp/article/2009/05/19/35293.html
Epic Gamesは、同社が開発するゲームエンジン「Unreal Engine 3」について、E3で最新機能のアップデートを公開すると発表しました。これは同社の顧客やライセンシーやパートナーなどに限定で公開されるものです。

「Unreal Lightmass」はUnreal Swarmを拡張するもので、次世代機のライティングとも言われるグローバルイルミネーション(キャラクターへの環境の映り込み)を容易に実現するためのものです。これまでよりも10倍の処理速度が実現できるとのこと。

「Unreal Content Browser」はデザイナーがゲームに使用するアセットを、サムネイルのプレビューやタグなどのメタデータなどで簡単に管理するためのツール。加えて「Unreal Master Control Program」(MCP)ではオンラインゲームにおけるユーザー統計やゲームのステータスを管理に加えて、ゲームプレイをビジュアルで解析することができます。

これら全ての追加機能は追加費用なしで利用できるとのこと。

「Unreal Engine 3」はPC、Xbox 360、PLAYSTATION3などに対応した3Dゲームエンジンの最新版。Epic Gamesがゲーム開発で培った技術の粋が集められ、多くのゲーム開発で活用されています。

Epic Games、韓国に新スタジオを設立。Unreal Engine 3のさらなる普及へ2009年6月30日

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=58
Gears of WarやUnrealシリーズで知られるEpic Gamesは、新しい子会社となるEpic Games Koreaを韓国のソウルに設立しました。

マイクロソフトのインゲーム広告会社Massiveの元幹部であるRay Park氏をリーダーとする新スタジオは、主に韓国におけるUnreal Engine 3のライセンス普及を目的としたもの。WebzenやNCsoftといった一流メーカーへ既に技術を提供している同社ですが、ローカルスタジオをオープンすることで、地元の開発者達と密接なつながりを持つことを目指しているそうです。

ここ数年で複数の開発スタジオを買収し、中国へのビジネス展開も見せているEpic Games。今回の韓国進出で、さらにその勢力を広げることになりそうです。

[TGS 2009]Epic Gamesが語る「ゲーム開発,四つの秘訣」。2009年9月27日

http://www.4gamer.net/games/050/G005073/20090927008/

今日からあなたもゲーム開発者! Epic Games,Unreal Engine 3用のゲーム開発キット「Unreal Development Kit」の無償配布を開始(ミドルウェア/開発ツール) ■2009年11月6日

http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20091106014/

 このキットは学生や社会人を含め,ゲーム開発に興味のあるすべての人を対象としたもので,非営利目的や教育目的で使用するぶんには,利用料金などは一切かからない。したがって,これからこのキットで制作された無料ゲームが続々と登場してくることになるかもしれない。またUnreal Tournamentさながらの専用FPSが付属しており,BOT相手のシングルプレイやLANによるマルチプレイなどが楽しめるのも嬉しいポイントだ。

 今回,Epicがこのようなものを配布した理由は、少なくともリリースからはよく分からない。とはいえ,ValveのSourceエンジンが広範なMOD制作者を集め,その中から次世代のクリエイターやタイトルが次々に生まれている現状にならった可能性がある。その場合,さらなる情報公開とコミュニティの育成が求めらることになり,Epicがそのあたりにどう働きかけてくるかが,今後の盛り上がりを左右するものになるだろう。
 あるいは,次世代のUnreal Engineがすでに完成しており,この際,古いバージョンはオープンにして喜んでもらおうということなのかもしれない。

Epic Gamesが日本進出、Unreal Engineの本格的な普及に向けて2010年3月23日

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=1356

Unreal Engineは世界的に著名なゲームエンジンで、これまでに『Gears of War』『Mass Effect』『Tom Clancy's EndWar』『Unreal Tournament』など数多くの作品で採用されてきました。

しかしながら日本国内での採用実績は『ラスト レムナント』や『ロストオデッセイ』など極一部に限られています。新しく設立された日本法人はこの日本市場にテコ入れを図り、新しく発表されたiPhoneなどスマートフォン向けラインナップも含めたUnreal Engineの普及を目的としたものです。

昨年末にエピック・ゲームズ・ジャパン合同会社が設立され、代表にはマイクロソフトでXbox事業に携わった河崎高之氏が就任。年明けには実際にUnreal Engineでのゲーム開発に深く関わった経験もある下田純也氏も加わりました。既に主要なパブリッシャーやデベロッパーとの話し合いを初めているそうです。

大型ゲームエンジンという印象も強く、"バジェットの大きな大作ゲームでしか採用できないのでは?"というイメージもありますが、河崎氏によれば「ライセンス形態は柔軟で初期費用を厚めにするか、ロイヤリティを厚めにするかタイトルによってご相談させていただいている」とのこと。"高い"というイメージは、本数が見込める大作ソフトが前払いの初期費用を厚くしている事から来ているのではないかということです。

実際には予算規模の小さなXbox Live ArcadeのようなゲームでもUnreal Engineの採用実績はありますし、十分に採算の取れるレベルから利用可能だということです。1つのゲームエンジンを自社で構築する手間とコストを考えると日本でもこうしたゲームエンジンの普及は進んでいきそうです。ちなみに現状、国内ではカプコンとグラスホッパー・マニファクチュアでUnreal Engineを用いたプロジェクトが進行中とのこと。

エピック・ゲームズ・ジャパンでは4月にお披露目となる発表会を開催予定で、更に今後の展開などが明らかにされるものと思われます。

エピック・ゲーム・ジャパンの設立発表会が開催~Unreal Engineで日本市場に本格進出

http://www.inside-games.jp/article/2010/04/15/41611.html
Epic Gamesは『Unreal Tournament』や『Gears of War』シリーズで知られるゲーム開発会社である一方、世界で最も著名なゲームエンジン「Unreal Engine」を数多くのゲームメーカーにライセンスするベンダーでもあります。「Unreal Engine」は国内では『ロストオデッセイ』(マイクロソフト/Xbox360)や『ラストレムナント』(スクウェア・エニックス/Xbox360)などの採用事例があります。

同社ではより日本市場でのプレゼンスを高めるために、昨年末から日本法人の立ち上げ準備を進めてきました。この度、陣容が整ったのに合わせて、エピック・ゲームズ・ジャパン合同会社の設立発表会を秋葉原の富士ソフト アキバプラザにて開催しました。多数の来賓が出席し、本気ぶりを伺わせる内容でした。

■グラスホッパー須田氏も来賓として登壇

最初に登壇したのはEpic GamesのCEOで、Unreal Engineの開発も指揮するティム・スウィーニィ氏。何度も来日しているティム氏は「今ではゲーム開発者ですが、私も子供の頃は日本の任天堂やセガのゲームを遊んで成長しました。そのような思い入れのある国に恩返し出来る事をとても嬉しく思っています。既に多くのパートナー企業があり、利用を頂いていますが、これまで以上に地域に根差したサポートを日本法人を通じて提供していくつもりです」と話しました。

また、日本法人設立のために昨年来、何度も来日してマイレージが沢山溜まって嬉しいと笑いを誘った、副社長のジェイ・ウィルバー氏は「日本のパートナーと話していくうちに、より大きな展開には現地法人が必要だと痛感しました。そして今日ここに立つことが出来ました。パートナーの皆さんと共に手を取り合って成功していきたいと思います」とコメントしました。

来賓として登壇したのはグラスホッパー・マニファクチュア代表の須田剛一氏です。グラスホッパーではエレクトロニック・アーツとの共同開発のホラーアクションゲームでUnreal Engine 3を利用しています。

「3年前の東京ゲームショウでしょうか。三上(真司)さんと一緒にジェイに直接プレゼンしてもらいました。日本のスタジオにとってミドルウェアは慣れないもので、特に何かに使う前提ではなかったのですが、Unreal Engine 3を見たとき、"これは夢のエンジンだな"と思いました。それでEAとのタイトルで使う決断をしたんです。グラスホッパーでは約70%のスタッフがUE3を触りましたが、開発のスタートダッシュに物凄く威力を発揮しますし、我々の開発手法であるクラッシュ&ビルドにも上手く適合してくれるものです。今後も新しいプロジェクトには使いたいと思ってますし、エピックさんとは末長くお付き合いしたいと思っています」

「僕はゲームデザインもシナリオも書くのですが、Unreal Engine 7か8になる頃には、僕の書いたシナリオが自動生成でゲームになる、そんなエンジンをお願いします(笑)。それから、先ほど、ティムさんのフェラーリ、クリフさんのランボルギーニに乗せてもらう約束をしましたので(笑)、今やってるゲームの開発終盤の調整にはエピック本社のあるノースカロライナに行って一緒にゲームを仕上げたいと思っています。日本での成功をお祈りします!」

壇上から「来賓なう」 須田剛一氏
と須田氏は冗談を交えながらも、祝いの席とはいえ、大絶賛の様子でした。

続いて同じく来賓として登壇したJ-Spec PicturesのJoseph Chou社長は「Unreal EngineはゲームだけでなくCGアニメーションにも利用できるということで衝撃を受けました。CGアニメは通常のアニメと比較してコストや時間がかかるのがネックですが、UEを利用すれば制作工程を改善できるだけでなく表現力も向上させることができます。この分野での応用を積極的に支援していきたいと思っています」と話していました。

■日本でのサポート体制は?

最後にエピック・ゲーム・ジャパンの河崎高之代表と下田純也サポートマネージャーから、日本での展開について詳しく述べられました。

最も大きいのは契約から開発サポートまで窓口が一本化され、日本語でのサポートが提供されるということです。これまでは本国に直接問い合わせる必要がありましたが、今後は日本の開発文化を熟知したスタッフによるサポートが期待できます。ライセンシーで共有するメーリングリストや緊急時のインスタントメッセンジャーでの連絡も用意されるそうです。

また、チュートリアルやドキュメントの日本語化も加速されるとのこと。現在のところ、ウェブ上にある800ページ以上(全体の約90%)が日本語に翻訳されていますが、今後も追加で翻訳がなされ、新しいドキュメントが追加された際も随時対応がされるとのこと。

加えて、既に支社がある韓国や中国とも連携し、これらの国に外注しそれにUnreal Engineを利用する場合などのサポートが向上しそうです。

■Scaleformとのパートナーシップが明らかに

ここで「one more thing」的にジェイ・ウィルバー氏が再度登壇。会場のスクリーンには「特報」という文字が映し出され、Scaleform Corporationが提供する「Scaleform GFx」がUnreal Engine 3に搭載され、UEのライセンシーが無償で利用できるようになることが発表されました。無償提供されているUDXでも年内に搭載されます。また、Epic自身も『Gears of War 3』に「Scaleform GFx」を採用するとのことです。

会場ではScaleform Corporationのプレンダン イリブ CEOと、日本のカントリーマネージャーを務める永山雄朗氏が登壇し、「Scaleform GFx」の概要を説明しました。

「Scaleform GFx」はFlashでオーサリングしたファイルをゲーム機で利用するためのソリューションで、特にメニュー画面やHUDなどのUI用途で広く利用されています。最新バージョンでは、3DメニューやAMPと呼ばれるパフォーマンスのアナライズツールが提供されています。年内にはメジャーバージョンアップの4.0がリリース予定で、Flash10やAS3のサポート、レンダリング速度の向上、モバイル機器への対応強化が図られる予定です。

発表会の最後に日本法人代表の河崎氏は「これまで日本法人が存在しないことでライセンシーの皆さんには大変ご不便をかけてきたことを重々承知しております。今後は地域密着型のサポートで皆さんのゲーム開発を支援していきたいと思います」とコメント。Unreal Engineの日本での更なる普及を誓っていました。

「Unreal Development Kit」の料金体系発表、Epicへ支払うロイヤリティーは25% 2010年4月23日(金) 10:29

http://www.gamebusiness.jp/article.php?id=1509

Epic Gamesは、昨年末にリリースされたUnreal Engine 3の無料版となる「Unreal Development Kit(UDK)」のライセンスに関する料金体系を明らかにしています。使用法にあわせて様々なライセンス料が発生するのに加え、商業目的での使用においてはロイヤリティーも必要となります。

UDKを内部での使用に限定し、UDKを使用してつくられたアプリケーションを第三者に配布しない場合
→ UDKをインストールした開発席ひとつにつき、年間2.500ドルのライセンス料

UDKを使ってつくったゲームやアプリケーションをエンドユーザー・クライアントに販売・配布する場合
→開発席のライセンス料の代わりに、完成時に99.99ドルのライセンス料+売り上げに応じたロイヤリティー(UDKに関連した報酬のうち、最初の5,000ドルについては0%、それを5,000ドル上回ると25%)

例えばゲーム開発の場合、開発期間中は料金が発生せず、ゲームを発売すると99.99ドルのライセンス料を支払います。発売後に15,000ユーロを稼いだ場合、最初の5,000ユーロについては0%なので無料、残りの10,000ユーロの25%分、2,500ユーロをEpicに支払う必要があります。以降の収益においても25%のロイヤリティーは発生するため、そのゲームが売れれば売れるほどEpicへの支払額も上がっていく仕組み。

趣味や教育目的かつ非商業目的であれば無料。ただし趣味が高じたり、学校でつくってみたりしたものをもし売ろうとするなら、99ドルのライセンス料が必要となります。それが無料ゲームであっても、広告などの商業的要素があれば、やはりライセンス料が必要となります。

UDKは現在のところPCのみ利用可能となっていますが、将来的にはコンソールをサポートすることも検討されています

PCアクション板住人のEpic評

PCアクション板住人のEpic評

中古のせいで新作が売れない!(でも任天堂はなぜか売れている)

Second-hand game sales are "a huge issue" - Epic 10/11/2008
http://www.gamesindustry.biz/articles/second-hand-game-sales-are-a-huge-issue-epic
Dr Michael Capps, the president of Epic Games, has told GamesIndustry.biz that the secondary market is a "huge issue" for the industry, and that companies are increasingly needing to look for new solutions to protect their revenues.

"The secondary market is a huge issue in the United States," he said. "Our primary retailer makes the majority of its money off of secondary sales, and so you're starting to see games taking proactive steps toward that by... if you buy the retail version you get the unlock code.

"I've talked to some developers who are saying 'If you want to fight the final boss you go online and pay USD 20, but if you bought the retail version you got it for free'. We don't make any money when someone rents it, and we don't make any money when someone buys it used - way more than twice as many people played Gears than bought it..."

But when asked if the player or the retailer was to blame for the second-hand games market, Capps refused to criticise the gamers.

"I'd hate to say my players are my enemies - that doesn't make any sense! But we certainly have a rule at Epic that we don't buy any used games - sure as hell you're not going to be recognised as an Epic artist going in and buying used videogames - because this is how we make our money and how all our friends in the industry make money."

He went on to cite evidence from Crytek that the ratio for pirated to non-pirated versions of Crysis was 20:1 - precisely the reason why Epic has no plans to release Gears of War 2 on the PC.

"That's gruesome to a company like ours that's been in the PC market for so long," he said. "We're trying to fix it, there's a new alliance of companies trying to make PC gaming work again. But if people are playing games without buying them, then the games aren't going to keep coming."

Meanwhile he did point out some of the other benefits of digital distribution, particularly the speed and quality of sales feedback.

"I think we're a long way from losing the impulse buy when you walk into the mall or the game store and decide to pick something up," he said. "That's going to be there for a long time.

"But we love Steam. I know that day… not only do I get the cheque that day for all the games that sold, but I also know, we sold 28 copies of UT in Poland yesterday, and here's the money!

"We're able to respond immediately. That model's so wonderful from a developer perspective, not just making money, but knowing where my customers are and being able to make them happy. With retail, I just don't have that - I get 'Oh Europe came back with this many numbers,' and I get that 60 days after we ship.

"And I think DLC will be increasing in scope just because in the US we really need to make strides against the second-hand market," he added.

The full interview with Michael Capps is available now.

324 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2008/12/05(金) 11:09:57 ID:+O/sBQQ10
うまくいかなくなった時は外に要因求める構図はどこも同じか

Epic Gamesがコンソール中心になったのは海賊版のせい

http://www.kotaku.jp/2010/05/epic_blames_pirates.html
やっぱりデベロッパーのPC離れは海賊版のせいだったようです。

古くからは『アンリアル』シリーズ、最近では『ギアーズ・オブ・ウォー』、『Bulletstorm』で有名なEpic Games。

もともとはPCゲーム製作が中心だった同社ですが最近はコンソールゲーム製作により重きを置いているようです。

でもなぜでしょう?Epic Games社長のマイク・キャップスさんがEdge誌にこう語っています。

もしあなたが六年前に(Epicのオフィスに)来たら、EpicはPC向けの会社でした。PS2のタイトルも一つ作りましたが、それ以外は全てPC向けでした。

そして今は、人々に「なんでPCを嫌うんだ? 今じゃあんたのところはコンソールオンリーの会社になってしまった」といわれています。

でもなぜだかわかりますか?それは...

コンソールの方がお金になるからです。

今もPCゲームを作り続けていますし、PCへの愛もまだあります。しかし、海賊版の与える影響は我々も目にしています。それはたくさんのすばらしい独立系デベロッパーを殺し、ビジネスモデルを完全に変えてしまったのです。

『ギアーズ1』はXbox 360とPC両方でリリースされたのに『ギアーズ2』はXbox 360のみ。『ギアーズ3』もXbox 360オンリー予定なのはこういう理由だったのかもしれません。

しかしPCへの愛情は持ち続けているEpic Games。同社の新作『Bulletstorm』はPS3、Xbox 360のほかちゃんとPC版も出る予定です。

キャップスさんはPCゲームの将来についてこう話しています。

FacebookがPCゲームを救うなんてことがあるかもしれません。でもそれは『ギアーズ・オブ・ウォー』とは似つかないものになるでしょうね。

つまりもっともっとソーシャルでライトな層をねらったブラウザゲーのようなものがPCゲームを救うかも、ということでしょうか。

でもコンソールはコンソールで、中古ゲーム販売が海賊版よりも大きな問題になっています。これに今後どう対応していくのかも気になるところです。

Wiiはウイルスのようだけど、遊びたいゲームはまだないと苦言―Epic GamesのCEO

http://www.inside-games.jp/article/2008/04/22/28624.html
様々なゲームで利用されている名高いゲームエンジン「Unreal Engine」の開発元であるEpic GamesのMark Rein副社長はWiiを強い口調で非難して反発を受けたことで知られますが、今度は同社のCEOであるMike Capps氏がIGNとのインタビューの中で、「Wiiはウイルスのようなもの、本当に楽しめるゲームはまだない」とコメントしました。

―――Wiiはどうですか?

Capps: ああ、僕も買ったよ。

―――ええ、みんな買ってます! パーティに持っていくと「おお! Wiiだ!!」と言われます

Capps: それは良くないところだね。えーと、Wiiに関しては2つあるね。1つは凄くいい所。個人的な体験だけど、両親と初めてゲームを一緒に遊んだのはAtari 2600の頃なんだ(1977年発売)。で、その次に一緒に遊んだのは『Wii Sports』のテニス。これは凄いことだよ。もう一度そんな日が来るなんてね。友達で集まるとき、家族で集まるとき、サンクスギビング(感謝祭)とか、Wiiは最高だね。もう1つは良くないところで、まるで奇妙なウイルスみたいなもんで、そこから一度もWiiで遊ぶことはないね。

―――つまり、真のゲーム体験ではないと・・・

Capps: その通り。ゼルダ(の伝説トワイライトプリンセス)も遊んだけど、楽しめなかったね。操作も昔のスタイルに戻ったし、それならゲームキューブ版の方がいいよ。マリオ(ギャラクシー)もリモコンを振るんじゃなくて、普通の操作だったし。だから、このゲーム機で遊びたかったものは何一つ遊べてないんだ。

何でウイルスかと言うと、まず誰かがWiiを買うとする。そして誰かと一緒に遊ぶ、すると「おお!こりゃすごい!俺も買わなきゃ」となる。最初に買った人は2ヶ月もすると飽きる、でも次に買った人がまた誰か別の誰かと遊ぶと、「おお!・・・」となって、このループ。凄い感染力だよ。Wiiを買った人は沢山知ってるけど、誰も電源を入れてないね。もちろん、Wiiが大好きな人がいるのは認める。でも僕自身は本当に遊びたくなるゲームをまだ待ってる状態ってこと。『Wii Fit』がそのゲームになるかは分かんないなあ・・・。

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