誰かがシーズン本塁打記録を塗りかえようとすると、何かと圧力をかけると噂された謎の人物のこと。
O氏の圧力が加わると、四球攻めはもちろんのこと、審判の買収、外野席への壁の設置などのありとあらゆる妨害行為を受けるとされる。
新記録達成を目前にシーズンを終える選手が出る度にファンからは「まーたO氏が謎の圧力をかけたのか」と呆れるのが恒例だった。
1985年のランディ・バース(阪神)、2001年のタフィ・ローズ(近鉄)、2002年のアレックス・カブレラ(西武)らがシーズン本塁打記録に迫ったもののO氏の圧力によって阻止されたとされている。
概要
実際には、「王貞治*1が監督を務めるチームが、監督の持つ55本塁打記録に迫った外国人選手を四球攻めにした」という事実から生まれた都市伝説である。
- 1985年10月22日、ランディ・バース(54本塁打)が巨人と対戦。4打席2四死球。10月24日は5打席4四死球。
- 2001年9月30日、タフィ・ローズ(55本塁打)がダイエーと対戦。4打席2四死球。
- 2002年10月5日、アレックス・カブレラ(55本塁打)がダイエーと対戦。5打席3四死球。
ちなみに王自身も中華民国籍*2なのだが、日本生まれ日本育ちのため外国人扱いされることはほぼ無い。とはいえ完全に日本人扱いすることもできないため、メディアでは日本選手*3と表記されることが多い。55本の記録も後述の都市伝説終焉から2022年までは「日本選手記録」と呼ばれていた。
ただし、王が四球攻めを指示したと言う証言は全くないし、王本人も「私は四球攻めの指示はしていない」と発言している。
コーチが忖度して四球攻めを指示したとも言われるが、そうだとすれば監督の王とコーチの脳内にいる四球攻めを望むO氏は別人ということになる。例として当時巨人に在籍していたキース・カムストックは退団後の著書で「ある投手コーチから『バースにストライクを投げた場合1球につき当該の投手は罰金1000ドル』というルールが与えられていた」と述べているほか、槙原寛己はバラエティ番組に出演した際に「当時一軍の投手コーチだった堀内恒夫が四球を指示していた」と証言している。
都市伝説の終焉
2013年にはウラディミール・バレンティン(当時ヤクルト)がついにシーズン本塁打記録を更新、最終的には60本まで伸ばした。
この頃、王はヤクルトと別リーグのソフトバンクで球団取締役会長を務めており、記録更新時には祝福のコメントを寄せた。
O氏の都市伝説としての役割が終わりを迎えたことで、現在ではただの愛称となっている。
ちなみに、記録を更新したバレンティンは2020年から王氏がいるソフトバンクに所属することになった。なお。
鷹バレンティン、会見一問一答 王貞治会長への思いも明かす「同じチームでやりたい」
「王会長は自分としても尊敬している方。記録を超えた次の年に話すことがあったんですが、その時もとても良い方だった。同じチームでやりたいという気持ちがあった。常にアドバイスを求められるところにいるとやりやすいと思う」
再燃
2022年には村上宗隆(ヤクルト)が驚異的なペースで本塁打を量産。これにより日本選手としての55本記録も更新されそうになったためにO氏ネタが再燃。更にはB氏*4というネタも生まれた。
55本HRを打って以降、村上が極度の不振に陥ったこともO氏ネタを加速させた。
しかし村上はシーズン最終戦の最終打席で56号ホームランを放ち、日本選手記録を更新。
王本人も再び祝福のコメントを寄せた。