ヤ戦病院

Last-modified: 2022-07-13 (水) 08:15:30

東京ヤクルトスワローズに故障者が続出している状態のこと。類義語に「スペルト」「厄ルト」などがある。
由来は後述するサンケイスポーツの見出しから。


【目次】


概要

一般的に主力選手の離脱は「故障+成績不振」でカウントされるも、近年のヤクルトは常に怪我人を抱えた状態の上、故障者だけで他球団の離脱者を凌駕するほどであり、一軍・二軍共に満身創痍の状況に陥ることが多い

あまりに突出した怪我人の発生具合から、最近では試合中継などの中でアナウンサーからもこのような状況について言及されたり、親会社のヤクルト本社の株主総会で「ケガ人が多いのはどうしてなのか」と株主が質問したりする*1という事態が起きている。
しかもヤクルトグループは健康食品・医薬品製造企業であり、同社製品を選手が摂取しているにも関わらず故障者が続出してしまうと本当にヤクルト製品に効果があるのか(むしろ悪影響は無いのか)疑問視されてしまうという面もあり、株主総会でこうした話題が出るのも当然である


誕生の経緯

特にこの傾向が顕著になったのが2011年で、シーズン開幕戦の川島慶三(現楽天)の死球骨折から始まり、村中恭兵・川端慎吾・福地寿樹といった主力級の選手が次々と戦線離脱。シーズン終盤になると一軍二軍問わないレベルで怪我人・病人が続出し、川本良平由規らが登録抹消。石川雅規・宮本慎也相川亮二館山昌平久古健太郎らが故障を抱えたまま強行出場せざるを得ない事態となり、最大時10ゲーム差をつけていた中日ドラゴンズに逆転Vを許す結果となった。

翌2012年もトレーナーを増員したにも関わらず怪我人が続出。主力選手が怪我を抱えたまま強行出場をするという事態に再び陥った。
そんな中、5月11日のサンスポ紙面で当該の見出しが初出する。

ヤ戦病院…今度は村中&川端が抹消
https://web.archive.org/web/20120514040236/http://www.sanspo.com/baseball/news/20120511/swa12051105020000-n1.html


ヤクルト・川端慎吾内野手(24)と村中恭兵投手(24)が10日、出場選手登録を抹消された。

川端は9日の中日8回戦(岐阜)の二回に腰痛を訴え途中交代していた。11日に都内で精密検査を受ける。

4月末にも腰痛で3試合欠場しており、小川監督は「すぐにどうというわけにはいかないから、抹消した」と長期化を示唆した。今季は29試合で打率.299、0本塁打、8打点だった。

村中も同戦の一回、右すねに打球の直撃を受けていた。骨には異常がなく、病院には行かない予定。今季は7試合で3勝2敗、防御率3.21だった。


病院化の原因

傾向自体は昔からあった*2のだが、近年このような惨状を招いた原因としては、ドラフトでの戦略において「アマチュアでの実績は十分だが致命的な故障持ちで、他球団が指名を回避した選手」を強行で獲りに行く、もしくは「そもそもプロとして数多くの試合数をこなすほどの体力、素質がない選手」を数多く獲得したことが挙げられる*3*4

さらに本拠地の神宮球場はウォーミングアップの場所が不十分である上、学生野球(東京六大学・東都大学リーグ、高校野球の都大会など)と併用されており「開催日はヤクルト側が練習に使えない」といった根本的な問題も指摘されている*5。その上、財政難から最新機器の導入に二の足を踏んでいるとも指摘されている*6

また選手自体に問題がなくても、「故障を恐れてキャンプ等での練習量を減らした結果*7、基礎体力が付かずに怪我を発症する」ということが起きていると球団OBから指摘されている。加えて、球団自体の選手の負傷後のアフターケアも「精神論に頼った前時代的なものである」とたびたび非難されており、実際に「負傷直後はアイシングのみで放置し後日患部の症状が悪化するか、改善しないまま病院に通院、結果的に重症であると発覚してシーズンを棒に振る」という事例も珍しいことではない。


その後のヤ戦病院

  • 2013年
    シーズン開幕前の川端慎吾、ウラディミール・バレンティン(元ソフトバンク)の離脱を皮切りにシーズン開幕直後も故障者が続出*8。エース・正捕手・クローザーといった「チームの要となる選手がピンポイントで離脱する」、他にも「シーズンを棒に振るほどの重傷者を当たり前の様に輩出する」という、もはや故障者対策自体が無意味と言わんばかりの惨状が当たり前に。その結果ヤクルトは序盤から低調に陥り、夏場からは最下位を独走してしまった。
  • 2014年
    奇跡的に春季キャンプでの怪我人は発生しなかったが、開幕後は結局前年の勢いそのままに怪我人が続出。バレンティンに加えて山田哲人が覚醒した野手はまだしも投手陣は殊更に酷い状態で、「シーズンの3分の1を消化していない段階でチームに所属する投手の3分の2が重傷で離脱」という現場泣かせの状況が続いた。
    また、靭帯断裂による怪我が多発していたことから、「靭帯を切らずに登板を終えればYQS(ヤクルト・クオリティ・スタート)成功」というネタや、(●゚◇゚●)靭帯を主食とする設定が定着したのはこの年である。

    これらの事態から本来なら二軍レベルの選手でも一軍に上がらざるを得なくなったため、二軍までもが選手の手薄な状態となってしまうことが頻発した。
  • 2015年
    一軍こそバレンティン以外目立った怪我人は出なかったためリーグ優勝を果たしたものの、二軍は試合開催すら危ぶまれるほど離脱者が続出。シーズン途中には前年で引退した阿部健太*9育成契約で現役復帰させる緊急措置*10に発展した。
  • 2016年
    バレンティンはこの年開幕こそ間に合わなかったがその後は大きな故障もなくシーズン終了まで帯同。しかし前年の快進撃を支えた畠山、雄平、川端らが相次いで故障離脱し、山田も死球の影響で8月10日に抹消された結果一時はバレンティンしかいない状態に。
  • 2017年
    相変わらず二軍のメンバーに怪我人が続出、2014年限りで引退しブルペン捕手などを務めていた新田玄気*11育成契約で現役復帰させたものの、遂に「怪我人の増加により選手数が不足したため試合中止」という事態が現実となってしまった。
    ちなみにこの年の一軍は悲惨な状態だったものの二軍はイースタン・リーグ3位に入り、勝率も5割を超えている。
  • 2019年
    選手どころかコーチが故障してキャンプを離脱
    開幕後は5月中頃にして坂口智隆石山泰稚バレンティンの抹消に加え、GW明けには山田哲人、西浦直亨が試合中に途中交代し病院に行くなどし、1~4番と抑えが居なくなる事態が発生した(西浦は5番を打つことになったその日に故障)。
    そして一軍は2年振りどころか49年振りに悲惨な状態になり、立て直せないまま6試合を残した段階で最下位を確定させてしまった。

    また、オフに日本ハムに移籍した秋吉が2017年から悩まされていた原因不明の肩の不調の原因が首にあったことが判明。見事復活した秋吉がクローザーとして奮闘する一方で、ヤクルトは「お前たちは何をしていたんだ」と熱い罵声を浴びることとなった。
    なお秋吉は右足の肉離れでシーズン途中に一時離脱した。その際、スポーツ報知に「日本ハム秋吉が渡辺元智前監督*12で離脱」と意味不明な誤植を受けたことがネタにされた。
  • 2020年
    ドラフト1位ルーキーの奥川恭伸が右肩の炎症によりノースロー調整となり、一部では早くもヤ戦病院行きかと不安視される*13。2月のキャンプイン早々には村上宗隆、奥村展征が揃って故障し離脱。
    さらに新型コロナウイルス流行下シーズンの特例として従来以上に一軍に選手を上げた結果、例によって二軍では選手不足が発生。今回は育成選手の現役復帰がなかったが、謎の雨天中止が発生し、「選手不足で適当な理由をつけて試合を中止にした」と指摘された。
    オフにはマクガフと2年契約を結んだが、その理由の一つが「2年間故障離脱がないこと」だったためこれもネタにされてしまった。
  • 2021年
    この年から7年総額40億円の大型契約を結んだ山田は下半身のコンディション不良でオープン戦を欠場することが多く、OP戦で4HR・11打点の好成績を残した3年目の濱田太貴は最終盤で上半身のコンディション不良を発症、開幕一軍入りを逃す。
    さらに3月31日には新型コロナに感染した西田明央、感染対策の「特例2021」対象となった山田、西浦、青木宣親内川聖一アルバート・スアレスの計6人が登録抹消され、前日のスタメンの3分の2が入れ替わる事態に。翌日には濃厚接触者と認定された青木・内川を除く3名は復帰したが新たに濃厚接触者認定された川端が離脱。また、その代替要員を二軍から供給した結果二軍は案の定野手不足に陥り、4月1日には投手の鈴木裕太が外野の守備に就いた。そしてコロナウイルス感染によりチーム編成が困難なため二軍数試合が事前に中止となった。
    幸い、これ以降は7回を投げていた近藤弘樹が右肩肉離れで離脱した程度であり、チームも6年ぶりのリーグ優勝・20年ぶりの日本一を果たした。
    しかし、ポストシーズンが始まると巨人とのCSファイナルステージ第3戦では先発投手の原樹理が2回1/3にライナー性の打球を捕球しようとして負傷降板、緊急登板した金久保優斗*14がロングリリーフをしたり、オリックスとの日本シリーズ第1戦では宮本丈がフェンス際のフライを捕球した際にフェンスに激突した後、途中で交代し以降3試合ベンチ入りメンバーを外れるなどヤ戦病院の片鱗が垣間見えた。
    オフの契約更改では開幕直前に巨人からトレード移籍してきた田口麗斗食事面の環境改善を訴えられた
  • 2022年
    正捕手の中村が下半身のコンディション不良から開幕に間に合わず。シーズンに入ると奥川がシーズン初登板となる3月29日の試合で4回1失点ながら緊急降板、翌日に「上半身のコンディション不良」を理由に登録抹消となる。また4月7日には本塁打・打点の2冠を走っていたドミンゴ・サンタナが「下半身のコンディション不良」を理由に抹消、翌週には検査のため米国へ帰国、そして26日には左膝手術を行った。
    破竹の勢いで優勝マジックを点灯させた矢先の7月9日、新型コロナによるチームクラスターが発生。一軍では、山田哲人、長岡秀樹、高津監督、石井弘寿投手コーチ、高梨裕稔、清水昇、田口麗斗、松本直樹、内山壮真、奥村展征、丸山和郁、青木宣親、浜田太貴、スタッフ1名の計14人、更に2軍では石山泰稚、育成の丸山翔大、川端慎吾と球団スタッフ1人の4人の感染が判明し、1軍と2軍両方とも中止となった。
    しかし、これだけでは終わらず翌10日には、大松尚逸コーチ、森岡良介コーチ、衣川篤史コーチ、中村悠平、塩見泰隆、スタッフ1人の計6人の陽性が判明し、1軍2軍合わせて27人が陽性となり、この日も編成困難で1軍と2軍の試合は中止となった。


病院収容の対象「物」

など、物が壊れる光景が定期的に観測されたため、「ヤ戦病院」の対象は人間だけに留まらないと言われている。


なんJでの派生

上記のような状況ゆえに、シーズン中のヤクルト関連のスレは故障者に関する内容である割合が高い。スレを見るたびに悲鳴を上げ絶望するヤクルトファンが後を絶たず、ある意味非難の的となっているが、その反面あまりの怪我人の多さにスレが「定例報告会」「糞定期」の様相を呈している。リストアップすると1つのレスに収まりきらないほど怪我人が多いため、例外として「ヤ戦病院患者名簿」なる画像を作成、新たな離脱者や復帰者が現れ次第適宜更新されるなどの処置がなされている。

あまりに悲惨なヤクルトの「ヤ戦病院」ぶりはヤクルトファンやなんJ民から禍々しく語られるほどの惨状で、

  • 戦場(球場)に送り込まれる徴兵
  • ○○を生贄に捧げて○○を出場させる(通称『生贄ポイント』)*17
  • 自らの体や他人の体を生贄に活躍する(通称『怪我人ブースト』)*18
  • 吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』の替え歌が自虐的に登場。
  • 選手が故障した時、他球団ファンは故障の内容やその重大度を故障に詳しいヤクルトファンにお問い合わせする*19

などのネタも誕生してしまった。


故障者リストの例

2017年のシーズン中のある時点のものであり、シーズン通しての怪我人のカウントではない。赤字はこの時点で既に年内復帰の見込みなし

ジュリアス 左肘靱帯再建手術予定

古野 右肩負傷

中村 右膝蓋骨骨折

川端 ヘルニア

畠山 左脹脛肉離れ

今浪 甲状腺機能低下症

徳山 黄色靭帯骨化症 *20

寺島 左内転筋筋膜炎

渡邉 肉離れ

杉浦 行方不明→右肩違和感*21

西田 右膝自打球直撃

雄平 右手首骨折

秋吉 右肩甲下筋の肉離れ

大引 左肩の状態不良


ヤクルトファンの発言で打線組んだ

1(中) 全治6ヶ月か、軽傷で済んでよかった...

2(二) なんだこのクソ打線、まるで靭帯

3(右) うちだって30億も補強費使えるなら病院建てるわ

4(一) みんなヤクルトの管理はクソとか言ってるけど今回は負傷翌日に病院行ったんだからめちゃめちゃ迅速な対応なんだゾ

5(左) そもそも靭帯つながってるだけで戦力やからな

6(三) 人生で見る靭帯という言葉の半分以上がヤクルト関係

7(遊) 他球団の選手がストレッチしてるの見ると羨ましい、あんな伸ばしても切れないんだなって

8(捕) 人体に靭帯は全部で38あるらしいで

9(投) 怪我人の復帰というポジ材料が増えた*22ことに感謝

監督 お祓いとか言うけどさあ、明治神宮とかいう日本屈指の聖地*23でこれ以上どうしろって言うのさ


関連項目


*1 株主が野球絡みの質問をする事例は阪神電鉄→阪急阪神ホールディングスの株主総会でも見られる。本業の鉄道そっちのけでタイガース絡みの質問をする様子は有名。
*2 怪我人が続出する傾向は1990年代から出ていたが、当時のヤクルトは在籍していた外国人選手が軒並み好成績を収め、また結果を出す若手選手が次から次へと現れたため、故障者の多さを気にするほどの問題にならなかった。
*3 東北・北海道出身者を特に指名していた2009~2016年に同地区を担当した八重樫幸雄の意向が強く働いたとされ、本来プロ向きでない選手を獲得し続けた一種の「縁故採用」も要因の一つと批判されている。
*4 2010年代前半のドラフト失敗は第二期小川淳司政権時代のコーチだった宮本慎也や石井琢朗に「中堅層が居なくてベテランと若手でプロ野球をやるようなもの」とボヤかせたほど、編成に影響を与えてしまっている。
*5 通常時の併用日はデーゲームが学生野球(大学・高校)、ナイターがヤクルトの試合になる。
*6 この段落ソース:サンケイスポーツ 佐藤春佳「故障者続出『ヤ戦病院』は人災
*7 実際に他球団でも故障回避のために練習でのダイビングキャッチ・ヘッドスライディングなど特定の行動を禁止することは多いが、故障回避のために練習量そのものを減らすのは結局故障を増やすため本末転倒、とされている。
*8 バレンティンは早期復帰でレギュラーを守り通すと夏場から本塁打を量産(9月15日にはシーズン56号を放ってシーズン本塁打記録を更新、最終的には60本まで記録を伸ばした)したものの、4月終了までに由規、館山、相川、日高亮雄平、平井諒、トニー・バーネット中村悠平などが相次いで離脱。このうち中村以外は長期離脱となり、特に由規、館山、雄平はシーズン絶望。
*9 元近鉄/オリックス→阪神→ヤクルト。引退後は打撃投手兼スコアラーを務めていた。2015年シーズン終了後に再び自由契約となり、スカウトに転身。
*10 なお、阿部は現役時代同様に投手として登録されたが、実際には野手としての起用が目的の復帰であり、実際にファームで出場した11試合は全て野手としてのもの。
*11 2017年オフに再び引退しブルペン捕手に復帰。
*12 渡邊佳明(楽天)の祖父。横浜高校元監督で、現在の「強豪・横浜高校」を作り上げた人物である。なお秋吉は東京都立足立新田高校出身。
*13 これについては高校時代の登板過多によるという見方(前年11月に行われた球団によるメディカルチェックで判明していたとされる)も大きい。
*14 奇しくもその金久保自身も、同年5月14日の対中日戦で先発登板した際、同じように痛烈なライナーを受け負傷降板するというアクシデントを経験していた。
*15 なおこの時、観客から「なんであれだけ代打代走を出して選手が残っているんだ」「支配下登録可能人数同じだろ」などの野次が飛んだ模様。
*16 これが決定打となりヤクルト2軍は茨城県守谷市に移転することになった。
*17 誰かが復帰すると入れ替わりで誰かが負傷するため。例として2012年の8月下旬に宮本慎也が復帰した数日後に畠山和洋上田剛史、松井淳が故障して登録抹消。9月初旬にバレンティンが復帰した数日後に館山、川本、比屋根渉の相次ぐ故障で登録抹消など。
*18 2012年には畠山が本塁打を打った2日後に故障、上田は逆転決勝打の翌日に故障、松井淳は同点本塁打の翌日に故障、館山は8回途中2失点で勝利投手もその試合中に故障、川本は同点打の直後に故障、比屋根は大飛球をダイビングキャッチした際に故障、ラスティングス・ミレッジは同点本塁打を打った翌日に故障、という事態が起こっている。
*19 これはOBでも同様であり、特に現役時代に数多の故障や手術を経験した館山昌平や、他球団だが多村仁志内竜也などは故障の解説が的確なことに定評がある。
*20 国指定の難病。プロ野球界では投手が発症することが多く、この病気を現役選手が発症すると引退に追い込まれるケースが多い。徳山もこの病気が原因で引退することとなった。
*21 同年の杉浦は4月に5試合投げて抹消となったが、原因が判明していなかった(=行方不明)。その後、7月にトレードで日本ハムに移籍となり、そこで肩の負傷でリハビリをしていた事が判明した。
*22 怪我をすることがネガティブ要因であることを考えれば本来は「ネガ材料が減った」である。
*23 日本屈指のパワースポットとされ、特に「『清正の井戸』と呼ばれる場所をスマホの待ち受けにすると恋人ができる」としてオカルト業界では著名。