東京ヤクルトスワローズ元監督・真中満のこと。
「リポDガッツポ真中」「勘違いガッツポ事件」*1とも呼ばれる。
経緯
2015年10月22日のドラフト会議で、ヤクルトと阪神は高山俊(明治大学)を1位指名して競合。
抽選が行われ、くじを先に開いた真中は渾身のガッツポーズ。はしゃぐ真中を見た阪神・金本知憲監督(当時)は、自分のくじを確認せず席に戻った。
そのまま会場ではインタビューが始まり、真中は「ドキドキしました。一番初めに(くじを)開いてやろうと思ってたので」「(高山に対し)慣れ親しんだ神宮球場だと思いますので、一緒にヤクルトでプレーしましょう。頑張りましょう!」と意気揚々と答え、そのまま何事もなかったように進行していった。
ところが生中継のコマーシャル明けにNPB事務局から「先ほど高山選手との交渉権を獲得したのは阪神球団であります」「確認のミスがありました」とまさかの訂正が入る。
なんと真中はロゴマークのみが印字されたくじを「当たり」と勘違いし、ガッツポーズをとっていたのだ。
ヤクルトのくじを確認した事務局は外れに気づいたものの、別の事務局員が持っていた阪神のくじの当たりを確認する間に会場では真中へのインタビューが始まり、事情を知らない(高山を含む)視聴者全員が真中のガッツポーズで見事に騙されてしまったのである。
その後改めてのインタビューが行われ、思わぬ形で交渉権を獲得することとなった金本は満面の笑みで「ビデオ判定でホームランに覆った心境」「あちゃ~、と思ったんですけど、真中監督の叫びに…見事に騙されましたね」「(高山に対し)一緒に頑張ろう!練習はきついですよ?(笑)」と意気揚々とコメント。
一方、勘違いした真中は「ガッツポーズを返してください」と嘆き、そのうえ生中継で何とも言えない表情で金本のインタビューを見る姿を度々カメラに抜かれる羽目となった。
原因
くじ用紙の右側に「交渉権確定」があればアタリ・無ければハズレとなっているが、当たり外れに関わらず左側にはドラフト会議のロゴが印刷してあるのが原因*2。
NPBの井原敦事務局長は「インタビューをそこで止めるべきだったが、止められなかった。事務局の不手際」とドラフト後に謝罪し、翌年からは「外れくじには何も印刷せず、完全白紙にする」という措置が取られている。
反応
- 真中満
ドラフト会議の2日後に始まった日本シリーズで、ヤクルトは1勝4敗で福岡ソフトバンクホークスに敗退。2016年シーズンは故障者続出と終盤の連敗で5位に転落した事で、評価は「前年最下位のチームをリーグ優勝に導いた名将」から「ドラフトで当たりと勘違いしてガッツポーズした人」へと転じてしまった。
- 高山俊
期せずして2球団の監督からメッセージを送られることとなったが、「何が起こるか分からないドラフト会議なので、自分もよく分からない感じですけど、1位で指名していただいたので嬉しく思います」と冷静なコメントを残した。
- 原樹理(東洋大学)
外れ1位でヤクルトに指名され、「高山以上の成績を残して、『外れて良かったな』って思われるようにやっていきたい」とコメントした。
AA
「こりゃ、ええの引いたわ。」 真中は大喜びでテーブルに帰ってきました。 _ / Ysヽ_ 彡-(・)(・) 彡 ω っ□ (つ 77 / | (⌒) し⌒
避難J民のAAがベースとなっている。
真中、晒される
ドラマ『世界一難しい恋』では、ロゴを当たりと勘違いしてハズレくじに喜ぶ人物に対し「お前、真中か」と突っ込むシーンがある。
4年後の2019年オフには珍プレー好プレー大賞の中のコーナー「プロ野球の被害者の会」にも登場した。
また真中のテレビ出演時やドラフト特集など*3でこのガッツポーズが度々話題になるが、本人も「僕の得意なドラフト」「僕が歴史を変えた」など自虐ネタとして扱っている。一方で勘違いガッツポーズのおかげで一生分のドラフト関連の仕事を得たと同業者からは羨ましがられることも。
※画像はS-PARK(フジ系)に出演した際のもの。
また、つば九郎からは元身内であることに加え、本人も半ば公認状態なのを良い事に、格好の餌食として度々ネタにされている。
例として、真中が始球式を担当することになった2021年の日本シリーズ第3戦では、当日の試合前に「こんな さわむらしょうの じょうけんはいやだ」*4というフリップ芸の中で「どらふとの あたりくじを みまちがえて がっつぽーず」とイジられてしまった。
真中、ガッツポーズが怖くなる
2019年12月15日放送の『ジャンクSPORTS』内で、高津臣吾新監督が同年のドラフトで奥川恭伸(星稜高)のくじを見事引き当てたシーン*5に触れ、「(高津がガッツポーズをしたので)もしかしたら外れてるんじゃないかとヒヤヒヤした」と話した。