即戦力外ドラフト

Last-modified: 2020-10-31 (土) 18:26:44

即戦力を評して取った選手が尽く地雷でまともに使い物にならなかったドラフトのこと。
主に2014年の中日ドラゴンズのドラフトに対する評価を指す。

概要

2014年の中日はベテラン主力が衰え続ける一方で若手は伸び悩んでいたことから、ドラフトで即戦力重視の方針を示し、山﨑康晃(亜細亜大)の1位指名が有力視されていた。
しかし当日になって方針転換、ドラフト1位で野村亮介*1(三菱日立パワーシステムズ)を単独指名。野村はどちらかといえば素材型であり、しかも山崎を最初に指名していれば一本釣り出来たために疑問の声が上がったが、最終的に社会人の有力野手4人を獲得した当時GMの落合博満の手腕を評価する声もあり、この時点では賛否両論だった。

 

なおDeNAに外れ1位*2で入団した山﨑は1年目から守護神に抜擢され新人王に輝き、その後も2018年に最多セーブを獲得。2019年にNPB史上15人目、史上最年少・最速タイで150セーブを記録するなど大活躍している。
とはいえ、2014年ドラフトは全体を見ても大卒、社会人が不作の年であり、1年目から「即戦力」として活躍できたと言えるのは有原航平(日本ハム)*3中村奨吾(ロッテ)、高木勇人*4野間峻祥(広島)、倉本寿彦(DeNA)くらいだった。そのため即戦力路線で指名を行った球団にとっては難しいドラフトだったのかもしれない。

現在

最終更新:2020シーズン開始時

順位名前守備位置一軍出場契約状況年齢
1野村亮介投手3試合2017年限りで戦力外→引退。26
2浜田智博投手1試合2017年より育成契約。27
3友永翔太外野手34試合2019年限りで戦力外→引退。28
4石川駿内野手20試合現役。2020年開幕1軍達成。29
5加藤匠馬捕手97試合現役。2020年開幕マスク27
6井領雅貴外野手99試合現役。2020年開幕1軍達成。29
7遠藤一星外野手*5228試合現役。2020年開幕1軍達成。30
8山本雅士投手3試合2018年限りで戦力外。2019年からBCリーグ・富山でプレー。24
9金子丈投手11試合2017年限りで戦力外→引退。26

※育成指名もあったがここでは割愛する。

即戦力を期待されながら、谷繁元信森繁和体制の2018年まで誰一人として一軍でまともに活躍できず、この年の出世頭の遠藤ですら守備難を理由に激戦区の外野手に転向してからはさらに出場機会が激減。
なお、彼らの入団当初の2軍打撃コーチは殆ど実績を残していない上にかつて森岡良介とのトラブルで無能扱いされていた高柳秀樹(元南海)1人しかいなかったことから育成ミスとする意見も存在する。
しかし...…。

2019年以降の即戦力外ドラフト組

与田剛体制になった2019年は一転して、加藤は中日捕手陣では最多の92試合に出場。遠藤はスタメンこそ少ないものの一度も抹消される事なく1年間一軍帯同*6、井領もソイロ・アルモンテの不振や平田良介の一時離脱などで一軍に食い込み、8月に故障離脱するまでは月間MVPの候補に挙がるほどの活躍を見せた。
期待されていた「即戦力」としては誰一人機能しなかったものの、加藤ら一部の選手は遅まきながらプロの水に馴染み、長年「グロ」「暗黒ドラフト」扱いされてきた同年のドラフトはここへきてようやく汚名返上の兆しが見えてきたと言える。2020年は上記の3人に加えて石川も開幕一軍を達成した。
この結果、2019年はドラフト自体よりも一軍でほとんど活躍できていないドラフト3位の友永にヘイトの対象が変化し*7、晩年の野本圭同様「終身名誉引退希望選手」などと呼ばれる事が多かった(2018年までは井領なども一括りにされていた)が、とうとうオフに戦力外通告をされてしまった。

派生・便乗

その他の即戦力路線かつ評価が非常に低い(とされがち)なドラフト

真・地獄ドラフト(1995年阪神)

指名経緯や残した成績などを含め阪神史上最悪のドラフトと言われ未だに悪名高い。阪神大震災の影響もあり球団経営に消極的だった*8時期だけに指名選手4人全てが社会人という育成放棄上等の安直すぎるドラフト戦略を取り、ファンを呆れさせた。新人年の舩木を除いてほとんど戦力にならず、戦力補強も世代交代も出来ずという当時の阪神を象徴する無残な結果に終わっている。

順位名前守備位置一軍出場契約状況
1舩木聖士投手101試合2002年限りで戦力外、その後ロッテにテスト入団し2004年限りで引退
2中ノ瀬幸泰投手14試合1999年限りで戦力外
3林純次投手17試合1997年限りで戦力外*9
4曽我部直樹外野手21試合2003年限りで戦力外、その後ロッテにテスト入団し2005年限りで引退*10


地獄ドラフト2011(2011年阪神)

21世紀阪神の失敗ドラフトの代表格。支配下選手で初めて戦力外になった年は西田の7年後と遅いため即戦力外とまでは言えないものの、全員が伸び悩んだりしてまともに一軍戦力になっていない。

順位名前守備位置一軍出場契約状況
1伊藤隼太外野手365試合現役
2歳内宏明投手57試合(阪神時代のみ)現役。2019年限りで阪神を戦力外になるが四国ILp香川を経てヤクルトに入団
3西田直斗内野手1試合2018年限りで戦力外
4伊藤和雄投手35試合現役
5松田遼馬投手111試合(阪神時代のみ)現役。2018年途中にソフトバンクへトレード
育成1廣神聖哉捕手なし2012年限りで戦力外


東北復興ドラフト(2011年ヤクルト)

地方創生ドラフトとも言う。殆どの選手が使い物にならず、3位の比屋根と6位の古野、それに育成1位の徳山はある程度出場機会を得たものの比屋根はやらかしが多く、古野と徳山は故障に苦しんだ*11ために長期定着はできず、8年でNPBから全滅した。*12

順位名前守備位置一軍出場契約状況
1川上竜平*13外野手なし2016年限りで戦力外
2木谷良平投手52試合2016年限りで戦力外
3比屋根渉*14外野手361試合2018年限りで戦力外
4太田裕哉投手なし2013年限りで戦力外
5中根佑二*15投手なし2015年限りで戦力外
6古野正人投手62試合2018年限りで戦力外
育成1徳山武陽*16投手54試合2017年限りで戦力外
育成2金伏ウーゴ*17投手2試合2015年限りで戦力外*18




2014年ヤクルトドラフト

同年の中日と同様に即戦力重視の指名を行ったが、わずか3年で5人+育成1人が戦力外、2020年現在残っているのは2位の風張のみという、同年の中日どころでなく本物の即戦力外ドラフトである。
ここまで活躍できない選手を取りまくった八重樫幸雄や岡林洋一などのスカウト陣には批判が集中した。
なお、八重樫は2016年オフにヤクルトを退団したが2017年と2019年のヤクルトが暗黒期のベイスすら超える悲惨な成績で終えたことの一因として未だに槍玉に挙げられる。

順位名前守備位置一軍出場契約状況
1竹下真吾*19投手1試合2017年限りで戦力外
2風張蓮*20投手77試合現役
3山川晃司*21捕手*22なし2019年限りで戦力外となり、BCリーグ・富山に移籍。
4寺田哲也投手3試合2016年限りで戦力外
5中元勇作投手なし2016年限りで戦力外
6土肥寛昌*23投手8試合2017年限りで戦力外
7原泉外野手なし2017年限りで戦力外
育成1中島彰吾投手5試合2017年限りで戦力外


2014年楽天ドラフト

シーズン最下位に終わったこの年、通常ドラフトで7人指名。1位2位では素材型の高卒投手を指名し、3位以下を大卒・社会人・独立リーグ出身の即戦力で固めたもののほとんど戦力にならなかった。僅か4年で3位以下の5人の内4人が戦力外となっており、唯一残っているフェルナンドが代打の切り札となっているだけで「即戦力」の期待に応えられているとは言い難い。
2014年ドラフトの目玉と目されていた安樂も高校時代の酷使の影響や故障続きで期待されたほどの結果を未だ出せておらず、小野も二軍の帝王のままロッテへ移籍と、上記2球団に劣らない酷さになる可能性がある。
ちなみに6位と7位の加藤、伊東は楽天のお膝元である宮城県の社会人チーム出身である。前年の2013年ドラフトでも下位で地元枠の選手を数名獲得しているがまともに戦力になった選手はおらず、これに懲りたのか以降地元枠の選手を下位指名で獲得したのは2017年の西巻賢二のみに留まっている。

順位名前守備位置一軍出場契約状況
1安樂智大*24投手37試合現役
2小野郁投手39試合*25現役。2019年オフにロッテ移籍*26
3福田将儀外野手112試合2017年限りで戦力外
4ルシアノ・フェルナンド*27外野手72試合2018年オフに育成落ち、2019年に支配下復帰
5入野貴大投手30試合2018年限りで戦力外
6加藤正志投手10試合2016年限りで戦力外
7伊東亮大*28外野手8試合2017年限りで戦力外


関連項目


*1 先発型ということもあり眼鏡に叶ったとされる。
*2 阪神と競合。
*3 2015年パ・リーグ新人王。その後2019年には最多勝。
*4 当時巨人、後に野上亮磨の人的補償で西武へ移籍。2019年に戦力外通告を受けるがメキシカンリーグを経てBC神奈川でプレー。
*5 入団時は内野手。
*6 主にソイロ・アルモンテ、ダヤン・ビシエド、福田永将の代走やそのアルモンテや福田の入っていた左翼への守備固めが多く、平田の故障や大島洋平の休養時には右翼や中堅も守った。
*7 落合が「天才」と褒めちぎった前評判を裏切る成績に終わったこと、酒席における後輩選手へのパワハラを暴かれ人間性を疑われたことが原因。
*8 実際、同年の阪神大震災によって本業の鉄道事業に甚大な被害が発生しており、親会社の業績が大きく揺らいだタイミングではあった。
*9 2年後の1999年に社会人野球へ復帰。1961年の柳川事件によって40年近く断絶されていた元プロ選手のアマ復帰第1号になり、2004年までアマ球界で現役を続けた。
*10 ロッテは2005年に阪神相手に日本一となっているが、曽我部は一軍昇格すらできていない。
*11 徳山は中継ぎ要員として2015年の優勝に貢献したものの、翌年に国指定の難病・黄色靱帯骨化症を患ったこともあって実質的に選手生命を絶たれてしまった。
*12 余談だが、引退後に打撃投手になった選手が3人もいる。(現在、木谷と太田はヤクルトの、古野は阪神の打撃投手。)
*13 高橋周平(中日)の外れ1位。
*14 現琉球ブルーオーシャンズ
*15 中根仁(元近鉄→横浜)の従弟。
*16 現在はヤクルトの球団職員
*17 現在は巨人通訳
*18 その後は巨人→BC栃木
*19 安樂智大(楽天)の外れ1位。荒れ球が武器の左の速球派といういかにも地雷臭のする投手であり、ちなヤクからは指名時点ですでに地雷扱いされていたが案の定だった。
*20 唯一の現役選手で2018年はそこそこ活躍したが、翌年以降は調子を落としている。
*21 同性の穂高が活躍していることにより山川(笑)という蔑称もつけられた。
*22 BCリーグ・富山で投手に転向
*23 土肥義弘(元西武→横浜→西武)の再従弟。
*24 ヤクルトと重複。
*25 楽天時代のみ。
*26 鈴木大地の人的補償
*27 ブラジル国籍だが日本の高校、大学を経ているため日本人扱い。自身は日系4世。
*28 伊東昂大(元広島)の兄。