管楽器スタンドの製作

Last-modified: 2010-09-01 (水) 03:03:01

はじめに

数年前に製作したリコーダースタンドにいくつかの欠点がみられ、最近では実用不可能になっていたため、新たなスタンドを製作しました。

リコーダースタンドの種類

  • リコーダー愛好家は結構本数を持っている場合が多いようで、ネットにもリコーダースタンドの製作事例が多数存在する。
  • 主にT字型のものと、クロス型のものがあるようだ。
  • 以前製作し長らく使っているスタンドは、例に挙げたクロス型の物で、どのサイトを参考にしたかは失念したが、意匠だけ頂き、後は適当にその辺のゴミから突貫で製作したものである。

現行スタンドが抱える問題

  • リコーダーを3本まとめて増やしたときに、置き場に困り突貫で作った物なので、その後いろいろな問題が生じている。
    • 材がゴミにしても余りに程度が低い(タッカー跡があったり、黒ずみ、しみが酷いなど)
    • 製作が余りに適当すぎて、見た目が悪い
    • その後フルートを追加することとなったが、心棒の割り箸が短すぎる or 割り箸が柔らかすぎであり、重心がかたよりスタンド・フルート共に突然倒れ、楽器や周囲の物に悪影響を及ぼし、なおかつ戻すのがめんどくさい。
    • 笛の本数が増えて、収納数が不足した
  • 移植のために棒を抜き取られた以前のスタンド。色々状態が悪い。

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製作するリコーダースタンドについて

  • 前回同様、クロス型とする。
    • クロス型は非常にスマートに折りたたむ事ができ、軽量・気軽ということで屋外に持ち運ぶ事が多いリコーダーと一緒に持ち運ぶ時にもかさばることなく、今まで使用していて便利であった。
  • 紹介した作例のようにこだわったものではなく、前回自作したものと同様、最低限の製作を行う。
    • 工具点数が増えるボルトのザグリは行わず、前回同様釘を支点にして完了とする。釘のみで実用十分であったため。
    • がちがちの設計は行わない
    • 材料は手持ちのゴミのみでお金をかけない。
  • 立てる本数は、フルート1・アルトリコーダー1・ソプラノリコーダー1・ソプラニーノリコーダー1・篠笛1・ティンホイッスル1の6本用とする。
    • ホントはもう少し笛類を持っているのだが、スタンドには出さない事にしたw
    • 本数は偶数が良いです。奇数だと回転軸に打つ釘と、支柱のダボ穴?がバッティングして色々面倒な事になります。
  • 前回の反省を活かし、高重心・高質量なフルートが倒れないよう、フルートの支柱のみは金属製で大きな物を使う
    • お金をかけないという観点から、その辺に捨ててあったD=9.5mmの八木アンテナのアルミ製エレメントを利用した。

製作

けがき

  • その辺に捨ててあったのを大量に拾っておいた、40mm幅の檜材を使用。嗅ぐと確かに檜の香り。すごく僅かだが。
  • 中心のφみたいなのが釘を打つべき回転軸。ただし本当はこのけがきはこっちの材にしても意味が無いことに後々気づく。
  • センターラインを引き、次の方針に従って適当にけがいた。
    • 支柱間隔:50 mm
    • 脚の幅:1.5 mm

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切削

  • 鋸で。材が柔らかいので楽だった。
  • 上部と両脚、下部を切り出し、上部にボール盤の切り込み深さゲージをみながら貫通しない程度の穴を開ける。
    • 今回、支柱は使用済み割り箸です。棒の径より0.5 mm程度小さく穴を開け、後に圧入します。
  • 下部の長さは写真の段階ではまだ合っていない。下部はきっちり脚にはまるようにせず、両端から数mm離れるように作ること。でないと回転しない。

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脚の接着

  • 木工用ボンドを使っても良いが、色々扱いが悪いので、シリコーン系速乾接着剤のSUを使った。とりあえず問題はなさそう。

DSCF5687.jpg

回転軸の釘打ち

  • くぎゅううううううううううううううううううううううううう
  • 2枚を重ねて貫通しない程度の長さの釘を、センターのけがきの場所へ打つ。
  • まずは2枚しっかり重ねてけがきへ釘を打ち、2枚目に貫通して跡がついたら板を引き抜き、写真のように脚を外すようにずらして重ねる。
  • その穴を使って位置を合わせ、釘を打ちきる。
    • この段階で打ち切らないと、下部の長さが長すぎたときに脚の外に出せず、削るに削れない状況が発生する。
    • 切り出しの地点で十分短く切ってあれば問題ない。下部をどのような長さに切れば問題無いのかは、この写真をみて考えて下さい。
  • 頭を別の釘あるいは金槌の木殺しで叩いて殺すこと。接地面でぐらぐらするため。

DSCF5689.jpg

畳んだ様子

  • 非常にスマートに折りたたまれるこのデザインが素晴らしい。最初にみたとき感動した。発案者すごい。

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表面処理

  • 適当に。やりたい方だけ。
    • が、露が垂れてかびたりする恐れがあるので、何かしらした方がいいかも・・・
  • 軽く擦ったら檜っぽい感じの白く綺麗な素地がでた。
  • ニスは面倒だったのと、乾くまで1週間は楽器を置けなく、その間の行き場に困るためとりあえず保留した。

棒の打ち込み

  • 割り箸ないしなにかしらの棒(リコーダーの足部管の穴に入るもの)の長さを切りそろえ、圧入する。
    • ボンドは使わなくても十分。ニスとかする場合に面倒だし、突然ペーパーかけたくなったときとかにも対応できる。もしかしたら取り外せてその方が便利?
    • が、今回、割り箸の径の採寸をミスり、下穴の径が間違いがたがたに。仕方なしボンドで無理矢理固定orz
  • 今回、断面が正方形のものと、使用した長方形の薄い板が合ったのだが、薄い板で作った方が見た目も良く、重心も僅かながら下がって安定するような気が。

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完成品

なかなか良い感じ。フルートも安定して倒れることが無くてGood.

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参考文献

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