ロムハック紹介

Last-modified: 2023-11-02 (木) 23:01:27

初代ゼルダには数多くのロムハック作品(改造ゼルダ)が存在する。
その中から特におすすめのもの、特徴的なものなどを紹介する。
(注:作品の網羅はしていません)

以下内容は個人の意見・主観を多分に含みます。またハックの利用はくれぐれも自己責任で!

遊び方

  • ハックは主に .ips パッチの形で配布されていて、
    吸い出したROMに専用ソフトでパッチを当てることでハックが遊べるようになる。
    初代ゼルダの場合、NES版ロムまたはNES Classic Miniから吸い出した .nes イメージにパッチを当てることになる。
  • パッチは、大半の作品は Romhacking.net で入手可能。(Ludicrous Speed を除く)
  • 初代ゼルダの内部バージョンについて
    NES版には内部バージョンが2種類あり、ハックによってどちらにパッチを当てればよいかが異なる。
    ゲーム内容自体に差異はない。
    • 内部バージョンの見分け方
      • PRG0: タイトルロゴ右上に TM の文字がない、UP+A画面のRETRYの下に注意書きの文言がない
      • PRG1: タイトルロゴ右上に TM の文字がある、UP+A画面のRETRYの下に注意書きの文言がある
    • PRG0→1、1→0に変更するパッチも存在する。
      ※ただし現在公開配布されていない。欲しい人はロムハックを遊んでいそうな人に相談を。

作品紹介

作品特徴チャート(暫定)

タイトル画面についている番号は、後述の「チャート内作品紹介」と対応している。
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チャート内作品紹介

タイトルについている番号は上のチャートと対応している。

①The Legend of Zelda(原作)

原作のゲーム。分布図の基準はこれ。
初代にしてほぼ完成されたシステムにほどよいグリッチ、挑戦的な難易度。
以降、ハックに対して、この原作をバニラと呼ぶ。

②Outlands

グラフィックが多少別のゼルダシリーズのものに変更されている。
初期の大作ロムハックとして話題になっただけあり、やりごたえは抜群。
バニラのシステムを活かした謎解きギミックなども面白い。

Speedrun.comのCategory Extensionsにカテゴリが存在する。どうして?

③Another Evil

とても気軽に遊べる小作品。
ある程度初代を経験していたら初見でも30分かからないほどにお気軽。
基本操作に慣れるのには丁度いいが、逆にちょっと物足りないかも。
ハック環境が手軽にできるならばSwitch Special Editionよりも先に触るべき作品。

④Hyrule's Doom

バニラを元に多少のグラフィック変更と大幅な難易度上昇を加えたもの。
バニラの面影がそこかしこにあるのでバニラ経験者は多少楽かもしれない。
ただし見覚えがあると思って逆に思い込みで苦戦する場面もあるかもしれない。

⑤Trial of Courage

本格的なThe3Dudeワールド。
ダンジョンルームの分断やプッシュブロックで活路を開く等、今後登場する彼のハックの基礎となったハック。
初代ゼルダ勢でも心してかかろう。
曰く、「朝食に釘を食べるのが好きな人には必見のハック」だそうな。

⑥Link's Shadow

こちらもThe3Dudeの作品。人によってはTrial of Courageより難しいという意見も。
個人的には戦闘難易度を抑え、探索難易度を上げたイメージに感じる。
相変わらず上級プレイヤーにはやりごたえのある作品と言える。

⑦3rd & 4th Quest

全体的にはバニラの難易度を純粋に上げたような感じ。
3rdQuestの名にふさわしく、バニラから全体を変え過ぎない感じも好感。
個人的な難易度としては2Qより簡単には感じたが、普通に難しいという感想もあるのである程度個人差はありそう。
注目すべきはバニラには無かった新ギミック。
システムを改変することなく、プレイヤーに新しい技術を強いることもなくして現れる画期的なギミックは理解した時にとてつもない感動を覚える。
是非自身の目と手で体験してほしい。
ハック名に冠しているだけに、2Q(名目上の4Q)も異なる方向性で難易度が高いので、純粋に2度楽しめる。

⑧Whistle of Steam

曰く、「スチームパンクな雰囲気のハイラル」を冒険できるハック。
グラフィックの書き込みに気合が入っていて雰囲気が出ている。
難易度はバニラよりも抑えめ~同等くらいで、バニラのクリアが余裕というほどでなくとも楽しめる一作。
バニラプレイ済みにはちょっとフフッとなってしまう要素もあり、探索においても戦闘においても理不尽さは感じないので非常に楽しめる。

⑨HELLWALKER

探索、戦闘、新ギミック、どれをとっても最高レベルの難易度。
それでいて次々に進みたくなる意欲を溢れさせる構造。
「万策尽きた。もう進む道が無い。」からの新ギミックによる突破を果たした時の快感は何物にも代えがたい。
新ギミックとはいっても、バニラで可能なギミックを試せば自ずと見つかるので、理不尽さはそこまで高くない。
「ここで試してもどうにもならんと思うけどやってみよう。」を合言葉に進もう。
さあ、地獄へ。

Speedrun.comにタイトル単独のリーダーボードが存在する。プレイ後にビデオを見ると、色々と興味深い発見があるだろう。

⑩A New Light

非常に良く書き込まれたグラフィックに、バニラを思わせる地上の構成で、純粋なゼルダ1ハックとして楽しめる1作。
難易度もバニラの1Qと2Qの間くらいに感じ、難しすぎない程度にやりごたえのある冒険が可能。

⑪Legend of Banjo

バンジョーの伝説。
グラフィックのほか、BGMも丁寧にバンジョー仕様に変わっている。
ネタハックかと思いきや、地上ダンジョン共によく作り込まれていて、難易度もバニラと同程度に感じる。
目新しいギミックのようなものはないが、バンジョーファンとゼルダファンの両方が楽しめる作品に仕上がっている。
また、作者が地上マップを公開しており、こちらもバンジョーシリーズの雰囲気がとてもよく出ている。
2nd Questもよく作り込まれていて、こちらはカズーイレスというこのハックならではの不思議な状況が……?

⑫Perils of Darkness

The3Dudeによる最後のゼルダハック(と本人が明言)。
最後に相応しく洗礼されたレベルデザインに、圧倒的な高難易度。
終盤には少し理不尽に感じる高難易度探索もあり、やりごたえは抜群。
本格的にオープンワールドになるように調整されており、ダンジョンにナンバリングがされていないことからも、自由な攻略を推進していることがわかる。
2Qはその逆で非常に直線的であると公表されている。
なお、本ハックには4つの難易度があり、筆者は最高難易度(ハード)のみをプレイしたためこの評価となっているが、
難易度を抑えたバージョンのパッチを当てた場合、もう少しカジュアルに楽しめるかもしれない。求むプレイ感想。

⑬Ancient Dungeon

他のハックとは異なり、地上は無く、1つのダンジョンを潜り続けるのみの潔い構成。
部屋構成、敵構成、アイテム等全てがランダムに生成されるローグライク的な斬新なハック。
それゆえに難易度はバニラより易しくなることも難しくなることもある。
やることはひたすら部屋を進むことなので、探索な苦手な人でも純粋に戦闘を鍛えることができる。

2023/09現在、ランダマイザーのDiscordコミュニティでancient-dungeon-weeklyチャンネルが設置されている。
プレイしたい人は、そちらもチェックしてみるとよいかもしれない。

⑭The Legend of Super Mario - Save Mushroom Kingdom

スーパーマリオブラザース3の世界観の地上を旅し、マリオシリーズ要素がふんだんに散りばめられたダンジョンを探索する。
レトロなマリオシリーズファンなら感動もの。
サイドビュー2Dアクションをトップビューにここまで自然に落とし込んだのは作者のセンスの輝きが垣間見える。
グラフィックはもちろんのこと、BGMやSEもレトロマリオシリーズがふんだんにアレンジされて使用されている。
難易度も抑えめなので、ある程度バニラをやっている人なら楽しみながら攻略できるだろう。

その他特徴的な作品

The Stone Legion

・通常のマップ移動で岩や木に埋まる。
・意図的なのか設定ミスなのかマップやコンパスが正常に機能していない
・ダンジョン内の階段に入れないものがある
・一部のダンジョンでトライフォースが存在しない
など、要調整なものが多数あるが、2013年から動いていない。
探索可能な部分の出来が良いだけに残念ではある。一部まともに遊べないことを前提に探索するものいいかもしれない。

The Legend of Iowa

ゲーム的には面白いが、その他の部分でオススメできないのでこちらに。
覚〇剤をテーマにしたストーリーや、ダンジョン内で突然ポケモンフラッシュ状態になるなど、リアルに影響が出かねない要素もある。
それでもやりたい方は自己責任で。
基本的なグラフィックの差し替えなどは素晴らしい。

バニラっぽいけどバニラじゃない作品

The Legend of Zelda Redux

ゲーム自体はバニラと同等だが、色々と「初代ゼルダじゃない要素」が実装されている。
・ルピー上限が999
・矢の所持数の概念が追加
・剣を「振る」ようになった
・オートマッピング機能
・セーブ再開時に前回セーブ時のハート量が保存される
等々、便利機能が多数実装されている。どこにそんな容量の隙間があったんだろうか。
また、ビジュアルやBGMにも様々なアレンジが入っている。
個人的には初代ゼルダではなくなってしまった感があるが、評価は非常に良いので一度触ってみるのも良いかもしれない。

Ludicrous Speed

リンクがとんでもないスピードで走る…というか吹っ飛んでいく、名前通り"馬鹿げたスピード"のハック。
ちなみにリンクは1フレームにつき半マス動く。剣を振るのも一瞬なので、めちゃくちゃ連射できる。
内容はあくまでバニラがベースなのだが、この速度を実現するためか
メニュー画面のマップ表示、画面切り替えの演出、敵のスポーン管理(!?)等々、バニラに本来ある様々な機能が削られている。
あまりにも速すぎて、通常の戦闘方法もなかなか通用しない。何か別の戦略をとったほうがよいかもしれない…。

Speedrun.comのCategory Extensionsにリーダーボードが存在する。配布も同Resourcesページから。
あくまで初代ゼルダを通しでプレイしているはずなのに、記録もやはりめちゃくちゃに短いタイムとなっている。