木製EIA19インチラックの製作

Last-modified: 2011-02-25 (金) 17:04:01

はじめに

  • 部屋の機材を19インチラックで統一したい!と以前から思っていたので今回実行してみた。

何故19インチラックなのか

  • 19インチラックが標準規格なため
    • 国際規格で広く使われており、市販の機材でも19インチ製品は多い。特にジャンクで19インチで穴場なものがある。サーバーからオーディオまで。
  • 筐体の制限を受けず、製品設計が容易
    • 自作の回路を作る時、広々とした筐体へ、基板と多数の可変抵抗、端子、表示器などをつけることができる。このため、内部配線も非常に余裕があるし、可変抵抗も沢山つけても全く問題ない。
    • 筐体の高さも必要に応じて自由に変えられる。
  • 設計者はフロントパネルだけ意識すればよい(一番重要)
    • フロントパネルだけ見てくれよく作れば、裏はぐちゃぐちゃでも全く問題なし!
    • 所詮、回路なんて筐体が全てです。
    • 19インチのフロントパネルを美しく仕上げて、その裏に適当なサイズのその場にあった箱を接着するだけ。下手したら、L字の板だけでも全然問題ない。
    • フロントを規格化することで、リアに抜群の自由度と、抜群の手抜きの余地を与える素晴らしき19インチ
  • ということで、エフェクタその他回路を自作する方、ラックでフロントパネルだけ綺麗に揃えて、裏は板に基板だけマウントされてるチープさ、いかがでしょうか。

19インチラックを作るに当たって考えたこと

  • そもそも市販ラックが1Uあたり1500円~と非常に高い。
  • ラック用のEIA規格の間隔で穴の空いたLアングル材も売ってるのだが、これがまた大変高い。
  • 木で作られてる方がネットに数名いらっしゃったので、それを参考に後追い。
  • 規格品を作るなら規格品で!ということで、非常に安価な2*4材で製作
    • というかそもそも作ろうと思った数日後に廃材が大量に捨てられていたので材木代はかからなかった・・・小さい物を作ろうと思っても、結構な尺が必要となります。

目的

  • EIA19インチ機器をマウント出来るラックを、2*4材のみを用いて安価に製作する。

仕様

  • キャパ
    • 8Uくらい
    • 適当。事前に何Uかは計算しない
  • 材料
    • ホワイトウッドの2*4材
  • 工法
    • 材料費や加工性が面倒だし、精度が悪くてもマウントホールは楕円なので大丈夫ということで、釘・ネジを使うことなく全て木工用ボンドで接着。強度も色々マウントしていくうちに強くなるので大丈夫でしょうということで。
    • 採寸も適当
    • けがきも案外ラフに。
    • マウントホールもけがいておいて、必要なタイミングで空けることに。
  • 天板
    • 天板には手持ちのミキサー代わりのMTRが乗っかるサイズとする。
    • ミキサー幅がほぼ19インチだったので、幅は考慮しなかった
    • 19インチラックの奥行きは、規格上未定義なため、MTRの奥行きとなる。
      • 大体400mm。ここまで大きい音響機器は余りない。ネットワーク機器だとあり得る。
      • ケーブルのあまり代を納めて丁度良い位か。
      • 部屋としてはやや邪魔なサイズ。
  • 塗装
    • しない。気が向いたら。

EIA19インチラックの規格

  • 19インチラックにはEIA規格とJIS規格があるが、まぁ普通はEIA規格だろう・・・。JIS規格は1Uがm単位になって設計しやすい?が入れる機器があまり無いと思うので除外。

寸法概要

  • 奥行き
    • 未定義
  • フロントパネルの高さ
    • 1U=44.45mmを単位とする整数倍
  • 足と足との間隔
    • 450mm (min)
  • 穴と穴との中心線の間隔
    • 465mm
  • フロントパネルの耳をうける幅
    • 483.4 mm(min)
    • (フロントパネルサイズ482.6mm=19インチにプラスアルファ)
  • マウントホール間隔
    • {15.875 15.875 12.7}・・・(繰り返し)・・・{15.875 15.875mm}

製作

切断

  • 2X4材を切断する。まともにけがきもせず、適当に丸鋸でぶった切った。端面のヤスリ掛けも不要。
    切断.jpg

接着

  • 段階1
    • 袋売り木工用ボンドを詰め替えるで詰めかえた木工用ボンドを、ヨーグルトのプラスプーンでおもいっきり塗ったくる(接着面の両面)
    • 押しつける
    • ハタガネやスコヤ等一切使わず、目分量で直角を出し、重力のみに頼ってそこそこくっつくまで待つ。かなり適当
    • はみ出たボンドは塗装する気があるのなら濡れたウエスで拭き取ること。
  • ただし固定していないため本気で擦ると接着面が剥がれるのでほどほどに。そもそも端面が出てないので見た目を気にしないと割り切っても良いかも・・・。
    接着1.jpg
  • 段階2
    • クランプを一切使わない方針で作っているので、とりあえず接着できる範囲で徐々にくっつけていく。その途中の段階がこれ。2分割までまとまった
      接着2.jpg
  • 段階3
    • 最も重要なフェーズ。両足の間隔を平行に、全域において規格通りの間隔を保って固定しなければならない。ただし、ラック機材の耳の穴は楕円なので多少の誤差は許される。
    • 概要寸法より、450mm (min)の間隔を確保する。今回は結果的に453mmとなった。この程度の誤差なら楕円穴で吸収されるためおk
      幅.jpg
    • といいつつも、コンベックスと目を頼りに平行直角を出しただけで、今までと同様に適当にボンドで貼り付けただけ。
    • 上側がクパァしてしまわないように、片側を壁に寄りかかるような形で安置。
      接着3.jpg

穴開け

  • 穴開け治具の用意
    • マウントホール間隔にしたがって、穴を開けていく。それにしたがい、CAD等をつかってこの間隔を印刷し、紙ごとドリルで下穴を開けるのがお勧め
    • メートル規格の定規だと非常にキリが悪いし、使い方によっては累積誤差もたまってくので。
    • 気が向いたら印刷用ファイルもあげるかも。それまでは自分で作って下さい。
      治具.jpg
  • 中心線引き
    • 寸法概要より、穴と穴との中心線の間隔は465mmです。
    • 適当な製作で進めているため、足の内側から何mmといった治具を作ったとしてもずれが生じます。なので、ここはきっちり間隔を測って465mmの間隔を保った平行線を脚に引いて下さい。
    • 大体機材が中央にくるような位置に。片側に寄っててもダサイので。
  • 穴開け
    • 中心線に合わせて治具をあてがい、木ねじにあった下穴を治具ごと開ける。
    • 最初の穴を開ける高さは左右で合わせること。機材が傾くことが無いように。
      穴開け.jpg

機材マウント

  • 木ねじで機材をマウントする。その辺に転がってた木ねじを使ったので規格が分からないが、頭のサイズが6mmのものにワッシャーをかまして使用。6mmのネジでギリギリ。もう少し大きいものを使う事をお勧めする。
  • 形状が皿ネジなので、ワッシャーは必須
    マウント.jpg
  • こんな感じでマウント。強度は十分そう。
    マウント結果.jpg

使用イメージ

  • 配線途中なのでエフェクタが上にあったり、下が低密度だけどこんな感じ。
    • パワーアンプの上にベース用のスピーカー入れたりして使い勝手いい感じ。
    • 余りに適当な作りなので、気楽に穴開け直したりできるし。必要ならヒートン付けてケーブルフック作ったり、2X4の側面が十分広いので蝶番使って板をマウントすれば、MIDI鍵用の折りたたみテーブルも追加できる?左側面にはメタルラティスを付けとけば便利そう。
      使用イメージ.jpg

おわりに

  • 2X4を使って実用十分な19インチラックが製作できた。
  • 製作日数は1日もあれば十分だと思う。接着もハタガネ等を使わないで、適当に行ったことで半日ぐらいでほぼ仮固定できた。
  • ワッシャーを使えば木ねじマウントでも十分そうである。
  • 2X4材は安価だが、予想以上に2X4の長さを必要とするため、計算してから買いに行くこと。後10ft?とかの長い材は実は長さあたりの価格が高い場合が多いので注意。というか持ち帰りづらいw

参考文献

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