0点進行が続く試合のこと。
1点が入ると「爪楊枝」と呼ばれる。
由来
1992年5月27日の阪神対大洋戦で、解説者の福本豊(元阪急)がスコアボードに「0」の並ぶ様子を見て「たこ焼きみたいやな」と発言したことから。
また上記の「爪楊枝」の由来も同日の試合、延長15回裏のサヨナラの1点が入った時に福本が放った「たこ焼きに爪楊枝がついたな」である。後年福本は試合が長時間に及び空腹だったことを明かしている。
同情の涙を誘う暑い「たこ焼き試合」(高校硬式編)
2013年の夏の甲子園広島大会決勝、広島新庄0-1瀬戸内(15回規定により引き分け→再試合)
広島新庄・田口麗斗(巨人→現ヤクルト)と瀬戸内・山岡泰輔(現オリックス)の投げ合いで24イニング連続たこ焼きが発生。この時は山岡が勝利して甲子園行きの切符を掴んでいる。しかしその内容たるや、1日目は雨、2日目は梅雨明けの酷暑のしまなみ球場で味方の援護を受けられることを祈りつつたこ焼きを並べていくという状態であり、46個ものたこ焼きが並ぶ姿は(将来故障しないかという意味もあって)高校野球ファンやプロ野球スカウトの涙を誘った*1。
究極のたこ焼き試合
2014年の第59回全国高等学校軟式野球選手権大会準決勝・中京(東海代表・岐阜)対崇徳(西中国代表・広島)戦(明石トーカロ球場)は、間違いなく日本野球の歴史上最も多くのたこ焼きが並んだ試合であると言えるだろう。
8月28日~31日の4日間に渡りサスペンデッドゲームを繰り返し、延長50回・総試合時間10時間18分を数えたこの試合は日本野球史上最長の試合時間であり、イニング数・試合時間とも世界記録となった。
この4日間で中京・松井大河投手は709球、崇徳・石岡樹輝弥投手は689球を投じての完投だった。しかも松井投手は直後の決勝でもリリーフで77球投げ、大会通算は1047球を数えた。
これは上記試合が引き分け再試合ではなく「サスペンデッド」、つまり「一つの試合として中断を挟みつつ、決着がつくまで延長戦が続いている」という扱いであるため、出場選手をベンチに下げてしまうと再出場が不可能となってしまう。その結果として両チームのエースが投げ続けざるを得なかった事が主な原因である。
この事例を受け、翌60回大会からは決勝戦を除き13回表からタイブレーク制・決勝戦は延長15回で決着がつかなかった場合は引き分け再試合となる変更がなされた。
ルール改正もあり、今後この記録が破られることは未来永劫ないだろう。というよりあってはならない(戒め)。
なお、日程の都合で31日の準決勝決着直後にダブルヘッダーで決勝戦が行われ、中京は三浦学苑(南関東代表・神奈川)を2-0で破り*2優勝した。
あまりにも長く戦い続けた結果、中京と崇徳はお互いの応援を覚えてしまい、決勝戦では中京側の応援に崇徳サイドが違和感なく参加する姿があった*3。
ちなみに準決勝が行われた明石トーカロ球場*4は4300人収容で、それを超える5000人以上を集めての満員札止めは地元民でも記憶にない規模だったという。
また、軟式の甲子園にも関わらず、延長30回で決着つかずとなったあたりで各スポーツ紙が大きく扱いはじめ、延長45回決着つかずでは全国紙ですら衝撃的な試合を大きく取り上げはじめ、決着後は中京優勝が全国紙の一面を飾りつつ、海を渡りアメリカでも報道されるという快挙?を成し遂げている。
なお、この試合の前のレコードホルダーは1983年全日本軟式野球大会の決勝戦、ライト工業(東京)―田中病院(宮崎)の試合で、延長35回で両チームに爪楊枝が刺さり、最終的に延長45回、2-1でライト工業が勝利した。試合の詳細スコア(ライト工業社の公式サイトより)
午前8時50分に始まったこちらの試合は審判の休憩時間を除いて中断なしで行われ、午後5時26分に終了した。試合時間8時間19分。田中病院の池内雄一郎投手は522球を完投している。
この試合を受けてボールが飛びやすくなるように規格の変更が行われており、こちらもルールに影響を与えたたこやき試合であった。
関連項目
- 馬鹿試合…対義語。
- オッケーイ
- ムエンゴ
- 加古川より向こうの人帰られへんね
- 1安楽
- 点が入らないのはわかっていた
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