幻の動物とその生息地 ‘Fantastic Beasts & Where to Find Them’

Last-modified: 2024-04-06 (土) 17:52:38

悪文

■日本語版 前書き p.8(※原文は改行無し)
そもそも魔法使いたるもの、必ず「幻の動物」を一家に1冊備え、
芝生の「ホークランプ」をいかにすれば上手く取り除けるかとか、
「オーグリー」の陰気な鳴き声の意味するところは何かとか、
はたまたペットのパフスケインがトイレの水を飲まないようにするにはどうするか、等の答えを得んがため、
何世代にもわたってそのページを繰り、使い込まれた1冊を備えおくべきです。

■US版 FOREWARD vii(※原文は改行無し)
No wizarding household is complete without a copy of Fantastic Beasts,
well thumbed by the generations who have riffled its pages in
search of the best way to rid the lawn of Horklumps,
interpret the mournful cries of the Augurey,
or cure their pet Puffskein of drinkingout of the toilet.

■備考

  • 長文になると文頭と文末の繋がりがデタラメになるのはいただけない。
  • 所々言葉が文語調なのは、ダンブルドアが書いた事になってるからだろうけど
    「××たるもの」は、「○○を忘るべからず」の様に筋の通った心掛けを導く言葉だし
    「××を得んがため」と来たら、「○○に邁進し・・」みたいに続けるものだよね。
    その辺の文章センスもチグハグだけど、そこに「とか」という口語が混ざるあたり…

スルスルあたりを探し回っていた

■日本語版 p.16
鬼婆はどこかに子供がいたら食ってやろうと、スルスルあたりを探し回っていた

■UK版 INTRODUCTION xi
hags glided about the place in search of children to eat.

■試訳

  1. ハッグたちは子供を探して食ってやろうと、その付近を音もなく動き回っていた。
  2. ハッグたちは獲物の子供を探して、滑るように動き回っていた。

■備考

  • スルスルって何?
    鬼婆って、ディメンターみたいに歩かず滑って移動すると言う事でしょうか?
  • glideは「滑空する、滑るように動く 静かに走る」という意味。
    だから「××を探してするすると動き回った」ならまだ良いけど
    「スルスルあたりを探し回った」は読みにくいし誤解をうけやすい。
    要するに言葉の選び方、繋ぎ方が横着ってことだね。
  • 最低限、「スルスルあたりを探し回る」ではなく「スルスルとあたりを探し回る」であるべき。
    児童書なんだから、地の文では文法には気を遣ってほしい。
  • 「子供がいたら食ってやろうと」も今一つだね。
    それじゃ、たまたま子供に当たる事を期待してるみたいだ。

ミステリィー部

■日本語版 p.27 脚注9
ただし、ミステリィー部だけは除外されることがある。

■UK版 INTRODUCTION xviii
with the possible exception of the Department of Mysteries.

■試訳

  • 神秘部

■備考

  • 他の箇所では「神秘部」とされている。
    「ミステリィー」も何だか変。普通「ミステリー」では。

腐ったハーポ

■日本語版 p.36
「腐ったハーポ」

■US版 p.3
Herpo the foul

■試訳

  1. 卑劣なハーポ
  2. 不快なハーポ

■備考

  • くさったしたいを連想してゾンビみたい…

隠しおおすことができる

■日本語版 p.37
容易に隠しおおすことができる

■試訳

  • 容易に隠しおおせる

■備考

  • 「隠しおおすことができる」何て日本語聞いた事がないよ。
    そこは「容易に隠しおおせる」で良いんじゃないかな。
    「おおせることができる」はちょっとくどいので。

マンティコアの皮は~

■日本語版 p.77
マンティコアの皮は既知の呪文をほとんどすべて撥ねつけるし、刺されると即死する。

■US版 p.28
Manticore skin repels almost all known charms and the sting causes instant death.

■試訳

  • マンティコアの皮は既存の呪文をほとんどすべて撥ねつける。またマンティコアに刺されると即死する。

■備考

  • 皮が即死するんですね、分かります。
  • 呪文に既知を使うのがおかしい気がする。
    「既存」の方がまだ納得できる。

オカミーの説明文

■日本語版 p.82
飾り羽を持つ、二本足の有翼の生物で、胴体は蛇。最大5メートルほどの長さになる。

■US版 p.31
A plumed, two-legged winged creature with a serpentine body, the Occamy may reach a length of fifteen feet.

■試訳

  • 羽毛のある二本足の有翼生物で、胴体はヘビ状。体長は4.5メートルに達することがある。

■備考

  • plumeは羽飾りの意味もあるので、鳥の頭や尾にある「飾り羽」をイメージするのもありだと思うけど、
    翼には普通の羽が有るんだろうし、「羽毛」の方が誤解がなさそうだね。
  • 胴体が蛇と言うより"蛇のような形状"だろう。
    「体」と言うと足や翼も含まれるので、このbodyは「胴体」で良いと思う。
  • あと15フィートは4.57200メートルだから、5メートルじゃなくて4.5メートルとした方が良いね。
    メートル換算のいい加減さは本編でも結構ある感じ。

ポーロックの説明文

■日本語版 p.85
クシャクシャの毛で体中覆われ、ごわごわした頭髪がたっぷりと生え、鼻は並はずれて大きい。

■US版 p.34
Covered in shaggy fur, it has a large quantity of rough hair on its head and an exceptionally large nose.

■試訳

  • 全身は毛むくじゃらで、頭には乱れ髪が大量に生えている。鼻は並はずれて大きい。

■備考

  • 「クシャクシャ」「ごわごわ」「たっぷり」の様な口語的表現を多用しているのはいかがなものか。

ヒズメ

■日本語版 p.85
2本足で歩き、足先は2つに割れたヒズメ。

■試訳

  • 2本足で歩き、2つに割れたひづめを持っている。

■備考

  • 「ヒズメ」ではなく「ひづめ」が正しい。

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  • ミステリィー部は違和感あった -- 2022-04-05 (火) 02:47:15
    • 普通ミステリー部よな -- 2022-08-06 (土) 16:44:29
    • これにかぎらず普通のカタカナ表記とは微妙に違うカタカナ表記が多いがするわ(リータ、ウグドゥグなど) -- 2023-09-12 (火) 21:03:41
  • あいうえお順じゃないのがすこし気になった -- 2022-05-29 (日) 13:29:07
    • 私も動物事典の部分はあいうえお順にした方が自然だと思います。 -- op2chスレ主 2022-05-31 (火) 17:43:38
    • 日本語の辞典ならあいうえお順の方が自然よな -- 2023-02-08 (水) 20:24:14
      • 同じ事思ってた -- 2023-09-29 (金) 12:23:16
      • そうしたほうが使いやすいし -- 2024-01-24 (水) 20:20:00
      • ほんとそれ -- 2024-02-13 (火) 17:37:57
  • ヒズメって・・・ -- 2022-06-22 (水) 12:04:26
  • ハリポタは口語的表現が多いわね -- 2023-10-11 (水) 15:25:43