架空戦車

Last-modified: 2018-08-25 (土) 15:40:20
 

VK6600(H) E-79 (パンツァーフロントシリーズ)

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 日本の戦車ゲーム好きの多くがプレイした経験があるであろう「パンツァーフロント」を代表してE79が登場。デザインは永野護氏である。
 E79はEシリーズ、特にE-10やE-25の車体を意識した形をしており、正面装甲は200mmある。足回りは大戦末期のドイツの実状と作業工程削減のため転輪はパンター、履帯はティーガーⅡの輸送用履帯が使用されている。砲塔はティーガーⅡのポルシェ砲塔を平らにしたような曲面をしており、良好な被弾経始を持つ。主砲は7.5cm/L70、8.8cm/L71、12.8cm/L55の3種が想定され、最終形は12.8cmである。いずれの武装を搭載した場合も車内容積の問題から搭載弾数は同世代のドイツ戦車と比較して少なめである。ちょっと変わった点として、カルダン砲架を採用している点である。カルダン砲架とは射撃時の反動を車体全体で受け止める方式のことである。そのため本車は砲身が後座しない。エンジンは前期型はT-34/76の鹵獲品を流用、後期型はIS-2の物をダイムラー社が改造したそうである。

 

 パンツァーフロントに登場する架空戦車は米独ソ各2種あり、どれもコアな戦車好きがデザインした車両である。その中でも「ありそうな」背景やスペックがこのSteelFuryに混じっていても違和感のない雰囲気を出している。個人的に流線型と傾斜の組み合わさった形が格好良くて好きだけど、これ砲塔の容積がIS-3のそれと同じく深刻なことになっており、モデル作った人によると主砲と同軸機銃が同じスペースに入らないそうな...。元々のデザインの砲塔内部構造はと言うと「※砲塔内はおまかせしまス」の一言...な、永野さーん!

VK6600(H) E-79
搭載機関:ハリコフ機関車工場V-2-34(500hp)ディーゼル または ハリコフ機関車工場V-2-IS改(520hp)ディーゼル
全長:10.465m 全幅:3.71m 全高:2.345m 重量:61.0t 乗員:5名
路上最高速度:35km/h
武装:KwK43 8.8cm/L71×1 または KwK44 12.8cm/L55×1 砲塔正面:200.0mm 車体正面180.0mm

VK6600(H) E-79 bis
搭載機関:ハリコフ機関車工場V-2-IS改(520hp)ディーゼル
全長:10.465m 全幅:3.71m 全高:2.345m 重量:61.0t 乗員:5名
路上最高速度:35km/h
武装:KwK44 12.8cm/L55×1 砲塔正面:200.0mm 車体正面180.0mm


 

Schnell Jagdpanzer SchKll AUREOLE (パンツァーフロントシリーズ)

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Aureole/75
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Aureole/88

架空戦車第2弾としてAureole(オリオール)シリーズが登場。
架空戦車オリオールは天才戦車設計者マリカ・ゼイシュナーによって作られた高速駆逐戦車である。オリオールとは「聖者の顔や全身を取り巻く金色の光」の意。後光的なものだろうか・・・この車両の特徴は何と言ってもその速さである。この時代には極めて珍しいガスタービンエンジンを搭載しており、車体重量35tの割に高い馬力とトルクで、どんな地形でも高速で移動できる。最高時速は80km/hほど出る。
 装甲は前面に集中した配置になっており、正面が130mm、側面、背面が30mm程度である。正面は連合軍の弾をほぼ弾けるが、側面は榴弾すら貫通しかねない。
 主砲はStuK37 7.5cm/L24とPaK43/7 8.8cm/L100の2種類がある。本命は8.8cm/L100であり、主砲性能は申し分ない。しかし、ただでさえ車高が低く狭い車内に、長8.8cmの大きな砲尾が突っ込まれ、さらに砲弾を出来る限り詰め込んだためか、乗員スペースが削りに削られている。砲手に至っては座る座席は無く、うつ伏せになって主砲を操作する設計(ソ連のObj416(フライパン)ですらリクライニングシートだと言いうのに)になっており、図面には、砲手がうつ伏せになる場所にフットレストが書いてある。
 あらゆる戦闘車両に求められる「走・攻・守」を徹底的に追及したような車両であり、駆逐戦車でありながら同世代より頭一つ抜けた性能を持つ。しかし、乗員のスペースが尋常じゃないほど削られており、戦後のソ連戦車が、乗員スペースの削減による疲労で戦闘能力が低下したことを考えると、スペック通りの戦いが出来たかは怪しい点である。

  • ガスタービンエンジンについて
    ガスタービンエンジン自体は、1943年頃に設計が提案され、1944年末ごろには設計完了、試験が行われていた。試験ではエンジンは最高14000回転に達し、1,150HP馬力が出力された。高速で回転するタービンから力を出力するため、エンジンの回転自体がはずみ車の役割も果たし、走破性も高かった。また、大戦後期の厳しい燃料事情の中、灯油などの安い燃料でも動かせる利点もあった。一方で、低出力時はトルクが落ちることや、燃料の消費量がマイバッハの約2倍であり燃料が持ち運べない(稼働時間が短い)ことが欠点であった。
  • ゲーム化に当たって
     性能面はパンツァーフロントにおける性能に近づけることを目標にしつつ、向上したシミュレーターとしてのSteelFuryの機能を使い、リアリティも補完した。目玉のガスタービンエンジンは、実際に開発されていたドイツ製のガスタービンエンジン(GT101)のスペックを参考にしている。上記の通り、高いトルクと馬力を持つが、パンツァーフロントのような高速移動とは違い、地形に左右されない安定した機動性を持つ車両になっている。特に他の車両よりもトルクが非常に高く、坂道でもグイグイ登ることができる。
     主砲については当初、8.8cm/L100を予定していたが、3Dモデラーの方が試しにL100状態で作ってみたところ「どう考えても図面より長すぎておかしい」姿になってしまった。というのも、元々の図面は数値上L100となっているが、実際はL71程の長さで描かれていたのである。数値通りのオリオールの形状では異様なほどアンバランスであったため、実装に当たってはL71が搭載されている。(L71でも十分すぎる程強いしいいよね!)

 

ShortBull (パンツァーフロントシリーズ)

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 架空戦車第3弾は宮武一貴氏デザインの超重戦車ショートブルが登場。アメリカ戦車らしからぬ巨大な車体とT28(T95)を参考にしたダブル履帯が特長。
 装甲は砲塔正面で8inch(203mm)、車体正面で4inch(102mm)の傾斜装甲と厚く、ドイツの8.8cm/L71の通常弾でさえ防ぐことができる。一方、車体側面は3inch(76mm)程度なため、マウスやE100とは違い側面方向の攻撃には弱い。フロントエンジン・フロントトランスミッションの構造で、正面装甲の傾斜が無くなっている車体下部にトランスミッションがあるため、車体正面を貫通されてもトランスミッションとエンジンが破片受けとなり、撃破に至らなかったり、乗員が無傷になるなど原作より耐久力が向上している面がある。しかし、貫通計算のシステムがパンフロとSteelFuryでは違うため、SteelFuryでは砲塔の付け根にショットトラップが生じ、そこが弱点となっている。
 主砲は史実ではT29やT28が搭載していたものと同クラスの105mm/L65・T5E1を搭載している。通常弾であるT32は1000mで200mm弱(90°)の装甲を貫通することができ、高速徹甲弾であるT29E3を使用すれば1000mで250mm程(90°)の装甲を貫通することができる。

  • ゲーム化にあたって
     ショートブルは今まで実装した架空戦車と比べるとビジュアル、性能面ともに設定画詳細ではないため、モデラーの方と話しながら既存の戦車から補完しながら詳細設定を詰めていった。元々T28やT29が参考にされていることもあり、その2車種からパーツを色々取り入れている。
     この車両はエンジン性能についての詳細が無いため、数少ない「排気タービンが付いている」と言う設定を元にしつつ、パンフロのようにショートブルがそこそこ軽快に動くエンジンを探った結果、M103用の試作エンジンのパラメータを参考にしている(1040HP・2800rpm)。
     SteelFury初のダブル履帯については、まさか実装できると思ってなかったので(1942年のハリコフ戦の戦車シムであることをお忘れなく)、難なく実装出来たことが驚きである。(ちゃんと履帯一本一本切れるゲームって初じゃなかろうか・・・)ただ、履帯一本切れると履帯破損扱いになってしまい、AIは行動しなくなる。