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3000球

Last-modified: 2019-12-04 (水) 10:25:42

現代野球における先発投手が壊れるラインとされているシーズン投球数*1のこと。

概要 Edit

かつてのプロ野球では主力投手は1シーズンで無茶な投球数を投げることが当たり前であり、それでも一流の投手たちはその酷使に耐えて数々の今となっては考えられない記録を樹立し、伝説的な逸話を残してきた。
しかし時代が変わり、変化球の発展や球速の上昇、ポストシーズンや国際試合による試合数増加に伴う登板機会の増加など投手にかかる負担は年々増加している。
 
その中で近年「1シーズンで3000球を投げた投手はその1、2年後に壊れる」というジンクスが注目されている。
検証してみると該当者は多く、信憑性が高い説ではないか、とされており、この3000球限界説が広まるとともにこれまで中継ぎ投手とは違ってあまり論じられることがなかった*2先発投手の酷使についても議論されるようになった。
シーズン3000球を投げても壊れない投手*3もいるが、球速や投げる球種に違いがあるとされており、特に肩、肘への負担が大きいフォークボールを多投する投手は危険とされている。
 
またこの話題になる度、複数回、それもシーズン連続(2012年~2016年)で3000球以上を投げつつも晩年になるまで大きな故障や成績急落もなく現役を全うしたランディ・メッセンジャー(元阪神)の凄まじさが再認識されている*4

シーズン3000球の主な犠牲者 Edit

  • 金子弌大(千尋)
    オリックス時代の2014年に3000球を投げ、その年のオフに肘を手術し、翌年以降は成績が急落。長期契約の中でほとんど働けず、契約終了時に大幅減俸を突きつけられて日ハムへ移籍することとなった。
  • 則本昂大
    2014年~2018年までの5年間3000球前後を投げており、その間に5年連続で奪三振王を獲得。完投も多くメッセンジャーと並んで壊れない投手の代名詞的存在だったが、2019年の開幕前に右肘のクリーニング手術を行い、ついに離脱。前半戦を棒に振ったが、手術でシーズン絶望の可能性がある中でオールスター明けに復帰するという驚異の回復力を見せた。結局2019年も12試合に先発し5勝5敗。来年以降どうなるかが注目。
  • 藤浪晋太郎
    2015年に3374球を投げ、オフにはプレミア12に選出されたものの肩の炎症を理由に出場を辞退し、翌年以降長期の不調に陥る。
    当初は2016年シーズンに勤続疲労で不調になっていた藤浪へのケアを怠り、必要以上に厳しくした金本知憲がイップスにしたとも言われたが、3000球限界説が話題になって以降は2015年シーズンにおいて無駄に中5日登板を乱発して登板数を増やした和田豊の責任も追及されるようになった。
  • 大野雄大
    2015年に3000球を投げたが、翌2016年4月に左肘痛で離脱し、以降成績が急落。2019年に復活するまで不調が続いた。
  • 武田翔太
    2016年に3103球を投げ、翌2017年シーズン序盤に肩を故障して長期離脱。復帰後も成績は上向かず、以降は長く不調が続いている。
  • 菅野智之
    2013年にはCS含めて3137球、2015年にCS、プレミア12含めて3031球、2017年はWBC含めて3016球を投げ、2014年に右肘靭帯の損傷発覚、2016年は肩を壊して痛み止めを飲んで登板して痛みがひどい時はイニング間に座薬を使用して凌いでいた、という話がある。
    2018年にはクライマックスシリーズを含め3242球を投げ、翌2019年は勝ち運はあるものの早いイニングでの炎上と被本塁打が目立っており、4月25日のヤクルト戦では3者連続ホームランを喰らい、5月15日の阪神戦では4被弾を浴び自身初の10失点を喫した。シーズン中に2度腰痛で登録抹消していることや、目に見えて投球フォームが崩れていることから、以前からの投球数過多が影響していると考えられる。

関連項目 Edit






*1 ちなみに中継ぎ投手は1シーズンでどれだけ多く投げても投球数は1000球を超えるかどうかくらいであり、1000球を超えると明確に酷使として扱われる。なお登板数1位の久保田智之(阪神、2007)は1747球、2位の平井克典(西武、2019)は1459球。ただし、中継ぎ投手は登板機会が無くても投球練習をして肩を作って待機する事も多いため、先発投手より負担が少ないとは言いきれない。
*2 日本プロ野球では中6日ローテが基本であり、その登板間隔でも先発投手は100球前後で降板することが多いため、中4日ローテが当たり前となっているメジャーと比べて温室などと言われていた。メジャーにおいても近年は先発投手の故障が多発し、トミー・ジョン手術を受ける選手が増加していることからようやく先発投手の負担軽減に関する議論が盛んになってきたところである。またトミー・ジョン手術の考案者であるフランク・ジョーブ博士は生前「ピッチングはそもそも人間にとって不自然な動作」「人間の腕は野球のボールを投げるようには作られていない」と証言している。
*3 後述するメッセンジャー、前田健太クリス・ジョンソン涌井秀章ら。
*4 現役最終年となった2019年の不振については投球数過多による疲労累積よりも年齢から来る衰えが主因ではないかという見方が強い。