加古川より向こうの人帰られへんね

Last-modified: 2024-10-12 (土) 23:51:35

野球解説者・福本豊(元阪急)*1が阪神甲子園球場での阪神戦の解説で発した迷言。「加古川の人帰られへん」と書かれる場合もあるが誤用である。


概要

「加古川」とは兵庫県加古川市*2のことで、甲子園まで距離にして約60km、電車でも三宮での乗り換えを含めて1時間余りの時間が掛かる。加えて甲子園には観客用の駐車場がなく*3、遠方からの移動は電車に頼らざるを得ない*4ことから甲子園での試合が終電間際まで長引いた際に、帰りの電車を心配するファンに対して発言したものである。とらせんなどの2chの実況スレでは、試合時間が長引くと甲子園関係なくお決まりのレスとして使われたり、加古川までの乗り換え経路が貼られる事が多い。

 

JR神戸線沿線の場合

JR神戸線*5の電車は神戸と加古川の間にある西明石駅に車庫がある*6ため、西明石より西の加古川や姫路は西明石以東よりも終電が早い。2019年時点の終電は、甲子園駅*7基準で加古川や姫路が23:53に対して西明石駅までなら阪神電鉄の神戸三宮行き最終となる0:13と「加古川より向こう」は20分早い。なおこの西明石行き終電は全都道府県、全路線の中で最も遅くに終着駅へ到着する電車である。厳密に言うと西明石の隣駅(大久保駅)も終電が23:53のため、正確には「西明石以西」ではあるが、西明石の次に新快速が停車する駅が加古川であることと、三ノ宮発の姫路行き最終は新快速なのであながち間違ってもいない。

加古川線沿線の場合

福本の発言は、加古川駅より分岐しており終電が非常に早いJR加古川線の沿線のことを指しているという説もある。加古川~厄神間で甲子園22:13、市場~西脇市間の場合は同21:37の電車に乗る必要があり、(甲子園では発生しにくいが)試合が馬鹿試合になると9イニング見ることすら危うくなる。
ちなみに西脇市~谷川間については1日8往復しか運行されていないこともあり加古川19:49発→西脇市で20:52発の電車への乗り継ぎ*8が終電になるため、ナイトゲームはほとんど見られない。さらにデーゲームでも試合が18:00を跨ぐと加古川線利用での帰宅は難しくなる。

福知山線経由の場合

西脇市~谷川沿線の奥の手として、大阪20:24発*9の福知山線に乗り入れる丹波路快速で谷川に至り、谷川22:00発の西脇市行きに乗り継いで南下するルートがある。また甲子園20:13発の神戸三宮行き快速急行(土日祝は20:16発の高速神戸行き普通)で今津に行き、阪急今津線・宝塚線を乗り継ぎ宝塚駅に行き、宝塚駅から福知山線に乗り入れるルートもある*10。ちなみに西脇市への到着時刻は丹波路快速の終点・福知山*11到着時刻とあまり変わらない。


検証

2012年3月4日、なんJにおいて「12球団の本拠地球場+α*12*13から加古川駅までの所要時間」を算出したデータスレが立ち、当然ながら札幌ドームが最も帰れない本拠地球場と決定された。

じゃあ何時に終わったら加古川の人は帰れるのか
https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1330857060/
 
1 風吹けば名無し 2012/03/04(日) 19:31:00.08 ID:5JJd8YDZ
  福本氏の発言で有名になった加古川市ですが、
  加古川の人が無事に帰宅するためには、何時に球場を出れば良いのか。
  本当に「加古川の人は帰られへん」のかを、検証してみました。
 
  ・出発地は各球場の最寄り駅、到着地はJR加古川駅とする
  ・Yahoo!の路線検索を参照(http://transit.loco.yahoo.co.jp/
  ・乗り換え時の歩く速度は「普通」に設定
  ・公共交通機関の平日ダイヤを利用
  ・複数経路がある場合、終電が遅い経路を選択
  ・交通費は割引を考慮せず正規料金を支払うものとする
 
  近い順に列挙していきます<

なお2024年7月現在は日本ハムの本拠地がエスコンフィールドHOKKAIDOに移転し、最寄り駅が北広島になった事、またスレから10年以上経過して変化した鉄道事情により、最も帰れない球場は楽天モバイルパーク宮城となっている。次点もエスコンではなくベルーナドームである。

2018年度版

その後、2018年度版も作成されたが、それによると三ノ宮発が以前に比べて2分遅れた*14ぐらいで甲子園球場から加古川駅までの移動時間は2012年当時とほぼ変わらない模様。

2021年3月ダイヤ改正以降

2021年3月13日のダイヤ改正では、コロナウイルス感染拡大による利用者の減少と、​夜間の保守作業時間確保のためJR西日本の終電時刻の繰り上げが行われることになったため、甲子園駅基準で加古川や姫路が23:33となり20分繰り上がった(着時刻は平日ダイヤは(新快速姫路行)加古川0:34/姫路0:48、土休日ダイヤは(快速姫路行)加古川0:48/姫路1:06)。
なお西明石駅までなら阪神電鉄の神戸三宮行き最終となる0:13のままで、ダイヤ改正以前と変更はない。
その後、10月に行われたダイヤ改正では変更はなく、2022年3月のダイヤ改正でも終電時刻に変更は無かった。


関連項目


*1 通算1065盗塁、299盗塁死、115三塁打歴代1位。
*2 ちなみに、市内には後述のJR各線の他、山陽電気鉄道の本線(市内の駅は別府駅・浜の宮駅・尾上の松駅の3駅)が通っている。山陽電鉄本線は阪神と神戸高速線経由で直通運転を行っており、直通特急であれば加古川より向こうの山陽姫路駅まで一本で行くことができる。ただし、直通特急は東二見(明石市)の次は高砂(高砂市)まで停車せず、加古川市内の各駅は全て通過してしまう
*3 ただし、周辺部に駐車場があるなど全く無いというわけではない。ただし甲子園での野球開催時は通常時と比べて大幅に高い特別料金を設定している。
*4 阪神側はこの事を逆手に取り甲子園球場のCMで「甲子園球場には駐車場はありまへん!」「阪神電車が一番や!」と親会社である阪神電車の利用を促すネタを放送している。
*5 東海道本線 大阪駅~神戸駅(東海道本線と山陽本線の境界)~山陽本線 姫路駅の区間愛称。
*6 複々線区間や電車特定区間もここまでであり、神戸駅より区切りの意味合いは強い。なお、草津駅(滋賀県草津市)から続くこの複々線は全国最長の複々線区間でもある。
*7 なおJRには甲子園口という駅があるが、阪神電鉄の甲子園駅は球場の目の前に立地しており、ほぼ全ての種別の列車が停車(通過するのは平日朝ラッシュ時の上り直通特急のみのため、試合のある時間帯は事実上全停車)する上に試合開催日には大阪梅田駅発着の臨時列車の運行もある一方で、甲子園口駅は各駅停車しか停車せず、試合開催日における快速等の臨時停車も無い上、球場までは直線距離でも2km以上あるため(甲子園駅まで路線バスが運行されているとはいえ)最寄り駅とは言いがたい。また高校野球開催期間中はJR大阪駅等でも甲子園球場へのアクセスに阪神電鉄の利用を促している。
*8 理論上は甲子園18:45発がリミットだが、乗り換え時間が三宮で10分・加古川では3分だけと非常に短いため実質18:25発がリミットとなる。
*9 この場合、甲子園駅を20:05に発車する大阪梅田行きの特急を利用することになる。
*10 この場合、谷川に至る時間は大阪経由と同じ。
*11 京都府北部にある福知山市の代表駅。
*12 ほっともっとフィールド神戸:オリックスの準本拠地。最寄り駅は神戸市営地下鉄・総合運動公園駅で、甲子園球場より西に位置し加古川方面へも近い。
*13 旭川スタルヒン球場:日本最北のプロ野球対応球場。日本ハムの準本拠地。新千歳空港または旭川空港経由になる。スレ時点ではナイトゲームはなかったが、2013年6月からナイター開催がある。
*14 2016年3月の東海道本線・摩耶駅と山陽本線・東姫路駅の開業がダイヤに影響したためと思われる。