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NATOボイス
NATO軍では、戦車兵同士の無線では、一定の決まった言葉を決まった方法で使わなければいけないことになっています。
この号令をアナウンスコードと言います。
これは、聞き間違いや解釈違いを防ぎ、緊迫した戦場で的確に行動するために定められたものです。
NATO軍のアナウンスコードでは射撃したいとき、
まず車長は砲手に対し目標とそれに使用する攻撃手段、必要に応じて敵の方向と距離を指定します。

この場合は戦車を徹甲弾で攻撃したいので、
車長は「GUNNER, SABOT, TANK!」と命令します。砲手は索敵し、目標を捕捉したら
「IDENTIFIED!」と伝えます。測距をすると射撃コンピュータが目標までの距離とその移動速度を砲塔の旋回加速度から即座に計算し、偏差(リードアングル)が算出されます。装填手は主砲の安全レバーを上げて
「UP!」と大声で言います。これで主砲の発射準備が完了しました。そして車長が
「FIRE!」と射撃命令を出したら、砲手はレティクルと目標を重ね合わせ、互いの動きが一致した状態で発射ボタンを押し
「ON THE WAY!」と言い主砲を発射します。この号令がない限り砲手は主砲を発射することができません。

主砲発射後、車長は弾着観測・効果判定を行い、目標に命中し再度交戦の必要がなければ車長は
「TARGET, CEASE FIRE」と言い、一通りの流れが終わります。

命中した場合は
「TARGET」、敵を確実に無力化したと判断できない場合や外れてしまった場合は
「CEASE FIRE」と言わずに再度射撃を行います。
外れた場合は、
砲手または車長が曳光弾の軌跡や着弾点から
「SHORT」「OVER」「DOUBTFUL」、
そして見失ってしまった場合には
「LOST」と言い狙いを調整します。
単語辞典
- Gunner (ガンナー)
- 「砲手」
目標
- Tank(タンク)
- 「戦車」
- PC(ピーシー)
- 「装甲車(APCの略)」
砲弾
- Sabot (サボット)
- 「APFSDS(Sの正式名称サボット弾)」
- HEAT(ヒート)
- 「対戦車榴弾」
- Coax(コークス)
- 「機銃」
実用ボイス
- Gunner,HEAT,PC!
- 「砲手,対戦車榴弾,目標装甲車!」(アメリカ軍の指示方式)
- HEAT up!
- 「対戦車榴弾、装填!」(装填手の掛け声)
- Traverse left(right)!
- 右(左)に(砲塔を)回せ!
目標指示に使われる
参考文献
GUNNER, SABOT, TANK!
https://note.com/kumasan943/n/neea67b88ac40