概要
エネミーの行動を決める、ゲームのバランスを決定づける根幹部分。
普通であればこれらの設定は裏設定に当たる為巷には出回っていない場合が多い。また、攻略サイトやまとめサイトには一部のエネミーに設定されている行動パターンが表記されている事もあるが設定によっては外部からの調査が困難な場合も多い。調査の難易度は行動パターンの種類に完全に依存しており、種類によってはかなりの時間を費やして詳しく分析しないと解析は不可能。
裏設定なだけあってバランス調整の中核を担うシステムなのだが、一部の行動パターン、特にローテーション行動は知っていると次のターン相手がしてくる行動が読めてしまう為、バランスブレイカーにもなり得る。ただ読めたところで対策できなければ何も意味は無いが。
反対に、何らかの要素に制限を課したり低レベルなどの縛りプレイ等を行う場合はまずボスの行動パターンを把握するところから始まると言っても過言ではないだろう。
MO4には多岐に渡る行動パターンが存在する。詳しくは項目ごとに解説する。
基礎知識
戦闘行動
まず、MO4に登場するエネミーには必ず戦闘行動が設定されている。
戦闘行動は大きく分けて『スキル』、『優先度』、『行動条件』の3つからなる。
スキル
『スキル』の欄にはそのエネミーが戦闘中行う全ての行動が設定される。戦闘中行う全ての行動なので所謂スキルなどの特殊な行動のみならず通常攻撃も『スキル』の欄に設定される。
優先度
設定された行動には『優先度』がセットで設定されている。この『優先度』が後述するローテーション行動とランダム行動のバリエーションを生み出している。
『優先度』には戦闘行動ごとに専用の数値が設定されており、設定された数値の差で抽選される行動を決定している。
具体的には、
- 設定された『優先度』の値が最高の戦闘行動を抽選の基準にする。
- 設定された戦闘行動の『優先度』が同一数値だった場合、戦闘行動は等しい確率で抽選される。
- 『優先度』の差が1の場合、『優先度』の小さい行動が抽選される確率は『優先度』の大きい行動が抽選される確率の『2/3』になる。
- 同様に差が2の場合、『優先度』の小さい行動が抽選される確率は『優先度』の大きい行動が抽選される確率の『1/3』になる。
- 『優先度』の差が3以上になると『優先度』の小さい行動は抽選対象外となる。
ここでは2体で出現する方のマッコリソルジャー?を例に説明する。
マッコリソルジャーに設定されている『スキル』とそれに設定された『優先度』は以下の通り。
| スキル | 優先度(R) |
| 攻撃 | 5 |
| 集中砲火 | 5 |
| ファイアボール | 3 |
| 様子を見ている | 3 |
『優先度』は実際のツクール画面には『R』と表記されている。
『優先度』の最大値は『攻撃』と『集中砲火』に設定されている5、この数値が基準となる。
基準値との差が3以上になっている『スキル』は無い為、設定されている4つの行動全てが抽選対象となる。
『攻撃』と『集中砲火』の『優先度』は同じ5なので、この2つの行動が抽選される確率は同じになり、『ファイアボール』と『様子を見ている』が抽選される確率はそれぞれ『攻撃』と『集中砲火』が抽選される確率の1/3となる。
『1/3の確率で抽選される』ということは『3:1の確率比で抽選される』という事と同義なので、上記4つの行動が選ばれる確率比は
『攻撃』:『集中砲火』:『ファイアボール』:『様子を見ている』=3:3:1:1
となる。
抽選される確率の比が分かれば抽選される確率そのものも自ずと判明するようになるので、上記の表に比率を抽選確率を加えると
| スキル | 優先度(R) | 確率比 | 抽選確率 |
| 攻撃 | 5 | 3 | 37.5% |
| 集中砲火 | 5 | 3 | 37.5% |
| ファイアボール | 3 | 1 | 12.5% |
| 様子を見ている | 3 | 1 | 12.5% |
となる。
雑魚エネミーの行動には『優先度』によって抽選される確率に幅を持たせている場合が多い。
行動条件
『行動条件』にはエネミーがどのような状況下に置かれたときに『スキル』を使用するのかが設定される。
設定できる内容は
- 常時(常にその行動が抽選対象に入る)
- ターン数(n+m*x)
- HP(n%~m%)
- MP(n%~m%)
- ステート
- パーティレベル(n以上)
- スイッチ(...がON)
の6つ。このうち、『MP』と『パーティレベル』の2項目は
『MP』:エネミーの行動は全てMPが関係しない為実質死にステとなっている
『パーティレベル』:そもそもMO4はレベルアップによる育成方式を取っていない
という理由により使われていない。
『ステート』も使われていない項目のように見えるが実は設定されているエネミーが存在する。詳しくは制限行動の項にて。
『スイッチ』に関しては不明。
一番使われているのは『ターン数』で、これを用いる事で『優先度』の設定だけでは実現できないローテーション行動を実装可能にしている。詳しくはローテーション行動の項にて。
制限行動
上記の『行動条件』やそれ以外の設定により使用に制限がかかっている戦闘行動。
例えばシグキン挑戦時の超越者はHPが半分を切るとマジ覚ではなく『DARKNESS WORLD』という敵専用のステートを付与される。『フューネラルスコール』や『アブソリュート・ゲロ』の強化版及び『ダークネスザッパー』はこのステートを付与されている時だけ使用可能になっている。では強化前の通常版『フューネラルスコール』や『アブソリュート・ゲロ』、『アニサキスザッパー』はどうなっているのかと言うと、通常版スキル3つの優先度が強化版スキル3つの優先度よりも9低く設定されている為『DARKNESS WORLD』ステートが付与された瞬間抽選対象から除外されているのだ。
この他にも『同じ行動パターンは2ターン連続して抽選されない』という制限の種類もあるが、これは後述する複数回行動が一つのスキルに集約して設定されており、そのスキルにクールタイムを設ける事で制限している。
複数回行動
その名の通り、一体のエネミーが同一ターンに2回以上の行動をすることを指す。
これ自体は他のRPG作品にも見られるが、他作品と決定的に違う点が存在する。それは、『あらかじめ同一ターンに使用する複数の行動が1つのスキルになっている』という点である。
例えばカセキホリガーの場合、
| ターン | 行動 |
| 1 | メガボンバー |
| ロリコーンドリル | |
| 2 | ガンガンドリルラッシュ |
| アンガーエッジ | |
| 3 | 攻撃 |
| ガンガンドリルラッシュ | |
| 4 | ガンガンドリルラッシュ |
| アンガーエッジ | |
| 5 | ロリコーンドリル |
| クラズキラ |
という行動内容になっているが、正確には
| ターン | 行動 |
| 1 | メガボンバー→ロリコーンドリル |
| 2 | ガンガンドリルラッシュ→アンガーエッジ |
| 3 | 攻撃→ガンガンドリルラッシュ |
| 4 | ガンガンドリルラッシュ→アンガーエッジ |
| 5 | ロリコーンドリル→クラズキラ |
というように、1ターン目を例にすると『メガボンバー』と『ロリコーンドリル』という2つのスキルが『メガボンバー→ロリコーンドリル』のように1つのスキルとして集約されている。
そのため、例えば『ガンガンドリルラッシュとクラズキラを同一ターンに使用する』という事は絶対にあり得ない。
これは本作に登場する全ての複数回行動を行うボスに言える。
しかし特別に戦闘プログラムが組まれたコイツは例外となっている・・・
基本的には敵側専用の仕様だが、一部の沼は疑似的に2回行動を実現できる。
最終的な行動の決定
上記の内容がエネミーの行動選定に関わっているのだが、では実際にどの順番でエネミーの行動が決定するのかというと
- 1:『行動条件』を満たす行動があるかを判別し、条件を満たさない行動を抽選対象から外す。
- 2:抽選対象に残った行動の中で『優先度』が最高のものを基準とし、基準値との差が3以上の行動を抽選対象から除外する。
- 3:残った行動の中から最終的な行動が決定される。基準の『優先度』との差が1、2の行動はそれぞれ2/3、1/3の確率で抽選される。
という順で決定される。
行動パターンの種類
『行動パターン』とは前項までで説明したエネミーに設定された行動をどのような形で抽選するかという型を表したもの。
大きく分けて『単一行動』『ランダム行動』『ローテーション行動』の3つに分類される。
単一行動
- 例:
スキル 行動条件 優先度(R) 確率比 抽選確率 Ac1 常時 5 1 100%
その名の通り、ただ1つの行動しか取らないパターン。
調査がしやすい・・・というより調査をするまでもないパターンで、慣れたプレイヤーでなくとも気が付くだろう。
このパターンには当然競合するパターンが存在しない為、『優先度』が一切関係しない。
雑魚エネミーはともかくボスには存在しない・・・と思いきやガードマンBはこの単一行動持ちである。それもかなり強く、行動パターンの複雑さでは一概にエネミーの強弱は判断できないというのを顕著に表している。
ランダム行動
行動が確率、即ち『優先度』によって管理されているもの。
『均等型』と『偏向型』の2つに分けられる。
ローテーション行動よりも分かりにくい為、解析にはかなりの時間を要する場合が多い。『均等型』なのか、はたまた『偏向型』なのかを調査するところから始まる。
均等型ランダム行動
- 例:
どの行動を取るかを全て等しい確率で抽選するパターン。
スキル 行動条件 優先度(R) 確率比 抽選確率 Ac1 常時 5 3(1) 25% Ac2 常時 5 3(1) 25% Ac3 常時 5 3(1) 25% Ac4 常時 5 3(1) 25%
『優先度』は全て等しい値に設定されており、抽選される確率は100/n(nは戦闘行動の数)になる。
雑魚エネミーに設定されている事が多いが、アラサーグ等のボスエネミーにも設定されていることがある。
偏向型ランダム行動
- 例:
スキル 行動条件 優先度(R) 確率比 抽選確率 Ac1 常時 5 3 37.5% Ac2 常時 4 2 25% Ac3 常時 4 2 25% Ac4 常時 3 1 12.5%
行動選択の確率に幅や差異があるパターン。
こちらも雑魚エネミーや一部のボスエネミーに設定されており、また確率が均等でない分解析は困難を極める。
一般的には通常攻撃や通常攻撃よりも少し威力倍率の高い攻撃は『優先度』が高く設定される傾向にあり、反対に全体攻撃や無駄行動などには『優先度』が低く設定されることが多い。
『優先度』の項目で例に出したマッコリソルジャーも偏向型ランダム行動を取るエネミーの一体である。
ローテーション行動
行動が順番に管理されているパターン。
こちらはランダム行動に比べ分かりやすいので解析が容易、攻略サイトやまとめサイトでも情報が載っていることが多い。
ただ例外もあり、ローテーション行動の中にランダム要素を織り交ぜてくるパターンもある。
ローテーションは全て『行動条件』の『ターン数』項目により設定されている。設定されている『優先度』の数値はローテーションの形態によって異なる。
完全ローテーション行動
- 例:
※設定画面
ターン 行動 1 Ac1 2 Ac2 3 Ac3 4 Ac4 スキル 行動条件 優先度(R) Ac1 ターン数1+4*x 3 Ac2 ターン数2+4*x 3 Ac3 ターン数3+4*x 3 Ac4 ターン数4+4*x 3
行動が完全な順番で管理されており、決まった周期で繰り返すパターン。
この例だと周期は4ターンで、1ターン目はAc1を、2ターン目はAc2、3ターン目はAc3、4ターン目はAc4、5ターン目は再びAc1の行動をするといった具合にローテーションしていく。
所謂一次関数でターン周期を設定している。
一番見破りやすく、対策を立てるのも簡単である。
ストーリー上のボスは殆どがこの完全ローテーション行動である。
『複数回行動』の項目で例に出したカセキホリガーもこの完全ローテーションを持つエネミーである。
2段階ローテーション行動
- 例:
※設定画面
ターン 行動 1 Ac1 2(a) Ac2 2(b) Ac3 2(c) Ac4 2(d) Ac5 スキル 行動条件 優先度(R) 確率比 抽選確率 Ac1 ターン数1+2*x 10 - 100% Ac2 常時 5 3(1) 25% Ac3 常時 5 3(1) 25% Ac4 常時 5 3(1) 25% Ac5 常時 5 3(1) 25%
Ac1とそれ以外の複数種類の行動を交互に行うパターン。
Ac2~Ac5の中からどの行動が選ばれるかは各戦闘行動に設定された『優先度』によって決まる。
作中では1&2回戦目の凶悪なフサキン等のエネミーがこの2段階ローテーションで行動を行う。
3段階ローテーション行動
6つの行動を3段階に分け、それぞれのターンで分けられた2種類のうちどちらの行動をとるか選択しながら行動するパターン。
・・・なのだがMO4にはこの定義に当てはまるエネミーが存在しない。
3段階ローテーション行動に当てはまりそうなエネミーのほとんどは後述する『複合型行動』を持っている。
複合型行動
- 例:
※設定画面
ターン 行動 1 Ac1 2(a) Ac2 2(b) Ac3 2(c) Ac4 3 Ac5 4(a) Ac2 4(b) Ac3 4(c) Ac4 5 Ac6 6(a) Ac2 6(b) Ac3 6(c) Ac4 スキル 行動条件 優先度(R) 確率比 抽選確率 Ac1 ターン数1+6*x 10 - 100% Ac5 ターン数3+6*x 10 - 100% Ac6 ターン数5+6*x 10 - 100% Ac2 常時 5 3(1) 33.3% Ac3 常時 5 3(1) 33.3% Ac4 常時 5 3(1) 33.3%
『行動が固定のターン』と『行動がランダムのターン』が入り交じった、『ローテーション行動』と『ランダム行動』の2つの属性を兼ねそろえたパターン。
このパターンは他のRPGゲームにも見られない、MO4独自のものになっており、固有名称が存在しない為当事典では『複合型行動』と呼ぶことにする。
『取る行動が固定のターン』には強力な全体攻撃が設定されていることが多い。
また、取る行動が固定のターンはエネミーによってばらばらで、それに加えてランダム行動のターンに取る行動の種類が多いとかなり判別が難しくなる。ただそれでもランダム行動よりかはわかりやすい。
完全ローテーション行動よりも運要素がかなり絡むためそれだけパターンを読みにくく、かといってランダム行動のような運が悪いと強力な攻撃ばかり飛んできて一方的にやられるというリスクも軽減されており、戦闘に深みと面白さが出やすい。
追加ストーリーのボスはこの行動パターンを有する場合が多い。


