一族の中心となる血筋の家のこと。また、分家から見て分かれる前の元の家のこと。
一般的に文芸、ゲーム、アニメなどの界隈においては、
「派生作品(スピンオフやパロディ)から見た、アニメやゲームの原典(オリジナル)」や、
「その作品を作るに当たってリスペクト・オマージュした原典」を指す。
多くの場合前者の意味で用いられるが、後者は比喩表現として用いられることが多い
(○○は本家のリスペクト要素である、など)。
目次
概要
- モンハン界隈で用いられる場合は、
いわゆるメインシリーズ(家庭用機で展開される「ハンティングアクション」のシリーズ群)を指す。
界隈における「本家」呼称の発祥は
モンスターハンターフロンティアオンライン(現、MHF-Z。以下MHFと記載)のプレイヤー間で使用されていた表現である。
この呼び名が生まれたのがいつだったのか正確な時期ははっきりしていないが、
少なくともMHP2G発売時(MHFサービス開始から1年程度)には、そのような呼び方が存在していたようだ。
- MHFはモンスターハンターシリーズの派生作品の一つであるが、
後述するがMHFは同作プレイヤーから「シリーズの純粋な派生作品」とはやや異なる見方がされていたため、
元々は皮肉を込めた表現でもあった。現在ではそのような使途はされていない。
また、当初はMHFプレイヤーの間でのみ使われていた表現であるが、
現在では本家(メインシリーズ)プレイヤーでMHFに詳しくない人の間でも使われることがある。
この場合も、純粋に「メインシリーズの作品群」を指すものである。
- かつてのモンハン界隈では「ナンバリング(つまりメインシリーズ)」の定義が現在より更に狭く、
据え置き機タイトルのみを指す用語であった。
詳しい経緯はナンバリングタイトルの記事を参照してほしいが、
MHFプレイヤーの「本家」呼称はこの時期に発祥したため、
当初の「本家」も、据え置き機タイトルのみを指していた。
(例えばMHP2Gは、当時のメインシリーズユーザー同様「本家(ナンバリング)」ではなく
「Pシリーズ」と呼ばれていた)。
ただしMHP3の発売頃には(MHFプレイヤー側では)既にこの区別は形骸化しており、
現在では「ナンバリングではない」と明言されているMHX(MHXX)も、「本家」呼称で通るようになっている。- 無論、上で言うメインシリーズではない作品についてはこの限りではない。
- MHF自体は本来MH2のオンラインサービスをPCオンラインゲームとして
サービス展開したものが始まりであり、その点で言えばMHFの厳密な原典はMH2ということになる。
ただし具体的に原典となる作品を定めて(つまりMH2のみを指す用法として)使われている訳ではない。
公式における扱い
- まず、カプコン公式では「本家」という用法は用いられていない。
「本家」に該当する作品については、シリーズプロデューサーの辻本良三氏がインタビューにて
「メインシリーズ」と発言したことがあったり、
ほぼ同じ用法として「ナンバリング」と発言したことがあるなど、
はっきりとした総括はないが、「メインシリーズ」「ナンバリング」がそれに該当するものであると言えるだろう。- ちなみに株主総会での事業戦略にて派生作品を初めとした多角的な展開を説明する際には、
「原作ゲーム」という用語を用いているようである。
- ちなみに株主総会での事業戦略にて派生作品を初めとした多角的な展開を説明する際には、
- MHF側ではメインシリーズを指して「コンシューマー」「ナンバリング」という発言が過去に出ている。
前者は2015年末の杉浦エグゼクティブプロデューサー(MHFを含む、カプコンオンラインゲームズタイトルの総責任者)の
インタビューにて、
後者は元々メインシリーズの開発者の一人でMHF運営プロデューサーである今村氏より
何度も「ナンバリング」というフレーズが出てきている。
そのため、基本的には「ナンバリング」か「コンシューマー」が、
2017年現在のMHF公式側におけるメインシリーズを指すフレーズであると見られる。
- MHF以外の派生作品については、独自の開発スタッフがあまり前面に出てこない
(派生作品の内ストーリーズは辻本氏がタイトルプロデューサーを兼任しており、
エクスプロアは杉浦氏が監修しているという事情もある)ため、
それらの作品から見た「本家」の呼称は不明であるが、
上記「メインシリーズ」発言はストーリーズのインタビューで出たものであり、
概ね上記の通りであると考えてよいだろう。
- シリーズプロデューサーである辻本氏は家庭用機タイトルを中心に監修しており、
運営型オンラインゲームであるが故に独自の運営・開発チームを持つ、
MHFに関しては直接監修しているわけではない。
ただし、両者の交流や打ち合わせは頻繁に行われているらしく、
例えばMHFにおけるコラボレーション企画は辻本氏が最終承認を出していることが明らかになっている他、
いわゆる「遷悠種」の導入にも辻本氏が関わっている*1など、
シリーズ全体のプロデューサーである事から氏とMHFの関わりは比較的深いと言えるだろう。- 開発スタッフについては、メインシリーズは大阪本社、MHFは東京支社が担当しており異なるが、
スタッフの行き来は黎明期のみならず現在でも行われているようである。
例としては先述した今村プロデューサーがその一人で、
MHP~MHP3までの各作品の開発を担当していたが、MHFの運営に興味を持ち、
2015年より同チームに入ったことが本人の口から語られている。
- 開発スタッフについては、メインシリーズは大阪本社、MHFは東京支社が担当しており異なるが、
- MHF、というよりモンスターハンターの派生作品全てに言えることであるが、
根幹の根幹である世界観こそメインシリーズと同じであるが、
細部の世界観・設定に関してはメインシリーズとは共有されておらず区別されている。
一例として、派生作品のオリジナルモンスターはメインシリーズではほぼ全くと言っていいほど言及されず、
メインシリーズ側の資料・文献にも、それらが登場することは無い。
ベースとなる設定から派生する(だからこそ「派生作品」と言える)事で各作品の
「コンセプト」に沿ったゲーム性が実現できるということであるのだが、
ことMHFについては源流がMH2そのものであったため、
明確な派生作品として誕生していながら、少なくとも最初は
「メインシリーズと完全に設定・世界観を共有した状態になって(しまって)いた作品」だった。
これは後年MHFの開発スタッフも明言している*2が、
後述するがこれが「本家」呼称の経緯を語る上で最も重要な考慮事項と言える。- 他の派生作品は当初からメインシリーズとは大きく方向性(コンセプト)が異なる。
MHFのみこのような状況となったのは、同作が事実上初の「モンハンの派生作品」であり、
尚且つ、カプコン史上初のオンラインゲーム事業だった
(故に、既存の資産を有効活用する必要があったと思われる)事が大きいだろう。
要するにMHFは手探りの状態で生まれてきた、MHシリーズにおける派生作品の先駆者だったといえる。 - MHFが初登場となるモンスターの内、ヒプノックとヴォルガノスはメインシリーズにも登場している。
この2頭についてはコンシューマチームとの共同開発だった事が、
MHW:Iの発売前インタビューで明らかにされた。
故に時系列上MHFが初登場のモンスターとしては唯一メインシリーズの年表でも言及がある
(そちらではMHP2Gが(メイン)シリーズ初登場と記載されている)のだが、
MHFにしか登場していないヒプノックの亜種に相当するヒプノック繁殖期と希少種及びファルノック、
ヴォルガノスの亜種と実質それに相当するアルガノス・ゴルガノスは、
メインシリーズでは全く言及されていない。
また同インタビューでは藤岡氏曰く
「フロンティアは独自の世界観に振り切ってデザインしてもらっていて、コンセプトも結構違うところがあります」
と発言しており、上記の裏付けとなっている。 - なお「独自モンスターがメインシリーズ側で全く言及されない」のはMHFに限った話ではなく、
MHXRのネフ・ガルムドやMHOの各種オリジナルモンスターなども言及されたことはない。
MHOに関してはメインシリーズ発モンスターの新たな「亜種」
(ババコンガの独行種(希少種のようなもの)である金毛獣王や、2種類のシェンガオレン亜種)であっても、
メインシリーズ側の世界観には組み込まれていない。
- 他の派生作品は当初からメインシリーズとは大きく方向性(コンセプト)が異なる。
- なお、MHFは同社の「ドラゴンズドグマオンライン」(こちらも家庭用機シリーズからの派生作品)同様、
2017年現在では「PCその他」に分類され、コンシューマータイトルとは事業戦略上でも区別されている。
(というより、MHFの開発によって同区分が生まれたと言える)
また、派生作品の内ストーリーズ、スピリッツ、アイルー村は、辻本氏が主に監修する家庭用機タイトル、
ということもあってメインシリーズのイベントにおいて言及や紹介がある場合が多いのだが、
MHFとMHXRはオンライン専用タイトルということもあって、
メインシリーズのイベントにおいて言及されることは無く、逆もまたしかりである。- MHF10周年記念で実施された辻本氏と宮下氏の対談において、
メインシリーズタイトルのモンスターハンター:ワールドの紹介がされたのだが、
実はMHF側の企画のなかでメインシリーズのタイトルが明確に取り上げられたのは、
10年目にして初の出来事である。 - MHFとMHXRはイベントでの紹介のみならず、相互にコラボレーションを行っていた時期もある。
残念ながらプレイヤー層が全く合わず、精力的なコラボは効果が薄いとされ、
MHF側のMHXRコラボは2017年現在では実施されていないが、
MHXRでは現在でもMHF由来の装備などが追加されることがある(モンスターの追加までは至っていない)。
- MHF10周年記念で実施された辻本氏と宮下氏の対談において、
- 今村氏がMHFチームに入るまで(それが明確になる2016年初期まで)は、
MHFから他シリーズタイトルの名前が出てくることは、黎明期を除くとほぼ皆無に近い状況であった。
このため、プレイヤーからは「箝口令が敷かれているのではないか」という噂が立つこともあった。
実際にそれを裏付けるような事件もあった*3が、
現在では前面に出るスタッフが若返りしたこともあってか普通に各タイトルの作品名や、
メインシリーズに独自の(MHFにはない)要素の名前が出るようになっている。
- 黎明期からのスタッフのよもやま話として、
MHFは「カプコン初のオンラインゲーム事業」であったが故に、
サービス開始当初は、そのビジネスモデルについて同社上層部の理解を中々得ることができず、
苦しい思いをしたこともあったという。*4
当時のプロデューサーである杉浦氏が1プロデューサーとしてカプコン社内を堂々と歩けるようになったのは、
本人曰く2011年のフォワード.1あたり、つまりサービス開始から4年ほどの話であるという。
後述するがこのエピソードは、結果的にはプレイヤーのある誤解の裏づけになってしまったと言える。
- ちなみに2017年現在のモンスターハンターシリーズにおけるMHFの位置付けとしては、
カプコンの事業戦略資料によると「コアなファンへの訴求」、
辻本氏曰くは「オンラインゲームとして長く遊んでもらえるコンセプトで作っている」との事。
両者を合わせると「コアなファン向けの、長く遊べるオンラインゲームとしてのモンハン」が、
MHFということなのだろう。
ユーザーからの扱いと変遷
- MHFは上述したように、少なくとも現在では
「オンライン要素に特化した、モンハンの派生作品の一つ」で、
メインシリーズからの要素の導入はそれなりに存在し、ゲーム性も近いが、
「公にはメインシリーズとの関連性は存在せず、ゲーム性についても似て非なるものである」
と多くのファンから認識されているが、当初はそのような認識は乏しかった。
- 最大の理由は「MHFが実質初のモンハン派生作品ゲーム」であることと、
そのMHFが「サービス開始当初はMH2とほぼ同じゲームであった」事にある。
サービス開始時のPVでは、「様々な新要素を備えてPCに登場!」と謳われていた
(当初はMHFはコンシューマー機への展開はしておらず、PC専用タイトルだった)こともあり、
あくまで「PCでのモンハン」と考えるプレイヤーが圧倒的に多かったようである。- 黎明期のインタビューによると、サービス開始当初のアクセス過多によるログイン障害について、
「ソフト*5を買ってきたのに何故モンハンができないのか!?」
「ソフトが動作しない(ログインできない)ので返品したい」などの苦情が殺到したという。
これは他のオンラインゲーム開発を経験していた杉浦氏を含むスタッフにとって予想外の苦情である。
更に、2013年秋に起きたバグの不正利用による処置を行った際に、
「何故前々から告知しなかったのか」という、
公式がユーザーコミュニティを見ている前提で捉えているような声が挙がっていた事*6から、
当時は多くのプレイヤーがMHFを「コンシューマーモンスターハンターの1シリーズ」と認識し、
「完全なオンラインゲーム」であると認識していなかった人が多数であった事がうかがえる。*7
- 黎明期のインタビューによると、サービス開始当初のアクセス過多によるログイン障害について、
- そして少なくともシーズン1.5までは、MHFはMH2の要素にMHP2の要素を追加する、
というスタンスのアップデートが実施されていた
(ティガレックスとアカムトルムは元々MHFには存在せず、その過程で導入されている)。
このため、多くのプレイヤーはMHFをメインシリーズのPC移植版(当時の「Pシリーズ」と同じ概念)
として捉えており、そこにMHP2Gの要素(G級やナルガクルガ、オトモアイルーなど)が追加されていくのだろう、
と見られていたようである。- そのためシーズン2.0の「MHFの独自路線」は(バランスの問題などもあって)
賛否両論真っ二つの反応があり、プレイヤー層も大きく変化するようになった。
結果的に言えばこのアップデートを機に、MHFが派生作品として自立するようになったと言えるが。
- 余談だがこの当時派生作品は全く無かったわけではない。
ただ、その殆どが携帯電話などへの移植作品であり、MHFほどの規模は有していなかった。
ゲーム以外で言えばノベル版やオラージュがあるが、
前者はベースの世界観に多少の独自解釈を加えたものであり概ね受け入れられていたが、
後者は現在の各種派生作品のような独自性の塊であり、その「独自性」に対しての批判も非常に多かった。
- そのためシーズン2.0の「MHFの独自路線」は(バランスの問題などもあって)
- その後MHFが独自路線を本格的に歩みだすまではまだ一定の時間があったのだが、
その間にMHP2Gが発売され爆発的な人気を生んだこともあってモンハンのイベントも数多く行われるようになった。
だが、元々派生作品としてメインシリーズとは別の路線を歩む事が決定していたと思われるMHFは、
そのイベントに全く姿を見せることが無かった。
一方この時点ではMHFプレイヤーの多くが「MHFはメインシリーズの一端である」と見做していたため、
上記の動きが「MHFの評価が低いために起こった、公式公認の除け者扱い」ではないかと噂されるようになった。
「MHFがMH公式から外される=『MHFはモンハンではない』」というネタが2chなどを中心に広まり、
MHFプレイヤーがこれを茶化してメインシリーズを「本家」と呼びだしたのが、
「本家」呼称の発祥とされている。
そしてMH3の発売によってメインシリーズとMHFのUIは大きく異なるようになったのだが、
ちょうどこの時期にMHFで大きな独自要素が幾つか追加されている。
その内の一つ「秘伝書システム」のバランスが非常に悪かったこともあって、
「MHFはモンハン*8ではない」をネタとしてではなく本気で主張するユーザーも現れるようになった。
MHFとMH3は当時2chの板が同じ「ネトゲ実況2」であったこともあり、
MHF以外のユーザーにも「本家」という区分が浸透するようになる。- これらは「本家」と呼ぶことで事で自ら(MHF)を外伝・パラレル扱いするネタ、
もしくは「メインシリーズとは違う」ことを強調する批判であったのだが、
このことからも、当時はMHFもメインシリーズに含まれているはずだと考えるプレイヤーが多かったと言える。
- MHFの独自路線はこの頃から本格的になっていったのだが、
上記の認識を払拭するには至らず、むしろ逆に「メインシリーズとの差」が指摘されるようになった。
それを比較して議論が起こったり、大きな差が生じていることを批判・揶揄(主にMHF側に対して)したり、
或いはMHFにメインシリーズの要素導入を強く希求する動きが起こるようになる。
この動きはMH3発売の6年後となる2015年半ばぐらいまで続いた。
- 上記の「MHFの当初の社内評価」は、
「公式公認の除け者扱い」を裏付けるものと見做されてしまうことになった。
実際にはフォワード.1以降もMHFとメインシリーズのイベントは別個になっており、
この見識は誤りであったと言えるのだが、当時は「他にも公言できない理由がある」などと噂されていた。
ちなみに前述したヒプノックとヴォルガノスの一件についても、
「共同開発だった」という見識が理解されたのは割と近年に入ってからである。
- これらは「本家」と呼ぶことで事で自ら(MHF)を外伝・パラレル扱いするネタ、
- MHF-Gでは遂にMHFにも「G級」が追加されたのだが、
この時点ではまだモンスターも含むMHF独自の要素に対する揶揄や、
MH4が出るというのに未だMH2系UIを使い続けている
(MHF-Gにて、コクピット画面や各種仕様の一部がMH3系UIに近いものになっている)事への批判も多かった。
だがMHF独自武器種が追加されたMHF-GG頃からゲームバランスが落ち着き、
作業性・効率至上が強く現れる状況が一気に改善されたことを契機として上記の声は鳴りを潜めていった。
また、この頃からMHF運営・開発の内情や「MHFらしさ」について具体的に明かすようになったこともあり、
MHFの独自要素について肯定的な声が多く見られ、
メインシリーズとは別のものとして割り切って考えるべきであるという見識が強まることになった。- 一応それまでも覇種など高い評価を得た独自要素はあるにはあったのだが、
「メインシリーズとの比較」という点において、それらは度々論争の種になってしまっていた。
- 一応それまでも覇種など高い評価を得た独自要素はあるにはあったのだが、
- 2015年にはメインシリーズからのモンスターの直接導入、いわゆる遷悠種が実装されているほか、
2016年にはメインシリーズからスラッシュアックスが「スラッシュアックスF」
として生まれ変わって追加されるなど、一部のプレイヤーから「メインシリーズとの急激な接近」
とまで言われるような急展開が起こった。
遷悠種とスラッシュアックスFはいずれもメインシリーズとは似て非なるものでプレイヤーを唸らせたが、
一方で変化があまりつけられなかった(つまりメインシリーズに近い仕様である)
イビルジョーについては不満も多く挙がるなど、
メインシリーズと同一視せず、MHFの独自要素に対する期待が非常に高いことが浮き彫りになった。- 後のインタビューによると、
上記の展開はコンシューマーからMHFに入るプレイヤーの定着率を上げる狙いがあったらしく、
それについては概ね成功したことが明らかになっている。
- 後のインタビューによると、
- また、上記の展開に対し、MHFなのだからMHFオリジナルの要素をもっと前面に出してほしいという声も多く、
MHF-Zではモンスターもハンターもメインシリーズとは一線を画す独自のアクション・仕様が備わったが、
それをメインシリーズと対比させて問題視するような声は殆ど挙がらなくなった。
また、この頃になるとMHF以外の派生作品も精力的に展開されるようになり、
MHF同様、メインシリーズとは大きく異なる設定等が見受けられるようになったことで、
MHFも他の派生作品同様、シリーズの派生作品タイトルの一つであると明確に認識されるようになった。
長い年月を経て、ようやく公式の位置付けとユーザーの認識が合致するようになったと言えるだろう。
- 現在でも「本家」という呼び方は普通に使われているが、
これは単にメインシリーズを指す用語に過ぎず、「MHFはモンハンではない」も、
古参プレイヤーの懐かしネタとしての利用を除けばほぼ死語となっている。
- 前述した「アイスボーン」発売前インタビューにて、
本家作品についての開発者インタビュー内の話題で初めてMHFが取り上げられた。
(前述の通り辻本氏自身は"MHF側の企画"にてMHFについて語っている)
これはMHFが2019年12月を持ってサービス終了が発表された事を受けてのもので、
「ワールド」に同作モンスターの登場はあるのかという話であるが、
ゲームエンジンや前述のコンセプトの違いなどからそのままの形で実装というのは難しいものの、
「アイスボーン」の世界観に合ったモンスターという意味で、
選択肢にまったく入っていないわけではないという見解を示している。
余談
- 黎明期のMHFは、メインシリーズ(MH2系)に極めて近似していたため、
メインシリーズタイトル発売の影響を極端に受けていたことが杉浦氏により語られている。
要するに、新作発売で同時接続数(瞬間的なログインユーザー数)がグッと減ってしまう状況がある一方で、
新作からMHFに入る(上述した「コアなファンへの訴求」が上手く行く)ケースの両方が見られたという。
これは2018年現在最新のメインシリーズであるMHWでも同様で、特にこちらはハードが被ったということもあり、
宮下P曰く「あれだけ売れているので影響がないことはないです」との事。
基本的にユーザー界隈ではネガティヴな部分(要はメインシリーズ発売でMHF側の人が減る)を追求しがちであるが、
上述したゲーム性の違いが明確に固まったことや、
国内のオンラインゲーム業界全体が同時接続数が必ずしも正義ではない運営に変わってきている(参考)事もあり、
MH4G~MHXXでは、同時接続数に関する話題はあまり起こらなかった。
MHWでは目に見えた影響が(久方ぶりに)出たため、話題にはなったようである。- ちなみにPS4版ビギナーズサイトでしか紹介されていないが、MHW(パッケージ版)の購入特典として、
PS4版MHF-Zのハンターライフコース(7日分)や外装解放券が入手できるようになっている。
完全にハードが被ったからこそ可能だったと言えるが、
これも上述した「コアなファンへの訴求」のための誘導の一環と言えるだろう。
- ちなみにPS4版ビギナーズサイトでしか紹介されていないが、MHW(パッケージ版)の購入特典として、
- ちなみに、かつてCOG(カプコンオンラインゲームズ)が提供していたモンスターハンターメゼポルタ開拓記は
MHFの公式外伝作品と位置づけられていた。
簡単に言えば派生作品の派生作品に相当するものであるが、ゲーム業界で言えば別に珍しいものでない。