巻雲

Last-modified: 2024-02-16 (金) 20:13:05

巻雲とは、大日本帝国海軍の艦上偵察機。設計・生産は三菱重工業が行った。略符号は「C7M」
日本海軍で唯一のレシプロ双発艦上機である。

概要

巻雲は、1943年ごろに陸軍の司令部偵察機では航続距離が足らず、偵察することができない距離にある島やアメリカ本土を攻略する際に奥地まで強硬偵察することが可能な偵察機の必要性が高まったことで、高速艦上偵察機としての運用構想が提唱された。
そこで、海軍は双発の艦上偵察機とし、高高度からの強硬偵察が実施可能な偵察機を一〇〇式司令部偵察機?の開発経験がある三菱重工業?に、「十八試艦上偵察機」として試作発注を行った。

開発

海軍は、1943年6月に「十八試艦上偵察機」の開発要求書を三菱重工業に提示した。

十八試艦上偵察機計画要求書

用途:敵地の強硬偵察を行うために敵の防空網を突破しうるもの
最大速力:高度10,000mで400ノット以上
航続力:正規状態で3,500km+最高速力で30分、過荷重状態で5,000km
離陸滑走距離:風速12m/秒で200m以下
着陸速度:75ノット以下
爆装:後に搭載することが可能であること、爆弾倉を設けること
装備:乗員は3名以下で与圧機を備えること

特徴

性能諸元

正式名称試製巻雲巻雲一一型巻雲一二型巻雲二二型
略符号C7M1C7M2C7M3
乗員2名
全長12.30m12.50m
全幅16.50m→10.00m
※主翼折り畳み時
17.20m→10.00m
※主翼折り畳み時
全高mm
翼面積40.0㎡45.0㎡
プロペラブレード4枚 直径4.0m
発動機ハ144-12ル
2,600馬力(離昇)
ハ144-14ル
2,680馬力(離昇)
自重5,480kg5,536kg5,632kg5,978kg
正規全備重量kgkgkgkg
過荷重量kgkgkgkg
燃料4,200L4,380L
最高速度757.81km/h
(高度10,000m)
765.49m/h
(高度10,000m)
782.15km/h
(高度10,000m)
773.95km/h
(高度10,000m)
上昇能力高度10,000mまで
分秒
高度10,000mまで
分秒
高度10,000mまで
分秒
高度10,000mまで
分秒
実用上昇限度13,800m14,200m14,700m
航続距離km(正規)km(正規)km(正規)
km [00L増槽]×1km [00L増槽]×1km [00L増槽]×1
爆装以下の組み合わせから最大0kg
爆弾層:250kg爆弾×
翼下:

型式